2010 年 10 月 13 日 各 位 宇部興産株式会社 アドバンスト・ソフトマテリアルズ株 式 会 社 包 括 的 提 携 に関 するお知 らせ 宇 部 興 産 株 式 会 社 （本 社 ：山 口 県 宇 部 市 代 表 取 締 役 社 長 ：竹 下 道 夫 ）とアドバンスト・ソフトマテリア ルズ株 式 会 社 （ 本 社 ： 東 京 都 文 京 区 代 表 取 締 役 社 長 ： 原 豊 。 略 称 「 ＡＳ Ｍ社 」 ） と は超 分 子 ポリロ タキ サン（以 下 、「ＰＲ」）を原 料 とした革 新 的 な高 分 子 材 料 『SLIDE-RING MATERIAL®』（スライドリング マテ リア ル、以 下 「 Ｓ ＲＭ」） の事 業 化 を 促 進 する た めのマーケテ ィン グ並 びにＳ ＲＭ製 品 の 企 画 ・ 開 発 を含 む 包 括 的 な提 携 に合 意 致 し ました。 宇 部 興 産 の機 能 品 ・ファインカンパニーファインケミカルビジネスユニットとＡＳＭ社 は、2007 年 からＰＲ の量 産 化 に関 する共 同 研 究 等 を行 っております。更 に今 回 の包 括 提 携 により以 下 を含 む幅 広 い活 動 を 協 力 して実 施 することで、ＳＲＭの事 業 化 を加 速 します。 ・ ＳＲＭの量 産 製 法 の開 発 ・ ＳＲＭの生 産 ・供 給 ・ グローバルな販 売 ・開 発 拠 点 を活 かした、ＳＲＭの新 規 用 途 や新 規 顧 客 の開 拓 ・ 国 内 外 の関 連 業 界 の展 示 会 でのＳＲＭの紹 介 と潜 在 ニーズの探 索 ・ 各 種 応 用 製 品 の企 画 ・開 発 とそれに必 要 なＳＲＭの改 良 ・ ＳＲＭを宇 部 興 産 グループの製 品 に応 用 、配 合 等 することによる新 製 品 ・新 グレードの開 発 宇 部 興 産 は 有 機 合 成 や 高 分 子 設 計 の 技 術 プ ラ ッ トフ ォ ー ム を 基 礎 と し て 、 電 子 情 報 機 器 や 自 動 車 等 の成 長 分 野 に 多 様 な 先 端 材 料 を 開 発 、 供 給 し ています。今 後 はそ の販 路 や技 術 開 発 力 を 活 用 する ことで、ユニークな高 分 子 材 料 ＳＲＭの早 期 実 用 化 に貢 献 します。 なお宇 部 興 産 とＡＳＭ社 は両 社 の包 括 提 携 の条 件 等 、内 容 詳 細 は公 表 致 しません。 ●宇 部 興 産 常 務 執 行 役 員 機 能 品 ・ファインカンパニープレジデント 渡 邊 史 信 のコメント 当 社 は縁 あって SRM というユニークな構 造 ・物 性 を持 つ材 料 と出 会 い、以 来 ＡＳＭ社 によるその事 業 化 に製 法 開 発 、量 産 化 検 討 等 で協 力 して参 りました。今 回 の包 括 的 提 携 により同 社 とは更 に強 固 な関 係 を築 き、SRM 製 品 のマーケティングや市 場 開 発 、応 用 製 品 開 発 においても貢 献 していきたいと考 えて います。両 社 の力 を合 せてより多 くのお客 様 のニーズに応 えることで早 期 の本 格 事 業 化 を目 指 す所 存 で す。 ●ＡＳＭ社 代 表 取 締 役 社 長 原 豊 のコメント 弊 社 は2005年 設 立 以 来 、超 分 子 ポリロタキサンを原 料 とした高 分 子 材 料 ＳＲＭの応 用 製 品 の開 発 ・ 事 業 化 を推 進 して参 りましたが、一 番 の難 関 はＳＲＭの原 料 であるポリロタキサンの量 産 化 とコストダウ ンでした。 この面 で宇 部 興 産 は強 力 なパートナーのひとつとして、共 同 で一 定 の成 果 を上 げることがで きました。 今 後 はこの包 括 的 提 携 によって、より広 い分 野 でＰＲ及 びＳＲＭ製 品 を国 内 外 の多 くの企 業 に提 供 して参 りたいと考 えております。 ・『SLIDE-RING MATERIAL®』はアドバンスト・ソフトマテリアルズ株 式 会 社 の登 録 商 標 です。 【参 考 】 ■革 新 的 な高 分 子 材 料 『SLIDE-RING MATERIAL®』（スライドリング マテリアル） ひも状 の巨 大 分 子 である高 分 子 は、繊 維 、衣 料 品 、プラスチックやゴム、生 活 用 品 や食 品 など我 々の 身 の回 りで頻 繁 に使 われている材 料 です。この高 分 子 材 料 の特 性 を変 える代 表 的 な方 法 として、ひも 状 の高 分 子 を化 学 的 に結 合 （架 橋 ）し、ネットワークを形 成 することがよく行 われています。高 分 子 の架 橋 は、古 くは1839年 のグッドイヤーによる架 橋 ゴム（タイヤへと発 展 ）に端 を発 し、現 在 まで盛 んに利 用 さ れてきました。 2000年 に、東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科 伊 藤 耕 三 研 究 室 では、高 分 子 （ポリエチレングリコール）と環 状 分 子 （シクロデキストリン）から構 成 される、すかすかのネックレス状 分 子 （ポリロタキサン）を作 製 し環 状 分 子 同 士 を架 橋 することによっ て、図 １のように架 橋 した部 分 が自 由 に動 く超 分 子 ネットワークＳ ＲＭを世 界 で初 めて合 成 することに成 功 しました。本 構 造 の基 本 特 許 は、東 京 大 学 TLOを通 じて出 願 され日 本 ・アメリカ・中 国 ・イ ギリス・ドイツ・フランス・イタリア及 びカナダですでに成 立 していま す。 Ｓ Ｒ Ｍは 、そ の 高 伸 縮 性 、 耐 傷 性 、 生 体 適 合 性 等 の 特 長 に よ り 塗 料 やファ イ ン ケ ミ カル ・ 各 種 工 業 製 品 ・ 医 療 製 品 な どへ の 用 途 展 開 が期 待 され、具 体 的 な採 用 例 （注 １）も出 ています。 図 １．ＳＲＭの模 式 図 ■ 高 分 子 材 料 の力 学 特 性 を変 えた“動 く架 橋 点 ” 架 橋 点 が自 由 に動 けると、高 分 子 材 料 の力 学 特 性 は 実 に大 きく変 わります。 図 ２に模 式 的 に示 したように、従 来 の高 分 子 材 料 では 架 橋 点 が固 定 されているために、外 部 からの張 力 が最 も 短 い高 分 子 に集 中 して順 々に切 断 され、容 易 に破 断 する ことになりました（応 力 集 中 ）。これに対 して、ＳＲＭでは、 高 分 子 は架 橋 点 を自 由 に通 り抜 けることができるため、 張 力 を分 散 し均 一 に保 つことができます（応 力 分 散 ）。架 橋 点 の分 子 が滑 車 のように振 舞 うことから、この協 調 効 果 を滑 車 効 果 と名 付 けました。なお、この効 果 は、ＳＲＭと 他 の材 料 との組 み合 わせでも発 現 します。 図 ２．通 常 の架 橋 とＳＲＭの架 橋 の比 較 （ 注 １） 例 え ばＳ Ｒ Ｍ を 配 合 し た 耐 傷 性 塗 料 （ ASM 、 東 京 大 学 、 日 産 自 動 車 の 共 同 開 発 品 ） が 今 年 １ 月 発 売 の NEC 社 製 の携 帯 電 話 に採 用 されるなど、着 実 に実 績 を積 んでいます。 ＜宇 部 興 産 について＞ 宇 部 興 産 は 1942 年 に設 立 （創 業 は 1897 年 ）し、現 在 では「化 成 品 ・樹 脂 」「機 能 品 ・ファイン」「医 薬 」 「建 設 資 材 」「機 械 ・金 属 成 形 」「エネルギー・環 境 」の 6 事 業 を展 開 しています。 「 機 能 品 ・ ファイン 」 では、 耐 熱 樹 脂 のポリ イミド 、 リ チ ウムイ オン 二 次 電 池 材 料 、ファイン ケミ カルや 航 空 宇 宙 材 料 など最 先 端 の事 業 をグローバルな市 場 で拡 大 しています。 社 名： 宇 部 興 産 株 式 会 社 代 表 者： 代 表 取 締 役 社 長 竹 下 道 夫 所 在 地： 〒105-8449 東 京 都 港 区 芝 浦 1-2-1 ｼｰﾊﾞﾝｽ N 館 Ｕ Ｒ Ｌ： http://www.ube.jp/ 設 立： 1942 年 3 月 ＜ＡＳＭ社 について＞ ＡＳＭ社 はＳＲＭの事 業 化 を目 的 として 2005 年 に設 立 され、東 京 大 学 及 び東 京 大 学 ＴＬＯからＳＲＭの 包 括 的 基 本 特 許 の専 用 実 施 権 を得 て製 品 設 計 、市 場 開 発 、製 法 開 発 を進 めています。 社 名： アドバンスト・ソフトマテリアルズ株 式 会 社 代 表 者： 代 表 取 締 役 社 長 原 豊 所 在 地： 〒113-0033 東 京 都 文 京 区 本 郷 7-3-1 東 京 大 学 ｱﾝﾄﾚﾌﾟﾚﾅｰﾌﾟﾗｻﾞ 301 Ｕ Ｒ Ｌ： http://www.asmi.jp/ 設 立： 2005 年 3 月 以上 【お問 い合 わせ先 】 ● 宇 部 興 産 株 式 会 社 経 営 管 理 室 ＩＲ広 報 部 （電 話 ：03-5419-6110） ● アドバンスト・ソフトマテリアルズ株 式 会 社 社 長 室 （電 話 ：03-5842-2300）
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