学校園の行事等で「写真撮影」をする際に知っておきたいこと 笠岡市教育委員会 運動会等の行事でお子さんの写真撮影をする保護者のみなさま…。学校園においては,昔から「見慣れ た光景」です。ただ,近年はスマートフォンの普及等により,一段と手軽に撮影ができる環境が整ったこ ともあり,行事に限らず日常的に・気軽に子どもたちを撮影する方々が多く見られるようになりました。 撮影する側に「表現の自由」がある一方で,撮影される側には「肖像権」があります。また撮影した写 真の利用については心配なこともあります。楽しむための写真撮影がトラブルを招くことのないように, 特に次の 3 点について,心得ておきたいものです。 肖像権…日本国憲法第 13 条にある「幸福追求権」で守られた権利です。過去の 裁判等では「知的財産権」の一部として扱われている例もあります。 その1 き ょ ひ 本来,撮影される人には「撮影を拒否する権利」があることを知 っておきましょう。 ご自分のお子さんが撮影を拒否することはないでしょうね。しかし,学校園で写した写真には多くの場合 「ご自分のお子さん以外の人」も写っているはずです。これを「写り込み」と言います。「撮影を拒否する 権利」を大切に考えた場合,写りそうな人すべてに「撮影しても良いですか?」と許可を得るのが,本来の 望ましい行為であることを知っておきましょう。 もちろん,学校園での写真撮影では,この「写り込み」を暗黙のうちに認め合っている風土があります。 特別な事情がない限り,撮影そのものが問題になることはないかも知れません。ですが,実際のところ,学 校園・学級によっては「撮影を拒否する子ども」が在籍している場合があります。 一方, 「学校園が撮影をお断りすること」もありますが,これは行事等の実施上支障がある場合など,事 情があってお願いしているものです。肖像権の問題とは別に,保護者のみなさまにご理解・ご協力いただい ているところです。 その2 ブログや SNS へ,撮影した写真を「○○さんだとわかる 状態」で公開する場合は,本人に許可を得ましょう。写っ きょぜつ ている人には「使用を拒絶する権利」があります。 わかりやすい・おもしろい情報発信のために,写真を掲載することは有効です。しかし,写っている人が 誰だかわかる状態なのに,無断でブログや SNS 等へ写真を使用すると,肖像権の侵害になります。必ず許可 を得ましょう。場合によっては,拒絶されることもあります。これもその人の「当然の権利」です。 その3 ネット上へいったん公開した写真は回収できないこと,他で思わ ぬ使われ方をされる場合があることを知っておきましょう。 例えばご自分のお子さんの写真をネット上へ発信した場合,その写真は世界中のどこかで「保存されてい る」可能性があります。いくらスマホから削除の操作をしても,知らないところで誰かがすでに手元に置い ているかも知れません。いったん発信した情報は, 「半永久的に」どこかで利用される可能性があるのです。 実際にあったことを例に挙げると,ある学校ウェブサイトに掲載していた子どもの写真が,こともあろう に「有害情報サイト」へ知らない間に知らない人によって「転載」されていた,ということがありました(現 在は対応・解決済み) 。こうしたネット上における情報公開の特性も,意識する必要があります。
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