Moody`s Global Corporate Finance

www.moodys.co.jp
Moody’s Global
጗͛ཆᗕ
Corporate Finance
2010 ౫ 9 ሰ 30 ᅠ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
1
概要
格付け対象について
2
業界の概要と格付け上の重要な要因
4
本格付け手法について
5
主なアウトライヤーについての考察:
格付け手法による推定格付けとサブ要因の
格付け
7
主な定量的格付け要因
9
21
22
ȻɻɇȷɐӞ
ኇ̸
谷本 伸介
⾹ቊᄙǺ೟᧸ǨȚ጗͛ɏʀɇǾƸ2007 ౫ 12 ሰᥰࢀǽȑǽǶǑȚƹ
᏶┶
ムーデ ィ ーズは 17 社の自動車 メ ーカーに格付け を付与 し てお り 、 その格
付け対象の債務お よ び ク レ ジ ッ ト フ ァ シ リ テ ィ ーの総額は約 1,200 億 ド ル
であ る。 こ れに加え、 ムーデ ィ ーズは 12 社の自動車フ ァ イ ナン ス子会社
に格付け を付与 し てお り 、 その格付け対象の債務お よ び ク レ ジ ッ ト フ ァ シ
リ テ ィ ーの総額は約 3,250 億 ド ルにのぼ る。
本格付け手法の主な目的は、 発行体、 投資家、 お よ びその他の市場参加者
に、自動車業界の企業の信用 リ ス ク を ムーデ ィ ーズが ど う 評価する かを ご
理解いただ く 一助 と な る も のを提供 し 、 ま た主要な要因が ど う ウ エ イ ト 付
け さ れ、 個々の格付けにマ ッ ピ ン グ さ れ る か を説明する こ と にあ る 。 本稿
をお読みいただければ、 格付け上の主な考慮事項や財務指標を理解 し 、 2
ノ ッ チ以内の誤差で企業の コーポ レー ト ・ フ ァ ミ リ ー ・ レーテ ィ ン グ を推
定す る こ と がで き る。
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
付録 A:格付け要因のマッピング表
付録 B:マッピング結果
Global Automobile Manufacturer Industry
Y
ᬶᓎ
03-5408-4100
03.5408.4027
SVP- チーム リ ーダー
[email protected]
ムーデ ィ ーズの分析では、世界の自動車業界に対する 格付け を付与する 際
に、 個々に、 あ る いは複合的にみて重要 と な る 次の フ ァ ン ダ メ ン タ ルな格
付け要因に重点を置 く 。
„
市場シ ェ ア と 製品ポー ト フ ォ リ オの強 さ
„
レバレ ッ ジ と 流動性
„
収益性 と 利益率
„
キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー と 債務履行能力
„
フ ァ イ ナン ス子会社のオペレーシ ョ ン
こ れ ら の 5 つの フ ァ ン ダ メ ン タ ルな格付け要因を、 その評価に用い る 指標
(サブ要因) と 併せて詳 し く 説明する 。 ムーデ ィ ーズは、 合計で 13 のサブ
要因指標を用いて、5 つの フ ァ ン ダ メ ン タ ルな格付け要因を定義 し てい る。
ま た、主要な格付け要因の格付けへのマ ッ ピ ン グ を説明 し た詳細な格付け
マ ッ ピ ン グ表 と 、各サブ要因についての各社の評価を示すマ ッ ピ ン グ表 も
掲載 し た。 多数の指標やサブ要因を用い る が、 企業は全ての要因について
最終的な格付け と 同水準 と 評価 さ れ る必要があ る わけではない。特定の要
因についての企業の格付けが実際の格付け と 大幅に異な る場合には、 そ う
し た 「ア ウ ト ラ イ ヤー」 と な っ た理由についての説明 も 加え た。 格付け手
法に よ っ て推定 さ れ る格付けは、格付け要因 と その ウ エ イ ト を も と に総合
的に判断 し た結果を示す も のであ る。格付け手法に よ っ て推定 さ れた格付
䛣䛾᱁௜ᡭἲ䛿䚸⌧⾜䛾䜒䛾䛷䛿䛺䛔䚹䝮䞊䝕䜱䞊䝈䞉㻌
䝆䝱䝟䞁䛜⌧ᅾ౑⏝䛧䛶䛔䜛᱁௜ᡭἲ䛿䚸ᘢ♫䜴䜵䝤䝃䜲䝖
䜢ཧ↷䛾䛣䛸䚹
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
けが、 その企業に対す る実際の格付け と 必ず し も 一致す る わけではない。 格付け手法のマ ッ ピ ン グ表
上の要因は、 自動車業界の企業に対す る 格付けにおいて考慮す る 全ての事項を網羅 し た も のではな
い。 ま た、 格付け手法におけ る 財務指標については、 具体例を示すために過去の情報のみを用いた
が、 ムーデ ィ ーズの実際の格付けには将来の実績予想が織 り 込まれ る 。
本稿では次の項目に焦点を当て る 。
„
業界の概観 と 、 業界におけ る主要な ト レ ン ド お よ び課題についての考察
„
格付け手法お よ び信用格付けに影響を与え る要因についての説明
„
格付けの枠組みの実際の適用を示 し た表
„
分析結果の ま と め
጗͛Ǡଓ⛅ǺdzǓǵ
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
Y
本稿は、 売上、 利益、 キ ャ ッ シ ュ フ ロ ーの主な源泉が、 乗用車 ・ SUV ・ ピ ッ ク ア ッ プ ト ラ ッ ク 等の設
計 ・ 製造であ る 企業に焦点を当て る 。 こ のセ ク タ ーではグ ロ ーバル化が加速 し てお り 、 ほ と ん ど の企
業が複数の地域 (北米、 欧州、 日本、 日本を除 く ア ジア、 中南米な ど) で事業を展開 し てい る。 一部
の企業は乗用車 ・ SUV ・ ピ ッ ク ア ッ プ ト ラ ッ ク 等以外の製品 (二輪車、 大型商用車、 自動車部品、 そ
の他の工業製品) を製造 ・ 販売 し てい る が、 そのオペレーシ ョ ンモデル、 財務状況、 信用力を主に左
右す る のは、 乗用車 ・ SUV ・ ピ ッ ク ア ッ プ ト ラ ッ ク 等の生産であ る 。 こ れ ら の メ ーカーの格付け対象
債務お よ び ク レ ジ ッ ト フ ァ シ リ テ ィ ーの総額は約 1,200 億 ド ルにのぼ る 。
本稿の自動車 メ ーカーの多 く は、自動車 メ ーカーのホールセールお よ び リ テールの販売業務を支え る
重要な戦略的役割を担 う 大規模な フ ァ イ ナン ス業務 も 展開 し てい る 。極めて密接な戦略上お よ び業務
上の関係に加え、 自動車 メ ーカーは通常、 フ ァ イ ナン ス会社お よ びフ ァ イ ナン ス会社の格付け債務の
保有者を対象にサポー ト 契約を締結 し てい る。 フ ァ イ ナン ス 会社に対す る ムーデ ィ ーズの格付けに
は、 1) 親会社 と の戦略上お よ び事業上の関係か ら の恩恵、 2) 正式なサポー ト 契約の強 さ 、 お よ び 3)
引受基準、 ポー ト フ ォ リ オの質、 レバレ ッ ジ、 流動性、 利益お よ び資本を生成する 能力についての綿
密な分析が反映 さ れ る 。 多 く の場合、 こ の分析の結果、 フ ァ イ ナン ス会社の格付けは自動車 メ ーカー
と 同水準 と な る 。 ただ し 、 銀行当局に よ る規制や強固な資産カバレ ッ ジに よ っ て、 フ ァ イ ナン ス会社
の予想損失が親会社 よ り 相対的に改善 し 、 フ ァ イ ナン ス会社の格付けが親会社 よ り 高 く な る 可能性が
あ る 。 し か し 、 100% 所有であ る 場合や、 緊密な戦略的関係があ る 場合は、 両者の格付けの差は 1 ノ ッ
チに と ど ま る 。 状況は限 ら れてい る が 2 ノ ッ チの差がつ く こ と も あ る 。 GM と GMAC の間に 3 ノ ッ
チの差が生 じ てい る のは、 GM に よ る GMAC の所有比率が 50% 未満であ る こ と と 、 GMAC の債務の
予想損失が、 GM が直面す る信用 リ ス ク に よ っ てマ イ ナ ス の影響に さ ら さ れ る 可能性を制限する ガバ
ナン ス規定があ る こ と に よ る。 自動車フ ァ イ ナン ス会社 (GMAC を含む) に対す る、 ムーデ ィ ーズ
の格付け対象債務お よ び ク レ ジ ッ ト フ ァ シ リ テ ィ ーの総額は約 3,250 億 ド ルにのぼ る 。
本稿に示す自動車 メ ーカーに関する ムーデ ィ ーズの財務分析は、自動車 メ ーカーの単体での財務諸表
に基づいてお り 、 フ ァ イ ナン ス会社の業務については持ち分法ベース で反映 さ れてい る。 公表財務情
報が入手で き る 限 り 、 本稿で示す財務比率は、 フ ァ イ ナン ス会社の持ち分法ベース での取 り 扱いを反
映 し てい る 。 ただ し 、 本稿の ト ヨ タ 、 ホ ン ダ、 日産、 三菱の財務比率は、 自動車 メ ーカー と フ ァ イ ナ
ン ス会社の連結財務諸表に基づいてお り 、 フ ァ イ ナン ス会社の債務のみ調整を加えてい る。 現代、 起
亜、 タ タ の場合、 財務比率は連結財務諸表に基づいてお り 、 フ ァ イ ナン ス会社に対 し ていかな る 調整
も 行っ ていない。 フ ィ ア ッ ト の フ ァ イ ナン ス事業の多 く は、 合弁会社を通 じ て行われてお り 、 持ち分
法ベース で連結 さ れてい る 。 いす ゞ は大規模な フ ァ イ ナン ス業務を行っ ていない。
自動車 メ ーカーの格付けの中間値は Baa2 で、 6 社が A 以上、 6 社が Ba 以下の投機的等級 と な っ てい
る 。 本稿の対象 と な っ てい る 17 社の う ち、 1 社をのぞ く 全てが実際の格付け と の差が 2 ノ ッ チ以内
に収ま っ てお り 、 9 社が 1 ノ ッ チ以内、 4 社が実際の格付け と 同 じ と な っ てい る。
2
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Ή᰷۵
጗͛Ǡ
጗͛Ǡ╀⢡Ǧ
࡛
ɐɰɇ⅋ؔ⟥⾷ɐɰɇ⾸
Aaa
P-1
ય઻᫢
ᅠቊ
⫧ቃ጗͛Ǡȡ͛˄ǤțǵǓȚ҆‫ؘ‬ǽⲥ
⾷᫜ʽɑɳƸⲥⰢ⦘ⲥ⾸
$5.5
ቊᨀཪᮾకᏡ⾷ɣɻɈ⾸
Aa3
P-1
ય઻᫢
ᅠቊ
$3.5
BMW AG⾷BMW⾸
A1
P-1
ય઻᫢
ɑȬɌ
$3.2
ᅠ᧳⅋ؔ⟥⾷ᅠ᧳⾸
A3
P-2
ɥɀɎȫɞ
ᅠቊ
$1.0
Volkswagen AG⾷ɝȱɳȷɁɷʀȺɻ⾸
A3
P-2
ય઻᫢
ɑȬɌ
$5.2
Daimler AG⾷ɈȬɨɱʀ⾸
A3
P-2
ɥɀɎȫɞ
ɑȬɌ
$5.0
Renault S.A.⾷ɳɖʀ⾸
Baa1
P-2
ય઻᫢
ɝɱɻɁ
$5.1.
Peugeot S.A.⾷ɟɀɯʀ⾸
Baa1
P-2
ɝɱɻɁ
$3.0
Baa3
ય઻᫢
ⱦ࡛
$0.9
ǓǨȦ⅋ؔ⟥⾷ǓǨȦ⾸
Baa3
ય઻᫢
ᅠቊ
$0.0
Kia Motors Limited⾷❙̨⾸
Baa3
ય઻᫢
ⱦ࡛
$8.8
Fiat S.p.A.⾷ɝȫȪɋɐ⾸
Ba1
ɥɀɎȫɞ
ȬɇɲȪ
$0.0
Tata Motors Limited⾷ɇɇ⾸
Ba1
ય઻᫢
Ȭɻɑ
$0.0
ʿ≰⅋ؔ⟥⾷ʿ≰⾸
Ba3
ɥɀɎȫɞ
ᅠቊ
$0.3
Chrysler Automotive⾷ȷɱȬɁɱʀ⾸
B3
ય઻᫢
ḗ࡛
$7.0
Ford Motor Company⾷ɝȱʀɑ⾸
B3
ય઻᫢
ḗ࡛
$27.7
General Motors Corporation⾷GM⾸
B3
ય઻᫢
ḗ࡛
$38.7
Y
ɕȴɎȫɞ
Hyundai Motor Company⾷ᥰͦ⾸
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
格付けの分布
6
5
4
⊒
ⴕ
૕ 3
ᢙ
2
1
0
Aaa
3
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Aa
A
Baa
Ba
B
Caa - C
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
጗͛Ǡଓ⛅ǽ⅋ؔ⟥ɩʀȳʀ
጗͛Ǡ
Aaa
጗͛Ǡǽ╀⢡Ǧ
ɐɰɇ⅋ؔ⟥⾷ɐɰɇ⾸
Ή᰷۵
ય઻᫢
጗͛ǠཆᗕǚȘဝ઻ǤțȚ጗͛Ǡ
Aa1
ቊᨀཪᮾకᏡ⾷ɣɻɈ⾸
Aa3
ય઻᫢
Aa1
BMW AG⾷BMW⾸
A1
ય઻᫢
Aa3
ᅠ᧳⅋ؔ⟥⾷ᅠ᧳⾸
A3
ɥɀɎȫɞ
Aa3
Volkswagen AG⾷ɝȱɳȷɁɷʀȺɻ⾸1
A3
ય઻᫢
A3
Daimler AG⾷ɈȬɨɱʀ⾸
A3
ɥɀɎȫɞ
Baa1
Baa1
ય઻᫢
Baa1
Peugeot S.A.⾷ɟɀɯʀ⾸
Baa1
ɕȴɎȫɞ
Baa3
Hyundai Motor Company⾷ᥰͦ⾸
Baa3
ય઻᫢
Baa3
ǓǨȦ⅋ؔ⟥⾷ǓǨȦ⾸
Baa3
ય઻᫢
Baa2
Kia Motors Limited⾷❙̨⾸
Baa3
ય઻᫢
Ba1
Fiat S.p.A.⾷ɝȫȪɋɐ⾸
Ba1
ɥɀɎȫɞ
Ba3
Tata Motors Limited⾷ɇɇ⾸
Ba1
ય઻᫢
Baa3
ʿ≰⅋ؔ⟥⾷ʿ≰⾸
Ba3
ɥɀɎȫɞ
B1
Chrysler Automotive⾷ȷɱȬɁɱʀ⾸2
B3
ય઻᫢
B2
Ford Motor Company⾷ɝȱʀɑ⾸
B3
ય઻᫢
B2
General Motors Corporation⾷GM⾸
B3
ય઻᫢
B3
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
Ꮱᨕǽ᏶┶Ƿ጗͛Ǡˀǽ⦔┶ǹ┶ࡍ
Y
Renault S.A.⾷ɳɖʀ⾸
以下に、 自動車 メ ーカーの競争の構図を検討す る う えで特に重要な要因 と 、 各社が直面する 課題につ
いて述べる 。1 2
循環性
自動車に対す る 需要は、 国お よ び地域内での循環性が極めて高い状況が続 く であ ろ う 。 各社は、 高い
流動性ポジシ ョ ン を維持す る こ と よ っ て固有の循環性への対応力を高め、 地理的分散を進め、 幅広い
製品カ テ ゴ リ ーにわた り 競争力のあ る 製品を提供 し 、 年間約 20-25% の安定 し た製品 リ ニ ュ ーアルサ
イ ク ルを維持で き る だろ う 。
長期的な需要
米国、 西欧、 日本な ど の成熟市場では、 年間需要の長期的な成長率は年率約 1% 程度で、 緩やかな人
口の伸び と 世帯数の増加が成長の要因 と な る 。 一方、 中国、 南米、 ア ジア、 イ ン ド 、 東欧な ど の新興
市場国では、 急速な経済成長、 可処分所得の増加、 持続的な人口増加が成長を牽引する 。 こ れ ら の地
域におけ る 長期的な需要は成熟市場 よ り は る かに高い と み ら れ る 。 ま た、 こ れ ら の地域におけ る 需要
は $8,000 以下の価格帯の乗用車セグ メ ン ト の拡大に寄与する と み ら れ る 。
製品の幅
多 く の自動車 メ ーカーの間では、 利益指標を強化 し 、 循環的な下降局面に対す る変動性を低減 し 、 潜
在的な消費者の需要の変化に対応する ために、 製品の幅を拡大す る傾向が出て く る だろ う 。 ま た、 製
品幅の拡大に加え、製品ポー ト フ ォ リ オの広い範囲にわた っ て収益性を確保で き る こ と が重要にな っ
て く る 。収益性の幅 と 多様性があれば、少数の製品に利益が集中す る度合いが低減 さ れ、収益、キ ャ ッ
シ ュ 生成、 主要信用指標の安定性が大幅に高ま る 。
製品 リ ニ ュ ーアルサイ クル
良好かつ安定 し た製品 リ ニ ュ ーアル率を維持する こ と が、自動車 メ ーカーに と っ て引き 続き 最 も 重要
な戦略のひ と つ と な る だろ う 。 年間製品 リ ニ ュ ーアル率は 20% 程度が健全な水準 と み ら れ る。 製品
リ ニ ュ ーアル率が安定 し ていない、 すなわち年に よ っ て大幅な差が あ る こ と は、 自動車 メ ーカーに
と っ て主要な リ ス ク ま たは競争上で不利 と な る 要因であ る 。
1. Volkswagen に対す る A3 の格付けは、 同社の 20% を所有す る Lower Saxony 州か ら のサポー ト の期待が中位であ る こ と を反映
し てい る 。
2. Chrysler Automotive は非公開会社であ り 公表財務情報が入手不可能であ る 。 こ の表には同社の格付け手法に よ る 推定格付け B2
が含ま れてい る が、 同社のサブ要因については本稿に含まれていない。
4
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
グローバルな生産 ・ 供給拠点
自動車 メ ーカーはグ ロ ーバルな生産 ・ 供給体制の追求を さ ら に進めてい く だ ろ う 。 その戦略目標に
は、 通貨 リ ス ク の変動性や製品の受け入れに対す る 社会的 ・ 政治的軋轢の極小化を図 る ための タ ー
ゲ ッ ト 市場での現地拠点の構築、 東欧、 日本を除 く ア ジア、 中南米な ど の労働力コ ス ト の低い地域に
拠点を置 く こ と に よ る メ リ ッ ト の活用、現地供給拠点を も つグ ロ ーバル生産拠点に供給で き る サプ ラ
イ ヤー と の関係強化な ど が含まれ る 。
サプ ラ イヤー と の関係
グ ロ ーバルでのサプ ラ イ ヤー と の有効かつ相補的な関係の構築お よ び維持は、自動車業界内での競争
優位性の確保において ますます重要な要因 と な っ てい く だろ う 。 原材料費は乗用車の原価の 65% を
占め る。 ま た、 サプ ラ イ ヤーは、 自動車の技術開発 ・ 設計プ ロ セ ス において重要な役割を担い う る。
従っ て、 サプ ラ イ ヤー と の有効な協働関係が、 継続的な コ ス ト 削減に大 き く 寄与 し 、 サプ ラ イ ヤーの
開発 し た先端技術の活用を促進する 要因 と な り う る 。
グローバルな プ ラ ッ ト フ ォ ームおよび製品
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
流動性
Y
乗用車の設計、 技術開発お よ び組み立てに関連す る継続的な コ ス ト 削減の必要性か ら 、 メ ーカーは複
数の乗用車のプ ラ ッ ト フ ォームの共通化を拡大 し てい く だろ う 。 ま た、 複数の市場に有利に投入で き
る 乗用車の開発を行っ てい く だろ う 。
サ イ ク ルの下降局面で も 多額の投資が必要であ る ため、 自動車 メ ーカーは、 適度な財務の柔軟性を維
持す る ための多額の流動性ポジシ ョ ン を維持 し てい く だろ う 。
フ ァ イ ナン ス部門
フ ァ イ ナン シ ン グ自動車サ イ ク ルの全ての局面において、個人顧客お よ び販売網に十分な資金を提供
す る 能力は、 全ての自動車 メ ーカーに と っ て引 き続 き重要 と な っ てい く だろ う 。 こ の役割はフ ァ イ ナ
ン ス部門ま たは合弁フ ァ イ ナン ス会社を通 じ て果た さ れ る こ と が多い。
排出基準 と 代替燃料自動車
代替燃料自動車お よ びハ イ ブ リ ッ ド 自動車の開発、 な ら びに CO2 排出量削減のための投資を増やす
動 き が進むだろ う 。
ቊ጗͛ǠཆᗕǺdzǓǵ
本格付け手法で概説す る 自動車業界に対する ムーデ ィ ーズのアプ ロ ーチは、 次の 5 段階か ら な る 。
1. 主要格付け要因の特定
ムーデ ィ ーズの格付け委員会は、 自動車 メ ーカーの分析において次の主要格付け要因に注目す る 。 そ
れぞれの要因には、 その相対的な重要性に基づき 、 以下に示 し た ウ エ イ ト を適用する 。
要因 1: 市場シ ェ ア と 製品ポー ト フ ォ リ オ
全体の 35%
要因 2: レバレ ッ ジ と 流動性
全体の 20%
要因 3: 収益性 と 利益率
全体の 15%
要因 4: キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー と 債務履行能力
全体の 25%
要因 5: フ ァ イ ナン ス会社
全体の 5%
2. 主要格付け要因の評価
こ こ では、 各要因についての指標の計算方法を説明す る。 ま た、 その要因の評価上の指標ま たはサブ
要因、 それ ら の指標を用い る 理由、 それ ら の格付け決定におけ る 用い方 (ウ エ イ ト な ど) も 説明す
る 。 指標の多 く は、 発行体の財務諸表上の も のを用い る か、 それか ら 算定 し てい る が、 ムーデ ィ ーズ
のアナ リ ス ト の考察結果に基づ く も の も あ る 。 13 のサブ要因の う ち 11 は定量要因であ り 、 65% の ウ
エ イ ト を占め る 。
5
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
ムーデ ィ ーズの格付けは将来を見通 し た も のであ り 、業界の循環性お よ び収益の変動性の予測に基づ
く 。 し か し 、 格付けのプ ロ セ ス では、 過去の財務諸表を広範に用い る。 過去の実績を用い る こ と に
よ っ て、 その企業の実績の傾向を把握 し 、 他社 と 比較す る こ と が可能にな る。 ま た、 それか ら 見通 し
を立て、 実態に基づいて将来を予測す る こ と がで き る。 実際の格付けのプ ロ セ ス では過去の財務実績
と その将来の予測を用い る が、 本格付け手法では、 説明のため、 サブ要因についての過去 3 年間の
デー タ のみを用い る 。
全ての指標には、 損益計算書、 キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー計算書、 貸借対照表への標準的調整を織 り 込む (特
に未積立の年金債務、 オペレーテ ィ ン グ リ ース、 第三者債務)。
3. 格付け カ テ ゴ リ ーのマ ッ ピ ング
各要因の評価を行っ た後、 13 のサブ要因の結果を ムーデ ィ ーズの格付け カ テ ゴ リ ー (Aaa、 Aa、 A、
Baa、 Ba、 B、 Caa、 Ca) にマ ッ ピ ン グす る 。
4. 格付け手法の適用 と アウ ト ラ イヤーについての説明
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
Y
13 のサブ要因のそれぞれについて、 各社を格付け レ ン ジにマ ッ ピ ン グす る 。 特定のサブ要因の格付
けが実際の格付け水準 よ り も 高 く な る 、 あ る いは低 く な る場合 も み ら れ る。 そ う し た企業は、 その要
因の 「ア ウ ト ラ イ ヤー」 と さ れ る。 特定のサブ要因についての格付けが実際の格付け よ り 2 ノ ッ チ以
上高い場合は、 そのサブ要因についての 「ポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー (実際の格付け よ り も 高位)」
と みな さ れ、 実際の格付け よ り 2 ノ ッ チ以上低い場合は 「ネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー (実際の格付
け よ り 低位)」 と みな さ れ る 。本格付け手法では、 それぞれのサブ要因について ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ
た理由 も 説明す る 。
5. 最終的な格付けの決定
最終的な格付け を決定す る にあ た り 、 まず 13 のサブ要因についての格付け を次の ス ケールに基づい
て数値評価に変換す る 。
Aaa
Aa
A
Baa
Ba
B
Caa
1
3
6
9
12
15
18
次に、 各サブ要因についての数値評価に ウ エ イ ト (次表参照) を適用 し た も のを合計 し て、 主要要因
の ス コ ア を算定す る 。 例 と し て、 次表に、 各要因に対する ウ エ イ ト と その小計の内訳を示 し た。
጗͛Ǡ┶ࡍ
లईȿȯȪǷ
⓯‫ݨ‬ɥʀɐɝȱɲȲǽഁǤ
ɴɘɴɋɀǷᘓؔම
‫ہ‬ᬖමǷ֐ᬖ
ȵɫɋȿɭɝɵʀǷ
҆‫ؘ‬୨⒅⃆‫מ‬
ɝȩȬɒɻɁΉ᰷
۰╹
6
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
┶ࡍǺଓǨȚ
ȮȰȬɐ
35%
20%
15%
25%
5%
100%
Ƚɞ┶ࡍ
Ƚɞ┶ࡍǺଓǨȚ
ȮȰȬɐ
2.5%
⣏‫ ڸ‬3 ౫⫻ǽȸɵʀɘɳɡʀɁǶǽ⛩ॹ۞ᄋȿȯȪ
ǽဝᲡ
2.5%
⣏‫ ڸ‬3 ౫⫻ǽˀΡ 2 లईǶǽ⛩ॹ۞ᄋȿȯȪǽဝᲡ
⓯‫ݨ‬ǽౙǷഁǤ
30%
ሱ֐੿⛤҆ / EBITDA ᕉ᤹ǽ 3 ౫౪ࢍ
5%
ሱ֐੿⛤҆ / ȵɫɜɇɲɄʀȿɯɻᕉ᤹ǽ 3 ౫౪ࢍ
5%
⾷ᥰ⦘⾺లईමǽǑȚሱϢ▩֟⾸/ ἕሱ֐੿⛤҆ᕉ᤹
ǽ 3 ౫౪ࢍ
10%
EBITA ɦʀɀɻǽ 3 ౫౪ࢍ
7.5%
EBITA / ౪ࢍ✇᧳ᕉ᤹ǽ 3 ౫౪ࢍ
7.5%
FCF / ሱ֐੿⛤҆ᕉ᤹ǽ 3 ౫౪ࢍ
5%
RCF / ሱ֐੿⛤҆ᕉ᤹ǽ 3 ౫౪ࢍ
5%
RCF / ẗሱ֐੿⛤҆ᕉ᤹ǽ 3 ౫౪ࢍ
5%
EBIT / ნཌ֐ෲᕉ᤹ǽ 3 ౫౪ࢍ
5%
ɝȩȬɒɻɁΉ᰷
5%
100%
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
次に、 合計数値を次表にマ ッ ピ ン グ し 、 その ス コ アが ど の レ ン ジに該当する かに よ っ て格付け手法に
よ る 推定格付け を決定す る 。 最終的な格付けが数値付加記号付 き格付けで示 さ れ る のに対 し て、 サブ
要因の格付けは文字格付けで示 さ れ る ため、 次表に両者の レ ン ジ を示 し た。
ሬẹ᫢ǹ጗͛Ǡ
ȮȰȬɐ⣪᧸ൖǽ┶ࡍǽɁȻȪ
< 1.5
Aa1
1.5 ļ x <2.5
Aa2
2.5 ļ x < 3.5
Aa3
3.5 ļ x < 4.5
A1
4.5 ļ x < 5.5
A2
5.5 ļ x < 6.5
A3
6.5 ļ x < 7.5
Baa1
7.5 ļ x < 8.5
Baa2
8.5 ļ x < 9.5
Baa3
9.5 ļ x < 10.5
Ba1
10.5 ļ x < 11.5
11.5 ļ x < 12.5
Ba3
12.5 ļ x < 13.5
B1
13.5 ļ x < 14.5
B2
14.5 ļ x < 15.5
B3
15.5 ļ x < 16.5
Caa1
16.5 ļ x < 17.5
Caa2
17.5 ļ x ļ 18.00
጗͛Ǡ┶ࡍȍǮǾȽɞ┶ࡍǽɁȻȪ
1.0
Aa
3.0
A
6.0
Baa
9.0
Ba
12.0
B
15.0
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
Ba2
጗͛Ǡ┶ࡍǙȗȂȽɞ┶ࡍ
ဝ઻጗͛Ǡ
Aaa
Y
ဝ઻጗͛Ǡ
Aaa
本格付け手法は良好な相関を示 し てい る 。 自動車 メ ーカー 17 社の う ち、 格付け手法に よ る 推定格付
けが実際の格付け と 3 ノ ッ チ乖離 し てい る メ ーカーは 1 社 (日産) のみで、 2 ノ ッ チ乖離 し てい る
メ ーカーが 3 社、 それ以外の 13 社は実際の格付け と の乖離が 1 ノ ッ チ以内に収ま っ てい る。
˩ǹȪȮɐɱȬɬʀǺdzǓǵǽ‬૴⿉
጗͛ǠཆᗕǺȗȚဝ઻጗͛ǠǷȽɞ┶ࡍǽ጗͛Ǡ
日産
日産は、 格付け手法に よ る推定格付けが Aa3、 実際の格付けが A3 (見通 し はポジテ ィ ブ) と 、 3 ノ ッ
チのポ ジ テ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ た。 ま た、 同社の定量的な サブ要因の多 く (有利子負債 /
EBITDA 比率、 有利子負債 / キ ャ ピ タ リ ゼーシ ョ ン比率、 RCF / 有利子負債比率、 EBITA マージ ン、
EBITA / 支払利息比率な ど) も 大幅なポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ てい る。 日産の A3 の格付
けの制約要因、 お よ び格付け手法に よ る 推定格付けがポジ テ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ た要因は、
同社の高い業績の長期的な持続性についての不透明性であ る 。 ポジテ ィ ブの見通 し には、 日産が、 高
い業績の持続性を支え ら れ る 領域の強化に向け て引 き 続 き 取 り 組んでい く であ ろ う と の認識が反映
さ れてい る 。 そ う し た領域には、 サプ ラ イ ヤー と の関係強化、 変動費低減への継続的取 り 組み、 新興
市場国におけ る 地位の拡大、 強力な製品ブ ラ ン ド イ メ ージの維持な ど が含まれ る。 こ れ ら の領域にお
いて進展がみ ら れれば、 格付けに上方圧力がかか り 、 ポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ てい る格付
け手法に よ る 推定格付けお よ びサブ要因格付け と の乖離幅が狭ま る 可能性があ る 。
ホ ンダ
ホ ン ダの格付けは 2007 年 3 月に Aa3 に引 き上げ ら れた。 こ の実際の格付けに対 し て、 格付け手法に
よ る 推定格付けは Aa1 であ り 、 2 ノ ッ チのポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ てい る 。 信用指標で計
測 さ れ る サブ要因の多 く (有利子負債 / EBITDA 比率、 キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー / 有利子負債比率、 イ ン タ
レ ス ト カバレ ッ ジ) が、 ホ ン ダの格付け手法に よ る 推定格付け Aa1 を支え てい る。 一方、 ポー ト フ ォ
リ オの強 さ と 幅については、 Aa の レ ン ジの中位~下位に相当する と ムーデ ィ ーズはみてい る 。 ま た、
同社の EBITA マージ ンは Aa のサブ要因レ ン ジの下限に位置付け ら れ る。 さ ら に重要な点は、 EBITA
マージ ンお よ び営業利益率が 2003 年以降、 低下傾向を示 し てい る こ と であ る。 その結果、 ホ ン ダの
実際の格付けは現在、 Aa3 に位置付け ら れ、 中期的に変更 さ れ る と は見込まれない。 ホ ン ダについて
7
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
のムーデ ィ ーズの ク レ ジ ッ ト ・ オ ピ ニオンに示 し てい る通 り 、 同社の実際の格付けは、 同社がマージ
ンの低下傾向を反転 さ せ、 2 年間にわた っ て高い収益性指標を維持す る 能力を示 し た場合には引き 上
げ ら れ る 可能性があ る 。
ダ イム ラ ー
2007 年 10 月、 ムーデ ィ ーズはダ イ ム ラ ーの格付け を A3 (格付け見通 し はポジテ ィ ブ) に引 き 上げ
た。 こ れは、 同社が ク ラ イ ス ラ ー事業の 80.1% を売却 し た こ と に よ る財務 ・ 事業 ・ 戦略上の利点を考
慮 し た も のであ る 。 こ の実際の格付け A3 に対 し て、 同社の格付け手法に よ る 推定格付けは Baa1 で
あ る 。 同社は、 2 つの定量的サブ要因 (グ ロ ーバルベース での市場シ ェ ア と FCF / 有利子負債比率)
において大幅なネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ てい る。 こ の大 き な理由は、 本稿で用い る ダ イ ム
ラ ーの指標が、 ク ラ イ ス ラ ーを含む連結ベース の事業を反映 し てい る こ と にあ る。 ク ラ イ ス ラ ーの売
却を反映 し た、 過去の財務数値に基づ く 予想は公表 さ れていない。 ただ し 、 ムーデ ィ ーズの公表格付
けには、 ダ イ ム ラ ーが ク ラ イ ス ラ ーの事業を売却する こ と に よ る 利益を考慮 し てい る 。
VW、 ル ノ ー、 プジ ョ ー、 フ ィ ア ッ ト
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
Y
各社の実際の格付け と 格付け手法に よ る 推定格付けには次の よ う な ア ウ ト ラ イ ヤーが生 じ てい る 。す
なわち、 プジ ョ ー と フ ィ ア ッ ト は 2 ノ ッ チのネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー、 ル ノ ーの格付け手法に よ
る 推定格付けは実際の格付け と 同 じ 、 フ ォ ル ク ス ワーゲンは 1 ノ ッ チのポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー
と な っ てい る 。 こ れ ら の推定格付けは、 ムーデ ィ ーズの格付け手法に よ る マ ッ ピ ン グの目標であ る 2
ノ ッ チ以内の差に収ま っ てい る が、 定量的なサブ要因では 1 ノ ッ チ以上の大幅なネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト
ラ イ ヤーが生 じ てい る 。 こ れ ら のサブ要因におけ る差は主に、 各社の業績におけ る 過去のサ イ ク ルで
の弱みを反映 し た も のであ る 。 し か し 、 こ れ ら の 3 年平均は、 リ ス ト ラ ク チ ャ リ ン グお よ びコ ス ト 削
減策、 戦略的に重要な製品の投入予定、 基本的に良好なブ ラ ン ド ポー ト フ ォ リ オ と いっ た要因の複合
的な効果に よ り 、 将来的に改善する と ムーデ ィ ーズはみてい る。 こ の見通 し は、 製品ポー ト フ ォ リ オ
の強 さ のサブ要因についての各社の評価に反映 さ れてい る 。 こ のアプ ロ ーチは、 将来を見通 し た考察
を格付けに織 り 込む と い う ムーデ ィ ーズの目的に沿っ た も のであ る 。
三菱
三菱の格付け手法に よ る 推定格付け B1 は、 実際の格付け よ り 1 ノ ッ チ低い水準だが、 同社はい く つ
かの定量的サブ要因で大幅な ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ てい る。 こ れは主に、 2005 年ま での業績が非常
に低調だ っ たためであ る 。 し か し 、 同社の業績は 2006 年中に大幅に改善 し てお り 、 2008 年にかけて
も 改善が続 く であ ろ う 。 ま た、 同社が三菱グループか ら のサポー ト の恩恵を受け る こ と も ムーデ ィ ー
ズは考慮 し てい る 。 同社がい く つかのサブ要因でネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ てい る に も かか
わ ら ず Ba3 の格付け を維持 し てい る のは、 こ のサポー ト が一因であ る。
タタ
タ タ の格付け手法に よ る 推定格付け Baa3 は、実際の格付け Ba1 よ り 1 ノ ッ チ高い水準 と な っ てい る。
し か し 、 同社は多 く のサブ要因で大幅なア ウ ト ラ イ ヤー と な っ てい る。 同社の市場シ ェ アに対する A
の評価 と 、 収益性 と 利益に対する Aaa の評価は、 同社が急速に成長す る 母国 イ ン ド 市場での圧倒的優
位性に よ る 。 こ の実績水準は、 競合が イ ン ド 市場に参入 し 、 タ タ が生産能力お よ び製品ポー ト フ ォ リ
オの大幅な拡大に関す る 事業上の課題に取 り 組むにつれ、 圧力に さ ら さ れ る 可能性が あ る 。 同社が
FCF / 有利子負債比率で Caa の評価 と な っ てい る のは、 事業拡大戦略の一環 と し て、 2007 年中に多額
の負債に よ る 設備投資を行っ た こ と を反映 し てい る 。
8
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
˩ǹ઻⦖᫢጗͛Ǡ┶ࡍ
格付け要因 1 : 市場シ ェ アの傾向 と ポー ト フ ォ リ オの強 さ (ウエ イ ト 35%)
こ の要因が重要な理由
市場シ ェ アの傾向 (ウエ イ ト 5%)
グ ロ ーバルベースお よ び上位 2 地域市場での市場シ ェ アの維持は、自動車 メ ーカーが競争上の地位を
維持す る 能力を示す重要な指標であ る 。 業績お よ び主要な財務指標は、 市場シ ェ アの変化 と 強い相関
が あ る。 シ ェ アの ト レ ン ド は重要なサブ要因だが、 市場シ ェ アは、 新製品の投入サ イ ク ルの段階に
よ っ て変化 し う る と ムーデ ィ ーズは認識 し てい る 。利益率が高 く 戦略上重要な製品がシ ェ アお よ び業
績を高め る こ と があ る 。 新世代製品が投入 さ れない限 り 、 製品の経年に伴っ てシ ェ アお よ び業績は低
下す る 可能性があ る 。 ポー ト フ ォ リ オの強 さ のサブ要因について述べ る通 り 、 ムーデ ィ ーズは、 製品
ポー ト フ ォ リ オが長期にわた っ て競争力を失っ てい る 場合 と 、循環的局面で競争力を失っ てはい る が
短期間内に競争力を回復す る と み ら れ る 場合を区別 し てい る 。
ポー ト フ ォ リ オの強 さ (ウエ イ ト 30%)
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
Y
自動車 メ ーカーの製品ポー ト フ ォ リ オの強 さ は、 競争力のあ る事業上の地位を維持 し 、 格付け水準を
支え る 信用指標を確保す る 能力を示す最 も 重要な要因であ る 。本格付け手法の 13 のサブ要因の う ち、
11 は定量的要因で、公表デー タ の 3 年平均であ る 。 ポー ト フ ォ リ オの強 さ のサブ要因は 2 つの定性的
サブ要因の う ちの 1 つであ る ( も う ひ と つはフ ァ イ ナン ス会社のサブ要因)。 ポー ト フ ォ リ オの強 さ
のサブ要因は、 各社の製品ポー ト フ ォ リ オの過去の強 さ と 、 その将来の見通 し を評価す る も ので、 次
の 3 つの点に着目す る 。
1. 製品種類お よ び地理的多角化:自動車 メ ーカーが主要市場で広範かつ多様な製品を提供で き る
能力は、 競争上の地位を高め、 潜在的な需要変動性に対応する 能力を高め る 。 変動性に対応す
る能力は、 複数の地域で広範な製品が提供 さ れてい る場合に、 さ ら に高い と 評価 さ れ る。
2. 幅広い製品種類にわた る 収益分散 : ムーデ ィ ーズは、 自動車 メ ーカーが幅広い製品種類にわ
た っ て良好な収益性を確保で き る能力を考慮す る。収益性の確保が一部の製品種類に集中 し て
い る場合、 自動車 メ ーカーは、 そのセ ク タ ーへの需要が縮小 し た場合の リ ス ク に さ ら さ れ る 可
能性があ る。 ま た、 そのセ ク タ ー内での競争激化の影響を受けやす く な る。 一方、 収益が広範
な製品 ラ イ ンに分散 し ていれば、 対応力が高ま り 、 持続的な利益が確保で き る。
3. 製品 リ ニ ューアル率 : 製品 リ ニ ューアル率が良好かつ安定 し てい る こ と は、 自動車業界で良好
な競争上の地位 を 維持す る た めの重要な要因で あ る 。 リ ニ ュ ーア ル予定が一定 し な い ( リ
ニ ューアル率が高い年 と 低い年があ る) メ ーカーは、 市場シ ェ ア、 業績、 信用指標が変動に さ
ら さ れ る 可能性が あ る 。 自動車 メ ー カーの製品 リ ニ ュ ーア ル率 を 評価す る に あ た り 、 ム ー
デ ィ ーズは将来を見通 し 、 戦略的に重要な製品の投入を留保す る、 あ る いは新製品の投入ペー
ス を加速す る こ と の利点 も 考慮す る。
評価基準
9
„
過去 3 年間のグ ロ ーバルベース での販売台数シ ェ アの推移 (2.5%)
„
過去 3 年間の上位 2 市場での販売台数シ ェ アの推移 (2.5%)
„
製品ポー ト フ ォ リ オの幅 と 強 さ (30%)
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
┶ࡍ 1⿉లईȿȯȪǽဝᲡ⾷ȮȰȬɐ 5%⾸ǽ△Ϣ࣠ᛡ
⣏‫ ڸ‬3 ౫⫻ǽȸɵʀɘɳ
ɡʀɁǶǽ⛩ॹ۞ᄋȿȯȪ
ǽဝᲡ
Ƚɞ┶ࡍǺଓ Aaa
ǨȚȮȰȬɐ
2.5%
> 3%
⣏‫ ڸ‬3 ౫⫻ǽˀΡ 2 లईǶ
ǽ⛩ॹ۞ᄋȿȯȪǽဝᲡ
2.5%
> 3%
Aa
A
Baa
Ba
B
Caa
> 1 ļ 3%
> 0 ļ 1%
> -1 ļ 0%
> -2 ļ -1%
> -3 ļ -2% ļ -3%
> 1 ļ 3%
> 0 ļ 1%
> -1 ļ 0%
> -2 ļ -1%
> -3 ļ -2% ļ -3%
⓯‫ݨ‬ɥʀɐɝȱɲȲǽౙǷഁǤ⾷ȮȰȬɐ 30%⾸ǽ△Ϣ࣠ᛡ
Aa
A
ˌᨕǽ˩┶
4 ࢄࣕǽǕ
ǰ 2 dzͨˀ
ǶⶲǓలई
ȿȯȪǷᴽ
̕ˀǽࢄΡ
ȡỺ྾Ǧǵ
ǓȚƹӴΧ
ǷǦǵⶲǓ
ᴽ̕‫מ‬ȡȑ
dzǛƸ⓯‫ݨ‬
ɥʀɐɝȱ
ɲȲǺǾʶ
઻ǽȶɫɋ
ɟȍǮǾ೻
ȎǛǑȚƹ
ˌᨕǽ˩┶
4 ࢄࣕǽǕ
ǰ 2 dzͨˀ
ǶⶲǓలई
ȿȯȪǷᴽ
̕ˀǽࢄΡ
ȡỺ྾Ǧǵ
ǓȚƹӴΧ
ǷǦǵⶲǓ
ᴽ̕‫מ‬ȡȑ
dzǛƸ⓯‫ݨ‬
ɥʀɐɝȱ
ɲȲǺǾʶ
઻ǽȶɫɋ
ɟȍǮǾ೻
ȎǛǑȚƹ
Baa
Ba
ǚdzƸ
⓯‫ݨ‬ɥʀɐɝȱɲȲ ᴽ̕ǨȚএ
ǺǙǠȚ‫ہ‬ᬖමǽౙ Ǟǽ⓯‫ݨ‬Ƀ
ȸɩɻɐǙ
ȗȂࢄࣕǶ
ᴽ̕‫מ‬ǑȚ
֐ᬖȡ᤬ൡ
ǦǵǓȚƹ
ǚdzƸ
⓯‫ݨ‬
ɲɓɭʀȪɳ᤹
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ᴽ̕ǨȚএ
Ǟǽ⓯‫ݨ‬Ƀ
ȸɩɻɐǙ
ȗȂࢄࣕǶ
ᴽ̕‫מ‬ǑȚ
֐ᬖȡ᤬ൡ
ǦǵǓȚƹ
ᴽ̕ǨȚএ
Ǟǽ⓯‫ݨ‬Ƀ
ȸɩɻɐǙ
ȗȂࢄࣕǶ
ᴽ̕‫מ‬ǑȚ
֐ᬖȡ᤬ൡ
ǦǵǓȚƹ
֐ᬖǙȗȂ ֐ᬖǙȗȂ ֐ᬖǙȗȂ
‫ہ‬ᬖǛᣀ઻ ‫ہ‬ᬖǛᣀ઻ ‫ہ‬ᬖǛ⓯‫ݨ‬
ǽ⓯‫ݨ‬ȍǮ ǽ⓯‫ݨ‬ȍǮ ɱȬɻǽএ
ǾȳɎȼ
ǾȳɎȼ
ǞǺȞǮDz
ɲʀǺіDz ɲʀǺіDz ǵ೻ǓǚƸ
ǵǓȚǚƸ ǵǓȚǚƸ ϨⳒǤțǵ
˩┶⓯‫ݨ‬ȍ ˩┶⓯‫ݨ‬ȍ ǓȚƹ
ǮǾȳɎȼ ǮǾȳɎȼ
ɲʀǽ֐ᬖ ɲʀǽ֐ᬖ
Ǜࡿ‫מ‬ǺǤ Ǜࡿ‫מ‬ǺǤ
ȘǤțǮǢ ȘǤțǮǢ
ǷǛǑDzǮƹ ǷǛǑDzǮƹ
ǚdzƸ
ᄽ⓯‫ݨ‬ǽཱུ ᄽ⓯‫ݨ‬ǽཱུ
ӱ᤹ǛⶲǞƸ ӱ᤹ǛⶲǞƸ
ᕉ⟿᫢ય઻ ᕉ⟿᫢ય઻
ǦǵǓȚƹ ǦǵǓȚƹ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
֐ᬖǙȗȂ‫ہ‬
ᬖǛɥʀɐ
ɝȱɲȲӴⅺ
ǺȞǮDzǵ⣪
ಏǹԙཱུ✇ᕮ
ᛡȡỺ྾Ƕǜ
ǹǓᣞຎǶǑ
șগౙǹ⛥
‫ؘ‬ɿ̗ᏡԙἮ
Ǜർ┶ǷȎȘ
țȚƹ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ᄽ⓯‫ݨ‬ǽཱུ
ӱ᤹Ǜ౫Ǻ
ȗDzǵȓȓ
ংؔǨȚ҉
۹ǛǑȚƹ
⓯‫ݨ‬ɲ
ɓɭʀȪɳ
᤹ǽ౫Ǻȗ
ȚংؔǛগ
ǜǓǚƸ⦔
┶ǹɪɏɳ
ǽɲɓɭʀ
Ȫɳቃ⫻Ǜ
⫧ǓǢǷǺ
ȗșƸ˩┶
Ƀȸɩɻɐ
ȍǮǾ⓯‫ݨ‬
ȳɎȼɲʀ
ǺǙǠȚᴽ
̕ˀǽࢄΡ
Ǜ⃊ǚǤț
ȚǢǷǛ
ǑDzǮƹ
ᄽ⓯‫ݨ‬ǽཱུ
ӱ᤹ǽ౫Ǻ
ȗȚংؔǛ
গǜǓᣞᗇ
ǛỮǓǵǓ
ȚǚƸ⦔┶
ǹɪɏɳǽ
ɲɓɭʀȪ
ɳ⫻⭷Ǜ⫧
ǓǢǷǺǙ
șƸ˩┶Ƀ
ȸɩɻɐȍ
ǮǾ⓯‫ݨ‬ȳ
ɎȼɲʀǺ
ǙǠȚᴽ̕
ˀǽࢄΡǛ
⫧ቃǺȞ
ǮDzǵ⃊ǚ
ǤțǵǓȚƹ
ᄽ⓯‫ݨ‬ǽཱུӱ
᤹ǽ౫ǺȗȚ
ংؔǛগǜǓ
ᣞᗇǛỮǓǵ
ǓȚǚƸ⦔┶
ǹɪɏɳǽɲ
ɓɭʀȪɳ⫻
⭷Ǜ⫧ǓǢǷ
ǺǙșƸ˩┶
Ƀȸɩɻɐȍ
ǮǾ⓯‫ݨ‬ȳɎ
ȼɲʀǺǙǠ
Țᴽ̕ˀǽࢄ
ΡǛ⫧ቃǺȞ
ǮDzǵ⃊ǚǤ
țǵǓȚƹ
3. 北米、 欧州、 日本、 日本を除 く ア ジ ア。
4. 高級車、 中価格車、 エ コ ノ ミ ー車、 ト ラ ッ ク 、 SUV、 ク ロ ス オーバー車、 代替燃料車
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Caa
‫ڴ‬ǦǓᴽ̕ࡿ
‫מ‬ǺȗșƸ˩
┶ 1Ƹ2 ࢄࣕ
ǺǙǠȚ⫧ቃ
᫢ǹᴽ̕‫מ‬Ǜ
⃊ਘǺǤȘǤ
țȚ‫⃆۝‬මǛ
ǑȚƹ
ᄽ⓯‫ݨ‬ǽཱུ
ӱ᤹Ǜ౫Ǻ
ȗDzǵȓȓ
ংؔǨȚ҉
۹ǛǑȚƹ
34
10
B
ⶲǓలई
ⶲǓలई
˩┶⓯‫ݨ‬ȳ
ȿȯȪǷᴽ ȿȯȪǷᴽ ɎȼɲʀǺ
̕ˀǽࢄΡ ̕ˀǽࢄΡ ǙǠȚࢄΡ
ǾƸˌᨕǽ ǾƸˌᨕǽ ȡগౙǺഁ
˩┶ 4 ࢄࣕ ˩┶ 4 ࢄࣕ ‫ك‬ǨȚർ┶
ǽǓǩțǚ ǽǓǩțǚ ǛǑȚǷȎ
1 dzǺ⮥˛ 1 dzǺ⮥˛ ȘțȚƹ
ǦǵǓȚƹ ǦǵǓȚƹ
⓯‫ݨ‬ǾǬǽ ⓯‫ݨ‬ǾǬǽ
ࢄࣕǺǙǠ ࢄࣕǺǙǠ
ȚӴǵȡȳ ȚӴǵȡȳ
ɘʀǦǵǓ ɘʀǦǵǓ
ǹǓई۰Ǜ ǹǓई۰Ǜ
ǑȚǛƸᴽ ǑȚǛƸᴽ
۰ǨȚএǞ ۰ǨȚএǞ
ǽɃȸɩɻ ǽɃȸɩɻ
ɐǶᴽ̕ˀ ɐǶᴽ̕ˀ
ǽࢄΡȡỺ ǽࢄΡȡỺ
྾ǦǵǓȚƹ ྾ǦǵǓȚƹ
Y
Aaa
ˌᨕǽ˩┶
4 ࢄࣕ 3 ǽ
Ǖǰ 2 dzͨ
ˀǶⶲǓల
ईȿȯȪǷ
ᴽ̕ˀǽࢄ
ΡȡỺ྾Ǧ
ǵǙșƸǬ
țȘǽలई
ǺǙǠȚӴ
ǵǽɃȸɩ
ɻɐ 4 Ƕᴽ
̕‫מ‬ǽǑȚ
⓯‫ݨ‬ȡံϜ
ǦǵǓȚƹ
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
⓯‫ݨ‬ǽౙǷ
ࢄᥴ᫢এ╦‫ك‬
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
要因 1 の各指標の個々のマ ッ ピ ン グ を以下に示 し た。
┶ࡍ 1⿉లईࢄΡǷǬǽဝᲡǽɦɋɜɻȸệእ
Ή᰷۵
⫧ቃ጗͛Ǡ
/ CFR
┶ࡍǺଓǨȚȮȰȬɐ
లईȿȯȪǷɥʀ ⣏‫ ڸ‬3 ౫⫻ǽȸɵʀ ⣏‫ ڸ‬3 ౫⫻ǽˀΡ
ɐɝȱɲȲǽഁǤ ɘɳɡʀɁǶǽ⛩ॹ 2 లईǶǽ⛩ॹ۞
ǽɦɋɜɻȸ
۞ᄋȿȯȪǽဝᲡ
ᄋȿȯȪǽဝᲡ
2.5%
2.5%
⓯‫ݨ‬ɥʀɐ
ɝȱɲȲǽౙ
ǷഁǤ
30%
ɐɰɇ⅋ؔ⟥⾷ɐɰɇ⾸
Aaa
Aaa
Aa
Aaa
Aaa
ቊᨀཪᮾకᏡ⾷ɣɻɈ⾸
Aa3
Aa
Aa
Aa
Aa
BMW AG⾷BMW⾸
A1
A
Aa
Aaa
A
A3
Baa
A
Aa
Baa
A3
A
Baa
Baa
A
A3
A
B
Ba
A
Baa1
Baa
Caa
Caa
Baa
Peugeot S.A.⾷ɟɀɯʀ⾸
Hyundai Motor Company
⾷ᥰͦ⾸
Baa1
Baa
Caa
Caa
Baa
Baa3
Ba
Aaa
Caa
Ba
ǓǨȦ⅋ؔ⟥⾷ǓǨȦ⾸
Baa3
Ba
Aaa
Baa
Ba
Kia Motors Limited⾷❙̨⾸
Baa3
Ba
Aaa
Aa
Ba
Fiat S.p.A.⾷ɝȫȪɋɐ⾸
Ba1
Ba
Baa
Baa
Ba
Tata Motors Limited⾷ɇɇ⾸
Ba1
Ba
Y
ᅠ᧳⅋ؔ⟥⾷ᅠ᧳⾸
Volkswagen AG
⾷ɝȱɳȷɁɷʀȺɻ⾸
A
A
Ba
Ba3
Ba
Caa
Caa
Ba
B3
Caa
Caa
Caa
Caa
B3
Caa
B
Caa
Caa
Daimler AG⾷ɈȬɨɱʀ⾸
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
Renault S.A.⾷ɳɖʀ⾸
ʿ≰⅋ؔ⟥⾷ʿ≰⾸
Ford Motor Company
⾷ɝȱʀɑ⾸
General Motors Corporation
⾷GM⾸
ɥɀɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ
ɕȴɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ
観察結果 と アウ ト ラ イ ヤー
市場シ ェ アの推移
市場シ ェ アについては、 BMW、 いす ゞ 、 起亜、 タ タ の 4 社が明確なポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と
な っ てい る 。 こ れ ら 各社の場合、 過去の市場シ ェ アの拡大ペース が将来にわた っ て持続可能 と はムー
デ ィ ーズはみていない。 将来の市場シ ェ アの拡大ペー ス が鈍化す る 可能性については、 製品ポー ト
フ ォ リ オの幅 と 強 さ のサブ要因におけ る 各社の評価に反映 さ れ る 。
一方、 ダ イ ム ラ ー、 ル ノ ー、 プジ ョ ーは市場シ ェ アについての明確なネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と
な っ てい る 。 ポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤーにおけ る状況 と 同様、 こ れ ら の発行体の最近のシ ェ アの傾
向が転換す る と はムーデ ィ ーズは考え ていない。 ただ し 、 ル ノ ー と プジ ョ ーについては、 2008 年中
に新製品投入ペース の加速が期待で き れば、 転換の可能性 も あ る。 ダ イ ム ラ ーについては、 その可能
性は ク ラ イ ス ラ ーの売却に伴 う 。
現代は、 グ ロ ーバルベース の市場シ ェ アの傾向で大幅なポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー、 上位 2 市場に
おけ る シ ェ アの傾向でネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ てい る。 こ れ ら の 2 つのサブ要因について
の評価結果は、 各社の長期的な地位を反映 し てい る わけではない。 現代 (お よ び起亜) のグ ロ ーバル
シ ェ アは北米市場での高い実績、 特に広範な製品カ テ ゴ リ ーへの拡大に よ っ て上昇 し て き た。 一方、
現代の上位 2 市場におけ る シ ェ アは、 韓国におけ る 地位の低下に よ っ て打撃を受けた。 し か し 、 国内
市場での地位は最近、 改善を見せ始めてお り 、 2006 年におけ る サブ要因の評価 Caa よ り は る かに良
い傾向を示 し てい る 。
11
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
格付け要因 2 : レバレ ッ ジ と 流動性 (20%)
この要因が重要な理由
自動車製造セ ク タ ーには、 循環性の高 さ 、 比較的低い営業利益お よ び営業利益率、 多額の設備投資、
R&D、 新製品投入の必要性 と い う 特徴があ る。 適度な レバレ ッ ジ と 十分な流動性を維持する こ と が、
循環的な下降局面で負の影響が生 じ た と き で も 自動車 メ ーカーが必要な投資のための資金を確保す
る こ と に寄与 し う る 。自動車業界の格付け手法ではレ バレ ッ ジ と 流動性の評価に 3 つの指標を用い る。
評価基準
„
3 年平均有利子負債 / EBITDA (5%)
„
3 年平均有利子負債 / キ ャ ピ タ リ ゼーシ ョ ン (5%)
„
3 年平均 (現金+市場性のあ る 有価証券) / 総有利子負債 (10%)
┶ࡍ 2⿉ɴɘɴɋɀǷᘓؔමǽ△Ϣ࣠ᛡ
Aaa
Aa
A
Baa
Ba
B
Caa
< 1.0x
Ľ 1x <2x
Ľ 2x <3x
Ľ 3x <4x
Ľ 4x <5x
Ľ 5x <6x
Ľ 6x
3 ౫౪ࢍሱ֐੿⛤҆ /
ȵɫɜɇɲɄʀȿɯɻ
5%
< 30%
Ľ 30%
< 40%
Ľ 40%
< 50%
3 ౫౪ࢍ⾷ᥰ⦘⾺లई
මǽǑȚሱϢ▩֟⾸/
ἕሱ֐੿⛤҆
10%
> 50%
ļ 60%
Ľ 50%
< 60%
Ľ 60%
< 70%
Ľ 70%
< 80%
Ľ 80%
> 40%
> 30%
> 20%
> 10%
ļ 10%
ļ 50%
ļ 40%
ļ 30%
ļ 20%
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
3 ౫౪ࢍሱ֐੿⛤҆ /
EBITDA
Y
Ƚɞ┶ࡍǽ
ȮȰȬɐ
5%
> 60%
┶ࡍ 2⿉ɴɘɴɋɀǷᘓؔමǺdzǓǵǽ᰷۬ǽɦɋɜɻȸệእ
Ή᰷۵
┶ࡍǽȮȰȬɐ
ɐɰɇ⅋ؔ⟥⾷ɐɰɇ⾸
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
ቊᨀཪᮾకᏡ⾷ɣɻɈ⾸
Aa3
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
BMW AG⾷BMW⾸
A1
Aa
Aa
Aa
Aaa
A3
Aa
Aaa
Aaa
Aa
A3
Baa
Baa
Ba
A
ᅠ᧳⅋ؔ⟥⾷ᅠ᧳⾸
Volkswagen AG
⾷ɝȱɳȷɁɷʀȺɻ⾸
A3
Aa
Aa
A
Aa
Renault S.A.⾷ɳɖʀ⾸
Baa1
A
A
A
Aa
Peugeot S.A.⾷ɟɀɯʀ⾸
Baa1
A
Baa
Baa
Aa
Hyundai Motor Company
⾷ᥰͦ⾸
Baa3
Baa
Ba
Baa
Baa
ǓǨȦ⅋ؔ⟥⾷ǓǨȦ⾸
Baa3
Ba
Baa
Ba
Ba
Kia Motors Limited⾷❙̨⾸
Baa3
Ba
B
Baa
Ba
Fiat S.p.A.⾷ɝȫȪɋɐ⾸
Ba1
Ba
Caa
B
A
Tata Motors Limited⾷ɇɇ⾸
Ba1
Ba
A
Baa
B
ʿ≰⅋ؔ⟥⾷ʿ≰⾸
Ford Motor Company
⾷ɝȱʀɑ⾸
General Motors Corporation
⾷GM⾸
Ba3
Baa
Caa
Ba
Aa
B3
Baa
B
Caa
Aaa
B3
Ba
Caa
Caa
A
Daimler AG⾷ɈȬɨɱʀ⾸
ɥɀɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ
ɕȴɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ
12
⫧ቃ጗͛Ǡ / CFR ɴɘɴɋɀǷᘓؔ 3 ౫౪ࢍሱ֐੿ 3 ౫౪ࢍሱ֐੿ 3 ౫౪ࢍ⾷ᥰ⦘⾺ల
මǺdzǓǵǽɦɋ ⛤҆ / EBITDA ⛤҆ / ȵɫɜɇ ईමǽǑȚሱϢ▩
ɜɻȸệእ
ɲɄʀȿɯɻ ֟⾸/ ἕሱ֐੿⛤҆
5%
5%
10%
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
観察結果およびアウ ト ラ イ ヤーについての説明
3 年平均有利子負債 / EBITDA 比率
有利子負債 / EBITDA のサブ要因については、 起亜、 フ ィ ア ッ ト 、 三菱の 3 社がネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト
ラ イ ヤー と な っ てい る 。 起亜の収益お よ び EBITDA は、 ウ オン高 と 、 それに伴 う 同社の輸出売上高 ・
営業利益への圧力に よ っ て毀損 さ れた。 同社は短期的な コ ス ト 削減策を実行 し てお り 、 長期的には北
米に製造設備を建設す る 戦略を進めてい る 。 ムーデ ィ ーズは、 こ う し た取 り 組みが、 同社の長期的な
収益性の回復、 お よ び有利子負債 / EBITDA 比率の低下に寄与す る と みてい る。 フ ィ ア ッ ト と 三菱の
業績は 2005 年ま では極めて低調だっ た。 こ の時期が 3 年平均に含まれてい る ため、 両社の評価が、
有利子負債 / EBITDA 比率をは じ め と す る多 く のサブ要因でネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ てい
る 。 し か し 、 両社の業績は 2006 年中に大幅に改善 し 、 2008 年にかけて引 き 続き 向上 し てい く だろ う 。
タ タ は現在、 有利子負債 / EBITDA 比率でポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ てい る。 し か し 、 同社
は 2007 年中に積極的な設備投資を行っ たために有利子負債の水準が高ま っ た。 そのため、 今後、 同
社の有利子負債 / EBITDA 比率の 3 年平均は著 し く 低下する と ムーデ ィ ーズはみてい る。
3 年平均有利子負債 / キ ャ ピ タ リ ゼーシ ョ ン比率
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
Y
こ のサブ要因のネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤーはフ ォ ル ク ス ワーゲンのみであ る。 し か し 、 有利子負債
削減 と 資本増強を進めた こ と で、 同社の 2006 年の有利子負債 / キ ャ ピ タ リ ゼーシ ョ ン比率は大幅に
低下 し た。 同社の経営改善策が着実に成果を あげれば、 同社の資本構造の一層の改善につなが り 、 有
利子負債 / キ ャ ピ タ リ ゼーシ ョ ン比率の 3 年平均がシ ン グル A の格付け水準に近づ く であ ろ う 。
3 年平均 (現金+市場性のある有価証券) / 総有利子負債比率
こ のサブ要因のネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤーは タ タ のみであ る。 多 く の発行体はポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト
ラ イ ヤー と な っ てい る 。 こ れは、 多 く の自動車 メ ーカーが、 セ ク タ ーの明確な循環性に対応する財務
戦略を と っ てい る こ と と 整合的で あ る。 多額の流動性ポ ジ シ ョ ン を維持す る と い う こ の財務戦略で
は、 循環的な下降局面で大 き な ク ッ シ ョ ンが確保 さ れ る。 こ の よ う な堅実な財務戦略上では、 資本構
成におけ る 有利子負債が比較的低水準に維持 さ れ る ため、 有利子負債 / EBITDA 比率お よ び有利子負
債 / キ ャ ピ タ リ ゼーシ ョ ン比率で多 く のポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤーが生 じ る 。 タ タ は、 多額の設備
投資を行っ たために、 キ ャ ッ シ ュ ポジシ ョ ンが大幅に低下 し た。
格付け要因 3 : 収益性 と 利益 (15%)
この要因が重要な理由
収益性指標は、 各社が事業 ・ 競争モデルの多 く の重要な領域で どれだけ成果を上げてい る かをみる も
のであ る 。 その領域には、 製造におけ る効率性、 サプ ラ イ ヤー と の有効かつ相互補完的な関係を構築
す る 能力、 過大な イ ン セ ン テ ィ ブに依存す る こ と な く 市場シ ェ ア を維持で き る度合い、 その メ ーカー
の車の価値に対す る 消費者の見方、 保証費用に反映 さ れ る車の質が含まれ る。 収益性は、 自動車 メ ー
カーが有効な ビ ジ ネ ス モデル を構築 ・ 実行 ・ 維持す る 成否を示す主要な指標で あ る。 し か し 、 メ ー
カーの収益性は循環的な下降局面や一時的な悪化に見舞われ る こ と があ る 。収益悪化か ら 回復で き る
かは、 ブ ラ ン ド 力や製品 リ ニ ューアルサ イ ク ルに よ る こ と が多 く 、 こ れ ら の要因が製品ポー ト フ ォ リ
オの強 さ のサブ要因に反映 さ れ る 。
評価基準
13
„
3 年平均 EBITA マージ ン (7.5%)
„
3 年平均 EBITA / 平均資産 (7.5%)
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
┶ࡍ 3⿉‫ہ‬ᬖමǷ֐ᬖǽ△Ϣ࣠ᛡ
3 ౫౪ࢍ EBITA
ɦʀɀɻ
Ƚɞ┶ࡍǽ
ȮȰȬɐ
7.5%
Aaa
Aa
A
Baa
Ba
B
Caa
> 9%
> 7 ļ 9%
> 5 ļ 7%
> 3 ļ 5%
> 2 ļ 3%
> 1 ļ 2%
ļ 1%
7.5%
> 10%
>8 ļ 10%
> 6 ļ 8%
> 4 ļ 6%
> 2 ļ 4%
> 0 ļ 2%
ļ 0%
3 ౫౪ࢍ EBITA
/ ౪ࢍ✇᧳
┶ࡍ 3⿉‫ہ‬ᬖමǷ֐ᬖǽ△Ϣ࣠ᛡǽɦɋɜɻȸệእ
Ή᰷۵
⫧ቃ጗͛Ǡ / CFR
‫ہ‬ᬖමǷ֐ᬖǽ
ɦɋɜɻȸệእ
3 ౫౪ࢍ EBITA
ɦʀɀɻ
7.5%
3 ౫౪ࢍ EBITA
/ ౪ࢍ✇᧳
7.5%
ɐɰɇ⅋ؔ⟥⾷ɐɰɇ⾸
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
ቊᨀཪᮾకᏡ⾷ɣɻɈ⾸
Aa3
Aa
Aa
Aaa
BMW AG⾷BMW⾸
A1
A
A
Aa
ᅠ᧳⅋ؔ⟥⾷ᅠ᧳⾸
A3
Aaa
Aaa
Aaa
Volkswagen AG⾷ɝȱɳȷɁɷʀȺɻ⾸
A3
B
B
Ba
Daimler AG⾷ɈȬɨɱʀ⾸
A3
Ba
Ba
Ba
Renault S.A.⾷ɳɖʀ⾸
Baa1
A
Aa
Baa
Peugeot S.A.⾷ɟɀɯʀ⾸
Baa1
Ba
Ba
Ba
Hyundai Motor Company⾷ᥰͦ⾸
Baa3
A
A
A
ǓǨȦ⅋ؔ⟥⾷ǓǨȦ⾸
Baa3
A
A
Aa
Kia Motors Limited⾷❙̨⾸
Baa3
Baa
Baa
Baa
Fiat S.p.A.⾷ɝȫȪɋɐ⾸
Ba1
B
B
Ba
Tata Motors Limited⾷ɇɇ⾸
Ba1
Aaa
Aaa
Aaa
ʿ≰⅋ؔ⟥⾷ʿ≰⾸
Ba3
Caa
Caa
Caa
Ford Motor Company⾷ɝȱʀɑ⾸
B3
Caa
Caa
Caa
General Motors Corporation⾷GM⾸
B3
Caa
Caa
Caa
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
Y
┶ࡍǽȮȰȬɐ
ɥɀɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ
ɕȴɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ
観察結果 と アウ ト ラ イ ヤー
EBITA マージ ン と EBITA / 平均資産については、 フ ォ ル ク ス ワーゲン と 三菱の 2 社がネガテ ィ ブ ・ ア
ウ ト ラ イ ヤー と な っ た。 ただ し 、 3 年平均では大幅なネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ たが、 両社
の業績は 2006 年中に大幅に改善 し てお り 、 ムーデ ィ ーズは こ の改善傾向が続 く と みてい る。 フ ォ ル
ク ス ワ ーゲンについては、 「ForMotionplus」 コ ス ト 削減策や、 2008 年後半の Golf の リ ニ ュ ーアルを牽
引役 と す る 回復が期待 さ れ る 。 三菱については、 広範な コ ス ト 削減策が高い成果を あげてい る。 それ
ら の進展に伴い、 両社が収益性 と 利益のサブ要因でア ウ ト ラ イ ヤー と な っ てい る 状況は 2007 年度中
あ る いはそれ以降に大幅に改善する であ ろ う 。
最 も 顕著なポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ てい る のが日産であ る。 前述の通 り 、 日産が高い利益
お よ び利益率を維持で き る 力を示す こ と がで き れば、 格付けの改善につなが る可能性があ り 、 こ のサ
ブ要因でア ウ ト ラ イ ヤー と な っ てい る 状況か ら 差が縮小 し てい く だろ う 。
ル ノ ーは EBITA マージ ンのサブ要因でポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ てい る が、 こ れは日産へ
の出資が資本に反映 さ れてい る こ と を主な要因 と し てい る 。
タ タ は自動車業界で も 突出 し て高い利益を確保 し てい る 。今後は低下 し てい く こ と が見込まれ る も の
の、 同社は イ ン ド 市場で極めて高い競争上の地位を維持 し てい る こ と か ら 、 ポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ
ヤーの地位に と ど ま る と 考え ら れ る が、 その差は現在 よ り も 縮小する だろ う 。
14
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
格付け要因 4 : キ ャ ッ シ ュ フ ロー と 債務履行能力 (25%)
この要因が重要な理由
債務に対 し て適度な水準のキ ャ ッ シ ュ フ ロ ーを生成する 能力、支払利息に対 し て適度な利益を確保す
る 能力は、 デフ ォ ル ト か ら の距離を評価する ための重要な要因であ る 。
リ テ イ ン ド キ ャ ッ シ ュ フ ロー
および フ リ ーキ ャ ッ シ ュ フ ローの有利子負債に対する比率
こ れ ら の 2 つの指標は、発行体の有利子負債に対す る キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー生成能力をみる 代替指標 と な
る 。 リ テ イ ン ド キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー (RCF) は、 留保 さ れ る キ ャ ッ シ ュ フ ロ ーをみる が、 総キ ャ ッ シ ュ フ
ロ ー (純利益に現金流入を伴わない利益 と 現金流出を伴わない費用を加除 し た も の) か ら 配当を差 し
引いた も のを さ す。 有利子負債に対する RCF お よ び再投資が大 き いほ ど、 事業 ・ 財務上の ス ト レ ス
に耐え る 能力が高 く 、 デフ ォ ル ト を回避で き る と み ら れ る 。
Y
フ リ ーキ ャ ッ シ ュ フ ロ ー (FCF) は総キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー (純利益に現金出入を伴わない収益お よ び費用
を加減 し た も の) か ら 運転資本必要額、 設備投資額、 お よ び配当を控除 し た も のであ る。 FCF は主
に、 企業が負債削減、 買収、 株主への特別配当な ど に利用で き る キ ャ ッ シ ュ フ ロ ーをみ る 指標で あ
る 。 企業の FCF の規模 と 安定性は、 債務履行能力をみ る重要な指標 と な る。
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
FCF の主な収益源は収益だが、 設備投資の水準や運転資本の増減に よ っ て も 大 き く 影響を受け る。 し
か し 、 設備投資の水準は大幅に変化 し う る 。 ま た、 発行体の事業サ イ ク ルの局面や事業環境に よ っ
て、 運転資本の増減額がキ ャ ッ シ ュ を生み出す、 あ る いは減少 さ せる こ と も あ る 。 こ の よ う に FCF に
潜在的な変動性があ る ため、ムーデ ィ ーズは RCF と FCF の両方を用い る こ と が有効だ と 考え てい る。
リ テ イ ン ド キ ャ ッ シ ュ フ ロー / 純有利子負債比率
現金お よ び市場性のあ る 有価証券の保有額は各社で異な る。 レ バ レ ッ ジ と 流動性の項に示 し た通 り 、
一部の企業は極めて多額の流動性を維持 し てお り 、 大幅な負債削減に充当 し 、 さ ら に着実に流動性
ク ッ シ ョ ン を維持す る こ と がで き る 。自動車 メ ーカーが債務負担に対 し て十分な キ ャ ッ シ ュ フ ロ ーを
確保す る 能力を、 よ り バ ラ ン ス が と れ、 公平に比較で き る よ う にす る ため、 ムーデ ィ ーズは、 リ テ イ
ン ド キ ャ ッ シ ュ フ ロ ーの純有利子負債 (有利子負債-現金お よ び市場性のあ る有価証券) に対する 比
率を用い る こ と に し た。
イ ン タ レ ス ト カバレ ッ ジ
カバレ ッ ジ レ シオは、 企業が利息お よ びその他の固定金融費用を支払 う 能力を示す も ので、 デフ ォ ル
ト リ ス ク を評価す る 最 も 重要な指標のひ と つであ る 。
評価基準
15
„
3 年平均フ リ ーキ ャ ッ シ ュ フ ロ ー / 有利子負債比率 (5%)
„
3 年平均 リ テ イ ン ド キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー / 有利子負債比率 (5%)
„
3 年平均 リ テ イ ン ド キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー / 純有利子負債比率 (5%)
„
3 年平均 EBIT / 支払利息比率 (10%)
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
┶ࡍ 4⿉ȵɫɋȿɭɝɵʀǷ҆‫ؘ‬୨⒅⃆‫מ‬ǽ࣠ᛡ
3 ౫౪ࢍɝɲʀȵɫɋȿɭ
ɝɵʀ / ሱ֐੿⛤҆ᕉ᤹
Ƚɞ┶ࡍǽ Aaa
ȮȰȬɐ
5%
> 20%
3 ౫౪ࢍɲɎȬɻɑȵɫɋȿɭ
ɝɵʀ / ሱ֐੿⛤҆ᕉ᤹
5%
3 ౫౪ࢍɲɎȬɻɑȵɫɋȿɭ
ɝɵʀ / ẗሱ֐੿⛤҆ᕉ᤹
5%
3 ౫౪ࢍ EBIT
/ ნཌ֐ෲᕉ᤹
10%
Aa
> 10%
A
Baa
Ba
B
>5 ļ 10% > 0 ļ 5% > -2.5 ļ 0% >-5 ļ -2.5%
Caa
ļ -5%
> 50%
ļ 20%
> 40%
> 30%
> 20%
> 10%
> 0 ļ 10%
ļ 0%
> 90%
ļ 50%
> 70%
ļ 40%
> 50%
ļ 30%
> 30%
ļ 20%
> 20%
> 10%
ļ 10%
ļ 90%
ļ 70%
ļ 50%
ļ 30%
ļ 20%
>8x ļ 10x
>6x ļ 8x
>4x ļ 6x
>2x ļ 4x
>1 ļ 2x
> 10x
ļ 1x
┶ࡍ 4⿉ȵɫɋȿɭɝɵʀǷ҆‫ؘ‬୨⒅⃆‫מ‬ǽɦɋɜɻȸệእ
Ή᰷۵
┶ࡍǽȮȰȬɐ
⫧ቃ጗͛Ǡ / ȵɫɋȿɭɝɵʀ 3 ౫౪ࢍ FCF/
3 ౫౪ࢍ RCF/ 3 ౫౪ࢍ RCF/ 3 ౫౪ࢍ
CFR
Ƿ҆‫ؘ‬୨⒅⃆‫מ‬ǽ ሱ֐੿⛤҆ᕉ᤹ ሱ֐੿⛤҆ᕉ᤹ ẗሱ֐੿⛤҆ EBIT/ ნཌ
ɦɋɜɻȸệእ
ᕉ᤹
֐ෲᕉ᤹
5%
5%
5%
10%
Aaa
Aa
Ba
Aaa
Aaa
Aaa
ቊᨀཪᮾకᏡ⾷ɣɻɈ⾸
Aa3
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
BMW AG⾷BMW⾸
A1
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
ᅠ᧳⅋ؔ⟥⾷ᅠ᧳⾸
Volkswagen AG
⾷ɝȱɳȷɁɷʀȺɻ⾸
Daimler AG
⾷ɈȬɨɱʀ⾸
A3
Aaa
Aa
Aaa
Aaa
Aaa
A3
Aa
Aa
A
A
Aaa
A3
Ba
Caa
Baa
Aa
Ba
Renault S.A.⾷ɳɖʀ⾸
Baa1
A
Baa
Baa
A
A
Peugeot S.A.⾷ɟɀɯʀ⾸
Hyundai Motor Company
⾷ᥰͦ⾸
Baa1
Ba
Ba
Baa
Baa
Ba
Baa3
Baa
Baa
Baa
Ba
Baa
ǓǨȦ⅋ؔ⟥⾷ǓǨȦ⾸
Kia Motors Limited
⾷❙̨⾸
Baa3
Baa
A
Baa
Ba
A
Baa3
Ba
Caa
Baa
Ba
Ba
Fiat S.p.A.⾷ɝȫȪɋɐ⾸
Tata Motors Limited
⾷ɇɇ⾸
Ba1
B
Caa
Ba
Ba
Caa
Ba1
Ba
Caa
Baa
Ba
Baa
ʿ≰⅋ؔ⟥⾷ʿ≰⾸
Ford Motor Company
⾷ɝȱʀɑ⾸
General Motors
Corporation⾷GM⾸
Ba3
Caa
Caa
Caa
Caa
Caa
B3
B
Ba
Ba
Baa
Caa
B3
B
Caa
Ba
Baa
Caa
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
Y
ɐɰɇ⅋ؔ⟥⾷ɐɰɇ⾸
ɥɀɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ
ɕȴɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ
観察結果 と アウ ト ラ イ ヤー
トヨタ
ト ヨ タ は、 FCF / 有利子負債比率でネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ た。 こ れは、 2006 年中の フ ァ
イ ナン ス活動に よ っ て FCF がマ イ ナ ス の影響を受けた こ と が主因であ る 。 ただ し 、 こ の 1 年間の変
動に も かかわ ら ず、 ト ヨ タ は継続的に多額の フ リ ーキ ャ ッ シ ュ フ ロ ーを創出 し てい く と ムーデ ィ ーズ
はみてい る 。
BMW
BMW は全ての フ リ ーキ ャ ッ シ ュ フ ロ ー指標 と カバレ ッ ジ指標について大幅なポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ
イ ヤー と な っ た。 同社は こ れ ら の点で高い実績を あげてい る が、 格付け手法に よ る推定格付けは Aa3
と 、 実際の格付け A1 (見通 し は安定的) と 1 ノ ッ チの差 し か生 じ なかっ た。 ムーデ ィ ーズは BMW
の格付けは現在の A1 の水準で安定 し てい る と 考え てい る。 同社の過去の高いキ ャ ッ シ ュ フ ロ ー生成
16
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
能力 と 関連指標は、 同社が最近、 設備投資を増加 さ せた こ と に よ っ て低下す る可能性があ る。 設備投
資の増加は、 長期的な成長目標を達成す る ための生産設備の増強 と み ら れ る。 ま た、 CO2 排出量規制
への対応に よ り 、 設備投資が増加する 可能性 も あ る 。
日産
日産は リ テ イ ン ド キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー と カバレ ッ ジについて大幅なポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ
た。 本格付け手法の他のセ ク シ ョ ンで述べた通 り 、 こ の実績 (特に製品ポー ト フ ォ リ オの幅 と 強 さ の
サブ要因に反映 さ れ る 領域での実績) が持続可能であ る こ と が明 ら かになれば、 日産の格付けに上方
圧力がかか る 可能性があ る 。
ダ イム ラ ー
起亜
Y
ダ イ ム ラ ーは、 キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー と 債務履行能力、 FCF / 有利子負債、 EBIT / 支払利息について大幅
なネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ たが、 こ れは主に、 ク ラ イ ス ラ ーの低調な業績に よ る も のであ
る 。 ク ラ イ ス ラ ーの低調な業績に も かかわ ら ず、 ク ラ イ ス ラ ーは極めて強固な流動性ポジシ ョ ン を維
持 し て き てお り 、 その こ と は現金お よ び市場性のあ る有価証券のサブ要因でポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ
ヤー と な っ てい る こ と に示 さ れてい る 。 こ の よ う な流動性ポジシ ョ ン を維持 し てい る こ と に よ り 、 ダ
イ ム ラ ーは RCF / 純有利子負債比率で も ポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ てい る。
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
起亜は積極的な設備投資を行い、 設備投資額 / 減価償却費の比率の過去 3 年間の平均が約 275% にの
ぼっ てい る ため、 FCF は大幅な赤字であ る。 ま た、 売掛金回収日数が 2003 年の 17 日か ら 2006 年に
は 30 日に、 棚卸資産回転日数が同期間に 59 日か ら 83 日にな っ た こ と に よ る 運転資本必要額の増大
も 、 FCF を減少 さ せ る 要因 と な っ てい る 。
フ ィアッ ト
フ ィ ア ッ ト は、 2005 年にかけての業績が低調であ っ たため、 FCF / 有利子負債比率 と カバレ ッ ジでネ
ガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ てい る 。 指標は 2006 年中に大幅に改善 し 、 2007 年にかけて さ ら に
向上す る と 見込まれ る 。
タタ
タ タ は、 2006 年ま では FCF / 有利子負債比率が極めて良好であ っ たが、 同年に積極的な設備投資計画
を実行 し た こ と を一因 と し て、 FCF が大幅な赤字 と な り 、 有利子負債が増大 し た。
三菱
三菱は、 全てのキ ャ ッ シ ュ フ ロ ーお よ び債務履行能力の指標でネガ テ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ
た。 し か し 、 コ ス ト 削減策に よ り 、 業績 と 指標の力強い回復が進んでい る 。
フ ォ ー ド および GM
フ ォー ド と GM は RCF / 純有利子負債比率でポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ た。 両社 と も 、 潤沢
な流動性に よ っ て純有利子負債の水準が大幅に低 く な っ てお り 、 その良好な流動性ポ ジ シ ョ ン に よ
り 、 両社は (現金+市場性のあ る 有価証券) / 総有利子負債比率のサブ要因で も ポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト
ラ イ ヤー と な っ てい る。 し か し 、 こ の流動性のほ と ん ど は、 2007 年お よ び 2008 年におけ る フ リ ー
キ ャ ッ シ ュ フ ロ ーの赤字埋め合わせ と 、 2007 年におけ る UAW (全米自動車労働組合) と の契約交渉
に伴 う 必要資金のカバーに必要だっ た も の と み ら れ る 。
17
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
格付け要因 5 : フ ァ イ ナン ス会社 (ウエ イ ト 5%)
この要因が重要な理由
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
評価基準
Y
ホールセールお よ び リ テールの販売活動におけ る フ ァ イ ナ ン ス サポー ト が得 ら れ る こ と は、 自動車
メ ーカーが競争上の地位を確保する 能力の重要な要素であ る 。本稿の検討対象 と な っ てい る 多 く の自
動車 メ ーカーは、 そ う し た ホールセールお よ び リ テールの フ ァ イ ナン ス サポー ト を提供す る、 戦略的
に重要な役割を担っ てい る 。 極めて緊密な戦略上 ・ 事業上の関係に加え、 メ ーカーか ら フ ァ イ ナン ス
会社お よ びフ ァ イ ナ ン ス 会社の格付け対象債務の保有者に対す る 正式なサポー ト 契約が締結 さ れて
い る こ と が一般的であ る 。 フ ァ イ ナン ス会社に対する ムーデ ィ ーズの格付けには、 1) 親会社 と の間の
戦略上 ・ 事業上の関係に よ る 恩恵、 2) 正式なサポー ト 契約の強 さ 、 3) 引受基準、 ポー ト フ ォ リ オの
質、 レ バ レ ッ ジ、 流動性、 収益性、 資本生成能力についての詳細な分析が反映 さ れ る。 多 く の場合、
こ の分析の結果はフ ァ イ ナン ス会社の格付けが メ ーカー と 同水準 と な る 。 し か し 、 銀行規制や資産カ
バ レ ッ ジに よ っ て フ ァ イ ナ ン ス 会社の予想損失が親会社 よ り 良好 と な る 場合があ り 、 それに よ っ て
フ ァ イ ナン ス会社の格付けが親会社の格付け よ り 高 く な る こ と があ る 。 し か し 、 100% 所有や緊密な
戦略的関係があ る 場合には、 通常、 両社の格付けの差は 1 ノ ッ チに と ど ま り 、 2 ノ ッ チの差が生 じ う
る のは限 ら れた状況においてであ る 。 GM と GMAC の間に 3 ノ ッ チの差があ る のは、 GMAC に対す
る GM の所有比率が 50% 未満であ る こ と と 、 GM が直面す る信用 リ ス ク に よ っ て GMAC の債務の予
想損失が影響を受け る 可能性が制限 さ れ る ガバナン ス条項が存在する こ と に よ る も のであ る 。
フ ァ イ ナン ス会社の事業が、 ムーデ ィ ーズの格付け手法に基づ く 推定格付けに与え る 影響をみる にあ
た り 、 ムーデ ィ ーズは次の要因を考慮する 。
18
„
親会社のホールセールお よ び リ テール事業の普及率
„
多様な負債性資本へのア ク セ ス の度合い
„
負債性資本の相対的な コ ス ト
„
メ ーカーがホールセールお よ び リ テールの フ ァ イ ナン ス を保有ま たは支配 し てい る度合い
„
フ ァ イ ナン ス事業で資本を生成 ・ 留保す る能力
„
フ ァ イ ナン ス事業に関す る法律 ・ 規制の枠組み
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
ɝȩȬɒɻɁΉ᰷ǽ△Ϣ࣠ᛡ⾷ȮȰȬɐ 5%⾸
Aaa
Aa
A
Baa
Ba
B
Caa
ᇃ‫᤹ڽ‬
⅋ؔ⟥̗Ꮱǽ˩
┶ӴࢄࣕǶǽɲ
ɎʀɳǙȗȂ
ɣʀɳɃʀɳ۹
ǠɝȩȬɒɻɁ
ǽᇃ‫᤹ڽ‬Ǜⶲ
ǓƸȍǮǾⶲ
ȍDzǵǓȚƹ
⅋ؔ⟥̗Ꮱǽ
˩┶ӴࢄࣕǶ
ǽɲɎʀɳǙ
ȗȂɣʀɳ
Ƀʀɳ۹Ǡ
ɝȩȬɒɻɁ
ǽᇃ‫᤹ڽ‬Ǜⶲ
ǓƸȍǮǾⶲ
ȍDzǵǓȚƹ
⅋ؔ⟥̗Ꮱ
ǽ˩┶Ӵࢄ
ࣕǶǽɲ
ɎʀɳǙȗ
Ȃɣʀɳ
Ƀʀɳ۹Ǡ
ɝȩȬɒɻ
Ɂǽᇃ‫᤹ڽ‬
ǛⶲǓƸȍ
ǮǾⶲȍDz
ǵǓȚƹ
⅋ؔ⟥̗Ꮱ
ǽ˩┶Ӵࢄ
ࣕǶǽɲ
ɎʀɳǙȗ
Ȃɣʀɳ
Ƀʀɳ۹Ǡ
ɝȩȬɒɻ
Ɂǽᇃ‫᤹ڽ‬
ǛⶲǓƸȍ
ǮǾⶲȍDz
ǵǓȚƹ
˩┶ࢄࣕǶǽ
ɲɎʀɳǙȗ
ȂɣʀɳɃʀ
ɳ۹ǠɝȩȬ
ɒɻɁǽᇃ‫ڽ‬
᤹Ǜ˛Ღಏ
ǚƸ΢ˁǦǵ
ǓȚǷȎȘț
Țƹ
˩┶ࢄࣕǶǽ
ɲɎʀɳǙȗ
ȂɣʀɳɃʀ
ɳ۹ǠɝȩȬ
ɒɻɁǽᇃ‫ڽ‬
᤹Ǜ΢ǓǚƸ
΢ˁǦǵǓȚ
ǷȎȘțȚƹ
˩┶ࢄࣕǶǽ
ɲɎʀɳǙȗ
ȂɣʀɳɃʀ
ɳ۹ǠɝȩȬ
ɒɻɁǽᇃ‫ڽ‬
᤹Ǜ΢ǓǚƸ
΢ˁǦǵǓȚ
ǷȎȘțȚƹ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
✇ቊలई
⓹ᄋǽ˩┶ࢄࣕ
ǽలईǺǙǓǵ
এᐯǹ▩֟ᲷⲲ
Ƕ☈⣕ǨȚ⃆‫מ‬
ǛᏩȐǵⶲǓƹ
⓹ᄋǽ˩┶ࢄ
ࣕǽలईǺǙ
Ǔǵএᐯǹ▩
֟ᲷⲲǶ☈⣕
ǨȚ⃆‫מ‬Ǜ
ⶲǓƹ
এᐯǹ▩֟
ᲷⲲǶ☈⣕
ǨȚ⃆‫מ‬Ǜ
↝৓ǶǑȚƹ
এᐯǹ▩֟
ᲷⲲǶ☈⣕
ǨȚ⃆‫מ‬Ǜ
ǑȚƹ
✇ቊలईǙȗ
ȂǬǽ͙ǽ✇
⦘☈⣕ᛠȇǽ
ȪȷɃɁǛ⭈
઻᫢ǶǑȚƹ
✇ቊలईǙȗ
ȂǬǽ͙ǽ✇
⦘☈⣕ᛠȇǽ
ȪȷɃɁǛᏩ
Ȑǵ⭈઻᫢Ƕ
ǑȚƹ
✇ቊలईǙȗ
ȂǬǽ͙ǽ✇
⦘☈⣕ᛠȇǽ
ȪȷɃɁǛᏩ
Ȑǵ˃᯺ી
ǶƸᘓؔමǛ
⢽⡶ǨȚ‫⃆۝‬
මǛǑȚƹ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
✇ቊȻɁɐ
✇ቊȻɁɐǛⰞ
౐Ǻ΢ǓǮȐƸ
ɲɎʀɳǙȗȂ
ɣʀɳɃʀɳǽ
ⲵૃǺሬȑᴽ̕
‫מ‬ǽǑȚɝȩȬ
ɒɻɁቷͲȡံ
ϜǦƸⶲǓ֐ᬖ
ȡ᯺ЄǨȚǢǷ
ǛǶǜȚƹᴽ۰
ǽ⦘␯ᑿ⬄ǛǤ
ȘǺ΢Ǔ⦘֐Ƕ
✇⦘ȡ☈⣕Ƕǜ
ȚǢǷǾȊǷȢ
ǸǹǓƹ
✇ቊȻɁɐǛ
΢ǓǮȐƸɲ
ɎʀɳǙȗȂ
ɣʀɳɃʀɳ
ǽⲵૃǺሬȑ
ᴽ̕‫מ‬ǽǑȚ
ɝȩȬɒɻɁ
ቷͲȡံϜ
ǦƸⶲǓ֐ᬖ
ȡ᯺ЄǨȚǢ
ǷǛǶǜȚƹ
✇ቊȻɁɐ
ˀǽᴽ̕‫מ‬
ǛǑȚǮȐƸ
ɲɎʀɳǙ
ȗȂɣʀɳ
Ƀʀɳǽⲵ
ૃǺᴽ̕‫מ‬
ǽǑȚɝȩ
ȬɒɻɁቷ
ͲȡံϜǦƸ
ⶲǓ֐ᬖȡ
᯺ЄǨȚǢ
ǷǛǶǜȚƹ
✇ቊȻɁɐ
ˀǽᴽ̕‫מ‬
ǛǑȚǮȐƸ
ɲɎʀɳǙ
ȗȂɣʀɳ
Ƀʀɳǽⲵ
ૃǺᴽ̕‫מ‬
ǽǑȚɝȩ
ȬɒɻɁቷ
ͲȡံϜǦƸ
ⶲǓ֐ᬖȡ
᯺ЄǨȚǢ
ǷǛǶǜȚƹ
Y
ǚdzƸ
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
͙ǽɲɎʀɳ
ǙȗȂɣʀɳ
Ƀʀɳ۹Ǡ
ɝȩȬɒɻɁ
ǽံϜ‫‮‬Ƿᕉ
⟿Ǧǵ✇ቊȻ
ɁɐǛⶲǓƹ
ཀሱ⬄ϭ
ǚdzƸ
͙ǽɲɎʀɳ
ǙȗȂɣʀɳ
Ƀʀɳ۹Ǡ
ɝȩȬɒɻɁ
ǽံϜ‫‮‬Ƿᕉ
⟿Ǧǵ✇ቊȻ
ɁɐǛⰞ౐Ǻ
ⶲǓƹ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ɝȩȬɒɻɁ̗
ᏡǛ⅋ؔ⟥ɩʀ
ȳʀȸɳʀɟǽ
100% ཀሱ੿Ή
᰷ǶǑȚƹ
ɝȩȬɒɻɁ
̗ᏡǛ⅋ؔ⟥
ɩʀȳʀȸ
ɳʀɟǽ
100% ཀሱ੿
Ή᰷ǶǑȚƹ
ɝȩȬɒɻ
Ɂ̗ᏡǛ⅋
ؔ⟥ɩʀ
ȳʀȸɳʀ
ɟǽ 100%
ཀሱ੿Ή᰷
ǶǑȚƹ
ɝȩȬɒɻ
Ɂ̗ᏡǛ⅋
ؔ⟥ɩʀ
ȳʀȸɳʀ
ɟǽ 100%
ཀሱ੿Ή᰷
ǶǑȚƹ
⅋ؔ⟥ɩʀ
ȳʀȸɳʀɟ
ǺȗȚɝȩȬ
ɒɻɁ̗Ꮱǽ
ཀሱᕉ᤹Ǿ
100% ቈᛙǶ
ǑȚƹ
⅋ؔ⟥ɩʀ
ȳʀȸɳʀɟ
ǺȗȚɝȩȬ
ɒɻɁ̗Ꮱǽ
ཀሱᕉ᤹Ǿ
100% ቈᛙǶ
ǑȚƹ
⅋ؔ⟥ɩʀ
ȳʀȸɳʀɟ
ǺȗȚɝȩȬ
ɒɻɁ̗Ꮱǽ
ཀሱᕉ᤹Ǿ
100% ቈᛙǶ
ǑȚƹ
ǚdzƸ
✇ቊǽ᧯༔ɿ ༔⫧ƸЈ᧸၏ড
᨞Є
ȇǽଓඅƸలई
ǽᚆ̇ȇǽଓ՘
Ǜ‫⃆۝‬ǹᏩȐǵ
ⶲǓ✇ቊ᧯༔ɿ
᨞Є⃆‫מ‬ȡȑ
dzƹᗕ᫢ࢄΡǙ
ȗȂ╄֝ǽኩẻ
ȎȑǬǽᣞᗇȡ
ნǗǵǓȚǷȎ
ȘțȚƹ
19
ǚdzƸ
͙ǽɲɎʀɳ
ǙȗȂɣʀɳ
Ƀʀɳ۹Ǡ
ɝȩȬɒɻɁ
ǽံϜ‫‮‬Ƿᕉ
⟿Ǧǵ✇ቊȻ
ɁɐǛⶲǓƹ
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
ǚdzƸ
༔⫧ƸЈ᧸၏
ডȇǽଓඅƸ
లईǽᚆ̇ȇ
ǽଓ՘Ǜ‫⃆۝‬
ǹⶲǓ✇ቊ᧯
༔ɿ᨞Є⃆‫מ‬
ȡȑdzƹᗕ᫢
ࢄΡǙȗȂ╄
֝ǽኩẻȎȑ
Ǭǽᣞᗇȡნ
ǗǵǓȚǷȎ
ȘțȚƹ
༔⫧ƸЈ᧸
၏ডȇǽଓ
අƸలईǽ
ᚆ̇ȇǽଓ
՘Ǜ‫⃆۝‬ǹ
↝৓ǹ✇ቊ
᧯༔ɿ᨞Є
⃆‫מ‬ȡȑdzƹ
ᗕ᫢ࢄΡǙ
ȗȂ╄֝ǽ
ኩẻȎȑǬ
ǽᣞᗇȡნ
ǗǵǓȚǷ
ȎȘțȚƹ
༔⫧ƸЈ᧸
၏ডȇǽଓ
අƸలईǽ
ᚆ̇ȇǽଓ
՘Ǜ‫⃆۝‬ǹ
⣪ಏǹ✇ቊ
᧯༔ɿ᨞Є
⃆‫מ‬ȡȑdzƹ
ᗕ᫢ࢄΡǙ
ȗȂ╄֝ǽ
ኩẻȎȑǬ
ǽᣞᗇȡნ
ǗǵǓȚǷ
ȎȘțȚƹ
༔⫧ƸЈ᧸၏
ডȇǽଓඅƸ
లईǽᚆ̇ȇ
ǽଓ՘Ǜ‫⃆۝‬
ǹʶ઻ǽ✇ቊ
᧯༔ɿ᨞Є⃆
‫מ‬ȡȑdzƹᗕ
᫢ࢄΡǙȗȂ
╄֝ǽኩẻȎ
ȑǬǽᣞᗇȡ
ნǗǵǓȚǷ
ȎȘțȚƹ
༔⫧ƸЈ᧸၏
ডȇǽଓඅƸ
లईǽᚆ̇ȇ
ǽଓ՘Ǜ‫⃆۝‬
ǹʶ઻ǽ✇ቊ
᧯༔ɿ᨞Є⃆
‫מ‬ȡȑdzƹᗕ
᫢ࢄΡǙȗȂ
╄֝ǽኩẻȎ
ȑǬǽᣞᗇȡ
ნǗǵǓȚǷ
ȎȘțȚƹ
༔⫧ƸЈ᧸၏
ডȇǽଓඅƸ
లईǽᚆ̇ȇ
ǽଓ՘Ǜ‫⃆۝‬
ǹ✇ቊ᧯༔ɿ
᨞Є⃆‫מ‬Ǜ೻
Ǔƹᗕ᫢ࢄΡ
ǙȗȂ╄֝ǽ
ኩẻȎǛǬǽ
ᣞᗇȡნǗǵ
ǓȚǷȎȘ
țȚƹ
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
┶ࡍ 5⿉ɝȩȬɒɻɁΉ᰷ǽɦɋɜɻȸệእ
⫧ቃ጗͛Ǡ / CFR
ɝȩȬɒɻɁΉ᰷ǽɦɋɜɻȸệእ
5%
ɐɰɇ⅋ؔ⟥⾷ɐɰɇ⾸
Aaa
Aaa
ቊᨀཪᮾకᏡ⾷ɣɻɈ⾸
Aa3
Aa
BMW AG⾷BMW⾸
A1
A
ᅠ᧳⅋ؔ⟥⾷ᅠ᧳⾸
A3
A
Volkswagen AG⾷ɝȱɳȷɁɷʀȺɻ⾸
A3
A
Daimler AG⾷ɈȬɨɱʀ⾸
A3
A
Renault S.A.⾷ɳɖʀ⾸
Baa1
A
Peugeot S.A.⾷ɟɀɯʀ⾸
Baa1
A
Hyundai Motor Company⾷ᥰͦ⾸
Baa3
Baa
ǓǨȦ⅋ؔ⟥⾷ǓǨȦ⾸
Baa3
Baa
Kia Motors Limited⾷❙̨⾸
Baa3
Baa
Fiat S.p.A.⾷ɝȫȪɋɐ⾸
Ba1
Ba
Tata Motors Limited⾷ɇɇ⾸
Ba1
Ba
ʿ≰⅋ؔ⟥⾷ʿ≰⾸
Ba3
Ba
Ford Motor Company⾷ɝȱʀɑ⾸
B3
B
General Motors Corporation⾷GM⾸
B3
Ba
ɥɀɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
ɕȴɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ
Y
Ή᰷۵
┶ࡍǽȮȰȬɐ
観察結果 と アウ ト ラ イ ヤー
多 く のケース で、 フ ァ イ ナン ス会社の事業のマ ッ ピ ン グ結果は、 その実際の格付けに整合 し た も の と
な っ た。 差があ る ケース で も 、 その差は 1 ノ ッ チ以内に と ど ま っ た。 ル ノ ー と プジ ョ ーについては、
フ ァ イ ナン ス会社の ス コ アは メ ーカーの実際の格付け よ り 1 ノ ッ チ高い結果 と な っ たが、 こ れは主
に、 フ ァ イ ナン ス事業に有利な規制の枠組みがあ る ためであ る 。 GM の フ ァ イ ナン ス事業は実際の格
付け よ り 1 ノ ッ チ高い格付け と な っ た。 こ の差は主に、 GMAC の単体での信用力が Ba と 評価 さ れ る
こ と に よ る。
全体のマ ッ ピ ン グ結果
本格付け手法で取 り 扱っ た 17 社の う ち、
„
4 社 (全体の 23%) の格付け手法に よ る 推定格付けが実際の格付け と 同 じ と な っ た。
„
5 社(全体の 29%)の格付け手法に よ る 推定格付けが実際の格付け よ り 1 ノ ッ チ高い水準 と な っ
た。
„
4 社 (全体の 23%) の格付け手法に よ る 推定快苦付けが実際の格付け よ り 1 ノ ッ チ低い水準 と
な っ た。
„
1 社 (全体の 6%) の格付け手法に よ る 推定格付けが実際の格付け よ り 2 ノ ッ チ高い水準 と な っ
た。
„
2社(全体の12%)の格付け手法に よ る推定格付けが実際の格付け よ り 2 ノ ッ チ低い水準な っ た。
„
1 社 (全体の 6%) の格付け手法に よ る 推定格付けが実際の格付け よ り 3 ノ ッ チ高い水準 と な っ
た。
20
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕǽ጗͛Ǡཆᗕǽɦɋɜɻȸ⒙
ȽɞȳɎȼɲʀ
△Ϣ࣠ᛡ
ȮȰȬɐ
b) ⓯‫ݨ‬ɥʀɐɝȱɲȲ
b) ᘓؔම
b) ֐ᬖ᤹
B
Caa
> -1 <0 %
> -2 <-1 %
> -3 <-2 %
<-3 %
<-3 %
> 1 <3 %
> 0 <1 %
⣏‫ ڸ‬3 ౫⫻ǽˀΡ 2 లईǶǽ⛩ॹ
۞ᄋȿȯȪǽဝᲡ
2.5%
>3%
> 1 <3 %
> 0 <1 %
> -1 <0 %
> -2 <-1 %
> -3 <-2 %
⓯‫ݨ‬ǽౙǷഁǤ
30.0%
20.0%
3 ౫౪ࢍሱ֐੿⛤҆ / EBITDA
5.0%
< 1.00 x
>1.00< 2.00 x
>2.00< 3.00 x
>3.00< 4.0 x
>4.0< 5.0 x
>5.0< 6.0 x
>6.0 x
3 ౫౪ࢍሱ֐੿⛤҆ / ȵɫɜɇɲ
Ʉʀȿɯɻ
5.0%
< 30 %
>30< 40 %
>40< 50 %
>50< 60 %
>60< 70 %
>70< 80 %
>80 %
3 ౫౪ࢍ⾷ᥰ⦘⾺లईමǽǑȚሱ
Ϣ▩֟⾸/ ἕሱ֐੿⛤҆
10.0%
> 60 %
> 50 <60 %
> 40 <50 %
> 30 <40 %
> 20 <30 %
> 10 <20 %
<10 %
15.0%
3 ౫౪ࢍ EBITA ɦʀɀɻ
7.5%
>9%
> 7 <9 %
> 5 <7 %
> 3 <5 %
> 2 <3 %
> 1 <2 %
<1 %
3 ౫౪ࢍ EBITA / ౪ࢍ✇᧳
7.5%
> 10 %
> 8 <10 %
> 6 <8 %
> 4 <6 %
> 2 <4 %
> 0 <2 %
<0 %
25.0%
3 ౫౪ࢍɝɲʀȵɫɋȿɭɝɵʀ /
ሱ֐੿⛤҆ᕉ᤹
5.0%
> 20 %
> 10 <20 %
> 5 <10 %
> 0 <5 %
> -2.5 <0 %
> -5 <-2.5 %
<-5.0 %
3 ౫౪ࢍɲɎȬɻɑȵɫɋȿɭ
ɝɵʀ / ሱ֐੿⛤҆ᕉ᤹
5.0%
> 50 %
> 40 <50 %
> 30 <40 %
> 20 <30 %
> 10 <20 %
> 0 <10 %
<0 %
3 ౫౪ࢍɲɎȬɻɑȵɫɋȿɭ
ɝɵʀ / ẗሱ֐੿⛤҆ᕉ᤹
5.0%
> 90 %
> 70 <90 %
> 50 <70 %
> 30 <50 %
> 20 <30 %
> 10 <20 %
<10 %
3 ౫౪ࢍ EBIT / ნཌ֐ෲᕉ᤹
10.0%
> 10 x
> 8 <10 x
> 6 <8 x
> 4 <6 x
> 2 <4 x
> 1 <2 x
<1 x
ɝȩȬɒɻɁΉ᰷
5.0%
5.0%
5) ɝȩȬɒɻɁΉ᰷
۰╹
100.0%
Moody’s Global Corporate Finance
b) ȬɻɇɴɁɐȳɘɴɋɀ
Ba
>3%
4) ȵɫɋȿɭɝɵʀǷ҆‫ؘ‬୨⒅⃆‫מ‬
a) ȵɫɋȿɭɝɵʀ
Baa
2.5%
3) ‫ہ‬ᬖමǷɲɇʀɻ
a) ɦʀɀɻ
A
⣏‫ ڸ‬3 ౫⫻ǽȸɵʀɘɳɡʀɁǶ
ǽ⛩ॹ۞ᄋȿȯȪǽဝᲡ
2) ɴɘɴɋɀǷᘓؔම
a) ɴɘɴɋɀ
Aa
35.0%
1) లईȿȯȪǷ⓯‫ݨ‬ɥʀɐɝȱɲȲ
a) ⛩ॹ۞ᄋȿȯȪ
Aaa
Y
ȳɎȼɲʀ
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
21
͛⩜ A⿉጗͛Ǡ┶ࡍǽɦɋɜɻȸ⒙
጗͛ཆᗕ
ᥰࢀǽ ጗͛Ǡཆᗕ లईࢄΡǷ ⣏‫ ڸ‬3 ౫⫻ǽ ⣏‫ ڸ‬3 ౫⫻ ⓯‫ݨ‬ɥʀɐ ɴɘɴɋɀ 3 ౫౪ࢍሱ
጗͛Ǡ ǺȗȚဝ઻ ǬǽဝᲡ ȸɵʀɘɳ ǽˀΡ 2 ల ɝȱɲȲǽ Ƿᘓؔම ֐੿⛤҆ /
EBITDA
጗͛Ǡ
ɡʀɁǶǽ⛩ ईǶǽ⛩ॹ ౙǷഁǤ
ॹ۞ᄋȿȯȪ ۞ᄋȿȯȪ
ǽဝᲡ
ǽဝᲡ
3 ౫౪ࢍሱ 3 ౫౪ࢍ
‫ہ‬ᬖමǷ
֐੿⛤҆ / ⾷ᥰ⦘⾺లई ֐ᬖ᤹
ȵɫɜɇɲ මǽǑȚሱ
Ʉʀȿɯɻ Ϣ▩֟⾸/ ἕ
ሱ֐੿⛤҆
3 ౫౪ࢍ
3 ౫౪ࢍ ȵɫɋȿɭ 3 ౫౪ࢍ
EBITA
EBITA/ ౪ࢍ ɝɵʀǷ҆ FCF/ ሱ֐
ɦʀɀɻ
✇᧳
‫ؘ‬୨⒅⃆‫҆⛤੿ מ‬
Aaa
Aa1
Aaa
Aa
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
ቊᨀཪᮾకᏡ
⾷ɣɻɈ⾸
Aa3
Aa1
Aa
Aa
Aa
Aa
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
Aa
Aa
BMW AG
⾷BMW⾸
A1
Aa3
A
Aa
Aaa
A
Aa
Aa
Aa
Aaa
A
A
ᅠ᧳⅋ؔ⟥
⾷ᅠ᧳⾸
A3
Aa3
Baa
A
Aa
Baa
Aa
Aaa
Aaa
Aa
Aaa
Volkswagen AG
⾷ɝȱɳȷɁɷʀȺ
ɻ⾸
A3
A3
A
Baa
Baa
A
Baa
Baa
Ba
A
Daimler AG
⾷ɈȬɨɱʀ⾸
A3
Baa1
A
B
Ba
A
Aa
Aa
A
Renault S.A.
⾷ɳɖʀ⾸
Baa1
Baa1
Baa
Caa
Caa
Baa
A
A
Peugeot S.A.
⾷ɟɀɯʀ⾸
Baa1
Baa3
Baa
Caa
Caa
Baa
A
Baa3
Baa3
Ba
Aaa
Caa
Ba
Baa3
Baa2
Ba
Aaa
Baa
Baa3
Ba1
Ba
Aaa
Ba1
Ba3
Ba
Ba1
Baa3
ʿ≰⅋ؔ⟥
⾷ʿ≰⾸
Ba3
Ford Motor
Company
⾷ɝȱʀɑ⾸
General Motors
Corporation
⾷GM⾸
Hyundai Motor
Company⾷ᥰ
ͦ⾸
ǓǨȦ⅋ؔ⟥
⾷ǓǨȦ⾸
Kia Motors
Limited⾷❙̨⾸
Fiat S.p.A.
⾷ɝȫȪɋɐ⾸
Tata Motors
Limited⾷ɇɇ⾸
Aa
Ba
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
Aa
Aa
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
A
Aaa
Aaa
Aaa
Aa
Aaa
Aaa
Aaa
A
B
B
Ba
Aa
Aa
A
A
Aaa
A
Aa
Ba
Ba
Ba
Ba
Caa
Baa
Aa
Ba
A
A
Aa
A
Aa
Baa
A
Baa
Baa
A
A
A
Baa
Baa
Aa
Ba
Ba
Ba
Ba
Ba
Baa
Baa
Ba
A
Baa
Ba
Baa
Baa
A
A
A
Baa
Baa
Baa
Ba
Baa
Baa
Ba
Ba
Baa
Ba
Ba
A
A
Aa
Baa
A
Baa
Ba
A
Baa
Aa
Ba
Ba
B
Baa
Ba
Baa
Baa
Baa
Ba
Caa
Baa
Ba
Ba
Baa
Baa
Baa
Ba
Ba
Caa
B
A
B
B
Ba
B
Caa
Ba
Ba
Caa
B
Ba
A
A
Ba
Ba
A
Baa
B
Aaa
Aaa
Aaa
Ba
Caa
Baa
Ba
Baa
Ba
B1
Ba
Caa
Caa
Ba
Baa
Caa
Ba
Aa
Caa
Caa
Caa
Caa
Caa
Caa
Caa
Caa
Ba
B3
B2
Caa
Caa
Caa
Caa
Baa
B
Caa
Aaa
Caa
Caa
Caa
B
Ba
Ba
Baa
Caa
B
B3
B3
Caa
B
Caa
Caa
Ba
Caa
Caa
A
Caa
Caa
Caa
B
Caa
Ba
Baa
Caa
Ba
ɥɀɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ
ɕȴɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ
Aaa
Aaa
Moody’s Global Corporate Finance
ɐɰɇ⅋ؔ⟥
⾷ɐɰɇ⾸
3 ౫౪ࢍ
3 ౫౪ࢍ
3 ౫౪ࢍ ɝȩȬɒɻɁ
RCF/ ሱ֐ RCF/ ẗሱ֐ EBIT/ ნཌ
Ή᰷
੿⛤҆
੿⛤҆
֐ෲ
Y
Ή᰷۵
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
22
͛⩜ B⿉ɦɋɜɻȸệእ
Moody’s Global Corporate Finance
጗͛ཆᗕ
ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ
ɨʀɏȫʀɂɿɀɫəɻጋ೙Ή᰷
lj 105-6220
ኇ̸⤹ᚯٚ๧શ 2 ʷᬶ 5-1
๧શȸɲʀɻɚɳɂMORIɇɷʀƷ20F
Report Number: 22-SC650
Copyright 2010 Moodyæs Investors Service, Inc. ‫ڽ‬Ȃ / ‫ڻ‬Ǿ۴᰷ǽɱȬɃɻȽʀ‫ڽ‬Ȃ⬄⢪Ή᰷⾷ͨˁǃɨʀɏȫʀɂDŽǷἕᲠǦȍǨƹ⾸All rights reserved.
Ј᧸጗͛ǾƸ̗ᏡΧƸ˄ЈযẇƸ҆‫ڻؘ‬Ǿ҆‫Ⲳؘ‬Κ▩֟ǽଛቻǽᭀଓ᫢Ј᧸ɲɁȷǺdzǓǵǽƸɨʀɏȫʀɂɿɀɫəɻጋ೙Ή᰷⾷ͨˁǃMJKKDŽǷ
ǓǓȍǨƹ⾸ǽᥰᆣ᠊ǽ๟╀ǶǨƹMJKK ǾƸЈ᧸ɲɁȷȡƸ̗ᏡΧǛযẇˀɿ⛥‫ؘ‬ˀǽῲ‫ؘ‬ȡቃᅠǺ୨⒅ǶǜǹǓɲɁȷ‫ڽ‬Ȃɏɝȱɳɐ̗ᨁǛ᫘᧯
ǦǮई۰Ǻ╀⡛ȍțȚǑȘȕȚᲷⲲǽ⛥᧳᫢၏ডǷ઻ῲǦǵǓȍǨƹЈ᧸጗͛ǾƸᘓؔමɲɁȷƸలईϢоɲɁȷƸϢ጗ংؔමɲɁȷ‫ڽ‬ȂǬǽ͙ǽ
ɲɁȷǺdzǓǵ╵‫ڽ‬ǨȚȑǽǶǾǑșȍǪȢƹЈ᧸጗͛ǾƸᥰࢀ‫ڻ‬Ǿ⣏‫ڸ‬ǽ̗ીȡᰳǨȑǽǶǾǑșȍǪȢƹЈ᧸጗͛ǾƸཱུ✇‫ڻ‬Ǿ⛥‫ؘ‬Ǻ⬄ǨȚ‫׬‬
╵ȡᐦ༔ǨȚȑǽǶǾǹǞƸᣀ઻ǽ▩֟ǽ✱ӱƸॹ‫ڋ‬Ƹ‫ڻ‬ǾЄሱȡဝ৆ǨȚȑǽǶǾǑșȍǪȢƹЈ᧸጗͛ǾƸᣀ઻ǽཱུ✇ૐǺǷDzǵǽཱུ✇ǽ⣪չ
මǺdzǓǵ☟△ǨȚȑǽǶǾǑșȍǪȢƹMJKK ǾƸཱུ✇ૐǛƸ✱ӱƸЄሱƸ‫ڻ‬Ǿॹ‫ڋ‬ȡᎰ╿ǨȚ۬▩֟ǺdzǓǵཱུ✇ૐ⅋⟘Ƕᮾ᳣ɿ△ϢǨȚǷǓǕ
ቃ൏‫ڽ‬Ȃᥴ╫ǽˁǶƸЈ᧸጗͛ȡ᫘⒅ǦȍǨƹ
O
M UT
ET DA
H T
O ED
DO
LO
G
Y
ǢǢǺ▉⠅ǨȚษअǾǨȈǵƸ⊣ΰᑤᗕȡ‫܅‬ȏᗕൕǺȗșЄ⚘ǤțǵǙșƸǓǚǹȚ‫‮‬ȑƸǓǚǹȚബ೙ƸᅀᗕƸཆᔲǺȗDzǵȑƸǢțȘǽษअ⾷Ӵ
⤴ǚʶ⤴ǚȡުǓȍǪȢƹ⾸ȡƸɨʀɏȫʀɂǽ̗֭ǽሤⰢǺȗȚ۴๟ǹǞƸ⓹⓯Ǭǽ͙ǽᅀᗕǺȗșԙ⓯ƸɲəɋȹʀɀƸ⟵⢌Ƹ⚓ᚡƸⲉళƸ⥎ళƸ
⟵ॹǨȚǢǷǾǶǜǩƸȍǮƸǢțȘǽᬶ᫢Ƕԙπ᧸ǨȚǮȐǺЄᶩǨȚǢǷǾǶǜȍǪȢƹǢǢǺ▉⠅ǨȚษअǾƸǨȈǵɨʀɏȫʀɂǛᓺ᯺ǚ
dzЈⲠǦǕȚǷ‬ǗȚษअᛠǚȘӱཆǦǮȑǽǶǨƹǦǚǦƸ͆᫢‫ڽ‬Ȃᑿ፦᫢◳șǛઇࢀǨȚ‫⃆۝‬මƸ˔ȂǺǬǽ͙ǽ̗ษǺȗșƸɨʀɏȫʀɂǾ
ǢțȘǽษअȡǓǚǹȚᲷⲲǽЄ▩ȑdzǠȚǢǷǹǞǃᥰᣞሱਖDŽǶံϜǦǵǓȍǨƹɨʀɏȫʀɂǾƸЈ᧸጗͛ȡ͛˄ǨȚ⭾Ǻ᧸ǓȚษअǛ١ո
ǹ‫✤ݨ‬ȡሱǦƸȍǮǬǽษअᛠǛɨʀɏȫʀɂǺǷDzǵЈⲠǶǜȚǷ‬ǗȘțȚȑǽǶǑȚǢǷ⾷᣻ᴗǦǮᵥʿ‫‮‬ǛǢǽษअᛠǺ○ഝǨȚई۰ȑǑ
Țƹ
⾸ȡ᯺ЄǨȚǮȐƸӴǵǽർ┶ǹဟΈȡ♠ǧǵǓȍǨƹǦǚǦƸɨʀɏȫʀɂǾᬫዶȡ⒅Ǖ‫‮‬ǶǾǹǞƸ጗͛ǽ⣏ᲦǶ‫ⲏۅ‬ǦǮษअǽᓺ᯺ම‫ڽ‬Ȃ
ሱ‫׼‬මǺdzǓǵ౐Ǻ᣻⅋ǽᎰ▩ȡ⒅ǕǢǷǾǶǜȍǪȢƹɨʀɏȫʀɂǾǓǚǹȚᣞᗇǺǙǓǵȑƸȍǮǓǚǹȚ‫ڻ‮‬Ǿᗕ͆ǺଓǦǵȑƸͨˁǽ (a)
‫ڽ‬Ȃ (b) ǺdzǓǵʶչ⛬ͷȡ⛤ǓȍǪȢƹ
(a) ǢțȘǽษअǽӱཆƸ‫⮥ہ‬ƸἮᾘƸոኝƸ╫⦏ƸΌ⣕ƸӸ⒙‫ڻ‬Ǿ⥎ళǺ⬄ǨȚ◳ș⾷⣏ডǺȗȚǚƸǬǽ͙ǽ‫ࡍڤ‬ǺȗȚǚȡުǓȍǪȢƹ⾸‫ڻ‬ǾǬ
ǽ͙ǽᣞᗇ⇙ǦǞǾѫ᫘̗⛅⾷ɨʀɏȫʀɂƸǑȚǓǾǬǽ‫ۄ‬ἦൃƸൃ‫ݲ‬Ƹ൝Ꮱ‫ݲ‬ǑȚǓǾͦᥴ͆ǽნ⥎‫מ‬Ǜ‫ڽ‬ȅǚ‫ڽ‬ǿǹǓǚȡުǓȍǪȢƹ⾸Ǻ
⾷Ӵ⤴Ƹʶ⤴ȡުȞǩ⾸❙ࡍǦƸᨁቻǦƸ⇙ǦǞǾ⬄ϭǨȚ၏ড‫ڻ‬Ǿ၏્ƹ
(b) ɨʀɏȫʀɂǛ̗֭Ǻഝ○၏્ǽ‫⃆۝‬මǺdzǓǵ‫╵׬‬ȡ‫ۅ‬ǠǵǓǮई۰ǺǙǓǵȑƸǢțȘǽษअǽπ᧸Ǻȗș‫ڻ‬Ǿπ᧸Ǜ˃‫⃆۝‬ǶǑȚǢǷǺȗ
ș᫘᧯ǨȚƸǑȘȕȚᲷⲲǽᬼယ᫢Ƹ⫻ယ᫢Ƹᣀ֌Ƹ̘ᓎ᫢Ƹⓝӈ᫢Ƹ‫ڻ‬Ǿ͛⭶᫢၏્⾷⢹ড֐ᬖȡ‫܅‬ȎȍǨǛǢțǺ⭈઻ǤțȚȑǽǶǾǑșȍǪȢƹ⾸
ƹ
ǢǢǺ▉⠅ǤțȚษअǽʶ⤴ȡᐦ༔ǨȚ጗͛Ƹ⛥‫ؘ‬अ‫ܝ‬ոኝƸ̔ᚬƸ‫ڽ‬ȂǬǽ͙ǽ╀╫⾷ȑǦǑțǿ⾸ǾƸɨʀɏȫʀɂǽ๟╀ǽ⒙ᅽǶǑșƸȍǮ
ǬǽȗǕǹȑǽǷǦǵǽȎ╫⦏ǤțȚȈǜǶǑșƸǢțǺȗDzǵ̗ીȡ⒙ᅽǦƸ‫ڻ‬Ǿ▩֟ǽ✱ӱƸॹ‫⇙ڋ‬ǦǞǾЄሱȡဝ৆ǨȚȑǽǶǾǑșȍǪȢƹ
ǢǢǺ▉⠅ǨȚษअǽ۬֐᧸‫‮‬ǾƸ✱ӱƸЄሱ‫ڻ‬Ǿॹ‫ڋ‬ȡᎰ╿ǨȚ۬▩֟ǺdzǓǵƸ⅋Șᮾ᳣ɿ△ϢǦǹǠțǿǹșȍǪȢƹɨʀɏȫʀɂǾƸǓǚ
ǹȚബ೙‫ڻ‬ǾᅀᗕǺȗDzǵȑƸǢțȘǽ጗͛⇙ǦǞǾǬǽ͙ǽ๟╀‫ڻ‬Ǿษअǽᓺ᯺මƸ⣪ᆣමƸલӴමƸަ‫ݨ‬ම‫ڽ‬Ȃᣀ઻ǽᬶ᫢ȇǽ⣪۰මǺdzǓǵƸ
⾷ᅽᰳ᫢Ƹ⽄ᰳ᫢ȡުȞǩ⾸ǓǚǹȚЄ▩ȑ⒅DzǵǓȍǪȢƹ
MJKK ǾƸɨʀɏȫʀɂɿȸɳʀɟɿɀɫəɻ۰۴Ή᰷ǽલӴ੿Ή᰷ǶǑșƸ۴᰷ǾƸMoodyæs Corporation ( ͨˁǃMCODŽǷǓǓȍǨƹ) ǽલӴ੿
Ή᰷ǶǑȚ Moodyæs Overseas Holdings Inc. ǽલӴ੿Ή᰷ǶǨƹ
MJKK ǾƸMJKK Ǜ጗͛ȡ⒅DzǵǓȚ҆֟⾷᰷҆Ƹࢄᅀ҆Ƹ҆֟ƸཆബƸCP ȡ‫܅‬ȎȍǨƹ⾸‫ڽ‬ȂӋӞጋ೙ǽ᫘⒅‫‮‬ǽগ⤴ոǛƸMJKK Ǜ⒅Ǖ△Ϣɿ጗
͛ȽʀɛɁǺଓǦǵƸMJKK ǺȗȚ጗͛ǽ͛˄ǺӞᴗǰƸ20 ʽԒǚȘẇ 3 ҽ 5,000 ʽԒǽཆᄋᄦȡ MJKK ǺნཌǕǢǷǺ۴๟ǦǵǓȚǢǷȡƸǢǢ
Ǻ⫳ᰳǦȍǨƹȍǮƸMCO ‫ڽ‬Ȃ MJKK ǾƸMJKK ǽ጗͛‫ڽ‬Ȃ጗͛⣏Ღǽ᣻ᴗමȡ᯺ЄǨȚǮȐǽᅀ⦠ǷཆỮǜȡᄏѿǦǵǓȍǨƹMCO ǽ‫ۄ‬ἦൃǷ
጗͛ଓ⛅Ή᰷Ƿǽ⫻ǽΩȘǚǽ֐્⬄ϭǽઇࢀƸ‫ڽ‬Ȃ MJKK ǚȘ጗͛ȡ͛˄ǤțƸǚdz MCO ǽጋ೙ǽ 5% ͨˀȡЄሱǦǵǓȚǢǷȡ SEC ǺӸ೙Ǻ
अ‫ܝ‬ǦǵǓȚΉ᰷⫻ǽΩȘǚǽ֐્⬄ϭǽઇࢀǺ⬄ǨȚษअǾƸɨʀɏȫʀɂǽȮȯɞȽȬɐ www.moodys.com ˀǺ "Shareholder Relations-Corporate
Governance-Director and Shareholder Affiliation Policy" ǷǓǕ⒙ⲤǶᕃ౫Ƹဢ⠅ǤțȍǨƹ
ቊሤǽȲʀɁɐɱɲȪǶǽӸ⫳ǾƸȲʀɁɐɱɲȪ⦘␯ȽʀɛɁ◜‫۝‬ᨯ‫ ۥ‬336969 ȡሱǨȚɨʀɏȫʀɂǽ⬄⢪Ή᰷ǶǑȚ Moodyæs Investors Service
Pty Limited ABN 61 003 399 657 ǺȗDzǵ⒅ȞțȍǨƹቊᄙሤǾ⾷2001 ౫Ή᰷ᗕ 761G ቷǽ઻ȐȚ๟‫ܬ‬ǺǙǠȚ⾸ǃɣʀɳɃʀɳⲵૃDŽǽȎȇǽံϜ
ȡ๟ࡖǦǮȑǽǶǨƹȲʀɁɐɱɲȪ࡛ԑǚȘቊᄙሤǺửỮ᫢ǺȪȷɃɁǦǮई۰ƸɨʀɏȫʀɂǺଓǦǵƸ
ǃɣʀɳɃʀɳⲵૃDŽǶǑȚǚ‫ڻ‬Ǿǃɣʀ
ɳɃʀɳⲵૃDŽǽͦ⒙‫‮‬ǷǦǵቊᄙሤǺȪȷɃɁǦǵǓȚǢǷƸ‫ڽ‬ȂƸ⛴ᔼ‫ڻ‬Ǿ⛴ᔼǛͦ⒙ǨȚᗕ͆ǛƸᬼယ‫ڻ‬Ǿ⫻ယǺƸቊሤ‫ڻ‬ǾǬǽԑ૓ȡ⾷2001
౫Ή᰷ᗕ 761G ቷǽ઻ȐȚ๟‫ܬ‬ǺǙǠȚ⾸ǃɲɎʀɳⲵૃDŽǺ⥎ళǦǹǓǢǷȡ⒙ᅽǦǮǢǷǺǹșȍǨƹ
ቊЈ᧸጗͛ǾƸ᫘⒅‫‮‬ǽЈ᧸‫ڻמ‬Ǿ҆‫ؘ‬ǺdzǓǵǽ๟╀ǶǑșƸ᫘⒅‫‮‬ǽȰȷȬɎȫ▩֟‫ڻ‬ǾɲɎʀɳཱུ✇ૐǛ‫ۄ‬ൡ‫⃆۝‬ǹǬǽ͙ǽബ೙ǽ▩֟Ǻdz
Ǔǵ๟╀ȡ⡻ȈȚȑǽǶǾǑșȍǪȢƹɲɎʀɳཱུ✇ૐǛƸቊЈ᧸጗͛Ǻ࣠ǴǓǵཱུ✇֋ᄺȡǨȚǽǾ‫⭨ڈ‬ǶǨƹȑǦƸᩐުǛǑȚई۰ǺǾƸɝȫ
ɒɻȿɫɳɿȪɑɘȬȾʀǬǽ͙ǽଗ⫨ૐǺᭀ☐ǨȚǢǷȡဝ৆ǦȍǨƹ
23
2010 ౫ 9 ሰƛ ጗͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽ⅋ؔ⟥Ꮱᨕ