医療百科2 日々の暮しとメンタルヘルス(2)[545KB]

日通健保はみなさまの心の健康度アップを支援します!
!
とが、メンタルヘル
スのうえで大切であ
る。
PROFILE
シニア産業カウンセラー
決めた時刻に起床
し、食事し、就寝し
て暮らしのリズムを
つくれば、体調は良
くなり、健康的にな
り、活性化する。
心が明るくなり、日々の暮らしが楽しくなり、人間
関係が前向きになり、能率や成果が上がり、仕事が楽
しくなる。
青木 羊耳
(あおきようじ)
1931年生れ
横浜市中区在住
1955年 東 京 大 学 卒 業、農 林 中
央金庫に就職して31年
間勤務
1986年 55歳で退職して講師業をスタートさせる
1996年 労働大臣認定 中級産業カウンセラー試験に合格
1997年から2000年まで (社)日本産業カウンセラー協会常
務理事
現 在 産業カウンセラーの養成に当るとともに、 キャリア
開発 や こころの健康 をテーマに、主として勤労者
向けの講演・研修・執筆活動を行う
好きなことを気晴らしに
著書として
身体を休める「休息」は誰も似たり寄ったりだが、
心を休める「気晴らし」は人それぞれである。
ゴルフが上手な人はゴルフが「気晴らし」だが、嫌
いな人には「気晴らし」にならない。旅行でも、ハイ
キングでも、レストランの食事でも、自分に合わなけ
ればメンタルヘルス効果がない。
・定年から始める講師業読本「シルバー講師の泣き笑い」
(文
芸社)
・定年から始める産業カウンセリング学習「好かれるシニアは
きき上手」
(朱鳥社)
・定年テイクオフ「ときめきシニアの人生本番学」
(新風舎)
・シニア産業カウンセラーからの提案「生涯現役キャリア作
戦」
(朱鳥社)
・反骨と迷悟の跡をたどる「良寛の愛」
(孝古堂)、がある。
それとは別に、いつでも思い立ったとき自宅近辺で、
趣味 仏像彫刻
手軽にお金をかけない「気晴らし」が重要である。趣
味でも、運動でも、歴史などの勉強でも好い、自分が
「いい加減」のすすめ
好きな「気晴らし」の対象と方法を見付けておこう。
間違ったストレス解消法
ストレスに弱く、メンタルヘルスを崩しやすい人は、
人目を気にし体裁にこだわり、苦しくても弱音が吐け
飲酒・喫煙・無駄遣い・やけ食いがストレス解消だ
ない「承認欲求」と、几帳面で、何でも白黒ハッキリ
という人がいる。たしなむ程度のお酒なら妙薬だが、
「今
させたがり、自分がやらねば気がすまない「完璧主義」
日だけは酒は飲むまいと思っても、つい飲んでしまう」
の人である。
という人は、すでにアルコール依存症(久里浜式KAST
職場社会は、希望どおりの「承認欲求」が満たされ
=アルコール症スクリーニングテスト)がすすんでい
るほど甘くないし、「完璧主義」といっても、世のなか
る証拠だから、休肝日を増やそう。
は曖昧だからこそ折り合いがついている。そのことが
喫煙習慣は「ニコチン依存症」である。ストレス解
消どころか、イライラ、落ち着かないといった「ニコ
むし
チン離脱症状」を一時的に抑えるだけ。身体を蝕むば
我慢ならず、イライラして体調を崩していてはキリが
ない。
現実を見つめ直し、自分は自分、他人は他人と、自
かりで、「健全な精神は健全な身体に宿る」に反する。
律に目覚め、世の中の曖昧さを受け入れる、生きる姿
禁煙するに越したことはない。
勢が求められる。とことん詰めた仕事や家事ばかりで
無駄遣い・やけ食いは、一時のストレス解消にはな
なく、「良い加減」の処で引き返したり、考えるのをや
るが長続きしない。財布にも身体にも良くないから奨
めたり、折り合いをつける暮らしの知恵を身につけよ
められない。
う。
すす
青木先生の連載は今回で終了します。ご愛読ありがとうございました。
15