秋月300円液晶向けFPGA基板における 電源設計について 2008年10月12日 ニコニコ技術部 PLDアプリケーション開発課 撮影できますP 自主開発基板「NEGIBATAKE」 主な特徴 - XILINX Spartan-3E FPGA (XC3S250E-VQ100) - 秋月300円液晶制御 (電源搭載) - 4Mbit SPI Flash - 3.5mm PHONE出力 - MIDI入出力端子 - Pad I/F端子 - 拡張I/F端子 - 4Mbit SRAM (option) 2008/10/12 SMPD004 電源設計について Ver1 Draft1 (撮影できますP) 2 「NEGIBATAKE」の電源 負荷の一覧 (概算値) 対象 電圧 アンプ LCDバックライト LCD VEE LCD VCC LCD VDD FPGA (I/O), IC全般 FPGA (AUX) FPGA (INT) 2008/10/12 +5V −9V +9V 5.0V 3.3V 2.5V 1.2V 電流 電力 100mA 400mA 10mA 10mA 10mA 100mA 20mA 50mA 0.50W 2.00W 0.09W 0.09W 0.05W 0.33W 0.05W 0.06W SMPD004 電源設計について Ver1 Draft1 (撮影できますP) アナログ系 デジタル系 (定電圧) 3 電源設計の手順 負荷の把握 (電圧と消費電流) 主電源の選択 ・電池の大きさと本数 ・ACアダプタの電圧と取れる電流 電源回路の方式の選択 ・シリーズレギュレータ ・チャージポンプ ・スイッチングレギュレータ ・シャントレキュレータ 2008/10/12 (降圧) (昇圧・負電源) (昇降圧) (降圧) SMPD004 電源設計について Ver1 Draft1 (撮影できますP) 4 主電源の選定 電池の場合 - 本数が少ないほうが良いが… o 昇圧が必要になる (設計が面倒) o 連続持続時間も短くなる (携帯性に不利) - 本数が多いと著しく不便 o 最大でも4本まで (一度に充電可能) ACアダプタの場合 - 電池に見合う電圧・容量を選択 単三型NiMHx4本 単三型NiMHx4本 or or ACアダプタ5V1A ACアダプタ5V1A 2008/10/12 SMPD004 電源設計について Ver1 Draft1 (撮影できますP) 5 電源設計の方針 アンプ・LCDバックライト電源 (5V) - 主電源(電池)を直結 LCD駆動電源 (+/−9V, 5V) - +/−9VはチャージポンプIC 1個で同時に - 5Vは上記+9Vを降圧 (表示品質保持) デジタル系/FPGA電源 (3.3, 2.5, 1.2V) - シリーズレギュレータで構成 - 3.3Vは大容量タイプのLDO - 2.5V/1.2Vは小型パッケージのLDO 2008/10/12 SMPD004 電源設計について Ver1 Draft1 (撮影できますP) 6 電源構成 ブロック図 DC5V NiMH x4 Speaker Amp 4.0V∼5.5V LT1054 BL Inverter -9V +9V TPS76150 NJM2845DL1 -33 LCD IC全般 3.3V TPS73025 NCP585DSN12 2008/10/12 +5V 2.5V 1.2V SMPD004 電源設計について Ver1 Draft1 (撮影できますP) FPGA 7 チャージポンプとは 手軽な電圧コンバータ - コンデンサを高速に繋ぎ変えて電圧生成 - 回路構成が簡単(コンデンサのみ) - 昇圧と負電圧生成も同時に可能(LT1054) 素早く交互に切替 昇圧 負電圧 充電 2008/10/12 放電 SMPD004 電源設計について Ver1 Draft1 (撮影できますP) 8 チャージポンプの注意 出力インピーダンスを要確認 - LT1054= 15Ω - LT1144=120Ω ⇒ 出力インピーダンス大きいと 電流をあまりとれない(出力電圧が下がる)。 出力インピーダンス 電源 負荷 チャージポンプIC 2008/10/12 SMPD004 電源設計について Ver1 Draft1 (撮影できますP) 9 シリーズレギュレータ 定電圧電源の定番方式 - 高い電圧から、低い定電圧を得る - 回路構成が簡単で省スペース - 事実上抵抗と等価で、効率は良くない 使用上の注意 - 入出力間電位差に注意 通常は1V以上 0.5V以下のものもある(LDO) - 電力損失に注意 2008/10/12 SMPD004 電源設計について Ver1 Draft1 (撮影できますP) 10 NJM2845(3.3V出力)の例 入出力間電位差 = 0.18V (@500mA[typ]) ⇒ 入力3.5VでもOK (電池可) 効率と損失 (5V入力時) - 効率 66% =3.3V/5V - 損失(600mA時) 1.0W =(5V-3.3V)x0.60A - 損失(120mA時) 0.2W =(5V-3.3V)x0.12A NJM2845 1.7V 電源 (5V) 2008/10/12 抵抗と等価 負荷 3.3V SMPD004 電源設計について Ver1 Draft1 (撮影できますP) 11 考察 デジタル/FPGA電源(3.3V以下)の損失問題 - 高効率のスイッチングレギュレータを 採用して対応するのが一般的。 - 回路簡素化・省スペースのため シリーズレギュレータ(LDO)を採用したい。 ⇒ FPGA論理がゆっくりなら負荷も軽くなる ⇒ システム全体に対する損失割合が下がる バックライトとアンプの消費電力割合が大きい ため、システム全体の効率は通常80%以上 2008/10/12 SMPD004 電源設計について Ver1 Draft1 (撮影できますP) 12 まとめ ちゃんと電源設計しましょう - FPGA使うなら電源のことも忘れずに。 - もちろんマイコンでもね。 バランスの取れた設計をしましょう - 携帯機器は小さいに越したことはないが… - NiMH電池4本でも携帯性は十分。 - シリーズレギュレータで設計を楽に。 負荷が3.3VならLDO 1個でOK。 - ゆっくりして負荷を軽くする努力を。 2008/10/12 SMPD004 電源設計について Ver1 Draft1 (撮影できますP) 13
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