平成24年度 「白山学」3年 国語科 資料 第3学 年 1 単元名 すがたをかえる○○を書こう 国 語科学習指導案 ~「すがたをかえる大豆」~ 2 目 標 ・疑問や課題を明確にしながら調べようとしたり、調べてわかったことを文章に表わしたいという 思いを膨らませて書こうとしたりする。 【国語への関心・意欲・態度】 ・書こうとすることの中心が明確に伝わるよう、情報を収集したり取捨選択したりしながら、調べ たことを段落にまとめている。 【書くこと】 ・目的に応じて、中心となる語や文をとらえ、筆者の考えと事例など段落相互の関係を考えながら 読むことができる。 【読むこと】 ・文の段落相互の関係を示す手がかりとしての接続語の役割を理解することができる。 【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項】 3 指導にあたって (1)教材観 本教材は、身近な食べ物である大豆が、様々な工夫を通して他の加工食品になり食べられていることが書 かれている。児童は、毎日のように口にしている食品が大豆から作られていることに、意外性や驚きを感じ、 興味を持って読み進めるであろう。 一学期に学習した説明文教材「イルカのねむり方」「ありの行列」は、仮説―検証を報告する型の文章構 成であったが、本教材は、解説型の文章である。段落相互の関わり合いや「問い」の有無など、一学期に学 習した二教材とは対照的な説明文教材といえる。 ここでは、「分かりやすい説明のしかたを学ぶ」ことをねらいとしている。各事例の段落の並び方や、事 例ごとに写真と文章が対応していることなど、読者に内容をわかりやすく伝えるための工夫が多く見られる。 筆者の説明の工夫や、接続語、文末表現、繰り返しの言葉などの表現の工夫は、この後の「自分が選んだ身 近な食べ物について、集めた情報を文章にまとめる活動」においてモデルとして生かせるように指導してい きたい。 4 単元計画(総時数13時間) 次 学習活動(○)と主な思考の流れ(・) 第 一 次 3 時 指導(○)と評価(●) C→B への手立て(※) <すがたをかえる○○を書く学習計画を立てよう> ○「すがたをかえる大豆」を読んで学習計 ○「すがたをかえる大豆」全文を読んで、学習の流れをつか 画を立てさせる。 む。 ●食べ物に関心をもち、課題に合わせ ・食べ物を調べて説明文を書く。 て調べたり書いたりしようとする。 ○説明文の書き方を確認する。 【関心・意欲・態度】<発言> ・段落に分けて書く。 ※好きな食べ物を挙げさせ考えを広めさ ・「はじめ」「中」「終わり」に分ける。 せる。 食べ物を調べて、説明文を書くことが分かった。 <材料を選んで、マップを作ろう> ○マップを書く手順(材料→工夫→食品) ○調べたい材料を選び、材料を中心に「食品」「くふう」を を知らせる。 書く。 ・麦から何が作られるのだろう。 ●食べ物に関心をもち、課題に合わせ ○調べる方法を考える。 て調べたり書いたりしようとする。 ・図書館の本で調べたい。 【関心・意欲・態度】<ワークシート> ・栄養士さんに聞きたい。 えらんだざいりょうのマップができた。 ※まず知っていることだけを書かせる。 <分からないことを調べよう> ○本や図鑑を使って詳しく調べ、簡単にメモをする。 ・どんな作り方かが分かった。 分からなかったことが分かった。 第 二 次 7 時 ○何を調べたいのかをはっきりさせてか ら調べさせる。 ○本や図鑑を複数用意する。 ●書く目的によって必要になる事項 と観点を理解し、取材している。 【書く能力】<ノート> ※適当な本を紹介する。 <「すがたをかえる大豆」を読み 書き方のコツをつかも う> ○大豆について知っていることを話し合う。 ○学習のポイントを読んで学習計画を立てる。 ・どのように説明されているのかな。 ・「すがたをかえる大豆」で書き方のコツをつかもう。 ○全文を読んで感想を書く。 ・大豆はいろいろな食品に姿をかえているんだな。 自分でも「すがたをかえる○○」の本を作るため に、書き方のコツを見つけていこう。 ○大豆の実物や大豆がすがたをかえた食 品にふれることで、興味を高めることがで きるようにする。 <感想を発表して全体をとらえよう> ○段落番号をふる。 ・⑧段落まであったよ。 ○感想を聞き合う。 ・○○さんと同じことを思ったよ。 ・友だちのいろいろな感想が聞けたよ。 ○「はじめ」「中」「終わり」をさがす。 ・「はじめ」は①と②だ。 ・「終わり」は筆者のまとめが書いてある⑧だ。 ・「中」は食品のことが書いてある③~⑦だ。 ○感想を板書していくことで、全体の構成 が分かるようにする。 <「はじめ」に入れる「問い」を考えよう> ○「はじめ」と「終わり」に書かれていることを読み 取る。 ・「はじめ」には大豆の説明が書いてある。 ・「問い」が書いてないよ。 ・「終わり」はまとめになっている。筆者の感想も書 いてあるよ。 ○「はじめ」に入れる「問い」を考える。 ・大豆をおいしく食べるためにどのような工夫をしてきた のでしょうか。 ○「ありの行列」のように「はじめ」の部 分に疑問の文末はないが、かくれた「問い」 があることに気づかせる。 ●「問い」の形をとらない話題提示が あることを理解している。 【読む能力】 <ワークシート> 「はじめ」には、 「大豆をおいしく食べるためにはどの ような工夫をしてきたのでしょうか」というかくれた 「問い」がありそうだよ。 ●大豆がさまざまな食べ方をされてい ることに関心をもちながら読もうとし ている。【関心・意欲・態度】 <発言・ノート> ●「はじめ」「中」「終わり」の構成 になっていることを理解している。 【読 む能力】<発言・観察> ※「イルカのねむり方」や「ありの行列」 では、「はじめ」「中」「終わり」はどの 部分にあったのかを思い出させる。 ※「~でしょうか」の文末表現があるか を確認させる。 <大豆をおいしく食べるためにどんな工夫をしているの かな> ○大豆がすがたをかえた食品を見つける。 ・③いり豆、にまめ ④きなこ ⑤とうふ ⑥なっとう、みそ、しょうゆ ⑦えだ豆、もやし ○どんな工夫をしているのかを読み取る。 ・③いちばん・・・そのままいったり煮たりして やわらかくする工夫 ④次に ・・・こなにひいて食べる工夫 ⑤また ・・・大切な栄養だけを取り出して ちがう食品にする工夫 ⑥さらに ・・・目に見えない小さな生物の力を かりてちがう食品にする工夫 ⑦これらのほかに ・・取り入れる時期や育て方を工夫 ○写真と文を対比させて、段落構成を整理 させる。 ○③段落を一緒に考えることで④~⑦段 落は自分で見つけることができるように する。 ●おいしく食べる工夫を読み取って 見つけている。【読む能力】 <ワークシート> ※「くふう」という文の表現に注目させて 見つけられるようにする。 大豆をおいしく食べるために、いったり、にたり、こなに ひいたり、ほかにもいろいろな工夫をしているんだな。 <分かりやすくつたえるための 書く順番のコツは何かな> ○5段落で、何がどの順番で書かれているかを考える。 ・おいしく食べるくふう・調理方法・食品の順番で書かれて いるよ。 ・他の段落も同じような順番で書かれている。 ・おいしく食べるくふうを一番伝えたいから、はじめに書い たんじゃないかな。 筆者は一番つたえたい、はじめにおいしく食べる工夫 を書いてから、あとに調理方法・食品の順番で書いて いる。 ○順番を入れかえることで、おいしく食 べる工夫が大切な言葉であることを理解 できるようにする。 ●各段落のはじめに、一番大切なおい しく食べる工夫が書いてあることを とらえている。【読む能力】 <ワークシート> <分かりやすくつたえるための 段落のならべ方のコツは何かな> ○段落の順番をどのように並べたかを考える。 ・つなぎ言葉から順番を考えたよ ・おいしく食べるくふうから順番を考えたよ ・食品ができる時間がかかるじゅんでならべたよ ○「中」の段落をならびかえさせること により、ならべ方にもコツあることを 見つけられるようにする。 ●段落の内容を読み取り、説明のしか たの工夫を見つけようとしている。 【読む能力】<発表・ワークシート> 筆者は段落のならべ方を、つなぎ言葉をつかって、お いしくなる工夫がむずかしくなっていく順にならべて いる。 ※接続語に注目させ、ならびかえができ るようにする。 ※どの段落も同じ順番で書かれているこ とが分かるように、線や色で区別させる ようにする。 <分かりやすくつたえるためのコツをまとめよう> ○既習の筆者の接続語や文の書き方、写 ○「すがたをかえる大豆」で、分かりやすくするためにどの 真の使い方などの工夫に注目させるこ ような工夫があったかをまとめる。 とで、コツを整理することができるよ ・段落の書き方(ことがらごとに) うにする。 ・段落の中の書く順番(くふう・作り方・食品) ・段落のならべ方(かんたん→ふくざつ) ・つなぎ言葉(まず・次に・さらに・・・) ○教科書とプリント(文章だけ)を比べる。 ・プリントは文だけだから読みにくい ・写真がないとイメージがしにくいな 筆者はわかりやすく伝えるために、書き方のほかに 写真も使っている。 ●説明のしかたの工夫について整理 している。 【読む能力】 <発言・ノート> ※既習において、筆者はどのような工夫 をしていたのかを思い出させるようにす る。 (掲示物を利用) ・書き方のコツが分かった。 ・自分で本を作るときの参考にしよう。 第 三 次 3 時 間 <すがたをかえる○○を書こう> ○「中」の書き方を重点に確認する。 ○作例をもとにわかりやすい説明の仕方を確かめて、文章を ○児童のメモを把握し、適宜支援する。 書く。 ●構成や段落相互の関係に留意しな ・1つの食品を1つの段落に書く。 がら、文章を書くことができる。 ・「はじめ」「中」「終わり」に分けて書く。 【書く能力】<ワークシート> 段落を使って書くことができた。 ※作例と同じ文で書かせる。 <清書しよう> ○自分の書いた文章を読み返し推敲した後で 清書する。 ・接続語を使えた。 ・さし絵を描いたら、分かりやすくなった。 自分のすがたをかえる○○文 ができた。 ○ポイント箇所を提示する。 ○既習の学習掲示も参考にする。 ●接続語を適切に使って文を書く ことができる。 【言語】<ワークシート> ※作例と同じ文で書かせる。 口頭で文章を考えてから書かせる。 <友だちの「すがたをかえる○○を読もう> ○付箋紙を活用し、友だちの作品にメッ ○分かりやすい説明の仕方を踏まえながら、読み合い、感想 セージを書いて貼り付けさせる。 を発表し合う。 ○内容だけでなく、書き方にも目をつけ ・段落に分かれている。 させる。 ・接続語を使っている。 ○感想の交流で友だちに伝えることがで ・習った漢字を使っている。 きた喜びや達成感を十分に感じさせる。 ○学習をふり返る。 ●じぶんの書き方と友だちの書き方 を比べ、上手に説明していることに気 友だちが書いた「すがたをかえる○○」を読むと、 づくことができる。 いろいろなことが分かっておもしろかった。 【書く能力】<付箋> ○できあがった文章はクラスで 1 冊の本にまとめ、図書館に ※自分の書いた文章と友だちのものを比 置き、異学年の児童にも紹介する。 べさせ、違いに気づかせる。 * 「分かりやすい説明のしかたを学ぶ」 ①文章構成について 「はじめ」 (話題提示) ・ 「中」 (具体的な例をあげて説明) ・ 「終わり」 (まとめ) ②「中」について ・ 1 つの段落に 1 つの工夫(事柄ごとに段落を分けている) ・ 段落のはじめに中心文 ・ 説明の順番はわかりやすいものから(簡単→複雑) ・ 接続語に気をつける(まず・次に・さらに・これらのほかに・このように) ・ 文末表現(~です。~ます。 ) ・ 写真(絵)を使ってわかりやすく
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