ホテル業界 コンサルティング提案

1.業界動向
大都市圏を中心にホテルの新規開業が続く一方で、不況下の中で企業が経費削減のため宿泊をともなう出
張を減らしていることの影響も受け、需給関係が崩れ顧客獲得への競争が激化し経営環境は悪化している。
(1) 売上高の減少
(2) ホテル軒数の増加
8000
5400
5300
5200
5100
5000
4900
4800
4700
4600
4500
4400
4300
7000
6000
5000
4000
3000
2000
1000
1994年
1995年
1996年
1997年
1998年
主要ホテル経営会社35社の98年決算での売上高
は4,654億円と前年比7%の減少
0
1989年 1990年 1991年 1992年 1993年 1994年 1995年 1996年
昭和62年から平成8年までの10年間でホ
テルは軒数、客室数とも1.7倍に増加してい
る。
(3) 客室利用率の低下
料飲部門の売上の低下
客単価の低下
90
80
70
60
50
40
客室利用率
ベッド利用率
30
19
98
年
19
97
年
19
96
年
19
95
年
199
4年
19
93
年
19
92
年
19
91
年
20
10
0
倒産件数の増加
淘汰再編の時代
客室利用率は90年をピークに低下傾向
日本ホテル協会「全国主要ホテル経営実態調」1998年12月より作成
2.財務状況
売上が伸び悩み利益率が低下する中で、新設ホテルは大型化や高級化の方向にあり、期間損益の黒字化
には以前よりも長期間を要する。既存ホテルでも増改築への設備負担が増大している。
(2) 自己資本純利益率
(1) 売上高純利益率
4
2
15
3.2
3
2.5
1.8
10.5
10
2
1
5
0
0
-1
-1.2
-2
7
-2.4
7.2
-4.4
-5
-2.2
-9.6
-10
-3
8.7
-11
-3.4
-4
-4
-4.1
-15
-5
-18.2 -17.6
-20
1988年 ∼ 1997年 -16.2
1988年 ∼ 1997年 (3) 資産・資本構成
88年
設備負担の増大
89年
90年
91年
売上高利益率が低下する一方で、
固定資産の比率が増大している。
負債に占める自己資本の比率は
低下している。
92年
93年
94年
95年
96年
97年
0%
20%
流動資産
40%
60%
80%
固定資産
100%
0%
20%
流動負債
40%
60%
固定負債
80%
100%
資本
3.収入構成と課題
(1) 収入構成
全国平均
20.9
33.1
700室以上
25.2
400∼699室
24.6
35.9
300∼699室
25.6
32.9
100∼299室
19.5
37.3
99室以下 14.8
0%
30.8
41.6
20%
40%
7.95.7
32.4
8.1 6.3
29.6
8.4 6.5
7.8 6.8
26.9
8 5.6
29.6
9.24.9
29.5
60%
室料
食事料
飲料
サービス料
その他
24.6
80%
営業収入に占める室料収入は総じ
て2割前後で、食事・飲料物収入が4
∼5割前後と高くなっている。規模が
大きくなるにつれ客室収入の割合が
高くなるため、相対的に食事・
飲料物
収入の割合が低下する。
100%
(2) 集客力と営業力の強化が課題
従来の顧客層と異なる、新たな顧客層の開拓
• メンバーズカードを使った会員組織の普及・
充実による固定客の確保
• 海外旅行会社との提携による外国人集客力の強化
• 高度情報機器の設置などによるビジネス客の確保
• 割引プランなど企画商品による新規顧客層の開拓
ホテルレストランからの決別
宴会マーケット縮小化への対応
婚礼人口の急激な減少と多様化
(3) ローコスト運営の徹底
パートの有効活用、機械化・外注化による人件費等の削減等が求められる
4.業界ポジショニング
ホテル ニューオータニ
高料金
パレス
ホテル
プリンス ホテル
帝国ホテル
20軒
78軒
ホテル オークラ
小
規
模
藤田観光 東急ホテル
チェーン 東急イン
チェーン
客
室
数
JAL ホテルズ 全日航
ホテル
大
規
模・
客
室
数
駅前旅館
カプセルホテル
東横イン 38軒
低料金
数字の裏付けなし
5.主要ホテルの動向
企業名(通称)
軒数等
プリンスホテル
西武鉄道グループ、海
外まで含めて84軒
ホテルニューオー
タニ
海外含め22軒、1000
室級の国際ホテル
全日空ホテル
国内32、海外12軒
JALホテルズ
国内21、海外21軒、
第一ホテル
売上等
コメント
「お客様に利用していただけるだけの価値のあるホテル」を目指し、施設と
サービスの「インフラ」の整備
売上1420億円(1999年度) メリディアンホテルと2000年4月3日に業務提携を結び、両チェーンが有する
世界13ヶ所の予約センターで提携ホテルの予約、共同の営業・マーケティン
グ活動などを実施
倒産
ビジネスホテルと高級ホテルの中間的機能を持つホテルであったが、ホテ
ル業界最大の大型倒産となった。
東急ホテルチェー
ン
国内17軒
藤田観光
国内25軒
売上869億円
当期純利益▲57億円 (2001年見通)
シティホテル部門(京都国際ホテル、ホテルフジタ京都、ホテルフジタ奈良)
を再生・整理のため子会社化。
HP上でI
R公開
帝国ホテル
全20軒
売上577億円
経常利益45億円(2000年
度)
2000年帝国ホテル 9年ぶり首位奪回、企業「トップが選ぶホテル 」
売上高は1990年がピーク、宴会レストランの売上比率が80%超、経常利
益は回復傾向。
HP上でI
R公開
ホテルオークラ
全24軒
東急インチェーン
国内45軒
東横イン
国内38軒新設予定多
数
2001年7月23日より東急インチェーンと予約センターを統合。
実質的に森ビル傘下に入り、海老名・舞浜に新設ホテルを予定する等積極
展開
売上99億円
経常利益10億円
昭和61年開業。泊まるだけのビジネスホテル、徹底したローコストオペレー
ションで好調。
長期滞在型ホテルが好調?
パレスホテル