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ホメオパシー 日本医師会・医学会、学術会議に賛同
日本学術会議(会長=金沢一郎東大名誉教授)が、通常の医療とは異なる民間療法「ホメオパシー」
の科学的根拠を全面否定する会長談話を出したのを受け、日本医師会と日本医学会が25日、共同会見
を開き、賛同する考えを表明した。治療でこの療法を使わないよう、会員らに周知徹底する考えも示し
た。他にも賛同する団体が相次ぎ、医療現場で排除しようという動きが広がりつつある。
会見には、日本医師会の原中勝征会長と日本医学会の高久史麿会長が出席。原中会長は「ホメオパシ
ーが新興宗教のように広がった場合、非常に多くの問題が生じるという危機感を持っている」と、賛同
の理由を話した。医師会の見解は、ウェブサイトに掲載し、会員への周知を図る。
高久会長は「この療法に頼り、通常医療を受けずに亡くなった人も出ている。学会として全面的に学
術会議の会長談話を支持する」と述べた。日本医学会には108の学会が加盟している。山口市で、ホ
メオパシーを実践する助産師が女児にビタミンK2を与えずに死亡したとして訴訟になっていること
を受け、助産師が加入する日本看護学会にも個別に賛同を呼びかけるという。
この日までに、日本獣医師会と日本獣医学会、日本薬理学会も賛同を表明。日本歯科医師会と日本歯
科医学会も、26日に正式表明する予定で、賛同は計7団体に上る。
また、ホメオパシーを実践していた東京都内の病院が、ウェブサイトから該当ページを削除する動き
も出ている。
長妻昭厚生労働相はこの日、患者を通常医療から遠ざけることになる恐れに対し「本人の意思に反し
て、病院に行かないようなことがあれば問題」と発言。省内で議論し、必要があれば調査に乗り出す意
向を明らかにした。(2010 年 8 月 25 日)
ホメオパシーは「荒唐無稽」 学術会議が全面否定談話
通常の医療とは異なる民間療法「ホメオパシー」について、日本学術会議(会長=金沢一郎東大名誉
教授)は24日、
「科学的な根拠は明確に否定され、荒唐無稽(こうとうむけい)」とし、医療従事者が
治療で使わないよう求める会長談話を発表した。山口市の女児ら死亡例が出たことを重視。通常医療か
ら患者を遠ざける懸念があるとして、一般に広まる前に、医療現場から排除する必要があると判断した。
科学者の代表機関が、特定の療法を否定するのは極めて異例だ。
金沢会長が会見で発表した。日本医師会や日本歯科医師会、日本獣医師会など6団体も談話に賛同し、
会員に周知する方針だ。厚生労働省は、普及団体について、医師法や薬事法などの観点から注目し、情
報収集を始めた。
会長談話では「ホメオパシーが医療関係者の間で急速に広がり、養成学校までできていることに強い
戸惑いを感じる」とした上で、
「治療効果は明確に否定されている」と指摘した。さらに「今のうちに、
医療現場から排除されないと『自然に近い安全で有効な治療』という誤解が広がり、深刻な事態に陥る
ことが懸念される」として、医療関係者が治療に使うことは厳に慎むよう呼びかけた。一方で、「十分
理解した上で、自身のために使用することは個人の自由」としている。
学術会議の唐木英明副会長は「(ホメオパシー治療で使うのは)
『ただの水』で『副作用はない』のは
もちろんだが、科学的に全否定されているものを医療従事者が使えば、患者を通常の医療から遠ざけか
ねず危険だ。
『ホメオパシーは効かない』というメッセージを伝えることが重要と考えた」と説明した。
日本学術会議は、約84万人の科学者の代表として選ばれた210人の会員と、約2千人の連携会員
からなる日本の「頭脳集団」。政府に対する政策提言や社会への啓発などを行う。
皇室医務主管で神経内科医の金沢会長や、東大名誉教授(毒性学)の唐木副会長らが約1年半前から、
この問題を議論してきたという。今年に入り、ホメオパシーを受けている人の中で通常の医療を拒否し
て、死亡したり症状が悪化したりした疑いの濃い例が相次いで表面化した。
山口地裁では5月、新生児が一般に投与されるビタミン
Kを与えられず死亡したとして、ビタミンK投与の代わり
にホメオパシー療法を行った助産師を相手取り損害賠償を
求める裁判も起きている。こうしたことを受けて、学術会
議では急きょ、会長談話を出すことを決めた。
談話の根拠として、2005年に英医学誌ランセットで
発表された治療上の効果はないとする論文などを重視した。
「物質が存在した記憶を水が持っている」などの主張も荒
唐無稽だと指摘。英国下院科学技術委員会が出した科学的
根拠がないとする勧告や、英国医学会が出した「ホメオパ
シーは魔術」という宣言も参考にした。
国内では主に1990年代後半から、日本ホメオパシー
医学協会など複数の団体が実践、普及を進めている。同協
会は、この療法を指導、指示するホメオパシー療法家の養
成学校を北海道から沖縄まで全国7カ所に設置している。
利用者数など詳しい実態は分からないが、食品添加物や農
薬など化学物質を避けようという「自然派」志向の女性ら
の間で広がっている。雑誌などで「効果」をPRする著名
なタレントや歌手、俳優もいる。治療に導入している大学
病院もある。医学協会は、計20以上の診療所や歯科医院、
動物病院と提携している。(2010 年 8 月 25 日)
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会長談話について、日本ホメオパシー医学協会は「ホメオパシーの治癒効果は世界中で広く認められ
ている。きちんと調査することもなく、荒唐無稽と断定する極めて非科学的な態度にあきれている。世
界的にも普及しており、日本学術会議の見解、認識は世界の情勢と著しく乖離(かいり)している」な
どとするコメントを寄せた。
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〈ホメオパシー療法〉植物や昆虫、鉱物などの成分を限りなく薄めた水にして砂糖玉に染み込ませた
「レメディー」を、飲み薬のようにして使う民間療法。がんや皮膚病、精神疾患などほぼすべての病気
を治療できる、と普及団体は主張している。
欧州では200年の歴史があり、一部の国では公的医療保険も適用されてきた。しかし、治療上の効
果はないとする研究が相次いで発表された。ドイツでは2004年から保険適用をやめた。
Asahi.com 健康・生活
メタボ率は14%、予備群含め4人に1人 08年度
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策として導入された特定健康診査(メタボ健診)で、
2008年度は14.5%がメタボに該当していた。予備群を含めると4人に1人の割合。厚生労働省
が25日に公表した。
メタボ健診は生活習慣病の予防策として08年度から始まった。40∼74歳が対象で、健康保険組
合など保険者が実施を義務づけられている。
初年度の対象者は計5191万9920人で、このうち受診したのは2千万人弱で、受診率38.3%。
厚労省は12年度の受診率7割を目指しているが、大きく下回っている。健康保険組合が最も高く5
8%、市町村の国民健康保険は31%、協会けんぽは30%だった。
性別で見ると、メタボに該当した男性は20.6%で、女性の7.1%に比べて圧倒的に多い。メタ
ボ予備群の人は受診者の12.4%だった。(2010 年 8 月 26 日)
Asahi.com 福祉・高齢
孤立のおそれある高齢者の支援を介護保険で 首相指示
菅直人首相は29日、介護保険の対象として、高齢者の独り暮らしや夫婦だけの世帯向けに、新たな
生活支援策を追加する方針を明らかにした。全国で所在のわからないお年寄りが次々に明らかになる中、
家族や地域から孤立しがちな高齢者への支援が欠かせないと判断した。厚生労働省を中心に、2012
年度の介護保険制度の改正での実現を目指して検討を進める。
首相は29日、視察先の兵庫県芦屋市で、制度改正のための検討を始めるよう厚労省など関係省庁に
対して指示したことを明らかにした。
「首相指示」によると、要介護高齢者の生活支援というこれまでの介護保険の目標に、新たに「孤立
化のおそれがある高齢単身者や夫婦のみの世帯の生活支援」を追加する。
具体的には、(1)24時間地域巡回・随時訪問(2)見守り付き高齢者住宅、住み替え支援(3)
認知症支援(はいかいSOSネットワーク、予防・治療・支援の一貫サービス体系、成年後見)――を
高齢単身・夫婦のみ世帯に対する「新型サービス3本柱」として介護保険の対象に加え、全国的に普及
させるとしている。
3本柱の多くは、厚生労働省の11年度予算概算要求の中で、高齢者の在宅支援策として盛り込まれ
ている。全国100カ所にコールセンターを設置し、高齢者が24時間365日、いつでも介護や看護
サービスが受けられる体制づくり(約28億円)や、厚労省と国土交通省が連携し、高齢者向けの福祉
サービス付き賃貸住宅の整備を進める、などの内容だ。
首相は29日、記者団に対して「介護保険制度は、お年寄りの面倒は娘や嫁だけでは見切れないので、
社会的にサポートするという前提が強かった。これからは、独り暮らしのお年寄りなどにきちんと対応
することが大きな目標でなければいけない」と述べた。
背景には、高齢者が自宅で暮らし続けられる政策に力を入れる狙いがある。特別養護老人ホームの入
所待機者は現在、42万人に上り、高齢者の独居世帯や一家に高齢者しかいない世帯は、05年の85
0万世帯が、25年には1270万世帯に達すると想定される。高齢者の在宅生活を支えることは急務
の状態となっている。
介護保険制度は3年に1回、サービス内容を見直すことが介護保険法で定められている。厚労省は、
12年度の介護保険制度改正に向けた検討に7月下旬から着手しており、11月に見直し案を取りまと
める予定で、今回の指示の内容が反映されると見られる。(2010 年 8 月 29 日)
社会保障「保護型」から「参加型」へ 厚労白書が提唱
長妻昭厚生労働相は、2010年版の「厚生労働白書」を報告した。保護することが中心だった社会
保障を転換し、経済成長の基盤を作るための「参加型社会保障(ポジティブ・ウェルフェア)」にして
いくことを提唱。菅直人首相が6月に表明した「強い社会保障」の考え方を前面に打ち出した。
白書では、これまでの社会保障を「消費型・保護型」と定義。お金やサービスを一方的に給付するだ
けで、消費された後は何も生み出さないものとして、転換する必要性を訴えている。
「参加型」では、労働市場や地域社会、家事への参加を促す目標を設定。行政が子育てや介護などを
支援することで働き手を増やし、成長につなげるイメージを分野ごとに例示した。
雇用分野を見ると、従来の再就職支援では失業以外に住宅問題などを抱えていた場合の対応が困難だ
と指摘。「参加型」では、住宅手当や職業訓練を組み合わせていく。医療や介護分野では、高齢者も地
域で暮らし続けられるように、中学校区(全国約1万カ所)ごとの在宅医療や福祉サービスの整備体制
なども盛り込んだ。
こうした考えは、菅首相の6月の所信表明演説で示した「強い社会保障」に沿うものだ。長妻氏も2
6日の記者会見で、「参加型社会保障は、経済の足を引っ張るどころか、経済成長の基盤をつくる」と
述べ、参加型社会保障の考えに基づいて来年度予算の概算要求を作成したと説明した。
一方、今回の白書では、冒頭から15ページ分を使って年金記録問題や薬害肝炎事件など厚生労働行
政の反省点を掲載。「国民からの信頼を失墜させてしまった」と国民におわびしたうえで、信頼回復の
ため「役所文化を変える」としてサービス向上策などを示している。全体のページ数は、昨年の246
ページから406ページと大幅に増えた。(2010 年 8 月 29 日)
介護・安否確認付きの高齢者住宅60万戸整備へ 国交省
国土交通省は、介護や安否確認などのサービスが付いた高齢者向け賃貸住宅を、今後10年間で60
万戸を目標に整備する方針を固めた。良質な住宅に国が「お墨付き」を与え、融資や補助で建設を後押
しする。高齢者が増えて福祉施設で対応しきれない事態に備え、専用住宅の整備を急ぐ。
国交省と厚生労働省が連携し、介助が必要なお年寄りでも安心して暮らせる優良な高齢者住宅の基準
をつくる。手すりやバリアフリーに配慮した設計で、介護などのサービスの質が保証された高齢者住宅
を建てる民間事業者に対し、手厚い支援を行う。
支援の柱は低利融資と補助金だ。優良な高齢者住宅を建てる事業者は、住宅金融支援機構(旧住宅金
融公庫)から長期で低金利のお金を借りられるほか、1戸当たり100万円の建設向け補助金を受けら
れるようにする。初年度となる来年度は、数万戸の整備を想定し、数百億円を概算要求に盛り込む見通
しだ。
入居者は、介護保険制度に基づく在宅介護や、一人暮らしのお年寄りの安否確認、食事や家事などを
希望に応じて選べるようにする方向。家賃はサービスによって異なってくるが、月収20万円台の厚生
年金で暮らす元会社員など、中堅所得層でも無理なく入居できるようにする。
国交省によると、2008年度末時点の高齢者向け住宅は約8万5千戸。前原誠司国交相と長妻昭厚
労相が昨秋、高齢者住宅の整備を進めることで合意し、両省が検討を重ねてきた。
国立社会保障・人口問題研究所の推計だと、世帯主が75歳以上の世帯数は今後10年間で約250
万増える見通しで、特別養護老人ホームの入所待ちは現時点ですでに約42万人。大都市部を中心に、
介護が必要になっても福祉施設に入れないお年寄りが急増する恐れがあるが、高額な一時金が必要な有
料老人ホームに入れる人も限られる。このため、民間による住宅整備を後押しし、比較的軽い介助で生
活でき、一定の所得がある人の住まいの確保を目指す。(2010 年 8 月 25 日)
思い出語ってお年寄りを元気に 地域ぐるみで「回想法」
お年寄りが思い出を語り合うことで脳を活性化させ、認知症予防を――。心理療法を活用した「回想
法」という手法が注目されている。地域を挙げて取り組む愛知県北名古屋市では、認知症だけではなく
高齢者の介護予防にも効果が出て医療費の削減につながった。11月には同市で初の全国シンポジウム
も開かれる。
北名古屋市の公民館の一室で、お年寄り8人が輪になって昔話に花を咲かせていた。「懐かしいわ」。
約1時間、笑い声が絶えない。
喫茶店でよく見かけるような光景だが、輪の中には市の保健師や看護師ら3人がいる。これが同市の
「回想法スクール」だ。保健師らはリーダーと呼ばれ、話が弾むように話題を振ることもあるが、基本
は聞き役だ。
「一人ひとりの人生が主役なんです」と保健師の柴田悦代さん(49)は言う。参加者の山田京子さ
ん(77)は「色々なことを思い出せて、物忘れもなくなりそう」とすっきりした表情を見せた。
今は合併して北名古屋市となった旧師勝町が「回想法」を始めたのは8年前だ。全国で初めて「回想
法センター」を設立。センターは木造校舎の教室風の造りで、回想法事業の拠点だ。
また、回想法にも使われる市の歴史民俗資料館は、別名「昭和日常博物館」と呼ばれ、昭和の暮らし
の道具が展示される。平日にもかかわらず、駐車場には県外ナンバーの大型バスが止まり、年間約4万
人が訪れる観光スポットでもある。
「童心に帰ったような気持ちになる」。冒頭の回想法スクールが開かれた日、スクール卒業生である
渡口育子さん(73)は、センターを訪れた子供たちに昔のブンブンごまの遊び方を教えていた。
スクール卒業生のお年寄りは「いきいき隊員」としてサークル活動を続ける。3年前に卒業した渡口
さんも月2回、センターに集う。回想法を通じて、お年寄りが地域づくりにも参加し、生きがいを見つ
ける――。「地域回想法」と名付けられた北名古屋方式の特徴の一つが、このアフターケアだ。いきい
き隊員は現在約300人に上る。
「年を取ると、体は弱り、友達もいなくなる。回想法で仲間を作ることで喪失体験も減ってくる」と
柴田さん。回想法は世代間交流を通じた生涯学習の場へと発展し、町おこしにもつながっている。
■記憶力など改善に効果も、各地に広がり
国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)などが北名古屋市で回想法を体験した高齢者を調べたと
ころ、記憶力と注意力の認知機能が改善されたことが確認された。さらに脳の血流が増加することも分
かった。
遠藤英俊・内科総合診療部長は「認知症の発症を予防したり、遅らせたりする一つの方法として回想
法は有効。認知症になったお年寄りでも、中等度までなら回復に有効性がある」と言う。
医療費の節減にもつながっている。市がスクール参加者から抽出した高齢者の月当たりの平均医療費
を調べると、参加前の3年間は2299円だったが、参加後は1872円に下がっていた。「いずれ市
全体の医療費も右肩下がりになる日が来る」と植手厚・市高齢福祉課長は意気込む。
岐阜県恵那市明智町の日本大正村では、職員が北名古屋市で研修を受け、05年に回想法センターを
設立。地元でスクールを開く。滋賀県高島市社会福祉協議会は昨年、名古屋市も今年5月、それぞれ回
想法センターをオープンさせた。
11月20∼21日には、北名古屋市で回想法シンポジウムが開かれ、自治体やNPO関係者、研究
者らが意見を交わす。地域の取り組みは広がりを見せている。
■車内で懐メロ歌いまくり、はとバスツアー盛況
♪あの娘可愛いや カンカン娘 赤いブラウス サンダルはいて
バスが銀座に差しかかると、「銀座カンカン娘」の歌が流れ、車内では、また大合唱が始まった。
東京の「はとバス」が3月から売り出した大人気ツアーが、「あの歌この歌 東京ドライブ」だ。主
に昭和30年代に働いたOGガイドが当時を復元した制服に身を包んで添乗し、乗客と懐かしい歌を歌
う。バスはどこにも停車せず、新橋や両国など都内を約3時間走りながら、車内で懐メロを歌い続ける。
「正直、ここまで人気が出るとは思いませんでした」と同社広報室の永野正則さん。当初は1日間だ
けの企画だったが、発売開始とともに電話が鳴りっぱなしで30分もせずに全席が埋まった。あまりの
反響ぶりに4∼6月も企画を続け、8月も23∼31日に走る。すでに予約はいっぱい。10∼12月
の実施も決めた。
客のほとんどは60∼70代だ。上野で「ああ上野駅」を歌った時は昔の集団就職を思い出すのか、
涙を流す人も多いという。「車内では参加者同士が昔話で盛り上がり、終わった後は『元気をもらいま
した』とお礼を言われます」
企画当初は「回想法」のことは意識していなかったが、
「お年寄りが元気になる方法ということなら、
企画を売り込むにも熱が入ります」と話す。(2010 年 8 月 22 日)
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〈回想法〉 米国の精神科医ロバート・バトラーが1963年に唱えた心理療法。北米や欧州を中心に
広がり、日本には1980年ごろ伝わったとされる。認知症ケアや介護予防の手法の一つとして注目さ
れ、現在は一般高齢者の健康づくりや生涯学習にと広がりを見せている。
日医ニュース 第 1176 号(平成 22 年 9 月 5 日) 8 月 4 日 「チーム医療推進会議」関連団体打ち合わせ会を開催 藤川謙二常任理事は,七月三十日に日医会館で開催された「『チーム医療推進会議』関連団体打ち合
わせ会」について報告した.
同打ち合わせ会は,日本理学療法士協会の半田一登会長の提案により開催され,日医,日本歯科医師
会,日本薬剤師会,日本病院薬剤師会,日本放射線技師会,日本理学療法士協会,日本作業療法士協会,
日本言語聴覚士協会,日本栄養士会の九団体の役員等が出席した.
当日の会合では,各参加団体が,厚生労働省の「チーム医療推進会議」および「チーム医療推進のた
めの看護業務検討ワーキンググループ」の進め方に問題があると感じ,特に特定看護師(仮称)の創設
を前提として,厚労省が各委員の意見を尊重せずに進めている印象を持っていることが確認された.
会見のなかで,同常任理事は,平成二十二年度厚生労働科学特別研究事業として実施される「看護師
が行う医行為の範囲に関する研究」の調査項目に,
「リハビリテーションの必要性の判断,依頼」
「理学
療法士・健康運動指導士への運動指導依頼」「整形外科領域の補助具の決定,注文」などが含まれてい
ることに触れ,「これは該当職種の専門性を否定するだけでなく,国家資格を持つ職種の成り立ちを無
視するものである.万一,権限が看護職に委譲された場合,医療における安心,安全なリハビリテーシ
ョンを受ける国民の権利を侵害する恐れがあると同時に,チーム医療の円滑な推進そのものを阻む」と
して,全く容認出来ないとの認識で一致したと説明.
さらに,看護師の医行為の問題だけに議論が集中している点については,「チーム医療は看護職中心
のものではなく,各職種が高い専門性により,患者さんに質の高い医療を安全に提供するのが目的.重
要なのは一部の突出した職種をつくることではなく,看護職を含む全職種の全体的なレベルアップであ
る」として,各専門団体の意見も十分聞いて議論を深めることが,真に国民のためになるチーム医療の
推進につながると強く訴えた.
最後に同常任理事は,各関連団体とは今後も必要に応じて意見交換していく考えを示した.