「アジア有数の見本市都市 大阪!」実現のための委員会 議事要旨 ■石積会長挨拶及び経過説明 ・本日は、私はあくまでも「仮の座長」として、検討委員会を開催させていただいた。 ・本来は、府・市が中心になって進めていくのが良いと思っている。 ・今日は、「大阪でもっと見本市をもっと開催する為にはどうすればいいのか」について、 出席者の皆さんから忌憚のない意見をいただきたい。 ・「アジア有数の見本市都市 大阪」に向けての私の考えるシナリオは、もっとたくさんの 展示会が大阪で開催されるようになり、そうなれば会場が不足してくるので、会場を作 ってもらう必要が出てくる、というものだ。そのためにこの委員会にはデベロッパーの 方々にも参加いただいている。 ・大阪から展示会が流出した最大の原因は、主催者の集客努力が不足していたためだ。や り方次第で大阪でも成功できる。その成功例として、大変僭越だが、本日ご覧いただい ている「関西ものづくりワールド」をご紹介したい。 ・大阪では、来場者が集まらないという課題があると言われてきたが、今では3万5千人 が来場するまでになった。しかも来場者の45%は大阪以外だ。海外からも500人が 来ている。 ・昨年の商談実績は、87億円。セミナー受講者は3,438人。 ・直接経済効果→9千人が宿泊。22億円の経済効果。 ・大阪でもこうした展示会を50本、100本に増やしていきましょう。 ■大阪市魚井局長より、橋下市長の熱い思いを受け、大阪にとって展示会戦略は非常に重 要であり、今後いっそう力を入れていきたい。検討委員会で活発な議論がなされること を期待しているとのメッセージがあった。 (石積会長)昨日、橋下市長から、 「ともかく応援しているから石積さんがんばってくださ い」とメッセージをいただき感激。 ■松井大阪府知事が議会公務のため、大阪府笠原部長よりあいさつ。検討委員会を開催し てくださった石積会長、およびご多忙の中ご出席くださった皆様に心から感謝。大阪経 済の成長のためには、外から人、モノ、情報を呼び込むことが不可欠。その意味で展示 会は大阪にとって非常に重要。本日は展示会主催者および都市づくりの専門家であるデ ベロッパーの方々から忌憚ないご意見を伺いたい、と。 ■出席者からの意見 (日経新聞 坪﨑氏)東京で4本の展示会を開催。かつては、大阪でもやっていたが、今 はやっていない。展示会はビジネス。出展者、来場者、主催者がいずれもビジネスに ならないと開催できない。ビジネスマッチングができなければ、開催意義がない。我々 は、テーマ設定をして実施している。個々のテーマ、ビジネスモデルが設定できない と開催できない。 (大阪では難しいという)先入観を持っているかもしれない。関西 圏のバイヤーでだれが来るのか、こないのかが問題。府や市の方がデータベースを構 築して集客をやってもらいたい。そしてそういう人が確実にくるという仕組みが必要。 (日刊工業 柳谷氏)この20年間、名古屋で展示会をやってきた。その感想を言えば、 バブル崩壊後、地方の展示会が東京に一極集中した。東京が良いということではなく、 東京が唯一全国に情報発信できる場であったから。東京で初めて開催したときは、展 示会関係企業が育ってなかった。経費も高い。しかし地方は今、事業者も育っている。 弊社は名古屋では、20年で、10本の展示会を立ち会あげた。その中で残っている のはウェスト名古屋。トヨタと連携して、1000社の出展になっている。展示会は、 マーケットがないと継続して展示会ができないが、東京は、リーマンショック後、ア ジアローカルになった。マーケットの中心は、上海、北京。マーケットのあるところ に移ってきている。そのような中で、名古屋、大阪でやっていくには、稼働率などを 気にしすぎないこと。展示会は、あくまで手段。展示会の開催を目的にするとゆがん だことになる。今後の会場運営では、稼働率を考えすぎないこと。名古屋のポートメ ッセは10万平米の増床計画。現在の2万平米でも満杯でないのにどうしてやるのか と聞くと、 「国際クラスの展示会をやるなら会場費をタダにする。 」と言っている。名 古屋市議会は、リニアができると通過都市になるという危機感から発想している。 (自動車工業会 菅野氏)東京モーターショーを主催している。大阪ではやっていないが、 大阪モーターショーは別の主催者がやっている。そちらの主催者や出展者から話とし て聞いているのが、夜間作業ができないことが問題だ。そのために余計に会場を借用 しなければいけないので結果的に主催者のコストアップになる。また、駐車場の不足。 一般向けのイベントであるため、主催者が手配するとこれもコストアップ。無料の広 大な駐車場を確保してほしい。 (フジサンケイビジネスアイ 樺山氏)大阪は中小企業の街。多くの企業をアピールする 機会を確保するのが重要。一つの手法としては、5大紙などマスコミを活用すれば良 い。府、市の施策実現の場として展示会を活用すべき。将来に向け展望が持てるよう な展開が必要。 (ICS 松井氏)JTBの展示会部門。年間21本開催。ITとエネルギー関係の展示会を大 阪で開催している。インフラ整備が重要。将来的な展望しては、展示スペースだけで なくカンファレンスのスペースも必要。展示会のあるべき姿としては、目に見える製 品だけでなく、目に見えない技術交流・マッチングができるようなカンファレンス設 備の拡充もぜひ。 (マイナビ 浜田氏)大規模な就職イベント年間2百本開催。見本市は直接的な効果だけ でなく、裾野が広い産業。これが50,100本開催されるとなると、長期的な雇用 が生まれる。東京の会社が支社を出すこともあるかもしれない。大阪は失業率が高い ので、長期的に効果がある。我々としては、学業への配慮となると土日になるが、希 望する日に会場が取れない。 (トレードショーオーガナイザーズ 堀氏)外食の展示会を毎年 5 月に大阪で開催。50 0社の出展、3万人の来場。東京に約8割のバイヤーが集中しているなか、会場にお 願いしたいのは、来場者の導線に沿った施設の整備、希望の日に予約が取れること、 など。展示会が大阪をスルーして東京に行ってしまう状況の中、自治体が出展者に助 成金を支援するときには東京の展示会に出展する企業を支援するのは寂しいこと。大 阪の展示会に出展する出展者・来場者を支援してほしい。 「アジア有数の見本市都市・ 大阪」にするにはぜひそのあたりを検討してほしい。 (大阪釣具協同組合 大藤氏)フィッシングショーを大阪で開催。来年が50回目。14 3社782コマになる。東京と大阪でやっているが、大阪は来場者数がある程度安定 している。その理由は開催日をほぼ固定していること。来場者参加型のイベントをし ていること。いろいろ問題はあるが、関西の場合は、インテックス大阪しかないので、 選びようがない。ぜひ、市のみなさんには、意識を変えてほしい。コンベンション産 業は経済効果がある、出展者や来場者のためにやるわけだから、市の職員のためにや るわけでないので、ソフト面で支援してほしい。ぜひ、意識を変えてほしい。 (パラボックス 於久田氏)トラック系の展示会を、東京と北海道と九州で開催。大阪も 10数年前から開催を考えていたが、夜間作業の問題、交通アクセス、スタッフが泊 まれるようなホテルも近辺にないということで、実現していない。ラスベガスによく 行くが、ラスベガス市はよくできている。エグジビションシティとして機能している。 会場使用料が安い。交通の便は悪いが世界中から人が集まる。展示会をめがけて、や ってくる。市が経済効果をよく理解している。今後は、インテックス大阪も「世界一 安い会場使用料」などを掲げてやってほしい。出展者の満足度も大切だが、来場者の 満足度も大切。来場者が満足できるまちづくりが必要では。 (インクグロウ 野田氏)中小企業のビジネスマッチングを地方銀行や信用金庫などと連 携して、東京ビジネスサミットを開催している。今後、地方にも広げていきたい。3.11 後は、関西でということで神戸の展示会場で開催。インテックス大阪は、開催日とア クセスの問題でだめだった。これからは、海外からのお客さんを誘致してくるのが課 題。国のビジットジャパン事業を活用しているが、海外でまだまだ知られていないの で、このような情報発信できる展示会を開催すれば良いのでは。また、地方での開催 というが、地方の展示場から営業を受けたことがない、そのようなPRも必要ではな いか。主催者と展示会場と地域の行政のみなさんと集客に力を合わせて取り組むこと が重要。 (イリオス 郡氏)大阪オートメッセを開催。20万人の来場者。駐車場が少ない。30 00台くらいしかない。幕張 5000 ビッグサイト 3900 ポートメッセなごや 4100 台ある。自動車のメッセとしては、致命的。24時間の作業もできない。橋下 さんが知事になったときにメッセにきてもらって、その時にもそのような話もした。 私も大阪ドームの支配人をしていたから、行政の大変さは理解できるが、この地域全 体のにぎわいが必要。10年前くらいから、大阪にカジノを持ってこようという委員 会のメンバーになっているが、カジノをやればもっと、インテックス大阪も拡がるだ ろうし、交通の面も良くなる。実現には、強い政治力が必要。夢洲でやればもっと良 くなるし、これが一番早いと思う。 (石積会長から問題提起) ・東京だけというのは、おかしいこと。中国も各地に展示会場ができている。アメリカ もそう。ドイツの各都市は大展示会都市、パリもミラノも。したがって大阪で展示会 を年間100本やってもおかしくない。 【以下、パワポ資料】 (Japan IRC Consulting 池田氏)MGMリゾーツの日本進出における代理人。コンベ ンションセンター単体で考えるのではなく、複数の施設を有機的に連携させることが 大切。例えば 20 万平米くらいの規模で展開するとすれば、ホテル、シルクドソレイ ユをはじめとするエンターテインメント施設、レストランやショッピングモール、そ してファンクションルームなどを併せ持った統合型施設の開発が可能。大阪でこのよ うな大規模な統合型施設の開発が実現すれば、是非とも各主催者と協力していきたい。 大阪は、関西広域で見た場合の観光資源も豊かで、世界中から人を呼び込む魅力があ る。鉄道や空港などの交通インフラが整っていることも魅力的。海外からの VIP に対 応するためのプライベートジェットの発着枠も増やす余裕がありそう。もしもインテ ックス隣接地で開発を行うとすれば、開発可能な土地がどれくらいあり、今後インテ ックスまでの交通インフラがどのように整って行くのかの検証が必要。 (三井不動産 山代氏)神戸や奈良や京都も含めて大阪というのをとらえることが必要。 先端産業、医療、人口も2000万人、大学が多いというインフラがあるので、潜在 力がある。台湾よりもある。文化遺産、食など発信材料もある。可能性は十分にある。 コンベンションについては、当社としては、運営の経験はないが、何が必要かという と、空港からのアクセスが少し弱い。これが、問題。バスなのか、地下鉄延伸か、船 かわからないが、何らかの手だてが必要。それからホテル、飲食の整備。これも、コ ンベンションだけでは、だめ。稼働率もやはりあげてもらって常時人が来るような街 にしてもらわないと整備も進まない。そのような意味では、カジノも一つの案。トー タルで回収するイメージが必要。 (森ビル 山門氏)国家の力は都市の力。見本市やMICEは重要である。では、誰が建 てるのかというと、海外では官が整備している。政策として官が進めている。デベロ ッパーが投資をした場合、賃貸で考えると採算性が低く事業が成り立ちにくい。官民 の協力体制が必要。まず、官が建設、民間はノウハウを提供、施設の運営管理も得意 とするデベロッパーが担当する。そして、展示場、主催者が頑張る。これが基本と考 えるが、あえて民間による建設を考える場合は、それぞれのステークホルダーがリス クを分担してやらないといけない。土地は無償で提供する、建物の固定資産税を低減 させるといったインセンティブも必要。それからカジノのようなツールが不可欠。大 阪でモデルをつくって、地方に広げていってほしい。 (リード 田中)今後のこの委員会の進め方 【パワーポイント資料】 (石積会長)閉会あいさつ 長時間に渡りご参加いただき、ありがとうございました。 冒頭申し上げた通り、私はまさに「仮の発起人」という立場。生意気なことも色々申し上 げたと思うが、 「今回の会合をきっかけに、いろいろなことが、ひょっとしたら進んでいく かもしれない」という気持ちでこの役を引き受けた。そして、最終的には「アジア有数の 見本市都市 大阪」が実現できれば良いなと思っている。どうかご理解いただきたい。 (魚井局長)閉会あいさつ 本日はご多忙のところご参加いただき、大阪の見本市活性化に向けて、大変熱心かつ密度 の濃いご議論をいただき、誠にありがとうございました。インテックス大阪の所管担当と いたしまして、心からお礼を申し上げます。 また石積会長をはじめ、本検討委員会の開催にあたって、大変ご尽力をいただきました関 係者に改めまして感謝申し上げます。 大阪市では MICE 機能の強化に向け、府市統合本部を設置し検討を進めているところ。本 日は、我々行政サイドで気づかないような指摘、貴重な意見を頂戴し、施策検討にとって 大変有意義だったと感じている。 これがひとつの大きなきっかけとなり、見本市活性化に向けた取り組みが積極的に進めら れることを心から願っている。 今後も府と連携し、最大限努力して参りたいと考えている。引き続きのご協力をお願いし たい。本日は誠にありがとうございました。 以上
© Copyright 2024 Paperzz