やけどを受傷された患者さんへ 受傷したらすぐに流水で最低 10 分間は冷やしてください。ただし、体温の低下 には十分に注意してください。 やけど(熱傷)は原因となったものの温度と接触時間によって傷害の程度が決 まります。その傷害の深さは受傷直後に決まるのではなく少しづつ深くなって いきます。このため受傷直後から数日間の適切な処置が重要です。 やけどの原因は熱湯が最も多いといわれていますが、水蒸気、熱された金属、 火炎、電撃、化学薬品などがあります。高温なものや組織を腐蝕するものは深 くなりやすいです。また鼻腔内や喉にやけどを負う気道熱傷は呼吸困難になり 窒息することもあるため経過観察のために入院が必要となることもあります。 やけどの深さは、浅いほうからⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度と表されます。Ⅱ度は更に浅 いものと深いものに分けられます。受傷直後に最終的な深さを決めることは難 しく、傷害の進行が落ち着いてから最終的な受傷深度を判定します。感染(化 膿)したり、傷が治らないうちに乾燥してしまうと経過中に深くなることもあ ります。 * Ⅰ度熱傷 皮膚の浅いところまでの障害。赤くなり痛みもありますが数日で治癒します。 * 浅いⅡ度熱傷 真皮が障害されている熱傷。水ぶくれを生じ、痛みがあります。深い層の細 胞は残っているので適切な処置で治癒します。脱色やしみを残すことがあり ます。 * 深いⅡ度熱傷 真皮深層まで障害されている熱傷。水ぶくれを生じ、痛みがあります(ただ し、深層まで障害されているため感覚器も障害されており痛みを感じないこ ともあります)。治癒までに 3~4 週間かかり、感染すると深くなることもあ り、手術をする可能性も高いです。傷跡は残ります。 * Ⅲ度熱傷 皮膚全層または皮膚の下の脂肪層まで障害されている熱傷。表面は白く、痛 みを感じません。手術を必要とすることがほとんどです。
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