ビジネス戦略 スカイウェイブ 固定網からホットスポットまで SIP ベースの VoIP 環境を構築 VoIP 関連の各種製品開発・販売を手がけるスカイウェイブが、 次世代の VoIP ソリューション「BroadVoice」 （ブロードボイス）を積極展開している。 通信キャリア/ISP に対して「SIP」対応のプロダクト・運用支援をトータルに提供するものだ。 端末側の製品戦略では、固定網だけでなく無線 LAN 環境にもいち早く着手し、 PDA 版ソフトフォン「SkyPhone for PDA」の SIP 対応にも成功している。 アップした「Octopus」を、2002 年度 同社では、SkyPhone for PDA 上期中にも開発を完了する予定だ。 の展開と合わせたBroadVoice の付 加価値として、ボイスカンファレンス 加えて、同社は、SIP 技術のリーデ にも焦点を当てており、具体的な製 ィングカンパニーとして S I P プロキシ 品として最大 120 人まで音声会議に 製 品 など を 手 が ける 米 参加可能なアプリケーションソフト dynamicsoft 社のパートナ 「SkyConference」の提供、そして ーとして、国内市場におけ SIP 対応に向けた開発を着々と進め る販売窓口も務めている。 スカイウェイブは、VoIP サービスを しやすい環境になり、この機会をい ている。 今回の W I R E L E S S また、VoIP アプリケーション 展開する通信キャリアや I S P に対し ち早く捉えて、事業拡大を図ろうと JAPAN2002 では、SkyPhone for の提供に有用なメディアサーバ てネットワーク側の設備として課金・ト 考えました」。 PDA によるSIP の音声通話に加え、 ー製品に関しても、米 S n o w s h o r e そのPDA 端末を使ったボイスカンフ Networks 社と事業提携を結んでお ウェアにインストールしたスモールパ ァレンスのデモも行う予定だ。 り、両社の製品も含めて、通信キャリ ッケージを8 月に出荷予定だ。 ラフィック管理やゲートウエーなどのシ ステム提供および運用に関するアウト ソーシング事業を展開してきた。また、 PDA フォンで音声会議も スカイウェイブ で は 、す で に ▲スカイウェイブの 今村行秀社長 ア/ISP のSIP ネットワーク構築をトー コア事業は SIP 通信の制御 ▲ SIP 対応に成功した 「SkyPhone for PDA」 「 当社のビジネスは、ネットワーク エンドユーザー側に設置する V o I P W i n d o w s P C 対応のソフトフォン 端末（ソフトフォン）やアダプター機器 「SkyPhone for PC」のSIP 対応を さて、スカイウェイブでは V o I P 端 さらに、ソリューションメニューの 益を得るというのが根幹にあります 完了し、通信キャリアなどへの供給 末・アプリケーションと併行して、通信 拡充策として、比較的小規模な I S P が、トラフィックを増やすためには を開始している。 キャリア/ISP 向けのプラットホーム製 向けにdynamicsoft 社の製品をベ “入り口”となる端末を普及させなけ 品についてもSIP 対応版の準備を進 ースとし た ス モ ール パッケ ー ジ ればなりません。そこで、S I P とい めている。ルーティング、認証、顧客 「SkyProxy」と、カンファレンスサー う新しい世界でのビジネスをいち早 管理、課金等の機能を提供するトー バー、MCU（マルチポイントコントロ く立ち上げるため、SIP 対応端末の タルシステム 「NetManager」を機能 ールユニット）とDB を 1 つのハード 整備を先行して進めました。固定網 のOEM 供給も行っている。 「BroadVoice」は、こうした従来 からのビジネスを、新しい V o I P プ そして、今年4 月に開発したPDA ロトコルである S I P（ S e s s i o n 版ソフトフォン「SkyPhone for PDA」 Initiation Protocol）の上で実現し についても、5 月24 日にSIP 対応に ようというもの。具体的には、同社が 成功したことをアナウンスした。 提供するすべてのプロダクトを S I P SkyPhone for PDA は、モバイル に対応させ、さらに、通信したい相 端末向けOS のPocketPC2002 上で 手の状態が分かるプレゼンス機能、 稼 働 す る ソ フト ウ エ ア で 、 s スカイウェイブの 柿原亘営業部長 するVoIP-TA「RTA54i」の最新フ ァームウエア等との検証を完了して SkyPhone for PDA の販売につ IEEE802.11a/b 等の無線LAN 環境 いては、PDA メーカーや SI、通信 するだけで通話ができる Push To においてVoIP 通信を実現する。音 キャリア/ I S P などにターゲットを定 Talk 機能、瞬時にIP 電話会議の設 声コーデックには非圧縮（ 6 4 k b p s ） め、①PDA 製品へのバンドル、②企 定ができるインスタントカンファレンス のITU-T G.711 を採用し、通話品 業向けの個別案件で端末にインスト 機能などの付加価値も提供していく。 質の面でも高いレベルを確保してい ール、③ホットスポット事業者などへ スカイウェイブ・代表取締役社長の る。この製品により、企業内の無線 のOEM 供給―といった形での製 今村行秀氏は、BroadVoice 事業を LAN はもとより、話題となっている 品供給を提案していく。同社・営業 説明する。 「ADSL をはじめとしたブ ホットスポットにもSIP 環境が大きく 広がることになる。 の準備ができたことで、当社の本当 SIP-オフネット 課金サービス SIPメディアサーバー開発・ ライセンス販売 Conference Server 反応は非常によく、企業向けの案件 務省が I P 電話への番号付与など行 ス、9 月には正式発売する計画。現 ではいくつかの引き合いが来てい 政施策を推し進めたこと、さらに、 在、プロトコルスタックの最終調整と る」という。今後はホットスポット事 SIP によってVoIP ネットワークの相 ともに、他のSIP 製品との相互接続 業者と連携してフィールドでの実証 互接続が容易になったことで、I S P 試 験 を 進 め て お り 、自 社 の 実験も進め、コンシューマー層への などが V o I P をサービスとして提供 SkyPhone for PC やヤマハが提供 流通も加速させる考えだ。 一般電話機 PSTN Route Engine スカイウェイブでは、通信キャリア Proxy SV SIPカンファレンスソフト 開発・ライセンス販売 FWC Proxy SV SIPゲートウエー開発・ ライセンス販売 dynamicsoft社 製品の販売 Location SV 通信キャリア い音声通信の時代になると見通す。 そうしたシナリオの中で、SIP 対応に PSTN いち早く動いたイニシアチブを発揮 SIPソフトフォン 開発・ライセンス販売 携帯電話機 SIP るであろうこの 2 0 0 2 年を起点に、 2005 年にはVoIP を主体とした新し SIP Gateway SIP AppEngine SV /ISP のIP 電話サービスが本格化す 他社 ネットワーク SkyWave Edge Proxy SV のビジネスも加速していくと期待して います」と、今村社長は語っている。 Octopus 営業活動をスタートさせているが、 同社では 8 月までにβ版をリリー Media Gateway Media SV 部長の柿原亘氏によれば、 「 すでに ロードバンドの整備が進んだこと、総 上のトラフィックを制御することで収 だけでなくモバイル環境でも入り口 いる。 PC やPDA 画面のアイコンをクリック 立ち上げた背景について次のように タルに支援する体制を整えている。 一般電話機 SkyPhone し、市場の拡大に貢献したい意向だ。 お問い合わせ先 スカイウェイブ株式会社 Proxy SV SkyWave提供 PDA PDAフォン開発・ ライセンス販売 dynamicsoft社製品を SkyWaveより提供 Snowshore社製品 他社製品 VoIP ソリューション事業部 TEL ：03-3353-5577 FAX ：03-3353-5578 E-Mail：[email protected] URL ：http://www.skywave.ne.jp スカイウェイブが展開する「BroadVoice」 の事業内容 144 テレコミュニケーション JULY 2002 テレコミュニケーション JULY 2002 145
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