連 載
新テクノロジー・ビジョン̶第40 回
サイエンス・ライター
岩山知三郎 ／ 編集部
/iV
}Þ6Ã
コンピュータ科学を牽引した
アルゴリズムの探求者
エドガー・ダイクストラ
エドガー・ダイクストラはALGOL 60のコンパイラを最初に実装し、
「 最短経路ア
ple
ルゴリズム」や排他制御を可能にする
「セマフォ」、デッドロックを回避する
「バ
ンカーズ・アルゴリズム」
を相次いで考案するなど、黎明期のコンピュータ・サイ
エンスの発展に大きな足跡を残した。ダイクストラが1968年に開発した「THE
マルチプログラミング・システム」は、完成度の高いプログラム多重実行（マル
チタスク）OSとして注目を集めた。大規模なソフトウェア開発において複雑化
m
するプログラミングの問題に正面から対処しようとした最初の人物であり、GO
TO文の排除を提唱するなど数多くの問題を提起し、シンプルな解法を探求し
続けた。
エドガー・ダイクストラ
（1930.5.11 ∼ 2002.8.6）
Edsger Wybe Dijkstra
Sa
科学者の家庭に生まれ
理論物理学者を志す
・
（Edsger
Wybe Dijkstra） 1930 年 5月11日
、4 人兄弟
・
（Douwe Wijibe Dijkstra）
、中等教育
教師 校長
歴任 、博識 発明家
・
遊
・
視
複雑
作
（Brechtje
、母親
位 取得
証明 問題
。
、姉 持
/PEN%NTERPRISE-AGAZINE-AY
行以上 要
、数学
学習
。
解答 記述
、
解答 間違
、
。
語学 重
学校
語、
学
。
当時
占領下
公式
指導
入学
語、
語、
英語、物理学、生物学、化学、数学
子
機械 建物 組 立
高校
教育
語、
供用 知的玩具 、
。母親
理解
Ó{
伝統的
組
構造物
1942 年 、
・
、穴 空
、簡単
Cornelia Kluyver） 大学 数学 学
幼少期
組立玩具
部品
合
機構
。
、第二次
世界大戦下
。
、木製
教
12 歳
形状 金属板 樹脂、車輪、
。父親
化学会 会長 務
思
（Meccano）”
第3子
生
化学者
“
¥+3CHIELE"ERLIN
・
、戦災 食糧難 深刻
、1944 年 14 歳
、
5
田舎 疎開
。
後、
1945 年 7月 家族 再会
、大学 法律 学 新設
国
コンピュータ科学を牽引したアルゴリズムの探求者
、約 10 年間
経験
助手 務
購読
。
子計算機
理論物理学
専念
父親 、
研究
間
、膨大 計算 追
教
夏期講習会
開催
。英国 科学誌「
電
」
3週
大学
知 、息子 参加
勧
。
ケンブリッジ大学で
プログラミングを学ぶ
メカノによる作成例（クレーン）
#OPYRIGHT¥$IGIMOBA!LLRIGHTSRESERVED
志
祖国 貢献
、
道
最終試
験 数学、物理、化学 学科 最高
成績 修
、教師 家族 科学
者 目指
勧
最古
3,000 本
構成
。
後、理論物理学
進
道
、物理学者
。
物理学賞 受賞
論物理学者
量子物理学 学
電子計算機
学
方
Henrik David Bohr） 最初 助手
年
、
物理学 修士号 取得 、1952 年 3月
、週 2
日 非常勤 数学
働 始
・
・
1946 年
数学
。
大学
数学 学 、1947
EDSAC
加
最初
。
設立
（現 在
計算機科学研究
年 1月 計 算 部 門 長
国 立 数 学・
） 、1947
就任
。
最初
記述 、当時
73 桁 素数 発見
大学 数学 理論
研究 続
2人
1949 年 5月 素数 割 出
働
勧誘 受
。大学
・
。
講習
（David John Wheeler）
教
知 、数学
誘
勤務
。
主力
（Adrian
数学
、
（Niels
・
夏期講
（Stanley Gill）
理
・
使
考 、1951 年
習会 参加
、1922 年
・
。
会
（Hendrik Anthony
Kramers）
「EDSAC（
Sa
・
Amsterdam） 計算機部門長、
最初 実用的
）」 完成
国立大学
（Mathematisch Centrum
van Wijngaarden） 、
真空管 水銀遅延線
内蔵型
大学 進学 、数学 物理学 2 年間
専攻
（Maurice
Vincent Wilkes） 1949 年 5月 、約
卒業
、
・
副所長
m
。
、数学研究所
ple
際連合 大使
大学
最大
。
英国立物理学研究所（NPL：
National Physical Laboratory）
・
設計
ACE
開発
、1949 年 10月
助手 務
1951 年 9月、
オランダ・ライデン大学
期講習会
耳
関
数学研究所
。
大学
人大学生
夏
参加
ケンブリッジ大学で開発されたEDSAC（1949 年）
#OPYRIGHT¥5NIVERSITYOF#AMBRIDGE#OMPUTER,ABORATORY
!LLRIGHTSRESERVED
数学
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Óx
/iV
}Þ6Ã
・
、
初
開発
上
1953 年
立
。
入所 、ARRA II
「ARRA（Automatische Relais
参加
Rekenmachine Amsterdam：
・
IBM
（Carel
「Harvard Mark III」 「Mark IV」
設計 携
、2 人
市立大学（現・
得
帰国
・
大学） 物理学科 学生 、
5 年歳上
友人
、
。ARRA 完成
高
、
記述
。ARRA
役割 担
・
低地 水害
、航空機
比翼
守
建
設計 関
大規模 計算 取 組
。
ARRA II
2 倍 処理速度 発揮
「FERTA
Type ARRA）
」
発 受注
。
開発
、計算部門長
計算
社
、計算機
世界
理論
次世代機「ARRA
。
開
同時 計算部門
、次世代機「ARMAC
学
自動計算機）
」 開発 開始
数学
、次世代機
作成 、設計書 必要
機能
盛 込
。
。
指導教授
、科学者
同僚
。
理論物理
博士号 取得 、
数学
常勤職員
勤務
1955 年
FERTA 完成
研究所
、IBM
移籍
IBM 705
入
。
IBM
道 歩
、
、新
1956 年
開発
1955 年 、理論物理学者
決
確立
勇気
計算部門 実質的
。
方法論
。
・
・
科学 呼
科学 創造
Mathematisch Centrum：数学
Sa
、
II」 設計 担当
信頼性
、数学
（Automatische Rekenmachine
ARRA 信頼性 問題 抱
0HOTOFROM5NIVERSITAT+LAGENFURT
、
（Fokker's Eerste Rekenmachine
、
1953 年に数学センターの前でゲリット・ブラアウ
が撮影したダイクストラ（左）
とループストラ（中央）、
のちにダイクストラと結婚するマリア・デベッツ
ARRA II
社
評価
m
EDSAC 記述法 書 直
作成
完成
部門 、
、
。
航空機
・
ARRA
従事
設
1年 半 後
、12 歳
、
、1952 年 博士号 取
ple
雇
留学 、
・
（Howard Hathaway Aiken）
。
数学
米国
大学
S. Scholten） 開発 主導 、1952 年
完成
、1949 年
奨学金
（Bram
・
開発
。1924 年
生
計算機）
」 、数学
J. Loopstra）
・
（Gerrit Anne Blaauw） 数学
初
自動
、
後、
「IBM 7030
（STRETCH）
」 開発 経 、
選択 大学院
・
評価
・
、IBM System/360
道 諦
見
歴史 名 残
。
最短経路アルゴリズム
アムステルダム数学センターで開発されたARRA
#ENTRUM7ISKUNDE)NFORMATICA#7)
議
ÓÈ
/PEN%NTERPRISE-AGAZINE-AY
、1956 年 国際数学会
ARMAC 実演
行
要望
、乱数発生以外 関心 引
検討 始
。
コンピュータ科学を牽引したアルゴリズムの探求者
日 朝、
市内
婚約者
航空機
飲
、鉄道路線図
最短経路 決
、
2 地点間
方法 考 始
、筆記具 使用
決定
。
頭 中
考 続 、約 20 分
Graphs」 寄稿
飛行計画、
基板
利用
当時、
学上 発見
国際数学会議
、
64 都 市
路線図 利用
思
、
結
、2
鉄道
機会
都市 結
学
社 支援 受
「 最短経路
（The
距離 求
間距離 加
算 、出発点
距離 判別
、目的地 最 近
銅配線
使用量 最小化
時点 不要
選 。
行列 更新 、同様 処理 繰 返
距離 探索
。
有限
能性
総移動距離
経路 探索
、
解
、出発点
数 少
膨大 計算
負荷
方法
経
必要
研究
。
、
経路案内
、
内容 実行
1103A
入力
。
、3 月
制御
、最終
機
端末
間
、他
端末
命令 実行
、論文「自動計算
通信
（Communications with an
Automatic Computer）
」 、割 込
処理 方法 発表
。
考案
手順 定義
、
。
説得
導入 同意
細
仕組
・
導入 躊躇
決
。
命令 入力
、割 込 処理
評価基準
通信命令 実行
収集
多段階
制御 、割 込
） 1956 年 、風洞実験
状況 応
設
定
・
内容
保存 、周辺機器 入出力速度
航
「UNIVAC 1103」 改造
的
、距離 時間
費用 置 換
鉄道
空推進研究所（現NASA
、
。
米国
NASA
格段 複雑
個々
実行 延期
隔離
、
州
実装
。
、
大
「IBM 704」
最短
目的地
50 通
可
提
。割 込 処理 、1954 年 発
表
、有限集合 内容
、最短
、
Time Interrupt）
” 導入
導入
変化
「The
Shortest Spanning Tree」 考案
Electrologica X1 “割 込 （Real-
。
行列 更新
高価
Electrologica X1 と割り込み処理
案
経路 消去
目的地 到達
論文「A Note on
Sa
、出発点
経路 行列
暗算
3
、最
。
中継点 選
距離 加算
最短
応用
中継点 接続
中継点
、最初 記録
、
短経路
創刊号
m
遠方
「Electrologica X1」
発行
、
。
開発
方策
。
次 、距離 確定
最短経路
、新会社
製造原価 削減
間
最短距離 判別
「
Two Problems in Connexion with
距離
（x, y） 行列M［x］
［y］ 記録 、
決
（Electrologica NV）
」 設立
名前
語
、
設立
門誌「Numerische Mathematik」
出発点 直
複数 中継点
、国産 商用
定 、1956 年
発表
、数
上層部 、生命保険会社
、
。
考
距離 求 、
手腕 発揮
、1959 年 数値解析 専
。
Shortest Path）
」 、
調
優
ple
披露
路
開発
・
実装 、計算手法
最短経路 ARMAC 算出
。
・
結
。
方法 、数
。
案
知
有限集合
中 最小 要素 探索
解法
穿孔順序
、一躍世
。
論文
1959 年 10月末
割 込 処理
、
周辺機器 通信
必要性 生
場合 、待機中 命令
大学 提出
、
1959 年末 博士号
授与
。X1
割 込 処理 、
/PEN%NTERPRISE-AGAZINE-AY
ÓÇ
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