成 功 事 例 3 共有土地の交換による納税資金対策 ■所有財産 ■家族関係図 自宅敷地(200㎡)と家屋 20,000万円 貸宅地5件(400㎡) 16,000万円 駐車場(100㎡) 10,000万円 駐車場(100㎡) 10,000万円 金融資産 6,000万円 資産合計 62,000万円 5年前に 他界 C 夫 長女 5年前に夫が亡くなり、夫の不動産を妻C、 長男 長女と長男の3人で相続しました。不動産の 内訳はCの自宅、貸宅地5件と時間貸駐車場2 件です。不動産はすべてCが2分の1、長女と 長男が4分の1の持分で共有しています。 Cが高齢であることから、長女も長男もC の死亡時の相続税のことを心配しています。 Cの金融資産が少ないので、納税資金の確保 が難しいからです。駐車場を売却すれば相続 税の納税ができますが、2物件とも立地がよ 共有のまま売却して納税資金とします。 ❹収益性の高い2つの駐車場を子がそれぞれ単独所 有することで、将来の相続問題の解決になります。 また、収益源の駐車場のC持分を子の持分にする ことにより、駐車場収入がCから子に移転しますの で、Cの相続財産増加の歯止めにもなります。 以上のように共有で相続した不動産について は、 「固定資産の交換の特例」 (p.14参照)を活用す く収益性が高いので、できれば売らずに残し ることにより、所有関係を整理し物件の収益性を ておきたいと考えています。これに対して貸 高めることができます。なお、今回のように親族 宅地は夫の生前からの借地人が多く、利回り 間の等価交換について「固定資産の交換の特例」の が低いので、取扱いに困っている状況です。 適用を受ける場合には、交換資産の時価の算定が 重要になります。したがって、交換する土地の時 価につき不動産鑑定士による鑑定を行い、時価の 対策のポイント 自宅と収益性の高い物件は残し、利回りの悪い 算定根拠を明確にして交換することが大切です。 <自宅敷地> Cの分 貸宅地は納税のための売却用地とします。具体的 長男分 には次の方針により、所有不動産の所有関係の整 長女分 理と売却を行います。 ❶自宅はCの単独所有と し ま す。 「固定資産の交 換の特例」 (p.14参照) を活用して、3人の持分 Cと長女 の交換 を交換し、自宅をCの単独所有にします。 Cの持ち分 1/2 長女の 持ち分 1/4 長男の 持ち分 1/4 Cと長男 の交換 長男と 長女 の交換 ❷収益性の高い貸駐車場は、子2人の単独所有と します。駐車場は子2人がそれぞれ単独で所有 します。そのために「固定資産の交換の特 例」を活用して、3人の持分を交換します。 ❸収益性の低い貸宅地のうち、売却できるものは <駐車場①> <駐車場②>
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