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コミュニティ参画および発展
企業市民活動マネジメント
保健医療アクセスへの取り組み
保健医療分野にフォーカス
IDEEL※プログラム
タケダは、社会的課題の解決のために実施するさま
タケダは、国際 NGOプロジェクト・ホープと連携し、
ざまな支援活動を「企業市民活動」と位置付けてお
2013年6月からインドで実施されている「IDEELプロ
り、
「 企業市民活動に関する基本ポリシー」を制定し、
グラム」を他国へ導入する活動を支援していきます。
グループ全体で共有しています。活動領域を「保健医
「 IDEELプログラム」とは、途上国の医療従事者に向け
療」分野にフォーカスすることで、
「くすりづくり」の知
て、糖尿病に関するe ラーニングを行うものです。途上
見を活かした活動を実践しています。
国においては、
「感染症疾患(CDs)
」
と同様に、糖尿病や
高血圧、癌などの「非感染症疾患(NCDs)
」
も深刻さを
増しており、
国連や国際製薬団体連合会(IFPMA)
は、
製
薬会社に対して、感染症疾患に加えて非感染症疾患の
「企業価値保全」に向けて
予防と管理に取り組むことへの期待を表明しています。
タケダ・イニシアティブ
※IDEEL:International Diabetes Education E-Learning Program
タケダは、長期的・継続的な視点に立って、途上国の人々の保健医療
アクセスを高める活動を支援しています。
「世界エイズ・結核・マラリア
グローバルヘルス技術振興基金
対策基金(世界基金)」を通じてアフリカ3ヵ国の保健医療人材の育成
タケダは、2013 年 4月に、一般社団法人「グローバ
を支援する寄付プログラム「タケダ・イニシアティブ」は、2010年から
ルヘルス技術振興基金( GHIT Fund )」に参画しまし
10年間にわたって継続します。例えばナイジェリアでは、タケダ・イニ
た。GHIT Fund は、途上国の感染症に対する新薬創
シアティブの資金を充当した人材育成支援プログラムにより、2012
出の促進を目的として、日本国政府、タケダを含む製
年に11,000人以上の教師が研修を受け、120万人以上の生徒が研
薬会社 5 社、ビル&メリンダ・ゲイツ財団によって設立
修を終えた教師からエイズ教育を受けました。このような取り組みに
された、日本初の官民パートナーシップです。タケダ
より、ナイジェリアの若者のHIV陽性率は減少傾向にあります。
は、GHIT Fundを通じて、基礎研究と臨床開発をつな
10
アフリカの保健医療支援プログラム
「タケダ・イニシアティブ」継続期間
年間
ぐ橋渡しの役割を果たしていきます。
東日本大震災による被災地への支援
タケダは、東日本大震災直後から、医薬品や寄付
金の拠出、ボランティアを希望する従業員のサポー
ト、被災地の特産品を社内で販売する「労使共催・復
興支援企業内マルシェ」など、継続した復興支援活
動に取り組んでいます。また、アリナミン類の収益の
一部を積み立て、年間約 8 億円を3 年にわたって拠出
するプロジェクト「日本を元気に・復興支援」は、現在
の支援活動の中心となっており、2011 年 4 月から実
施しています。
タケダの東日本大震災への取り組みの詳細は、
ホームページでご紹介しています。
http://www.takeda.co.jp/earthquake/
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Takeda Annual Report 2013
タケダ-Plan保健医療アクセス・プログラム
Future Outlook
タケダは、公益財団法人プラン・ジャパンとパートナー
今後の課題と取り組み
シップを結び、2009 年に「タケダ -Plan 保健医療アクセ
2011年9月、国際連合とIFPMAは、世界の製薬企業
ス・プログラム」を立ち上げました。中国、インドネシア、
に対して、途上国における「非感染症疾患( NCDs )」分
フィリピン、タイにおいて、子どもたちの保健医療アクセ
野での予防と管理への取り組みに対する期待を表明し
スを支援する取り組みを推進しており、下記のようなさま
プラン・ジャパンは、世界 70ヵ
国で活動している、国連に公認・
登録された国際NGOプランの
一員です。
12 9
億
ること、ナイコメッド社の統合により途上国コミュニティ
するだけでなく、プロジェクトの現場を訪問し、プロジェク
千万人
貧困基準である
1日1.25ドル以下で
生活する人の数
(2008年)
ました。NCDsが、
タケダの事業領域と大きく重なってい
ざまな成果を上げています。タケダでは、寄付金を提供
へのアウトリーチが可能になったことなどから、
タケダは
トの質の改善に向け
「IDEELプログラム」をはじめとするNCDsおよび途上国
たステークホルダー・
を対象とした企業市民活動を進めています。また、BSR
ダイアログなども実
「保健医療アクセス指導原則(GPAH)」への支持も表明
施しています。
し、本原則に基づく活動の検討も進めていきます。今後
もビジネスと企業市民活動の両面を視野に入れたホリ
スティックな活動を通じて、
コミュニティの発展に尽くし
インドネシアにおける活動
たいと考えています。
写真提供:プラン・ジャパン
出典:世界銀行
参照
P.19 研究開発 マネジメント・メッセージ
P.26 ワクチン事業
P.53 Access to Healthcare
活動の詳細は、
「 CSR データブック」に掲載しています。
http://www.takeda.co.jp/csr/reports/
「タケダ-Plan 保健医療アクセス・プログラム」の進捗状況( 2009 年 7 月∼2012 年 6 月)
実施国/概要
インプット
アウトプット
インドネシア
760万円
• 住民ファシリテーターの育成トレーニン
グ
(対象:36村、156人)
• 導 入ワークショップの 実 施( 15 村 、約
750人)
屋外での排泄禁止促進
MDGs への対応
目標 4 、目標 7
中国
760万円
子どもたちの栄養改善
MDGs への対応
目標 1 、目標 2
フィリピン
アウトカム
• 生徒、教師用の栄養に関する小冊子の支
給(12,300冊)
• 食材供給(対象4校、生徒のべ約5,900
HIV/AIDS感染拡大予防
MDGs への対応
目標 6
外排泄ゼロ宣言
• 保健所の下痢患者数が約90%減少
• 自費でのトイレ建設(2,087世帯)
• お菓子を購入する際、
「 以前よりも栄養
について考えながら選ぶようになった」
という子どもが全体の約65%に達した。
• 県知事をはじめとする県政府、郡政府、保
健省、保健所、村長をはじめとする村政府、
村の CLTS ※チーム、政府主導の衛生改善
プログラムチームとの連携ができた。
※CLTS:コミュニティ主導型衛生管理
• 3 年目の第 4 四半期より、中央政府が学校
への食材供給を開始した。
人)
760万円
• 診察、治療、入院、手術(78人)
• 医療補助器具の支給(28人)
• 学内で病気の子どものための寄付活動
が自発的に始まった。
器具に対する料金割引が行われた。
660万円
• 正規授業、または課外授業のカリキュラ
ムで包括的性教育を受けた生徒、教師、
保護者の人数合計( 16 校、のべ 8,420
人)
• 包括的性教育を学内に普及させるため
の生徒代表グループの立ち上げ( 1 校、
80人)
• 町と村レベルの医療支援に関する予算決
議案が提出された。
• 一部の医師による診察および医療補助
MDGs への対応
目標 2 、目標 8
若年層の
• 15村のうち、11村が実施1年以内に屋
• 子ども委員会主導による作文コンテスト
3,400人)
を通じた意識啓発活動(3校、
子どもたちへの医療支援
タイ
インパクト
• 村議会が、村から病院への子どもの搬送
費や、親や親戚の病院への交通費の一部
支援を決定した。
• 生徒、教師、学校長、教育省、地域住民に
• 病 院 関 係 者や H I V 感 染 者グ ル ープとの
より、タブー視されていた性に関する話
題への抵抗感が下がり、若年層の妊娠
や中絶、HIV/エイズを含む性感染症の
危 険 や 正しい 性 に 関 する授 業 をカリ
キュラムの一部として実施できるように
なった。
ネットワークが 強 化 され 、ステ ークホ ル
ダーとの関係強化に基づく持続的な実施
体制が構築できた。
• 地域への意識啓発活動を通じて、生徒を
はじめとする学校関係者以外への知識普
及が進んだ。
• 学内で、生徒の相談室が自発的に設置
されるようになった。
第三者保証の対象となる記載
参照
P.126 社会パフォーマンス指標に関する第三者保証
Takeda Annual Report 2013
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