序 歴史と伝統のある木造の建物、ワックスの香り、藤岡市教育研究所を 訪れたことのある方は、懐かしさと当時のことが脳裏によみがえってく るのではないかと思います。その研究所が、今年度から教育庁舎に移転 し、新たなスタートを切りました。そして、研究員、所員をはじめ、関 係各位のご指導、ご協力により研究紀要第40集として、研究成果を報告できますことに 感謝申し上げます。 さて、研究員の皆さん、1年間の研究所の研修はどうだったでしょうか。期待や不安、 喜びや苦しみがたくさんあったことと思います。「子どもたちをこうにしたい」「こうすれ ばもっと伸びるのではないか」 「この力を身に付けるにはどうすればいいか」等、学校生活 の中で、子どもたちと向かい合いながら思い、考えていたことが解決できたでしょうか。 「教育とは、層を積み重ねるように学ぶことだ」と、ある大学長の言葉があります。児 童・生徒は、学年や発達段階に応じた経験を通して成長していきます。同じように先生方 も経験を積み重ねることにより、教員としての能力や技能が身に付いてきます。研究を振 り返ってみると「主題検討会」 「構想検討会」 「検証授業」そして、 「論文作成」と、たくさ んの経験を積みながら、いろいろな壁に突き当たったのではないでしょうか。研究員の皆 さんは、それを乗り越え、論文の完成に至りました。 平成23年度から、小学校では新しい学習指導要領が全面実施、中学校では移行措置の 最終年度となります。「生きる力」を目指し、基礎的・基本的な知識及び技能を習得させ、 これらを活用して思考力、判断力、表現力等をはぐくみ、言語活動を充実することが求め られている現在、各学校では、移行措置や年間指導計画の作成等、創意工夫ある教育課程 を編成していることと思います。先生方におきましては、教育に対して長期的なビジョン を持ち、創造性を豊かにするとともに、目の前にいる児童・生徒のために新しいことへチ ャレンジし、使命感をもって、教育にあたって欲しいと思います。ぜひ、分かりやすい授 業のために「学習指導要領を読み込む」「教科書を読み解く」「ノート指導を充実させる」 の3つの取組に努めて欲しいと思います。そして、研究所で学んだことを糧に、子どもた ちの学びたい、分かるようになりたいという思いを達成させるために、これからも研鑚を 積まれることを期待しています。 終わりになりましたが、皆さんが研究員として成果をあげることができたのは、各学校 の校長先生をはじめ、先生方のご指導・ご支援のお陰であると思います。研修・研究の機 会を与えてくださった校長先生、また、熱心にご指導してくださった部長さん、所員の先 生方に感謝申し上げて、序といたします。 平成23年3月 藤岡市教育委員会 教育長 針谷 章
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