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MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
Event Date/Time: Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
CORPORATE PARTICIPANTS
Yuichi Iwaki 岩城裕一
メディシノバ 社長面CEO
Michael Kalafer
メディシノバ 医学担当執行役
Andrew Pachner
ニュージャージー医科歯科大学(UMDNJ)の神経学・神経科学部教授
Richard Gammans
メディシノバ 臨床開発担当執行役
Robert Silverman
アルバート・アインシュタイン医科大学 救急診療部 准教授
CONFERENCE CALL PARTICIPANTS
Jason Ariate
アナリスト
Mike King
Rodman&Renshaw –アナリスト
Geoff O'Brien
Ladenburg &Thalmann – アナリスト
Neil Sussman
Vin Mather
Rodman&Renshaww – アナリスト
Carl Havermas
Haver&Havermas – アナリスト
プレゼンテーション
Mark Johnson - Company Representative
おはようございます。今日は、当社主催の第1回アナリスト/投資家向けミーティングにお越しいただきありがとう
ございます。本日は 5 人の発表者によるプレゼンテーションをお聴きいただきます。
ロングアイランドジューイッシュ病院のシルバーマン博士、ニュージャージー医科歯科大学(UMDNJ)の教授であ
るパクナー博士、当社医学担当執行役のマイケル・カラファー博士、臨床開発担当執行役のディック・ガンマンズ
博士、そして最初の発表者は、当社の創業者であり社長兼 CEO、取締役会メンバーも務める岩城裕一です。
Yuichi Iwaki - MediciNova Inc. - President, CEO
おはようございます。ご紹介にあずかりました岩城です。本日はご来場いただきありがとうございます。
今日は、当社が開発に力を入れております多発性硬化症治療薬 MN-166 および急性喘息治療薬 MN-221 に焦
点を絞って、ご説明させていただきます。パクナー博士に MN-166 の進捗状況を、シルバーマン博士に MN-221
の進捗状況をそれぞれご説明いただきます。
では、当社のカラファー博士に、パクナー博士の略歴を紹介してもらいましょう。
Michael Kalafer - MediciNova Inc. - Chief Medical Officer
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
メディシノバ社のマイケル・カラファーです。呼吸器科医 で救命救急医として研修を受けております。が、喘息のこ
とは後ほどお話しいたします。まずは、多発性硬化症について、パクナー博士からお話を伺いましょう。
パクナー博士は、ニュージャージー医科歯科大学(UMDNJ)の神経学・神経科学部教授で、長年にわたり、多発
性硬化症の研究を続けていらっしゃいます。友人とともに、ニューヨークのメトロポリタン近郊で、国内最大の多発
性硬化症専門クリニックを開いておられます。博士は、当社の MN-166 開発の方向付けに際して多大な貢献をし
てくださいました。今日は、パクナー博士に、多発性硬化症とはどんな病気か、その治療法の現状、さらに多発性
硬化症治療の問題点までをお話しいただきます。
ニュージャージー医科歯科大学(UMDNJ)の神経学・神経科学部教授、パクナー博士 (Dr. Andrew R. Pachner)
はじめに、簡単に多発性硬化症について説明をしたいと思います。その後、現在の治療方法とその課題について
お話させていただきます。
まずお伝えしたいのが、多発性硬化症の治療には新たな治療方法が必要だと言うことです。最初の問題として、
この深刻な病気に対する現在の治療法はみな効き目が弱く、効果に欠けています。多発性硬化症の最も大きな
問題が神経性廃疾ですが、現在の治療方法では病状の進行の問題に効果がありません。
新たな治療方法が必要な理由の 2 点目として、現在の治療は免疫反応や炎症反応に焦点を当てていることがあ
ります。しかし、免疫反応のどの部分が損傷を引き起こしているのかがわかっていないのです。現在の治療は免
疫を目くらめっぽうにたたいて良くなることを願うような治療です。そして結果として効いていないのです。
ということで、この比較的一般的な神経系疾患にはまだ進歩の余地が多く残されており、神経系統を保護し、神
経性廃疾の進行を抑える治療方法が早急に必要です。我々は、できれば、発病してすぐに病状の進行を抑える、
もしくは止める治療をしたいと思っています。
そして、次に多発性硬化症でもっとも重要な免疫反応だけにターゲットを絞り、治療ができれば、大きな進展にな
ると考えています。
新しい治療薬はまず安全でないといけません。一般的に、この病気は死に至る病だとは考えられていません。こ
のため、たとえば「タイサブリ」では、フェーズ 4 臨床試験で死者が出たことで市場から即座にリコールされ、悪名
が付いてしまいました。これは多発性硬化症が、慢性的に進行する致命的ではない病気だからです。
投与の方法はできれば経口が理想的だと思います。15 年以上の経験から、注射などを長い期間使い続けるの
は難しいと思うからです。
続いて多発性硬化症とはどのような病気なのかについて説明したいと思います。多発性硬化症とは、病因が不
明な中枢神経系に起こる慢性的な炎症であり、特徴として 10~30 年かけて徐々に病状が進行する、また進行の
仕方が患者によって異なることがあります。
患者の多くは再発寛解型の病状の進行をたどります。再発寛解型の場合、初期段階には、再発するたびに病状
が進行し、後期になると慢性進行型となり、再発が無く病状が悪化していきます。
再発寛解型だったり、進行型だったりいろいろな病名を耳にするでしょう。しかし、このような区別は患者の病状を
区別するのに重要ではありません。重要なのは、この病気になると時間の経過とともに病状が進行するということ
だけです。一次進行型多発性硬化症や二次進行型多発性硬化症、再発寛解型多発性硬化症などがありますが、
すべて一つの病気の進行のことです。
一つ知っておいてほしいことは、患者によって進行の仕方に大きな違いがあることです。また、同一の患者でも、
初期の段階でものすごく進行が早かったのが、時が経つにつれ進行が遅くなったり、その反対に初期段階で進行
が遅く、時間が経つにつれ進行が早くなったりする場合があります。これから多発性硬化症が著しく悪化して進む
とどうなるかお見せします、このような患者も相当数います。
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10 年ほど前、ニュージャージー医科歯科大学に入ってすぐの話ですが、3 人のお子さんがいる 27 才の女性がい
ました。お会いする 5 ヶ月前までは全く健康な状態でした。しかし、会ったときには既に視力障害と運動障害があ
り、多発性硬化症と診断しました。
最初は病状が改善したかのように見えましたが直後に悪化し、その後、人格に変化がおきたり、歩くのが難しくな
ったり、体重の減少が見られ、言語障害などの症状が悪化しました。当初の診断から 3 ヶ月後からインターフェロ
ンを使い始めましたが、病状は悪化していきました。
MRI 検査で複数の病変が脳内にあることがわかりました。また検査によると見当識障害でした。日にちと曜日が
わからないけれど、場所や名前などの記憶はありました。見せた物が何だったのか 1 分後にわからなくなり、短
期の記憶が完全に失われていました。新しい大統領がクリントンで副大統領がゴアであることはわかっていまし
た。ただ、これはまだ良かったときのことです。
そこから彼女は重度な視覚障害になり、自由に目を動かせなくなりました。また、ろれつが回らなくなり、動いてい
る物をさわったり、体を自由に動かせなくなったりしました。歩くときはまっすぐ歩けず、体の動きはぎこちなく、け
いれんがおきていました。この女性は約 5 ヶ月の間でごく一般的な女性から重度な障害者になりました。これは
多発性硬化症の最もひどい例です。
この女性の例とは反対に、良性な多発性硬化症があります。多発性硬化症に良性はないのですが、先ほどの女
性と比べると、という意味です。この患者は 1986 年に初めてコネティカット州でお会いし、ニューヨークで 2002 年
にも会っています。というのも、女性と私、二人ともコネティカットからニューヨークに引っ越しをしましたので。
2002 年に出会ったとき、この女性は 42 歳で、このときが 16 年後の追跡調査時でした。1986 年にエール・ニュー
ヘイヴン病院で初めて会ったときは左側不全麻痺で多発性硬化症でした。この病状はこの後改善したのですが、
1989 年に脚が弱くなってきました。
この後、病状は改善していき、彼女はニュージャージーに引っ越しをし、その後も目眩などのときに診断をしたりし
ました。16 年して検査をしたときも全く問題が無い状態でしたが、MRI で観ると病変がありました。しかし、16 年
間彼女には持続した障害がなかったのです。このように、人によって病状が大きく違い、難しい病気であることが
わかっていただけると思います。
米国だけで 358,000 から 400,000 の患者がいると言われ、世界で少なくとも 100 万人がいると思われます。インド、
ロシアや中国を合わせたらもっともっといると思います。
発病の平均年齢は 20~40 で、女性に多く、男性と比べて 2 倍から 3 倍だと言われています。多発性硬化症と診
断されたとき、その 85%が再発寛解型と診断されます。
世界では米国、ヨーロッパ、南アフリカとオーストラリアで多く発生しています。ロシアと中国はよくわかっていませ
ん。先日インドに行ったときにインドには多くの多発性硬化症の患者がいるとプレゼンを受けましたし、まだまた患
者が増える可能性があります。
こちらをご覧になるとインドでの発生率が低いように思われるでしょうが、これは正確では無い可能性があります。
多発性硬化症の場合、多くの患者で、症状が自然と進行していきます。先ほどは両極端の例を紹介しましたが、
多発性硬化症は時間とともに自然と病状が進行していきます。
患者が 20 代から 30 代の間に我々が言うサブクリニカル MS(症状のない MS)になってから病院を訪れます。こ
の時点で既に発病しているが発作が起こっていない状態であり、MRI 検査によって確認できます。
この後、時間の経過とともに発作が起こります。通常 2 度目の発作の時に、多発性硬化症と確定診断します。こ
の後発作が起こりその段階を、単回型、再発寛解型や二次進行型の多発性硬化症と呼びますが、私はこのよう
な呼び方には抵抗があります。
障害の度合いは時間の経過とともに進行していき、予測が可能です。時間の経過とともに脳や脊髄に病変が増
加するのですが、現在の薬では障害の進行に効果がないのです。病変を MRI によって確認はできるのですが、
発作が起きても病変として現れないこともあるのです。
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認知機能障害も時間の経過とともに進行しますし、脳重量も萎縮し、脳や脊髄なども退化していきます。これは大
体 30 年先に起こる進行で、大体の患者において予想ができるのです。
多発性硬化症の患者は、どのような治療を行っても必ず病状が進行し、身体障害を起こします。これは予測でき
るものであるため、私のような神経科医は、病状の進行を改善してくれる新しい治療法を求めています。
いろいろな体の器官が支障を受けますが、もっとも受けやすいのが視覚機能です。この病気になると初期の段階
で視覚障害が起こり眼球の運動をコントロールできず、一方を見ようとするときに両目を同時に動かせないという
症状(これを我々は核間性眼筋麻痺と呼んでいます)が現れます。これは病変の一つの例です。このような状態
で運転したり、歩いたりするのがいかに難しいか想像できるかと思います。
だんだんおわかりになってきたと思いますが、多発性硬化症には 2 種類の側面があります。一つは目に見える面、
わかりやすいことで、二つ目が透明な面、わかりにくいことに分かれています。目に見えるものとしては、再発で
あったり、障害であったり、認識機能障害だったりがあり、他方で、時間の経過とともに脳機能が衰え、MRI によ
って脳の病変が確認できます。脳の病変は MRI で確認できますが、患者が自分で脳の衰えを感じるわけではあ
りません。そして脳の病変がいつ発生するかもわかりません。
ですので、このように MRI で確認できる病変はとても明白なのです。ここであまり時間を使いたくないのですが、
脳の白質に起こる病変で、脳が萎縮して脳の重量が減り、T1 ブラックホールとなります。
治療を受けていない多発性硬化症患者です。この場合 7 年間の経過を示しています。この白い部分が脳で、こ
の黒い部分が脳の周りを循環する脳脊髄液です。そして時間の経過とともに脳重量が減っていきます。この写真
はたった 7 年間のものですが、明らかに白い部分が減っているのがわかると思います。我々にはこれを止める手
だてがないのです。
ガドリニウム増強によってわかる炎症などもあります、この患者はとても活発な病状があり、時間の経過とともに
病変が多く現れています。このほかにもいろいろな病変があります。
それでは治療について、現在どのような治療法があるのかについてお話をしたいと思います。我々はメンテナン
ス治療という方法を使って治療をしています。私が初めて神経学を始めた頃、多発性硬化症は治療不可能な病
気だと考えられていました。このため、ある神経科医は、神経科医の仕事は診断をして「さよなら」をいうだけだと
言っておりました。
治療をしてあげられないので、診断をしてから誰か違う医者に診療に行かせたものでした。ただ今は違って、一定
のところまで治療ができるようになり、発作の度合いを減らすことができるようになりました。発作が起きると本当
に大変です。だから治療をすることで発作の頻度を減らすことは非常に重要なのです。
このためメンテナンス治療という方法を使っています。頻繁に注射をすることで発作の回数を抑えようとするので
す。このような考え方で治療をしているため、2 年の間の発作回数の減少が、臨床試験の主要評価項目となるの
です。
治療を行っている患者のうち 93%が、インターフェロンなどの予防維持薬を使っています。インターフェロンには 3
種類あり、販売している会社はそれぞれ違うと言っていますが、ほとんど一緒です。このほかに酢酸グラチラマー
やマーケットシェアが未だに低いタイサブリなどの治療薬があります。
1 週間に一度の注射だけで済むインターフェロン、ヨーロッパではベタフェロン(Betaferon)、米国ではベタセロン
(Betaseron)等も販売されました。また、高用量のインターフェロンであるレビフ(Rebif)や、他とは違うが一般的に
弱いとされる酢酸グラチラマーなどが販売されています。
それぞれの薬の違いについて、若干の違いがありますが、基本的には一緒です。一つ重要な点として、これらの
薬は免疫原性であるためベタセロンは 40%程度の中和抗体率があり、ファイザーが 20%から 25%。それからバ
イオジェンアイデックのアボネックス(Avonex)の中和抗体率がもっとも低いです。
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これらは組み換えタンパクで、明らかに違う分子です。ベタセロンは、大腸菌から作られており、糖化されていま
せん。おそらくこのことが、中和抗体を大量に作る理由ではないかと考えられています。
これらの薬のメカニズムは、細胞の表面にあるインターフェロンレセプターに結合バインドしてしまう、つまり、タイ
プ 1 インターフェロンはインターフェロンアルファ・ベータレセプターにくっつきます。
酢酸グラチラマーは全く違います。これはポリアミノ酸、ランダムな共重合体であり、もともとはミエリン塩基性タン
パク(MBP)と呼ばれるタンパク質の類似部分物として、髄鞘の疾病に対して有効性があると思われて開発されま
した。当初は、タンパク質に対して耐性を生じさせることにより、多発性硬化症に対して効果があるとして開発され
ていました。しかし、この考えは正当ではないと考えられるようになりました。しかし、マーケティングは引き続き行
われており、ある程度効果があると観られています。ただ、想定されていた方法ではないのですが。
この薬はイスラエルのワイズマンで開発され、ここ 3 年間の間にインターフェロンの会社の資金的な援助による研
究や積極的なマーケティングによって売上を伸ばしています。また、副作用が少ないことも助けているようです。
いまでは、アメリカでマーケットリーダーのアボネックスを追い越す勢いです。メカニズムが不明であり、MBP(ミエ
リン塩基性タンパク)が多発性硬化症の発病に関係があるかどうかも不明なのに、新規に始める治療に用いられ
る治療薬としてはアボネックスを抜いています。これはまだこれから大きなマーケットシェアを取っていきそうな薬
です。
このほかに治療に使われる薬としては、ステロイドや免疫抑制薬があり、ステロイドは発作や慢性進行性疾患な
どに使われます。アメリカではあまり免疫抑制薬は使われませんが、ヨーロッパでは頻繁に使われています。
以上が、多発性硬化症がどのような病気かと、現在の治療についての簡単な説明です。いま、新しい治療法と治
療薬が必要だとおわかりいただけたことでしょう。
ほとんどの患者がいずれ神経性廃疾になることはわかっています。神経を保護する効果のある薬の開発は大変
重要となります。神経保護作用のある薬が必要です。病気の初期段階で投与を始めることにより、病気の進行を
止めるもしくは遅くすることが大事になります。
私がこれまで観てきた進行性の身体障害を簡単に説明しますと、私のところを訪れる患者は大体歩けていて普
通にしています。しかし 15 年、20 年が経ちますと杖か歩行器を必要としています。これは平均した患者像です。
これから発売する新しい薬は安全で、経口でないといけません。そしてもちろん効果があることです。説明は以上
となります。
質疑応答
Jason Ariate Analyst
多発性硬化症の治療において免疫抑制剤を使わないことについてどのように思われますか?
Andrew Pachner - UMDNJ - New Jersey Medical School - Professor - Neurology & Neurosciences
免疫抑制剤を処方する場合、神経科医は慎重に用量を増やしすぎないようにと考えていると思います。
あたりまえのことですが、肝臓移植の後のように過度に免疫機能を押さえる必要はないのです。多発性
硬化症は慢性的な病気で、あまり免疫機能を押さえすぎたくないわけです。紙一重ではあります。
しかしもちろん効果を得る必要もあります。一つ大きな問題が神経系統で炎症が起こっているので、点
滴や経口剤だと血液脳関門を通過することが難しいのです。
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効果を出すために用量を増やしたい一方、感染にかかりやすくしたくないわけです。もっとも悪いのは
死者が出るような感染で、現在処方されているタイサブリでは、進行性多病巣性白質脳障害を引き起こ
す可能性があるのです。
この薬を単体で使ったら比較的安全のようですが、まだデータが少ないので、これから進行性多病巣性
白質脳障害の患者が多く出るかもしれません。このように、免疫を抑制する用量の問題が非常に難しい
のです。
Jason Ariate Analyst
ありがとうございます。
Andrew Pachner - UMDNJ - New Jersey Medical School - Professor - Neurology & Neurosciences
どういたしまして。
Mike King - Rodman & Renshaw - Analyst
先ほど MRI について話をされていましたが、ブラックホールと脳重量萎縮の臨床的な重要性について教
えてください。
Andrew Pachner - UMDNJ - New Jersey Medical School - Professor - Neurology & Neurosciences
すでによくご存じのようですが、 ブラックホールとはこの部分です。これは病変があったことでできた
傷跡です。
ブラックホールとは、簡単に説明するなら、昔脳があって今は無いところをいい、この場所が炎症を起
こした場所です。ダメージをうけ、完治していない部分を示していて、ブラックホールになると障害が
ひどくなることもわかっています。
ガドリニウム増強と少し話がそれますが、なぜ、今の薬が効かないのか、全く効かないと言うべきでは
ないのでしょうが、比較的効かないのは、いままでは早くて測定しやすい評価項目にフォーカスをして
薬の評価をしていたからだと思われます。
ガドリニウムによって新たな病変で起こる炎症を確認しますが、製薬会社は 10 年もかけて薬の試験をし
たくないわけです。このため炎症を抑えるのに効果の高い薬ばかりを開発してきました。
このため、現在用いられている薬は、炎症を抑えたり、ガドリニウム増強病変を減らしたりする薬ばか
りで、こうした薬は長期的な障害の進行に対しては効果がないのです。これは現場の必要性と大きな隔
たりがあるところです。
急性な炎症と障害の進行の間に相互関係は無いであろうと、多発性硬化症をみるほとんどの神経科医が
言うと思います。これは炎症を完全に消滅させるだけの力をわれわれが持っていないという見方もでき
ますが、私は、そうではないと思います。私はこの病気は脳の損傷が進行する病気と考えていて、この
ため、脳を保護する必要があると考えています。
Unidentified Audience Member
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再発寛解型や二次進行型などの形式に分類することに対してあまり賛成ではないとおっしゃっていまし
たが、製品の開発と認可、そしてラベルをつけないといけない FDA の視点からは区別せざるをえないと
思うのですが?
Andrew Pachner - UMDNJ - New Jersey Medical School - Professor - Neurology & Neurosciences
はい。問題は不十分な教育にあると思います。そして神経科医については歴史的背景にあると思います。
維持療法がなかったころは、いったん障害が進行するとどうにもならないから、再発寛解のフェーズの
初期にきちんと発作を治療する、というふうに言われていました。
これは昔ながらの方法として有益な考え方でした。ただ、すでに最初から損傷は起こっているのです。
患者が来られたときには、既に損傷が存在しているはずです。MRI を確認すると、脳や脊髄には病変があ
り、脳重量が既に萎縮しているのです。
時間とともに進行していくので、定義を限定することにどれだけの意味があるのかが疑問です。ただ、
おっしゃることは正しく、今はそのようにみられていますが、少しずつ変わっていくと思います。
Unidentified Audience Member
一回限りや隔月の髄腔内投与についてどのように思われますか?
Andrew Pachner - UMDNJ - New Jersey Medical School - Professor - Neurology & Neurosciences
インターフェロンβも、最初開発されたときは 髄腔内投与でした。その後いろいろな理由から筋肉注射
や皮下注射になりました。私は、髄腔内投与に賛成です。不要な場所をバイパスして直接必要な場所、
神経系統に届く方法が好ましいと思いますから。
ただ、現在の投与のシステムがまだそこまでの段階に来ていないと思います。髄腔内バクロフェン投与
はいいように思います。(注;随腔内バクロフェン療法とは代表的な中枢神経弛緩療法です)ただこれ
は病状の進行の後期のためのものです。初期治療の段階で安全性を示せた投与システムはないと思いま
す。
Geoff O'Brien - Ladenburg Thalmann & Co. Inc. - Analyst
最近の診療医は、「脳重量の萎縮と病状の進行や病変の数と病変の体積との間に以前よりも大きな相互
関係があると考えている」と先ほどおっしゃっていましたが、今後のフェーズ 2 臨床試験における主要
評価項目に脳重量の萎縮が使われるとお考えですか?
Andrew Pachner - UMDNJ - New Jersey Medical School - Professor - Neurology & Neurosciences
とても難しい質問です。そのためには測定方法がきちんとしていないといけないのですが、現在のとこ
ろ納得するような基準に統一されていません。ただもう少しだと思います。いろいろな人がそれを望ん
でいますし、ソフトウェアなども良くなってきていますし。
問題としては、例えばコーヒーを飲んだ後やよく眠れたかったときなど脳の重量が変化します。信じら
れないかもしれませんが、脳の重量は変化しているのです。
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進行する障害に対してより相互関係があるのが脊髄の萎縮です。技術が発展して脊髄をより正確に測れ
るようになれば、脳よりいい基準になると思います。今日の時点ではまだそこまで来ていないと思いま
すが。
プレゼンテーション
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
多発性硬化症の詳細については、もう既にパクナー博士からお聴きになっていると思いますので省きま
すが、この病気は身体の機能を衰弱化する病気であるとともに、世界的に 72 億ドルの市場が待ち受けて
いる病気でもあります。この市場では ABC や CRAB 治療などのインターフェロン、コパキソン、タイサ
ブリなど、すべて注射薬として販売されています。
MN-166 は経口の低分子薬です。現在までに確認された薬理学的働きには、抗炎症作用や神経保護作用
の可能性の両面があります。この薬は良性なサイトカインの製産を刺激し、神経栄養素を出します。副
作用の少ない脳血管拡張薬でもあります。機能的には炎症のメディエーターであるロイコトリエンと 3
つのホスホジエステラーゼ酵素を阻害します。また、炎症サイトカインや酸化窒素が作られるのを抑え
ます。
脳の萎縮を抑え、病変での炎症からブラックホールになることを遅らせる作用が、我々がこれまでに行
った試験で確認されました。
私たちはこの臨床試験の結果から、MN-166 が、時間の経過とともに起こる多発性硬化症に起因する障
害の治療において効果があると思っております。そして、先ほども言いましたように、この薬は経口投
与の薬です。
現在の治療薬が開発されて 15 年たちましたが、公平に見て、多発性硬化症患者の生活に大きな影響を与
えたと言うことはできます。再発寛解型やであろうと二次進行型の多発性硬化症であろうと、再発の期
間と頻度を抑えることができるようになりました。
しかし、病気の進行を抑えることはできていませんし、再発の頻度についても若干の改善で完全に止ま
るわけではありません。改善の余地は多くあります。そして、どの薬にも言えることですが、副作用に
よって使用に制限があります。
副作用が強いことで薬が使えない患者もいます。タイサブリや、最近では FTY720 のように重大もしく
は致命的な場合もあります。
現在使われている治療薬について、併用療法によって相乗効果を得ようと試みてきましたが、これまで
のところ副作用を増やさずに併用に成功したケースはありません。
併用療法ではないですが、倍の用量のベタセロンと同じく倍の用量のコパキソン(Copaxone)で今年 2
回臨床試験を行いましたが、これまでのスタンダードの治療と変化がありませんでした。 免疫調節剤の
投与量を増やそうと試みてきましたがそれによるメリットは無く、逆に長期でデメリットのほうが大き
い可能性があります。
これらの薬は、障害の進行を長期的に維持する効果でインパクトはないのです。このためパクナー博士
からもありましたが、神経細胞を保護することで障害の進行を維持するような薬が求められています。
当社の開発薬は、MN-166-CL-001 と言う名で臨床試験を実施しました。
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この試験は無作為二重盲検比較で行ったフェーズ 2 臨床試験です。1 年目の試験では患者にプラセボも
しくは 10mg か 20mg の MN-166 を 1 日 3 回の投与することにより治療を行いました。1 年目でプラセ
ボを投与された患者には、2 年目は 10mg か 20mg の MN-166 を 1 日 3 回の投与をしました。
各グループには 100 名ずつの患者がおり、治験は東欧の数カ所の施設で行いました。東欧は北米や西欧
に比べ、これまでインターフェロンで治療を行っていないため、プラセボ対比が行いやすい環境です。
このため東欧を選びました。
現在進行的に再発症状にある再発寛解型あるいは二次進行型の再発型多発性硬化症を患っていること、
さらに、治療開始後2週間以内に、少なくとも一つのガドリニウム増強病変または炎症病変を確認され
ていることが被験者の条件でした。つまり、臨床試験に参加する患者の条件は、ガドリニウム増強病変の存在
により、疾病の炎症性成分が活動的であることが確認されていること、および EDSS スコアが 5.5 以下であること
でした。
臨床試験からいくつかポジティブな結果を得られました。この時点で言っておきたい点として、3~4 年前の臨床試
験の主要評価項目に使われていたのは脳にできる病変の数を数えることでしたが、我々はこの観点からはポジ
ティブと言える結果は得られませんでした。
我々が行った臨床試験では、MN-166 の 60mg 投与の治療によって、再発までの期間を大きく延ばすことができ
ることを確認しました(P=0.04)。2 年間を通して MN-166 の治療を受けた患者は、1 年だけしか MN-166 の治療を
受けていない患者に比べて、2 年目に障害が進行する確率が半分になることがわかりました。
1 年目と 2 年目の結果から、60mg で治療を受けた患者の脳重量減少を抑えることができました。また、病変が持
続性ブラックホールに進展するのを 37%削減し、抑えることができました。(P=0.011)
これは非常に興味深いことです。総合的にこれらの結果を考慮すると、MN-166 に神経保護効果があることが推
測できます。MN-166 の薬理学的なメカニズムについては、すでにお話ししたとおりです。
ここに最初の再発までの経時的な変化を表した、Kaplan-Meier ブロットで示しました。60mg 投与のグループは緑
の線で表されています。実際には、2 年間の臨床試験が終了してはじめて再発までの平均が計算されますが、1
年目の臨床試験終了時から 401 日後でした。
当社は、1 年目よりもよりよい結果が出たという事実を知っているだけで、本臨床試験の治療を受けたグループ
のうち、半数以下の患者にのみ再発が認められた理由はわかっておりません。他方、プラセボの投与を受けた患
者の再発までの平均日数は 244 日で、好対照となっています。また、1 日 30mg の MN-166 の投与を受けたグル
ープは、プラセボに近い結果となりました。
障害の(持続的)進行の面では、4 ヶ月間にわたり 1.0 以上 EDSS スコアが悪化することを指標としました。これは
障害進行の標準的な指標であり、通常数週間症状が悪化し、その後に障害のレベルが戻る急性の憎悪と区別
することにも有効です。当社は長期的な障害の進行に注目しているのです。
本臨床試験の結果、皆さんお察しのとおり、また私自身もすでに述べておりますが、MN-166 の 2 種類の用量の
投与グループいずれにも、プラセボ投与群と比較して改善が認められました。MN-166 の投与を 2 年間受けた患
者群では 10.4%の患者に障害の(持続的)進行が見られたのに対し、臨床試験の 1 年目にプラセボの投与を受
け、2 年目にだけ MN-166 の投与を受けた患者群では、21%の患者に障害の持続的進行が確認されました。
MN-166 投与の患者群を個別に見ると、MN-166 を 1 日に 30mg 投与された患者群では 10.6%、1 日に 60mg 投
与された患者群で 10.2%の患者に障害の進行が認められました。これは、P バリューの 0.05 を満たしてはいませ
んが、MN-166 の両者の投与群を総合すると P=0.26 となり、この値は、患者のみならず、神経学者のかたがたに
も、興味深いものだと思います。
病気の影響を確認し、障害の進行が軽減されているか否かを示す副次的評価項目ともなっている MRI の評価
指標については、すでにお話ししておりますが、この 2 つの指標は脳重量損失の変化と脳重量減少の割合(パー
センテージ)です。2 年間にわたる臨床試験の中で、MN-166 を 60mg 投与された患者群で脳重量損失が最も少
なく、すべての患者群の平均値に対し、P 値が 0.03 となっています。
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プラセボを 1 年間投与され、その後の 1 年間 60mg または 30mgの MN-166 の投与を受けた患者群もあります。
結果的に、最も多くの脳重量を損失した患者群で 2.2%の損失を記録したのに対して、MN-166 の投与を最多量
受けた患者群の脳重量の損失は 1.6%程度となりました。
パクナー博士がすでにお話ししたかと思いますが、ここでは、シエナ・プロトコルと呼ばれる方法を用いました。ま
ず、MRI で脳の収容を許容する頭蓋骨のサイズを測り、その後、実際の脳の大きさを測ります。そして、実際の
脳が頭蓋内のどのくらいのパーセンテージを占めているかを計算するのです。
連続して測定を行う場合は、時間の経過に伴い、脳重量の割合がどのように変化しているかを調べます。つまり、
頭蓋内で脳が占める割合の変化を調べることになり、1.5%の値が出ました。
もう一つの評価指標として、これもすでに言及したと思いますが、炎症性病変が持続性のブラックホールに進展
する割合があります。質疑応答において、MRI の検査結果を注目した発言がありました。今回当社は、臨床試験
開始後 2 ヶ月目に、初回の MRI 測定を行いました。1 ヶ月目には、患者登録の適正性を確認するための基礎検
査を行うためです。
2 ヶ月目に確認された新規の T2 病変またはガドリニウム増強病変を引き続き追跡して観察します。(1 文省略)
持続性のブラックホールとは、2 ヶ月目の測定で確認され、その後、特に 10 ヶ月目の測定においても不活性であ
ったものをさします。サイズに変化がないのです。非常に凝縮した病変で、画面に黒く現れ、変化がないものーそ
れを持続性のブラックホールと呼びます。当社が調べるのは、2 ヶ月目に確認できた炎症性病変がこうしたブラッ
クホールに変化する危険性、簡単に言えば、炎症性病変の死滅の割合についてです。
臨床試験の結果はごらんの表のとおりです。上段の数値が、臨床試験開始 2 ヶ月目に確認され、追跡することを
定めた病変を持っていた患者数です。プラセボを投与した患者群では、2 ヶ月目に確認された病変のうち 25%近
くが 10 ヶ月目にブラックホールに進展していることがわかります。だいたい 4 人に 1 人ですね。メジアンで示すな
ら 17%です。
当社は、それぞれの患者において病変がブラックホールへ転換する相対リスクを計算するため、同一人の他の
病変は別個に数えません。患者ごとに相対リスクの計算を行っていきます。
これとは反対に、病変単位でブラックホールへの転換を計算する方法もあり、この場合、たとえば 74 人の患者が
3 つずつの病変を有しているとして、約 200 の病変のそれぞれについてブラックホールへの転換を調べ、200 の
病変に対する転換の割合を計算します。しかし、当社はこの方法をとりませんでした。
30mg の MN-166 を投与した患者群では、炎症性病変からブラックホールへの転換の相対リスクが 26%減少しま
した。これは統計学的に有意な減少であり、P=0.074 を示しました。また、60mg の MN-166 を投与した患者群で
は、相対リスクが 37%減少し、P バリューは、0.011 となりました。
これらのデータを総合してわかるのは、MN-166 による治療には脳重量の損失を減少させる効果があると考えら
れていますが、脳重量の損失とブラックホールの形成には間接的な関連があるらしいということです。脳神経が
死滅し、脳内に空洞ができるため、その空洞を埋めようとした結果、脳の萎縮が起こります。
一定の場所に起こると再発の引き金となるであろう急性の炎症性病変は、その多くが自然に治癒しますが、約
25%はそのまま定着してしまいます。持続性の病変への転換を防ぎたいのです。MN-166 はこの転換の相対リス
クも 37%削減しました。
さらに臨床的転帰に着眼すると、神経症状の持続的進行を経験した患者のうち、一定数の患者が、障害の持続
的進行の減少を認めています。これらの 3 つの効果から総合的に判断すると、MN-166 には、多発性硬化症に
伴う持続的な損傷から神経を保護する効用があると考えることができます。
これは非常に貴重な発見です。また、この薬の確かな安全性は、長期的に服用する患者さんにとってと
ても重要なことであると言うことを、パクナー博士も強く述べておりました。
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MN-166 は、当社の開発する化合物の中でも、喘息および脳梗塞後遺症のリハビリテーションの薬とし
て、日本と韓国で過去 17 年間以上にわたり実際に販売されており、確実な安全性を保証されているとい
う意味で、独自な存在となっています。
加えて、今回の臨床試験でも、MN-166 の安全性が確認されました。実際に、本臨床試験のすべての段
階で投与中止の事例はきわめて少なく、約 82.5%の患者が 2 年間の臨床試験を完了いたしました。これ
は特筆すべき数字です。
通常の場合、副作用は軽微で、医師の診療行為を必要とすることなく解決しています。最も多く見られ
た副作用は胃腸障害ですが、これは、この薬剤の開発過程で予見されたものであり、ホスホジエステラ
ーゼ阻止薬に共通の副作用です。
また、軽いイライラが見られることも特徴的で、2-4 日間の間に解消することが多いと言われます。通
常吐き気や嘔吐、下痢により投薬中止となることはありません。
今回の臨床試験の 2 年目の試験を終えて最近わかったことは、多くの患者が臨床試験終了間近になって、
うつを経験していることです。うつの症状は、多発性硬化症患者に共通した症状でもあります。
背景としてはー多発性硬化症の患者さんは、多かれ少なかれ、なんらかの治療を受けているわけです。
ただ、ある地域に住んでいる患者では、一般的に、急性の増悪期のステロイド治療を除く治療を受けて
いない場合があるのです。
いくつかの臨床試験終了間際にうつが見られ、治療法との関連性が推測されています。しかし、当社と
してはこのことについてさらに追跡調査を続けると確約することはできません。本臨床試験における副
作用、有害事象に関して重要なのは、長期的に問題となりうるような心電図上のまたは検査所見が見ら
れなかったと言うことです。もちろん、臨床試験中に死亡事例はありませんでした。
パクナー博士から、現行の治療法についてもお話がありました。ここでは、開発段階の経口薬にも少し
触れておきましょう。これらの薬と MN-166 の最も大きな相違は、これらのすべての薬剤の治療メカニ
ズムは免疫調節剤というカテゴリーであるのに対して、MN-166 は、基本的に神経保護というアプロー
チを取っていることです。
したがって、競合するこれらの薬剤の安全性は、免疫抑制剤一般に見られるものと同様のものとなりま
す。スライドには書いてありませんが、さきごろ、FTY-720 の安全性に関して深刻な懸念の声が上がっ
ています。FTY-720 のフェーズ 2 臨床試験およびフェーズ 3 臨床試験の結果を発表したこの春のミーテ
ィングで、2 件の感染症に関連する深刻な副作用が認められ、うち 1 件は死亡例であったこと、皮膚癌
の事例が増加したことが報告されました。このように免疫抑制剤については、安全性の面で引き続き改
良が必要となっています。
当社が MN-166 について今後どのようなアプローチを取るのか、気になっている方もいらっしゃると思
います。当社の経営陣および取締役会のメンバーは、1 年ほど前に、MN-166 の開発には多大な努力・資
源を要することから、MN-166 の有用性を理解し、豊富な資金や、販売戦力を持つ製薬会社と提携関係
を結んだ後に、開発を進めるという方針を決定いたしました。
現在のところの当社の方針は以上の通りで、この目標に向かって日々努力しております。
私からは以上です。次はシルバーマン博士からの説明となります。では、ご質問のある方はどうぞ。
質疑応答
Geoff O'Brien - Ladenburg Thalmann & Co. Inc. - Analyst
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
導出先については、大手の製薬会社や専門性の高い製薬会社など、さまざまな選択肢があると思います。
実際、導出先として御社が求めているのは、どのような企業ですか? 導出先として、ふさわしい企業
は、どのような企業でしょうか? また、大手製薬会社と中規模の製薬会社を比べた時の、それぞれの
良い点と悪い点を教えてください。
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
それは、私にとって、理想の妻はどんな女性かと尋ねられたとのと同じようなものですが、とにかく導
出は、最優先事項であると言っておきましょう。しかしながら…
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
当社は、まだその段階まで到達していません。でも、せっかく今その話が出たので、私の考えを言えば、
(契約能力とは)、より良い条件で契約することです。実のところ、私にとって非常に興味深い経験で
して、当社が交渉し、かつ積極的な進展があった数社については、2 つのタイプに分類できます。
一つは、既に多発性硬化症の分野を手がけていて、フランチャイズの発展を目指している会社、もう一
つは、神経学の分野には進出しているものの、多発性硬化症の分野へは進出しておらず、自社の業績や
販売・マーケティングの面から、多発性硬化症分野への進出を非常に魅力的な機会と捉えている会社で
す。
ですから、どのようなパートナーが理想的かと言うならば、治療における新しい実例となる薬の開発を
引き受け、実現できるだけの熱心さがある相手ということになります。
多発性硬化症など、特定の疾病について、従来通りの方法で薬を探せば、おそらく従来通りの薬しか見
つけることはできません。神経保護作用や長期障害に効果がある治療法を本当に探し求めたいのであれ
ば、それは、これまでとは異なる治療法を探さなければならないことを理解し、知識と意欲を表明して
くれる相手ということになるでしょう。
開発を請け負えるだけの資源もある企業です。資源とは、資金と開発に必要な人材などの両方です。も
ちろん、資金が豊富であれば、開発に必要な資源は買うこともできます。
そして、世界的規模で新しい治療法の開発に取り組もうという意欲を見せてくれる企業が、当社にとっ
て好ましい実施形態を持つ企業です。
実際に、両タイプの会社とも、ある程度詳細についてまで交渉を続けています。お気づきでしょうが、
私は、あなたがおっしゃったような分類方法では会社を見ておりません。大企業の製薬会社か中小企業
の製薬会社という分類の方法です。当社にとって、先に私が述べた分類事項の方が、その会社の資産額
よりも重要なことなのです。
取組み意欲と開発能力、神経学分野に強い企業であることが、大抵の交渉相手先企業に当てはまること
ですが、そのことこそが、先方が開発を請け負うことに関心を示した理由でもあって、当社が事前に限
定した条件ではありません。これが私の見解で、もちろん他のスタッフも意見はあるでしょうが、ほぼ
同様に考えていると思いますよ。
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
Neil Sussman
[Neil Sussman, 神経学].
御社の MRI 測定についてお尋ねします。 御社の基本プロトコルは何でしょうか? そして、御社が調
べたスライス幅は、どのように測定したのでしょうか? それらは、小さな薄いスライスが混ざりこん
でいるということはありませんか?測定方法は、どのように開発したのでしょうか?
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
良いご質問ですね。まず、当社は、この試験を契約しているオランダ、アムステルダムのリベロ医科大
学教授、フレデリック・バークホフ氏の方法に従って行っております。
各国に一カ所ずつ特定の MRI センターがあって、そこへ、患者のすべての MRI が、IAC(国際解析通報方
式=International analysis code)が示す標準プロトコルに従って、集められます。セルビアには、例外的に
二カ所のセンターがあります。事前に指定した各 MRI センターで、テストスキャンを行ってから、MRI プ
ロトコルに従いました。
累積病変数や病変への進展の特定、脳重量の分析など、試験解析に用いるすべての MRI 画像、それらの
測定およびすべての評価は、画像解析センターで集中的に行われました。つまり、測定はすべて一カ所
で、ひとつの(評価・解析)グループによって、標準ツールを使用して行われ、MRI 画像は、すべて標準
プロトコルに従って集められました。
残念ながら、スライス厚の詳細などについては記憶しておりません。しかし、こうしたすべてのパラメ
ータは、MRI プロトコルに指定されており、各患者が利用した MRI 測定センターにおいても指定されてい
ます。
ですから、各患者のスキャンは、これらの基準を満たしているかどうかについて評価を受けています。
少しでも、あなたの質問の答えになっているとよいのですが。とにかく、ありがとうございました。
Jason Ariate Analyst
御社の試験において、当初の主要評価項目がいつの間にかなくなってしまっているようですが?
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
おっしゃるとおりです。
Jason Ariate Analyst
主試験における主要評価項目は何ですか、また、御社が行っている導出交渉において、主要評価項目が
なくなってしまったことが、どの程度不安材料となっていますか?
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
主試験において、主要評価項目は何かというと、どのフェーズ段階であっても、それは、持続的機能障
害の進行ではないでしょうか。持続的機能障害の進行の減少です。
これは、既に、FDA により改善の基準として適切であると認められた評価項目です。他の医薬品につい
ても、同様に試験されています。著しく良好な結果は見られなかったという事実はさておき、持続的機
能障害の進行を測定するパラダイムには、基本的にきちんと定義があり、当社試験も同じ方法で行いま
した。
つまり、事前に特定しておいた増加分だけ増加する EDSS スコア(の増加)です。当社はそれを使用して
いますが、多少の変差はあるかもしれません。比較的長期間持続しています。急性増悪期と区別するに
は十分な期間です。一過性の機能障害ではなく、持続的な機能障害であることが確認できました。ゆえ
に、これが、フェーズ 2 もしくは今後の臨床評価項目となります。
Jason Ariate Analyst
非常に有力な科学諮問委員会、多発性硬化症の分野における第一人者たち、治験または規制当局との協
議に関して豊かな経験を持っている人物たちですね。持続的機能障害の進行を主試験の評価項目にする
ということは、彼らが提案したことなのですよね。つまり、単に社内で話し合って決めたということで
はなくて。
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
よいところに気がついてくださいました。はい、脳萎縮が副次的評価項目として設定された試験の 1 年
目の結果に基づいて、同委員会が提案したことです。これは、(MN-166 に)神経保護作用があるよう
だと、だから脳機能をもっと調べるべきだと。
先に申し上げたように、1 年目と 2 年目の試験で、脳萎縮は副次的評価項目に指定されていたのです。
脳萎縮のさらなる測定を行いなさいと推奨されました。もし、当社の考えたとおりだとすれば、病変へ
の進展にも、同様の作用があるはずだと言われました。
それで、科学諮問委員会は、当社に、脳萎縮の測定を行うよう推奨したのです。当社は、そのためのプ
ロトコルを作成し、外部審議官、すなわち神経放射線学の審議官に、評価してもらいました。過去のど
の試験にも関わっていない方です。つまり、新たに作成されたプロトコルで試験を行いました。但し、
患者の再募集や再評価は行っておりません。それは別の試験として行われました。
パートナーたちは、副次的評価項目と主要評価項目の問題を十分に承知しています。科学界は、試験に
ついて、深い関心を示し、その妥当性を示しています。2007 年度 ECTRIMS(多発性硬化症の治療と研究
に関する欧州会議)ミーティングにおける本会議では、当社のプレゼンテーションが選ばれました。神
経保護作用を調べる治験の行い方の例として、当社が取り上げられたのです。続いて、実際に、どのよ
うにそれを検出するか、レクチャーを行いました。
また、病変進行データが、欧州神経学協会の本会議プレゼンテーションにおいて、口頭プレゼンテーシ
ョンとして選出されました。確かに、主要評価項目の問題はありますが、当社が、副次的評価項目で良
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
い結果を得たこと、それが独自の確認評価項目であるという事実は、全員とは言わないまでも、一部の
パートナーの方々や、科学界の人々、当社の科学担当顧問たちに対して、影響力があるようです。
とにかく、とても重要な質問でしたね。この問題を取り上げていただき、ありがとうございました。
Jason Ariate Analyst
では、主試験の主要評価項目に関して、評価を終えるまでどのくらい時間がかかるのでしょうか? ど
のくらい治療後の経過観察が必要なのでしょうか?
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
一般的には、経過観察期間は 3 年といわれていますね。それに異論はありませんが、当社では、2 年で
も大差はないと思っております。2 年でも 50%の差が出ていたことを指摘しておきたいと思います。
さまざまな特徴を持った被験者がいて、臨床試験による改善の「差」を測ることができ、その 2 年間の
データがあれば、評価を行うことができるのです。
Jason Ariate Analyst
では、もう一度確認させていただきますが、試験終了後、3 年は必要ないだろうと。3 年間の試験で投
薬し、その間に持続的機能障害の評価を行うという理解でよいのですね。
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
そのとおりです。
Jason Ariate Analyst
では、患者は、まる 3 年間、薬剤の投与を受けるわけですね。
Jason Ariate Analyst
そのとおりです。
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
ありがとうございました。
Jason Ariate Analyst
ありがとうございます。
Vin Mather - Rodman & Renshaw - Analyst
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
Rodman&Renshaw のヴァン・メザーです。
脳血管の拡張薬となる MN―166 を長期間投与した結果起こりうる、充血や偏頭痛、心臓血管の問題に関
して懸念していることはありますか?
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
日本においては、使用期間中にそのような問題事例の報告はありません。本試験においても、これまで
のところ、そのような所見はみられません。
Unidentified Audience Member
投与量について教えてください。1 日の投与量を 30mg または 60mg にしたのは、どうしてですか? 忍
容性にかんがみて、もっと量を増やして、有効性を高めることを考えてもいいのではないでしょうか?
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
よい質問ですね。どうして、当社が、投与量を 30mg または 60mg にしたかというと、その開始地点に
理由があります。日本では、喘息に対しては、1 日 20mg というのが一般的投与量でした。そして脳梗塞
後遺症に対しては、1 日 30mg が投与されていました。
(MN-166 の)多発性硬化症における効能の可能性を最初に確認した研究者たちは、動物実験と、それ
に続く 2 本の小規模な臨床試験を実施し、投与量を 1 日 60mg としました。そして、フェーズ 1 の試案
をつくる段階で、60mg が、悪心や嘔吐感の許容レベル内で考えうる、上限であるとしたのです。
つまり、当社が試験を開始したとき、基本投与量に関するデータが既にあったのです。そこで、当社は、
一般に使用される投与量で、まったく異なる疾病ですが、中枢神経系障害に対する効果も報告されてい
る、30mg を選択したのです。さらに、多発性硬化症患者で行った 2 本の試験において、この 2 年間、
効果が認められ、忍容性も良好である 60mg を選択したのです。
しかし、当社が、中央および東ヨーロッパ人に対してこれを投与量とするにあたっては、彼らは、先に
MN-166 を服用した人々より、頑強で体格も良く、また、MN-166 も以前のデータでは即時放出カプセル
に入っていましたが、今は放出制御カプセルに入っています。
ですから、薬剤の送達の度合いが、忍容性に大きな違いをもたらすかもしれません。
実を言うと、当社は 1 日 3 回投与にしようとは思っていません。これと平行して、1 日 1 回投与の薬剤
を開発しており、これで進めていこうと考えております。そして、多発性硬化症患者を対象に行った本
試験で、当社が採用した投与方法において、投与量 60mg は、忍容性が良好であることが明確にわかり
ました。
この忍容性プロファイルに基づき、あなたがおっしゃるとおり、さらに投与量を増やした試験を行って
もよいと思います。これは、当社が、パートナー候補と交渉する際にも話していることです。それにつ
いては、先方が決定することでしょうが、その試験はやるだけの価値があるものと考えています。
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
Geoff O'Brien - Ladenburg Thalmann & Co. Inc. - Analyst
Ladenburg Thalmann & Co. Inc.のジェフ・オブライエンです。先に、MN-166 を使った併用療法のフェー
ズ 3 を実施する可能性について話していますね。これは、検討中なのでしょうか?
で使おうとお考えなのでしょうか?
もしくは単剤療法
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
当社が交渉している相手先企業にとって、いちばん魅力的な考え方は、MN-166 を併用する方法です。
交渉の席には、当社の科学諮問委員会のメンバーのパックナー博士も同席しているのですが、彼も同意
見のようです。一番魅力的な提案は、MN-166 を、その神経保護作用という特性によって標準的治療法
に追加することで、そして、これにより、炎症性病変の発生、つまり再発を大幅に減らすことができま
す。
ですから、併用療法が、もっとも魅力的な使い方ということになります。これは、現在、慢性的神経変
性疾患にも適用できるので、世界において、ヨーロッパやアメリカにおいて、多発性硬化症の化合物を
開発するにあたって、より実用的な方法です。
プラセボ対照試験は、実施、証明するのが大変難しいのです。しかし、併用療法が、一番良い方法だと
考えると、たとえばベタセロンを例にとってみましょう。
ベタセロンを単体で服用する場合、ベタセロンと A 量の MN-166 を服用する場合、ベタセロンと B 量の
MN-166 を服用する場合、効き目が異なる 2 つの薬剤を組み合わせるので、これは、非常に魅力ある実
用的な試験となります。
多発性硬化症では、まだ併用療法に対する試みは行われておりませんが、ご存じのとおり、他の疾病や
薬剤では、ごく普通に行われております。ACE 抑制剤とカルシウムチャンネル遮断薬と利尿剤などです
ね。ですから、併用療法という考え方には、注目していますし、非常に魅力的だと思っています。よい
ご質問ありがとうございます。
Carl Havermas - Haver & Havermas - Analyst
Haver & Havermas の Carl Havermas です。 まず、先ほどの質問に追加ですが、副作用の報告において、
時間の経過とともに何か変化がありましたか? つまり、やがて、副作用の症状は軽くなったのでしょ
うか?
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
胃腸系の副作用のことですか?
Carl Havermas - Haver & Havermas - Analyst
はい、そうです。
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
それでしたら、カラファー博士の方が詳しいですね。
Michael Kalafer - MediciNova Inc. - Chief Medical Officer
ええ、胃腸への副作用がみられた人は、ごくわずかな割合です。そして、長くても 5 日か 6 日、通常は、
2 日から 4 日で治まりました。まぁ、許容範囲のうちだと思いますが、少数の方とはいえ、時々、症状
が起こるわけですから、微妙なところですね。しかし、これは重大な問題ではありませんし、これが原
因で治療を止めようと思った人はいませんでした。
Carl Havermas - Haver & Havermas - Analyst
治療を開始してからどのくらいで、副作用が現れたのですか。
Michael Kalafer - MediciNova Inc. - Chief Medical Officer
概して 30 日以内です。もっと後になって発症した人もいます。2 年間の試験においては、吐き気を訴え
る人がいました。ウイルス性の胃腸炎のようなものです。ほとんどの吐き気は、試験の初期に起こり、
それは一時的なものでした。
Carl Havermas - Haver & Havermas - Analyst
次の質問ですが、患者単位ではなく、病変単位でのブラックホールへの進展は解析したのでしょうか?
その時、グループによって、相似や[大きな相違点]が見られましたか?
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
当社は、実のところ、その方法では解析していません。私は、全プロトコルに先立って統計的分析など
について書きましたが、そして、当社は、生物統計学者、Len Dean 氏?と研究員の Gary Cutter 氏?(両
者聞き取り困難)、多発性硬化症界の権威者である方で、この両者に、事前にこの方法を指示されたの
です。
このような質問が増えるようでしたら、当社はまた分析を行うかもしれません。従来の方法で。病変を
一括して取りあげる方法よりも、有意性を証明するのは難しくなると思いますが。でも厳密に言えば、
その方法で解析はしていないのですよ。
Carl Havermas - Haver & Havermas - Analyst
どうしてですか? 多様な多発性硬化症の症例の中で、御社が言いたいのは、ブラックホールの発現が
ランダムだということですよね。
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
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それは治療方法に関係があるのです。私が思っていた以上に、よくあることのようです。治療方法によ
るのです。1-2 ヶ月以内に起こります。少なくとも、もし彼または彼女が、いえ、実は、3 分の 2 の確
率で、女性に多く起こることなのですが。
たとえば、四つほどの病変を持っている人がいたとしましょう。一人の人間で、一つの免疫システムで、
脳も一つ、そして炎症性の病変が四つ。あなたは、それらが、生物学的にも統計学的にも、互いに影響
し合わない、まったく独立したものとして考えるべきだとおっしゃるのでしょうか?
つまり、同じ人間でありながら、ある病変に影響を与えた要因が、別の病変には影響をあたえないなど
と言えるのでしょうか? ひとりの人間に発生する病変は、お互いに独立したものではない、と考える
べきでしょう。
一つの病変が、同じ人間が持つ他の病変の運命に影響を及ぼさないというような要素があるのでしょう
か。ある種の推測的結論を考えるべきではありません。ひとりの人間の体内にある病変は、お互いに独
立したものではないと考えるべきです。
当社は、(研究部門に)何も強制したわけではないのですが、このような考えにいたったのです。この
ような方法で、病変への進展に着目しているのは、当社に限ったことではありません。ミランの[Comee]
グループやバークホフのグループも他の分析でこの方法をとっています。どの方法が最適なのかについ
ては、議論が白熱しています。
一人の人間が持つそれぞれの病変を独立した別のものとみなすべきではない、というのが大半の意見で
す。それで当社は[その方法]を採用したのです。
しかし、これで十分ではない、納得できない、というのであれば、何が起こるか、何か変化があるか、
病変単位に着目して試験をやってみてもいいかもしれません。
Carl Havermas - Haver & Havermas - Analyst
(聞き取り不可)両方法で試験するのはいいことですね(聞き取り不可)
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
ええ、あなたの疑問も当然といえば当然のことですね。質問の回答になっているといいのですが。
プレゼンテーション
Michael Kalafer - MediciNova Inc. - Chief Medical Officer
さて、再開しましょうか。次のプレゼンテーションに進みたいと思います。ロバート・シルバーマン博
士を紹介いたします。ロブは、1 年ほど前より当社のコンサルタントを務めており、喘息の急性発作の
試験において、当社に力を貸していただいております。
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ロブは、アルバート・アインシュタイン医科大学の准教授で、ロングアイランドジューイッシュ病院の
救急診療部臨床研究のディレクターです。博士は、長年、喘息の急性発作の研究に携わり、非常に重要
な数々の研究において研究リーダーを務めました。
臨床試験において、患者登録は簡単に行えることではありませんが、彼が助けてくれました。どうぞ、
彼のプレゼンテーションをお聴きください。
それではボブ、お願いいたします。
Robert Silverman - Albert Einstein College of Medicine - Associate Clinical Professor - Emergency Medicine
ご紹介ありがとうございました。
本日最初のプレゼンテーションを聞きながら、慢性的疾患としての多発性硬化症について考えていまし
た。糖尿病や高血圧や高コルステロール血症など、他の慢性的疾患も頭に浮かびました。
アンディが話していたように、多発性硬化症の治療には、多少の時間がかかります。同様に、高血圧症
や糖尿病の治療にも多少時間が必要です。みなさんは、臓器へのダメージを避けるためにも、出来るだ
け早い段階で病気を発見したいと思うことでしょう。
喘息は、慢性的疾患であると同時に慢性的疾患ではないのです。喘息は、慢性的症状なのです。 喘息
が治まったと思っていても、彼らは、常に喘息の遺伝子型を有している状態、場合によっては表現型を
も有している状態なのです。
喘息は呼吸器の疾患で、軽い症状のものもあり、通常は健康的で、調子も悪くない人もいます。また、1
年の中で、決まった時期に症状が悪くなる人もいれば、1 日の中で、特定の時間にだけ症状が悪くなる
人もいて、かなり異なります。数年間は、調子が良い時期もあるかもしれませんし、調子が悪い時期が
数年間続くこともあるかもしれません。
人によってずいぶん違いがあるのに、喘息の急性発作について言えば、病状の治療に、何週間も何ヶ月
もかけるわけにはいきません。数分しか、場合によっては数秒間しか治療の時間はありません。ですか
ら、(薬の)効果も、何週間、何ヶ月、何年という期間では測定せず、数時間のうちに測定します。
ですから、喘息は、糖尿病や高血圧症、多発性硬化症よりも、臨床試験が行いやすいのです。数時間後
には、患者の症状が悪化したか、軽減したかがわかるのですから。
しかし、カラファー博士が述べたように、救急施設で、つまり混乱した状態で、病気の人々などがいる
ような場所で、喘息の試験を実施するのは難しいものです。けれど、症状は非常に明らかですし、試験
結果は、より明確に出せるわけです。
喘息は、誘因に対する脆弱性の発現ということもできます。ウイルスに反応する人もいれば、香水に反
応する人もいます。中には猫に反応する人もいます。自分が何に反応するのか分からない人もいますが、
とにかく症状は現れるのです。人生のある時期において、ウイルスに反応を示した人でも、年齢を重ね
ると、ウイルスに反応を示さなくなることもあります。人生を通して、何が原因となって喘息が起こる
のかを予測することはできません。
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心配なのは、コントロールが難しく、悪化する喘息が、いわゆる喘息発作を引き起こすことです。救急
施設を訪れることになる発作です。入院や、時には死亡することもある発作です。
ちょっと世界の現状をご説明しましょう。このデータは、2~3 年前のものですが。現在、世界には、約
3 億人の喘息患者がいます。2025 年までには、さらに 1 億人増えると予測しています。多発性硬化症と
同様に、これは、喘息の有病率を、かなり低く見積もった数字です。たとえば、インドのボンベイでは、
10 人の喘息患者のうち、1 人だけしか喘息と診断されません。
発展途上国では、喘息患者が増えていることがわかります。病気の予防策は改善しているものの、喘息
は発展途上国の病気なのです。
公害やストレス、屋内で過ごす時間が増えたことなどが、喘息の有病率の増加、および喘息罹患の頻度
の上昇に関係しています。
2005 年には、約 255,000 人が喘息で亡くなっています。これは、意外な数字だと思いませんか? 喘息
で人が亡くなるなんて。多くは若者です。他の点では健康な人です。人生の終わりに近づいた人ではあ
りません。子供たちなのです。十代の若者なのです。主に、若年層が喘息を発症しています。世界中で
死亡する人のうち、250 人に 1 人は喘息が原因です。
入手できた最新のデータによると、といっても少し古くて 2003 年のものですが、アメリカでは、約
3000 万人が、人生のいずれかの時期に、喘息であると診断されています。そして、約 2000 万人が、現
在喘息であると、少なくとも喘息だと言っています。また、1100 万人が、過去 12 ヶ月の間に発作を起
こし、緊急の治療を要していました。
2002 年の CDC データをご覧ください。ええ、また少し古いのですが、2005、2006 年のデータをここ
に示すことができませんでした。しかし、アメリカでは、2000 年から 2007 年もしくは 2006 年の間に、
資料の活用回数には、まったく変化がありません。
年間約 200 万人が救急施設を訪れていますが、特に多いのが喘息です。約 500,000 人が入院、最新のデ
ータによると、年間約 494,000 人が喘息による入院です。そして残念なことに、アメリカでは、約
4,200 人の方が喘息で亡くなっています。繰り返し言いますが、そのほとんどが若者なのです。
これは、アメリカにおける喘息の一例です。「アメリカにおける喘息」という研究においては、約 2,500
人の喘息患者を調査しており、ここに少しだけ紹介しましょう。この調査がいつ行われたのかはわかり
ません。2001 年か 2002 年だと思いますが。アメリカでは、喘息患者のうち 23%が、過去に喘息発作
により、1 回以上救急施設を訪れたことがあると言っています。
大人では 19%、子供では 32%です。子供の方が誘因に脆弱性があるので、結果、大人よりも救急施設
に運ばれる頻度が高いのです。しかし、大人の方が(救急施設に運ばれる数は)多いのだと言っておく
べきでしょう。つまり、17、18 歳くらいの大人の方が、子供よりも多いのです。
子供の方が、喘息発作を起こす頻度は高いにもかかわらず、救急施設で見かけるのは大人の方が多いの
です。彼らは、十代の若者です。
ここに、過去、喘息で入院した頻度のデータがあります。アメリカの喘息患者のうち、9%が、過去に喘
息が原因で 1 回以上入院したことがあると言っています。
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では、慢性喘息を悪化させる誘因、急性喘息発作を誘発する誘因について見てみましょう。ウイルスが
あります。喘息を誘発する運動もあります。ディーゼルエンジンも、大きな問題となります。特に、発
展途上国では。もちろんアメリカでもそうですが、中国やインドといった国での方が、問題は深刻です。
たばこの煙も慢性および急性の喘息には良くありません。肥満も、喘息になりやすくする、および喘息
罹患率を上昇させる原因の一つとなっています。異なるタイプの、例えば硫酸エステル型とかの、大気
汚染物質があります。イエダニも喘息にはよくありませんし、季節ごとの花粉もそうです。
ペットもですね。肥満したペット。運動不足は、喘息を悪化させます。特に子供の場合。あと、小さな
害虫類と小動物ですね。それと、雷雨や天気の変化も忘れてはなりません。信じ難いことかもしれませ
んが、天気は、喘息を悪化させる大きな要因の一つでしょう。まぁ、それはまた別の話となるのですが。
見るのが辛いようなスライドをここでお見せしようとは思いません。細胞膜を写したようなスライドで
す。左は健康な肺の状態、右の肺はそうでもありません。
息を吸うと、ある種の誘因にさらされるということになります。ここに大きな気道があって、それが中
程度の気道へ、さらに細くなって、顕微鏡がなくては見えないような、何万、何千もの細い気道、いわ
ゆる気管支となります。これらの気道、特に気管支に続く中程度または細い気道は、平滑筋に覆われて
います。それをちょっと頭の片隅に置いておいてください。喘息になりやすい人、つまり、喘息とは、
気道が収縮する病気なのです。
喘息ではない人が、何か、そう、肺機能の研究室へ連れて行かれてメタコリンのような刺激物にさらさ
れても、肺や気道が狭くなるには、たくさんの刺激物が必要です。でも、もし喘息患者の場合、気道が
狭くなるには、ほんの少量の刺激物で十分です。そして、喘息が悪化すればするほど、刺激物への反応
が強くなり、気道が収縮します。
喘息について、もうひとつ話すと、喘息は炎症性疾患です。喘息は、単に(気道が)収縮する病気だと
考えられてきました。しかし、今日では、炎症性の疾患だと、刺激物に触れた肺の中で、炎症性細胞が
活性化することが分かっています。
しかし、重要なのは、この炎症が、気管支収縮を引き起こす原因であることです。では、右側を見てく
ださい。健康な肺と比べて、気道が狭いことがわかるでしょう。そう、これは健康な気管支です。とて
も細い。顕微鏡がなくては見えません。そして、ここに開放気道があります。
これは、喘息患者の気道です。急性喘息発作の時、この細胞層が厚くなっているのがわかりますね。え
ぇと、この写真がよい写真かどうかわかりませんが、とにかく、喘息の急性発作の時、炎症が起こって
います。
喘息で、咳をたくさんすると、気道で粘液が分泌されます。喘息の兆候が、咳だけの人もいます。息を
切らす、喘鳴することはなく、咳だけです。特に子供がそうです。そして、粘液が送り込まれるのです。
そして、粘液が十分に分泌されると、粘液栓となります。粘膜がむくみます。しかし大切なのは、急性
喘息発作について言うならば、気管支収縮の話になります。
ここを見てください。この健康な気管支を取り囲む筋肉が、収縮しています。狭まっています。気道を
狭くしています。呼吸を普通にする時は、呼吸は、この開放気道を通り、ほとんど抵抗がありません。
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
気道が狭くなるにしたがい、少し呼吸がしづらくなり、呼吸音が出始めます。この音は、喘鳴と呼ばれ
ています。気道が、非常に狭く詰まってくると、それは重度の喘息で、呼吸に苦しみます。
喘息患者が、急性発作を起こしたらどうなるか、考えてみてください。この狭い気道で呼吸をする、そ
れは苦痛であり、もっと空気を得ようと、肋骨を持ち上げるために、頸の筋肉を使わなければなりませ
ん。そして、肺の容量を増やすため、肋骨の間の筋肉を使わなければなりません。患者は、苦しみ、大
変な事態に陥ることもあります。
さて、喘息重責状態とは何か、との質問がありました。私は、この 10 年間ほどは、この用語を使ったこ
とはありません。けれど、その用語は、いまだ使われています、そう、よく使われる用語です。もうし
ばらく、このままということにしておきましょう。
重度の急性喘息発作で救急施設を訪れる典型的な患者の例を説明しましょう。
女性、37 歳。37 歳と申しましたが、これは、喘息で救急施設を訪れる大人の患者の平均年齢なのです。
それと、女性ということですが、多発性硬化症と同様、興味深いことに、急性喘息発作で救急施設を訪
れ入院する患者のうち、少なくとも成人患者のうち 67%が、 女性です。
そして、非常に興味深いことに、多発性硬化症の治療に使われる薬は、喘息に付随する炎症を治療する
のにも使われているという類似点があるのです。
とにかく、この患者は、子供の頃から喘息にかかっていました。彼女は、週 2~3 回、喘息の症状が現れ
ていました。彼女は、早歩きをするといつも息切れし、また時々、午前 2 時に目覚めて、息切れに苦し
みます。
彼女は、群発的な息切れの治療として、アルブテロール吸入器を使用しています。彼女は、十分に喘息
を抑えられてはいません。症状から脱却できるであろう長期管理薬を使用していません。 しかし、ア
メリカのほとんどの喘息患者が、長期管理薬を使用しておらず、そのため、救急施設を訪れた際、救助
薬剤が使用されるのです。
彼女は、年数回、喘息が悪化して救急施設を訪れます。ほとんどの場合回復しますが、時々、4-5 日間
入院しています。その後、自宅へ戻り、また慢性的な悪循環が始まるわけです。4-5 日ほど前、彼女は
風邪をひき、息切れや喘鳴がひどくなったので、吸入器をいつもより頻繁に使用しました。
つまり、数日おきに使用していたのが、数時間おきに使用するようになったのです。また、彼女は、よ
く眠れませんでした。3 日前は、一晩に 4 回目が覚めて起き上がりました。2 日前の晩は、2-3 時間し
か眠れず、翌日は、呼吸が苦しくて、ほとんど眠れませんでした。
この 2-3 日間は、子供の世話や仕事が出来ず、2-3 時間おきではなく、1 時間ごとに吸入器を使いま
した。どうなったと思いますか? 彼女は、薬を使い果たしてしまいました。
そして、喘息患者が薬を使い果たすとどうなるか? 彼らは、お手上げ状態となり、医者のところへ来
ます。喘息発作の持続平均時間は、おおよそ 2-3 日で、彼らを健康な状態に戻すのは、想像以上に困難
なことです。しかし、さらに興味深いのは、それは……、
こうした事態は、こうした薬の使用を患者に許しているから起こります。しかし、今回、彼女の家族は、
彼女が救急施設へ行くように説得しました。彼女が、薬を使い果たしたからではありません。家族は、
彼女が苦しそうにしているのを見て、助けが必要だと思ったのです。
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
彼女は、息切れのせいで、車を降りて歩くこともままならない状態でした。息が苦しく、ちゃんと話す
こともできませんでした。頸部の全筋肉を使っていました。彼女が、呼吸をしようとするたびに、これ
らの筋肉が収縮するのがわかりました。息をするたびに、喘鳴が聞こえました。脈がとても早く、血中
酸素が低下していました。彼女は、空気を吸い込めないと感じていました。彼女の FEV1 は、24%と予
測されました。
FEV1 とは、肺機能の基準です。どの程度、気道が開放されているかの基準です。健康な肺では、FEV1
は、100%を予測値として、80%から 120%です。予測肺活量は、身長、性別、年齢から割り出します。
したがって、彼女は、健康な状態と比較して 4 分の 1 程度しか呼吸できていないことになります。つま
り、彼女の肺機能は、通常の 4 分の 1 しか機能していません。これは、重症な喘息です。これが、救急
施設で目にする患者像です。
急性喘息発作による気管支収縮に、どうように対処するのでしょう?
これは、主に病理生物学、気管支収縮の問題なのです。かなり粘膜がむくんでいたり、粘液栓が形成さ
れている患者もいますが、当社が言いたいのは、収縮、気道の収縮についてです。気管支拡張剤で、気
管支収縮に対処します。
なにが主な治療法なのでしょう? 一番効き目のある、即効性のある気管支拡張剤は、何でしょう?
βアゴニストが一般的でしょう。プロベンティル、またはアルブテロールとして知られている薬です。
ディック(Dr.ガマンズ)が、当社が開発しているβアゴニストに関連するレセプターについて、少し話
してくれることでしょう。私は、とりあえず、即効性があり、繰り返し投与することができ、忍容性が
高いとだけ、話しておきましょう。
一般的に、救急施設では、これを噴霧器で使用しています。 患者の症状によって、20 分おき、30 分
おき、40 分おきに使います。そして、それ以外の対処法は、βアゴニストの補助治療として考えられて
います。βアゴニストは、効き目が高いのです。
他の治療法としては、アトロベント(Atrovent)あるいは吸入イプラトロピウムと呼ばれているものがあ
ります。成人を対象とした研究では、重症の喘息に対しては、それが気管支拡張に作用したというもの
もあれば、しなかったというものもあります。
患者の中には、Ⅳマグネシウムが有効な人もいます。ほとんどの患者には、たいして有効ではありませ
んが。新しいロイコトリエン剤は、多少効果があるかもしれません。それとステロイド、抗炎症剤も効
果がありますが、即効性はありません。ステロイドの効果が現れるまでには、数時間から数日を要しま
す。そういったことから、当社は、気管支拡張剤を扱っているのです。
そこで、当社は、この女性にも、気管支拡張療法を施し、また他の多くの治療を施しましたが、FEV は
30%までしか改善しませんでした。通常の 3 分の 1 以下です。彼女は、まだ苦しそうでした。それで、
経過を観測し、さらなる治療を施すために、PCU、一種の ICU(集中治療室)へ彼女を運び、3 日間過ご
してもらいました。
PCU を出た後、さらに 4 日間病院に居たので、1 週間入院したことになります。彼女は、その後自宅へ
戻りました。4 ヶ月後、また喘息発作が起こり、病院へ戻ってきたのですが、その話は、ここではよし
ましょう。
さて、救急施設で見られる、一般的喘息患者の肺機能がどうなっているのか、説明いたしましょう。な
ぜなら、これが、救急施設における、喘息患者の重篤度を評価する一番客観的方法だからです。
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
喘息患者は、通常、救急施設で 4-6 時間を過ごします。そして、これが FEV1 です。も一度言いますが、
100%が、基本予測肺活量です。そして、実際の患者は、この女性のように、25%-30%程度しかありま
せん。
通常、初期治療とそれに続く治療の後、気管支拡張療法を受け、大きな変化を見ます。次第に、気管支
拡張は収まり、3-4 時間後には安定し始めます。この時点で、患者を入院させるか、退院させるかを決
定します。
症状が悪化しているすべての喘息患者が同じわけではなく、他の人より重症な人もいます。このスライ
ドを……これは、実際の患者のデータで、喘息の急性発作で救急施設を訪れた何百人もの患者のもので
す。
軽症の喘息患者、つまり、気管支拡張治療に良好な反応を示す患者は除外しました。なぜなら、彼らは
入院しませんし、より積極的な、大がかりな治療法を望んでいません。
では、この 2 つのグループをご覧ください。FEV1 平均値を取り出し、平均値より上と下の 2 つのグルー
プに患者を分けました。こちらのグループが、もう一つのグループより FEV1 が、かなり低いことがわか
りますよね。
こちらのグループは、先ほど私が例にあげた女性同様、2-3 時間後も症状の改善がほとんど見られなか
ったグループです。このグループの平均 FEV1は、23、24%と予測され、何時間経過しても、30%まで
にしか数値が上昇しませんでした。
これは、恐ろしい喘息です。死亡する危険や、挿管される危険がある喘息です。挿管というのは、つま
り、酸素を供給するために、気道にチューブを差し込むことです。患者は、もう自力で呼吸できないか
らです。患者は、疲労し、呼吸が出来ず、自分自身のサインなしにでも入院させられるような状態なの
です。そして、残念なことに、実際にそうなった患者もいますし、2-3 日後に、病状が悪化して、また
病院を訪れた患者もいます。
明らかに、肺機能を改善するための、効果的な補助治療が必要な患者たちです。こちらのグループは、
それほど重症ではなく、ICU へ運ばれることもないでしょう。挿管されることもないでしょうし、救急施
設で死亡することもないでしょうが、入院する大きな危険性があります。
自力で生活できるようにならない限り、喘息患者を自宅へ帰すことは出来ません。喘息発作から完全に
回復するまでは待てません。それには何週間も中には永久に時間を必要とします。直らない患者もいる
のです。いつまでも喘鳴している患者もいます。しかし、はっきりさせたいことは、救急施設を去った
患者は、少なくとも、自宅で、自分でなんとか生活することは出来る状態であるということです。
そのため、救急施設を出る前に、FEV1 は、約 50%かそれ以上でなければなりません。ですから、我々
の目標は、約 50%、健康な状態の約半分です。みなさんの中に呼吸器科医の方がいらっしゃれば、そし
て、FEV1 が 50%と予測された患者がいたら。驚いて、その患者を非常に重症であると診断するでしょ
う。でも、私たちは、彼らを自宅へ戻っても大丈夫な患者と判断します。
要約すると、βアゴニストは、喘息の急性発作の治療の柱です。全身性ステロイドを処方しますが、効
き始めるまでに時間がかかります。救急施設における治療で、それが本当に有効なのかどうかわかりま
せん。気管支拡張剤とステロイドを使って治療しても、成人のうち 20-30%は、喘息の急性発作で入院
します。
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もし、重症な患者を診たら、そのうち 50-100%は、入院させられるでしょう。ですから、補助治療が
必要なのです。入院や ICU へ入るのを避けるために、致命的な喘息となるのを防ぐために、です。
試験の目的について、少々説明しましょう。試験の詳細は、カラファー博士がご説明すると思いますが、
目的は、MN-221 が、通常の治療方法では効果がない喘息の急性発作の患者に、良好な結果をもたらす
ことができるか否かを究明することです。
患者に、通常の治療を受けさせないということではありません。そんなことは出来ません。それは、倫
理的に問題があります。我々は、この薬の投与を、通常の治療法に追加したらどうなるのかをみたいの
です。重症の喘息では薬が効かない場合が多いからです。
FEV1 が好転するかを確かめたい、そして、FEV1 が、肺機能の客観的な測定値となります。それは FEV1
が再現性のある測定法だからです。そのため、同じ人がカンザスやニューヨークなど世界中どこで測定
しても、フロリダで測定したのと同じ結果を得ることが出来ます。測定機器は、同じように補正されて
おり、性能や品質基準も同じです。ですから、これが、肺機能を評価する最良の方法なのです。
また、患者の症状も評価したいのです。肺に空気を送り込めるようになることは、呼吸が出来ない急性
喘息発作患者にとっては、重要問題です。当社は、早く回復するようにしたいのです。できるだけ早く、
救急施設から患者が出て行けるようにしたいのです。もちろん、入院も ICU に入ることも、挿管するこ
とも、さらに喘息が悪化することも避けたいのです。
これが、我々の本当の望みです。標準療法があまり効かない、重度の喘息患者がいるのです。おそらく、
現在処方されている薬への依存も原因の一端かもしれないのですが。我々は、もっと回復させてあげた
いし、入院する、あるいは ICU に入る患者の数をもっと減らせると思っています。
我々が、Ⅳ(静脈注射用;静注)交感神経作動薬と呼んでいるものについて説明させてください。静脈
投与するβアゴニストです。救急施設で患者を診るときは、通常、これを噴霧器で投与します。患者は、
霧状の薬剤を吸い込み、それが肺へ落ちていきます。
先にお見せした写真を思い出してください。肺には、たくさんの気道があります。太い気道、中程度の
太さの気道、末端にある目には見えない細い気道。あいにく、喘息の急性発作の多くは、こうした末梢
の気道で発症します。ですから、噴霧器による薬剤が、届かないことがしばしばあります。これらの細
い軌道が病変なのです。
これは、大きな問題と言えるでしょう。そして、これが救急施設で、多くの治療法が効かない理由のひ
とつなのです。ですから、静脈投与ならば、(薬剤は)血流にのって循環し、喘息で著しく影響を受け
た、肺を取り巻く血管にたどり着くことができます。
アルブテロールと呼ばれている静注βアゴニスト、エピネフリン、テルブタリンは、通常の治療法で好
転しない重症の子供に、よく使用されます。アメリカでは、副作用の懸念から、大人に使用することは
稀です。
主な副作用は、心拍数が早くなる、あるいは不整脈です。
世界では……、次のスライドをお見せしましょう、成人に対しても、これらの薬剤をよく使用する国も
あります。しかし、アメリカでは、この件については、さらに検討しています。なぜ MN-221 が良いの
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か? それは、より効果的で、既存のβアゴニストの静注投与よりも副作用が少なく、子供にも大人に
も適用できるからです。
オーストラリアは、どんな理由によるものか、世界の他の先進国よりも、喘息患者が多い国です。罹患
率が相当高く、症状も重い。オーストラリアでは、喘息による死亡率も高い。ですから、我々よりも、
世界中のどこよりも、重症の喘息患者を診る機会が多いのです。
これは、ある救急施設で、オーストラリアのメルボルンにある小さな病院なのですが、そこで、18 歳か
ら 55 歳までの、喘息の重症度判定レベルが 1-3 の患者のうち、約 20%がⅣエピネフリンを静注投与さ
れたと発表しています。
エピネフリンは、アルブテロールほどの特効性はなく、つまり、異なるレセプターに作用し、βレセプ
ターのみならず、αレセプター(注;皮膚などの血管収縮作用・血圧上昇)にも作動するということで
す。そのため、βアゴニストより副作用が多いのです。しかし、これは、オーストラリアでは使用され
ており、他の薬剤より優れているとされています。
そして、約 220 人に副作用がみられ、うち 2 人は胸痛を訴えましたが、重症なものではありませんでし
た。心電図に変化はなく、心臓にもダメージはありませんでしたが、心拍数が早くなったため、問題だ
と思ったのです。
これにもかかわらず、Ⅳエピネリンが、一般的に使用されているのは、メリットの方がリスクをはるか
に上回ると、彼らは考えているからです。実際、これを書いた執筆者と話をしましたが、彼らの病院、
救急施設で、入院している各患者は、エピネリンを静注投与されていると言っていました。
もう 1 枚、スライドをお見せしましょう。これは、喘息にかかる費用についてです。ニューヨーク州の、
約 10 年前のデータですが、5,000 ドル、えーっと、10 年前ではないですね、1992 年ですから。それで
ですね、大人が喘息で入院すると 5,000 ドルの費用がかかっています。
2002 年には、喘息患者の入院に約 11,000 ドルがかかっています。このデータは、5-6 年前のものです
から、現在では、おそらく、12,000-13,000 ドルの費用が、喘息で一般病棟に入院するだけで必要なの
です。
ICU に入るとなれば、2-3 倍はかかります。以前に比べると、入院期間は短くなっています。ニューヨー
ク州では、喘息にかかる医療経費のうち 58%が、入院によって生じる費用です。
ですから、もしニューヨーク州で喘息治療にお金を支払うとすれば、約 60%が入院費用ということにな
ります。
さて、次の人の時間がなくなってしまいますので、この辺でやめましょう。何か、ご質問はあります
か? 多少でしたら、質問にお答えする時間があると思いますが。
質疑応答
Michael Kalafer - MediciNova Inc. - Chief Medical Officer
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
ええ、喘息に関して質疑応答の時間をとってから、次のプレゼンテーションに移りたいと思います。
Geoff O'Brien - Ladenburg Thalmann & Co. Inc. - Analyst
Lnadenburg Thalmann のジェフ・オブライエンです。シルバーマン博士、MN-221 のフェーズ 2 試験で、
FEV1 に改善がみられたということですが、臨床的に意義のある改善とは、最低どのくらい、また、反対
に最高どのくらいだとお考えですか?
Robert Silverman - Albert Einstein College of Medicine - Associate Clinical Professor - Emergency
Medicine
よいご質問ですね。それは、病気の程度によります。もし、病気が中等度であれば、自宅へ戻ってもよ
い、という基準をぜひとも超えさせてあげたいと思います。
ちょっと、このスライドをもう 1 度見てください。これら 2 つの喘息のグループでは、このラインをも
っと上へ、この最終 FEV1 のところへ動かすことができればいいのですが。
このラインが上へあがるほど入院は減ります。もし、現在、患者のうち 25%が入院させられているとし
て、それが 20%になったら、私はうれしく思います。
入院する患者の割合が 15%になれば、さらにうれしいことです。アメリカでは、喘息だけで、年間約
500,000 人が入院しているのですからね。もし 10%でも減らすことができれば、50,000 人の入院患者を
減らしたことになるのですから。
そう、つまり、特定の数値がどのくらいかという点については、私にはわかりません。もちろん、統計
的有意性に到達したいと思っています。それこそが、この専門誌の編集者が、一流の雑誌を出版するた
めに求めているものだからです。ですから、私たちは、これに力を注ぎ、統計的有意性を目指すつもり
です。
しかし、もし年間、入院患者が 50,000 人減ったら、そう、いかなる改善であれ、うれしいと思います。
FEV1 が 30%の人が、31%になっても、それはたいして大きな改善ではありません。
けれど、20%台で膠着していた患者を、30%台にまで改善することができれば、自宅へ戻ることはでき
ないでしょうが、ICU へ入ることや挿管は免れることができるかもしれません。それは、大きな改善です。
つまり、私は、何らかの数値を口にすることはできませんが、意味のある改善とは、個々の患者が、普
通の生活に戻れるようにすることだと考えます。
Vin Mather - Rodman & Renshaw - Analyst
Rodman & Renshaw のヴァン・メイザーです。あなたの経験から言って、喘息治療に訪れる患者の大半は、
自分自身による薬の服用が出来ていないのでしょうか、あるいは治療、維持療法に失敗しているのでし
ょうか?
Robert Silverman - Albert Einstein College of Medicine - Associate Clinical Professor - Emergency
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
あなたは、呼吸器科医ですか?
Vin Mather - Rodman & Renshaw - Analyst
いいえ、違います。
Robert Silverman - Albert Einstein College of Medicine - Associate Clinical Professor - Emergency
Medicine
よい質問です。なぜなら、もしあなたが呼吸器科医ならば、それは治療ミスだと言うでしょう。救急医
ならば、治療への不適応、というでしょう。呼吸器科医は、患者を上手く治療しますから。
呼吸器科医に話しかけて、こう言うとします。私が前回患者を救急施設へ送ったのは 2 年半前で、前回
患者を入院させたのは 5 年前だと。そして、私は、この辺に座って、こうした会議に参加し、みなさん
と、呼吸器科医やアレルギー専門医などとディナーを共にする。彼らは、私のデータを信じることがで
きません。私が、実に多くの喘息患者を診ていることを信じられません。
サウスブロンクスにあるリンカーン病院の救急施設で、年 12,000 人の喘息患者を診ています。12,000
人の患者と言っているのではないですよ、12,000 人の喘息患者です。呼吸器科医には、これが信じられ
ません。それで、私はこう言います。「だってそうでしょう? あなたは私の患者を診ないし、私もあ
なたの患者を診ていません。あなたは、患者を手厚く看護しているので、私はあなたの患者を診ません
し、私の患者もあなたに診てもらわないので、あなたも私の患者を診ないのです」
私たちが救急施設で診るのは、治療ミスではなく、治療への不適応です。これは、サウスブロンクスや
アメリカの地方に限ったことではありません。どこでもあることです。喘息の人は、たとえどんなに学
識がある人でも、喘息を慢性疾患と認めたがりません。なぜなら、呼吸器科医は、喘息を慢性疾患と認
めず、一過性の発作として治療するからです。彼らは、長期管理薬を使用して治療しません。もし、彼
らが長期管理薬を使って治療すれば、我々は、これほど多くの喘息患者を診ることはないでしょう。
我々は、まだ相当数の喘息患者を診ています。
ですから、我々が診ている喘息患者の大半は、喘息をコントロールしておらず、慢性的喘息がきちんと
治療されておらず、喘息に厳しい地域に住み、誘因に触れ、安定期が崩れ、ぜんそくの急性発作で救急
施設を訪れることになるのです。
もう一度言います。これは、スラム地区で起こる喘息の過程に限りません。我々は、喘息患者の行動様
式について研究してきました。何時間も、サウスブロンクスに住む患者、クイーンズに住む患者、ロン
グアイランドに住む患者の比較に関して、多くの時間、話し合ってきました。そして、これらは、まっ
たく同じなのです。
ただ状況は異なります。サウスブロンクスには、誘因となるものが多いですから。おそらく、サウスブ
ロンクスの有病率は高いでしょう。しかし、行動様式は、どこに居ようと同じです。誰もが、喘息を慢
性疾患として治療したがらず、従って、我々が救急施設で診ることになるのです。
いいところに気がついてくれました。どうもありがとうございます。
プレゼンテーション
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
ロブ、ありがとう。あらためて申し上げますが、興味深いプレゼンテーションをありがとうございます。
彼は、当社とのミーティングに、毎回、熱意と意気込みを持って参加してくださり、共に仕事ができる
ことをありがたく思っております。
みなさんには、既に彼に会っていただきましたが、あらためて、私の同僚である、マイケル・カラファ
ー博士をご紹介させていただきます。マイケルは、当社のチーフ・メディカル・オフィサー(医学担
当)で、生粋のニューヨーカーです。ここで育ち、医療教育もここで受けました。その後、南カリフォ
ルニアの太陽の光が降り注ぐ海岸に魅せられ、そこで、内科学の訓練を受けました。
彼は呼吸器科医で、そう、ですから、ロブの患者を診ていませんし、ロブも彼の患者を診ていないこと
になります。救急救命診療(センター)の役員を務め、救命医療(センター)の院内病院で、さまざま
な疾病の患者に対処した経験をお持ちです。
約 1 年半前、彼は、さらに何か学べることがあると思い、製薬業界に足を踏み入れる決意をしました。
そして、当社が、先にご説明した多発性硬化症プログラムの最後の仕上げに取りかかり始めた頃、そし
て、MN-221 の喘息の急性発作の適用に関する試験に取りかかろうという絶好のタイミングにおいて、
メディシノバへ入社していただくことになったわけです。
それでは、マイケルに、MN-221 について、引き続き説明をしていただきましょう。
Michael Kalafer - MediciNova Inc. - Chief Medical Officer
ありがとう、ディック、ロブ。みなさんが、はたして呼吸器科医を称賛しているのか、見下しているの
か、私には判断しかねますが、ここに 2 つの免責事項があります。一つは、一般的な、みなさんが既に
聞いた見通し情報で、私が、MN-221 について話そうとしていることにも同じことが当てはまります。
もう一つは、私が、呼吸器科医であるということです。しかし、私の親友の中には、救急治療室の医師
をしている者もいます。そして、私も、救命救急診療の医師としてですが、重症管理室に勤務し、救急
科と協力し合って働いてきました。
私は、ロブが説明したように、救急施設での初期治療の効果が得られず、病院へ、時には ICU に運ばれ
てきた多くの患者の治療にあたっていました。私たちは、喘息には本当に手を焼いていました。そこで、
私は、メディシノバが、喘息の急性憎悪期、ぜんそくの重責状態に対して、どのように取り組もうとし
ているかについて、説明させていただきたいと思います。
さて、MN-221 は、高い選択性を有するβ2 アドレナリンレセプター作動薬です。みなさんは、βレセプ
ターについて、多少はご存じかと思いますが、βレセプターは、何種類かあります。β1レセプターは
主に心臓にあり、β2 レセプターは主に肺にあります。β2 レセプターは心臓にもありますが、心臓のβ
レセプターの主たるものは、β1です。
長い間、喘息やそれ以外の、COPD のような閉塞性肺疾患の治療に役立つ、アドレナリン作動薬が求めら
れてきました。薬剤として期待されたのは、β2 の選択性でした。
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
シルバーマン博士が説明したように、標準的治療法であるアルブテロールには、いくらかβ2 の選択性
があります。MN-221 のような新しい薬は、より選択性の高いβ2 を有しており、それについて、さらに
詳細をお話しましょう。
当社が開発中の MN-221 は、それは静注用薬剤です。ロブが指摘したように、少なくともアメリカでは、
古いβ薬剤である静注用テルブタリンを除けば、喘息の急性発作治療に適用できる、静注用薬剤はあり
ません。次に、昨年秋に、当社が終了した試験についてお話しします。
当社は、MN-221 には、既存の治療法と比較して、3 つの利点が潜在していると考えています。まず、生
体への有効性が高い。つまり、ロブが話したように、静脈内投与をするので、本当に、もっとも治療を、
気管支拡張剤を、必要としている肺の部分に、薬剤が到達する可能性が高いということです。
さらに、喘息の急性増悪期では気道が非常に細くなります。急性喘息発作は、他の部分より影響をうけ
やすい肺の、いわば局所的疾患ですから。
現在、我々が正規に採用している治療法である吸入療法では、考えてみてください、いちばんの病変部
が、発作や粘液栓や気道の腫れによっていちばん閉塞状態にあるのです。つまり、吸入療法が、もっと
も到達しにくい状態になっているのです。吸入療法は、開いている気道に、つまり薬剤をもっとも必要
としない箇所に対して、選択性を有しています。
ですから、静注製剤が生体への有効性が他の薬剤より高いという点においては、少なくともいくつかの
論理的な理由がありますし、これこそ、当社が MN-221 を開発している理由なのです。次にこのデータ
をご覧ください。喘息の急性発作の治療に、一般的に使用されている、アルブテロールや他の薬剤より
も、β2 レセプターに高い選択性を有しています。
さらに、MN-221 は、β1レセプター作動薬としての心臓に対する作用は部分的で、部分的作用薬とは、
言い換えると部分拮抗薬ということなのですが、つまり、この結合性、選択性が高く、β1 レセプター
に対しての(心臓に対する)作用は限定的なので、副作用も少なく、アルブテロールのなどの他の薬剤
との併用においても、アルブテロールによる心臓への副作用を、心臓のβ1 レセプターをいくらか遮断
することで軽減できます。
当社は、これら 3 つの潜在的利点が、安全に機能を回復させたい肺に対して有効に作用し、現在、喘息
の急性発作の治療薬として使用されている既存のβ作動薬よりも、心臓への副作用を減らすことができ
ると考えています。
これらは、私が参照したデータです。これらは、ヒト細胞の(受容体との)結合データです。(MN-221
は)急性喘息発作の治療において、もっとも一般的に使用されているアルブテロールと比較すると、β2
レセプターに対して約 10 倍もの選択性があります。
ロブが説明したとおり、アメリカだけでも、毎年、約 200 万人が救急施設を訪れています。そして、そ
の約 4 分の 1 が、急性喘息発作で入院しています。4000 人の方が亡くなり、控えめに計算しても、急性
喘息発作の薬の開発において、メディシノバには 5 億ドルの市場機会があります。
先に説明したように、将来的には、他の閉塞性肺疾患、特に COPD(慢性閉塞性肺疾患)、これは、高齢
者に多く、心臓血管疾患を誘発する病気ですが、この病気にも、この薬剤を適用できる可能性がありま
す。
この選択性の高い薬剤は、低年齢層の喘息患者に対して以上に、心臓血管疾患患者に効果があるかもし
れず、期待も大きいのです。
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
ロブは、標準的治療とはなにか、β作動薬とコルチコステロイドについて詳しく話してくれましたが、
β作動薬の優位性についてはまだ説明していませんね。
それでは、昨年の秋に終了した、当社の臨床試験について説明いたします。この試験では、プラセボを
対照とする無作為二重盲検比較を行いました。これは、用量漸増方式試験で、軽度から中等度の安定期
の喘息患者 23 名を対象に行いました。喘息の急性発作の患者を対象とはしておりませんが、当社は、少
なくとも第一段階として、喘息患者でこの薬剤を試験することが重要だと考えました。目的は、MN-221
の 15 分間投与における効果、それと、安全性を評価することで、最大耐量に関してもいくつかの目的が
ありました。本試験においては、主要評価項目も満たしており、3.5 μg/min から始めた各用量レベルに
おいて、15 分間の MN-221 投与後、ベースラインからの FEV1 平均変化に、統計学的有意性が認められ
ました。
このデータを見ると、15 分間を過ぎてからのデータもあって、投与後 1 時間まで、高用量レベルで統計
的有意性が確認できました。
もっとも効果が大きかったのは、早い段階でしたが、当社は、15 分間投与で、8 時間後、もしくはそれ
以後も永続効果があると、考えています。さらに重要なことは、心血管系、心電図、バイタルサインの
変化など、安全性にかかわる重大な臨床的所見が見られなかったことです。
心拍数や血圧に変化が見られた患者もいましたが、軽度のものでした。 そして、60μg/min が、MN221 の最大耐用量でしょう。その用量レベルにおいては、FEV1 のさらなる改善は見られませんでしたが、
頻脈にやや増加が見られました。
このデータ表示は、μg/min 単位で異なる用量レベルを調べたもので、1 秒率ではなくて、FEV1 の平均
変化ですが、1 秒率のデータを示したとしても、同じことです。
しっかりとした用量反応曲線も見ることができます。この曲線は、60μg/min 投与でも、ほとんど同じ
ということはなく、それで、当社は、少なくともこの患者群では、30μg/min、15min 投与が、最適な投
与量と考えました。繰り返しますが、心血管系への重大な影響は見られませんでした。
MN-221 は、アメリカとヨーロッパで、300 人の被験者を対象に、最長 4 時間の静注投与による試験を
行ってきました。用量レベルは 16μg/min で、低用量で最長 24 時間です。ご存じの方もいらっしゃる
と思いますが、この薬剤は、切迫早産の治療薬として試験していたものです。当社は、切迫早産の治療
薬について、2-3 の予備試験を行いましたが、その開発プログラムは一時中断中で、今は、喘息の急性
発作の治療薬としての開発に注力しています。
MN-221 の開発の次の段階として、実際の患者、つまり対象となる患者ということで、救急施設で、急
性喘息増悪の患者を対象に、2 本のフェーズ 2b 試験を開始します。当社の初期試験は予備試験で、約
36 人の患者を対象に、いくつかの用量レベルで行います。この試験は既に開始しており、今年の年末ま
でには終了する予定です。
次に、現在、当社は、200 人の患者を対象とした、大規模な二重盲検試験を計画しています。この試験
を、2009 年末終了を目指して、今年の年末もしくは、来年初めに開始できればと考えています。
実施中の単盲検試験と並行して、昨年秋に終了した試験のフォローアップとして、安定期にある喘息患
者を対象に、フェーズ 2a 試験を開始しました。この試験は、約 20 人の患者を対象とした小規模な試験
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
で、投与時間を 15 分以上に延長します。1-2 時間の投与となる予定です。この試験も開始されており、
今年中に結果が、おそらく数ヶ月以内には結果が得られると期待しています。
では、これらの試験について、もう少し詳細を説明させていただきます。005 の試験は、プラセボを対
照とする無作為非盲検で、安定期にある、前回の試験より多少重度ではあるけれど基本的に同条件の約
20 人の喘息患者を対象として行っています。
この試験では、2 つの投与グループに分けます。まずは 2 時間投与の試験で、60μg/min の 15 分間投与
に続けて、8μg/min を 105 分間投与、合計 2 時間投与します。前回の試験で、この投与法が、薬剤の血
中濃度を短時間で高くし、注入速度を 50%下げることで、その血中レベルを維持できることが分ってい
ます。
二つ目の投与グループは、高用量投与の試験で、30μg/min を、当社の NTV である最低 15 分間投与し、
続けてさらに 45 分間、その半分の量、15μg/min を投与します。これらが、この 2 つのグループに投与
される総投与量となります。
もう 1 度、有効性と安全性に対する、FEV1 データを検証し、これらのデータを要約します。非常に小規
模な試験です。統計的有意性を期待する試験ではなく、プロトコルの投与量の基準を定めるために実施
する、記述統計試験です。大規模なフェーズ 2、フェーズ 3 試験における、投与量を決めるのに役立て
ることを目的としています。この試験は、既に実施中で、今後数ヶ月以内に結果が得られるだろうと期
待しています。
006 試験または[CL006]は、急性喘息発作の試験において、初めて、救急施設という環境の中で薬剤
を使用する試験です。これは、プラセボを対照とする、単盲検、用量漸増方式の試験で、約 36 人の患者
を対象としています。最低でも米国内 7-8 カ所の施設で、3 つの投与群に分けて実施します。
この試験は開始したばかりで、最初の投与グループは、16μg/min の 15 分間投与します。それから、約
倍の量を 15 分間投与する群、16μg/min の 15 分間投与に続き、投与続け総合して 2 時間の投与をする
群にグループに分けます。もちろん、各投与後に、高用量にしても安全かを確認する安全性分析を行い
ます。
患者は、シルバーマン博士が説明したように、標準的治療も受けます。加えて、MN-221 の静注または
プラセボの補助治療を受けるのです。つまり、当社は、この薬剤を、標準的な治療法に追加するものと
想定して、試験を行っています。
安全性と有効性データ、FEV1 データを収集します。小規模な、予備的試験で、記述統計のみを行います。
推測統計(有意差検定)は行いません。
005 試験のように、この試験も、今後行う大規模試験における投与計画を決定づけるのに役立つように
設計されています。また、救急施設で試験を実施する最良の方法を決定するための、試試験としても役
立ちます。
これが、MN-221 開発計画の概要です。これは、ただいまご説明した 005、006 試験です。急性喘息発
作患者を対象としての初めての試験となります。当社は、この試験を、今年の年末までに終了し、さら
に大規模な、約 200 人を対象とした、フェーズ 2b 二重盲検を 2008 年末までに開始し、2009 年年末ま
でに結果を得る予定です。
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
その後に実施する主試験についても計画しています。その試験は、大規模なフェーズ 2b 試験となる予定
です。(実施中の試験の)データは、患者登録の際に利用します。現時点での計画では、2 本の大規模
フェーズ 3 試験を 2009 年後半に開始し、2010 年末に、NDA 申請を行いたいと考えております。
これらの試験は、すべて成人対象に実施しますが、もちろん小児集団についても検証するつもりです。
ロブが説明したように、小児は、MN-221 静注投与の重要な対象です。
小児集団をフェーズ 3 試験の一部分として試験するか、もしくは市場流通後のフェーズ 4 試験として実
施するか、当社はまだ決めていません。さて、これで私の MN-221 についての説明を締めくくりたいと
思います。どなたかご質問のある方は、どうぞ。
質疑応答
Unidentified Audience Member
MN-221 の他の側面について質問させていただきます。この薬に効果があることは明らかですね。興味
深い、統計学的有意差を出していらっしゃいます。2010 年は、そう先の話ではありませんが、それまで
に多くの試験をしなければなりませんね。このプログラムにおけるネガティブな事柄は何でしょうか?
つまり、静注製剤は、市場規模を限定してしまいます。確実にニーズがありますが。御社は、もう少し
深く市場機会を探ることができるのではないでしょうか? 他にはどんな開発中の静注喘息薬があるの
でしょうか? どうして他社が静注製剤を開発してこなかったのか、市場機会がそれほど大きくはない
からではないのでしょうか?
Michael Kalafer - MediciNova Inc. - Chief Medical Officer
ご質問ありがとうございます。静注気管支拡張剤については、ロブが説明したように、国によっては、
特にオーストラリアや一部ヨーロッパ、カナダでは、非常に有用だと考えられています。
静注によるテルブタリンは、アメリカで、特に子供に使用されています。心臓血管への副作用が心配で
すが、子供の方が、この副作用はやや少ないのです。それで、アメリカでは、静注テルブタリンを小児
に処方します。
静注薬剤が処方されている患者は、特に若年層に多く、吸入療法を受けるのは大人以上に問題がありま
す。顔に(吸入用の)マスクを付けるのを怖がるからです。
それで、静注交感神経様作用薬が使用されてきましたが、過去に汚点を残してきました。私がよく知っ
ている、喘息治療に使用された最初の静注交感神経様作用薬では、心筋梗塞によって亡くなった多くの
患者がいました。今では、喘息の急性発作の治療に非選択性薬剤として、その薬剤を誰も使用しません。
当社の薬剤は、過去に使用された薬剤よりも選択性が高いと考えています。ですから、もしネガティブ
な要素があるとすれば、それは、米国において、静注交感神経様作用薬は、あまり評判が良くない、と
いうことです。当社は、信用できるデータを提出することで、その評判を変えることができます。
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
他社が、静注気管支拡張剤を開発していない理由については、私には分りませんので、お答えできませ
ん。長時間作用型吸入気管支拡張剤の市場は、非常に大きいのですが、ニッチ市場であることには違い
ありません。しかし、急性喘息発作の静注製剤を、ロイコトリエン修飾薬と静脈投与の観点から開発し
ている企業は 2 社あります。
メルク社は、長期管理薬であるシングレアについて、急性喘息発作の適用について大きな臨床試験を実
施しました。このデータは混合していて、最近、米国胸部学会の会議で、ひっそりと、つまりポスター
プレゼンテーションで、フェーズ3試験について発表されていました。
また、「喘息および急性喘息発作治療」の口頭プレゼンテーションでは、メルクの治験総括医とメルク
社が、静脈内投与薬剤としてのシングレアの開発を中止すると述べていました。残念なことですが、メ
ルク社のデータには、さほど目を引くようなものはなく、試験にも問題がいくつかありましたが、なん
らかの回答は示してくれました。
裏を返せば、メルク社ほどの企業も、急性喘息発作治療について、静脈内投与の薬剤は、開発するだけ
の価値があると考え、莫大な資金を投入したのです。しかし、彼らは、この分野からは既に手を引きま
した。 ディック、これについて補足したいことはありますか?
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
確か、ジフロ[Ziluten]の試験も、画期的なものではありませんでした。
Michael Kalafer - MediciNova Inc. - Chief Medical Officer
そのとおりです。その試験は、まだ開発中ですが、ご存じのとおり、ZILUTEN には肝毒性の問題があって、
長時間作用型市場において、それほどのシェアを有していません。どれほどシェアを獲得できるのか、
はなはだ疑問です。
Unidentified Audience Member
では、MN-221 は、おそらく急性喘息発作適用で開発中の唯一の静注製剤なのでしょうか?
Michael Kalafer - MediciNova Inc. - Chief Medical Officer
私が知るかぎりでは、そうです。
Unidentified Audience Member
わかりました。ありがとうございました。
Geoff O'Brien - Ladenburg Thalmann & Co. Inc. - Analyst
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
MN-221 の開発について、エピペンのような器具の開発を、試験を自社で行うか、製品をパートナーに
導出して行うとか、また、吸入器として使用する可能性についても、何かお考えはあるのでしょうか?
Michael Kalafer - MediciNova Inc. - Chief Medical Officer
これもよい質問ですね。当社でも、(MN-221 を)エピペン形状にして使うことについて検討してきま
した。救急救命士、あるいは患者が自宅でそれを使えるということは理にかなっています。ただ、当社
は、実際には、どのような器具にするか、それを自社で行うか、他社と提携して行うのかについては、
まだ何も決めていません。吸入器としての製剤設計についても同様です。他にご質問は?
Unidentified Audience Member
選択的β2 作動薬ということは、胃腸の活動の減少や便秘、あるいは尿閉などの心配はないのでしょう
か?
Michael Kalafer - MediciNova Inc. - Chief Medical Officer
β2作動薬が、便秘や消化管の可動性を引き起こすとは思っておりませんでした。ロブ、あなたはどう
ですか?
Robert Silverman - Albert Einstein College of Medicine - Associate Clinical Professor - Emergency Medicine
私もそうは思いません。 (音声聞き取り不可)
Michael Kalafer - MediciNova Inc. - Chief Medical Officer
β2 レセプターは、胃腸には、それほど影響ないと思います。もう一度申し上げますが、これは『急
性』の時に使用します。1 時間の投与が、特に難しい問題を引き起こすとは思えません。 他にご質問
は?
Unidentified Audience Member
大規模なフェーズ 3 試験について伺います。これは、補助治療として、アルブテロールの吸入や同様の
治療を受けている患者に対して実施するのでしょうか?
Michael Kalafer - MediciNova Inc. - Chief Medical Officer
そのとおりです。
Unidentified Audience Member
標準的治療について、ご説明いただけますか?
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
Michael Kalafer - MediciNova Inc. - Chief Medical Officer
どんなに優れた試験においても、何が標準的治療かコントロールしなければなりません。当社は、批判
されたくありませんし、急性喘息発作治療として最適な標準的治療法以外をあれこれ提供することが倫
理的に正しいとは思いません・
ガイドラインには、多少のゆとりがあって、NIA 出資機関や WHO 出資機関が出版しているガイドライン
は、かなり広範囲なものなので、当社は、これらのガイドラインを理解できる治験研究者を求めていま
す。
実際、06 試験において、当社は、レバブテロール(Levalbuterol)に対するものとしてアルブテロールを
使用するように治験研究者に指定しました。臨床的に大きな違いが出るとは思いませんが、クリーンデ
ータについては、標準的治療法を指定しています。治験研究者が安心して使える治療法で、これまでの
ところ、それについて当社は何の抵抗にもあっていません。
Unidentified Audience Member
β1 部分的作動薬の、アルブテロールとの比較における、心拍数の増加率などの程度に関して、何か情
報がありますか?
Michael Kalafer - MediciNova Inc. - Chief Medical Officer
動物実験のデータがあると思いますが、数値が思い出せません。ディック、どうですか?
Richard Gammans - MediciNova Inc. - Chief Development Officer
私が覚えているのは、インビトロ研究においてですが、そして、二次メッセンジャーRNA 分析か、全組
織分析かにもよりますが、最大は、アルブテロールの 25%もしくは 40%程度でした。
アルブテロールと比較すると、二次メッセンジャーRNA 分析の循環よりも、全組織での方が影響は少な
かったです。どちらの方法をとるかによりますが、2 つの異なるデータがあり、双方ともアルブテロー
ルの 50%以下です。
Michael Kalafer - MediciNova Inc. - Chief Medical Officer
しかし、当社は、人間、生体での試験は行っていないので、アルブテロールと MN-221 についての比較
データは今のところありません。近いうちに(その試験を)行う予定ですが。
他に質問はありますか?もしなければ、これで終わります。
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Jul. 09. 2008 / 8:00AM ET, MNOV - MEDICINOVA INC Host Analyst / Investor Meeting
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