キャリアアップ助成金が変わります ~パート タイマーの所定労働時間を延長し社会保険適用とした場合の助成を増額~ 厚生労働省は平成2 8 年4月からキャリアアップ助成金の助成内容を変更した。 キャリアアップ助成金は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用労働者の 企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、人材育成、処遇改善の取組を実施した事業主に 対して助成する制度である。 助成金は、2 0 1 6 年4月に、それまで6コースに分かれていたものを整理・統合するなどし、3コース に再編成された。その中の処遇改善コースにおいて「中小企業が短時間労働者の週所定労働時間を2 5 時 間未満から3 0 時間以上に延長した場合」の助成金額が倍増され、一人当たり2 0 万円(中小企業以外は1 5 万円)を助成することとなった。(1年度1事業所当たり1 0 人が上限) 今回の助成金額の倍増は、2 0 1 6 年1 0 月から実施される社会保険の適用拡大(適用要件:週所定労働時 間20時間以上、月額賃金8. 8万円以上、勤務期間1年以上見込み、従業員501人以上の企業)などを踏ま え、短時間労働者について、賃金を引き上げ、その希望に応じて所定労働時間を増やすことにより、被 用者保険(厚生年金保険・健康保険)の適用を受けられるようにするなど、より正規雇用労働者に近い 働き方が可能となる制度を整備することを目的としている。 企業には短時間労働者への社会保険の適用拡大により、労働者と折半で負担する社会保険料の負担が 増えるが、この助成金を活用することで負担の軽減が図られるため、積極的な活用を促したい。 【今回のキャリアアップ助成金の処遇改善コースの変更点】 週所定労働時間を2 5 時間未満から3 0 時間以上に延長し社会保険を適用した場合 変 更 前 変 更 後 一人当たり1 0 万円(7 . 5 万円) 一人当たり2 0 万円(1 5 万円) ※( )内は中小企業以外 【社会保険適用拡大による新たな保険料のシミュレーション①】 社会保険適用拡大の4要件を満たした短時間労働者1名につき新たに負担となる社会保険料(企業・労働者双方) ① 健康保険(協会けんぽ)… 4 . 9 8 5 % ② 厚生年金保険 … 8 . 9 1 4 % ③ 介護保険(4 0 歳以上)… 5 . 7 7 5 %(健康保険と合算) ①~③の保険料計 … 1 3 . 8 9 9 %(4 0 歳未満)、1 4 . 6 8 9 %(4 0 歳以上) ④ 8 . 8 万円以上で社保適用となった場合の標準報酬月額8 . 8 万円(9 . 3 万円までは8 . 8 万円) ⑤ 一人当たりの新規社会保険料 ・4 0 歳未満…8 . 8 万円 ×1 3 . 8 9 9 %=1 . 2 2 万円(月間)×1 2カ月=1 4 . 6 4 万円(年間) ・4 0 歳以上…8 . 8 万円 ×1 4 . 6 8 9 %=1 . 2 9 万円(月間)×1 2カ月=1 5 . 4 8 万円(年間) ※雇用保険は週20時間以上・31日以上の雇用見込は加入済み、労災保険は事業主負担で加入済みのため算入せず。 ※東京都の一般被保険者・標準報酬月額が8 . 8 万円の場合 ※社会保険料の料率は年度、都道府県、企業により異なるため、上記を参考に各企業において試算することを勧める。 ― 1― ▷㛫ປാ⪅䛾ᑵᴗಁ㐍䛾䜲䝯䞊䝆 䐟㈤㔠ᘬୖ䛢䠄䠏䠂䠅 䠇 ປാ㛫ᘏ㛗䠄䠑㛫䠅 䛻䜘䜚⿕⏝⪅ಖ㝤㐺⏝ 䠄▷㛫ປാ⪅䠅 䠄䠅 ⤥1,000䚸 㐌20㛫 䛷ാ䛟▷㛫ປാ⪅ 䐠ປാ㛫ᘏ㛗䠄䠑㛫䠅 䛻䜘䜚⿕⏝⪅ಖ㝤㐺⏝ 䠄ᖺ104䠅 䐡㈤㔠ᘬୖ䛢䠄䠏䠂䠅 䠇 ປാ㛫ᘏ㛗䠄䠐㛫䠅 䛻䜘䜚⿕⏝⪅ಖ㝤㐺⏝ љ 䠘ᡭྲྀ䜚䠚 䠍䠌䠐 䠘⿕⏝⪅ಖ㝤㐺⏝䠚 䛺䛧䠄ᇶ♏ᖺ㔠䛾䜏䠅 ͤ➨㸱ྕ⿕ಖ㝤⪅ࡢࢣ࣮ࢫ ͤᡭྲྀࡾࡣᖺ㔠ಖ㝤ᩱ་⒪ಖ㝤ᩱ ࡢ᥍㝖ᚋࡢ㔠㢠࡛ࠊ⛯ᘬࡁ๓ࠋ 䐢㈤㔠ᘬୖ䛢䠄䠑䠂䠅 䠇 ປാ㛫ᘏ㛗䠄䠏㛫䠅 䛻䜘䜚⿕⏝⪅ಖ㝤㐺⏝ (ᴗ䜈䛾ຓᡂ) 䐟⤥1,030䚸㐌25㛫 䛷ാ䛟▷㛫ປാ⪅䠄ᖺ133.9䠅 љ ♫ಖ㝤ᩱ19.4 䠘ᡭྲྀ䜚䠚䠍䠍䠐䠊䠑 䠘⿕⏝⪅ಖ㝤㐺⏝䠚䛒䜚(ᇶ♏䠇ሗ㓘ẚᖺ㔠) ຓᡂ㢠22 䐠⤥1,000䚸㐌25㛫 䛷ാ䛟▷㛫ປാ⪅䠄ᖺ130䠅 љ♫ಖ㝤ᩱ19.4 䠘ᡭྲྀ䜚䠚䠍䠍䠌䠊䠒 䠘⿕⏝⪅ಖ㝤㐺⏝䠚䛒䜚(ᇶ♏䠇ሗ㓘ẚᖺ㔠) ຓᡂ㢠20 䐡⤥1,030䚸㐌24㛫 䛷ാ䛟▷㛫ປാ⪅䠄ᖺ128.5䠅 љ♫ಖ㝤ᩱ19.4 䠘ᡭྲྀ䜚䠚䠍䠌䠕䠊䠍 䠘⿕⏝⪅ಖ㝤㐺⏝䠚䛒䜚(ᇶ♏䠇ሗ㓘ẚᖺ㔠) ຓᡂ㢠18 䐢⤥1,050䚸㐌23㛫 䛷ാ䛟▷㛫ປാ⪅䠄ᖺ125.6䠅 љ♫ಖ㝤ᩱ18.4 䠘ᡭྲྀ䜚䠚䠍䠌䠓䠊䠎 䠘⿕⏝⪅ಖ㝤㐺⏝䠚䛒䜚(ᇶ♏䠇ሗ㓘ẚᖺ㔠) ຓᡂ㢠16 資料出所:平成2 7 年第2 1 回経済財政諮問会議(平成2 7 年1 2 月4日開催) 【その他のキャリアアップ助成金の処遇改善コースの変更点】 ① すべてまたは一部の有期契約労働者等の基本給賃金テーブルを改定し2%以上増額させた場合 変 更 前 変 更 後 ①すべての賃金テーブル改定: 1人当たり3万円(2万円) ②雇用形態別、職種別等の賃金 テーブル改定:1人当たり1 . 5 万円(1万円) ※「職務評価」の手法の活用に より実施した場合、1事業所 当たり2 0 万円(1 5 万円)加算 ①賃金テーブル改定:すべての賃金テーブル改定: 対象労働者数が1~3人:1 0 万円(7 . 5 万円) 、4~ 6人:2 0 万円(1 5 万円)、7~1 0 人:3 0 万円(2 0 万 円)、1 1 ~1 0 0 人:3万円(2万円)× 人数 ②雇用形態別、職種別等の賃金テーブル改定:対象 労働者数が1~3人:5万円(3. 5万円)、4~6 人:1 0 万円(7 . 5 万円) 、7~1 0 人:1 5 万円(1 0 万円) 、 1 1 ~1 0 0 人:1 . 5 万円(1万円)× 人数 ※「職務評価」の手法の活用により実施した場合、 1事業所当たり2 0 万円(1 5 万円)加算 ② 正規雇用労働者との共通の 処遇制度を導入・適用した場合 変 更 前 変 更 後 有期契約労働者等を対象とする 「法定外の健康診断制度」を 新 たに規定し、4人以上実施した 場合:1事業所当たり4 0 万円(3 0 万円) ①共通処遇推進制度・法定外の健康診断制度を新た に規定し4人以上実施:1事業所当たり4 0 万円(3 0 万円) ②共通の賃金テーブルの導入・適用:1事業所当た り6 0 万円(4 5 万円) ※( )内は中小企業以外 (政策・労働条件局 瀬戸) ― 2―
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