今までの NEWS でいくつかの症例を紹介させて頂きましたが、以前行っ

H18.7.3
第6号
NSTがかかわっても
うまくいかない例もあるんでしょ?
今までの NEWS でいくつかの症例を紹介させて頂きましたが、以前行った勉強会の中で“上手く
いかなかった例を教えてほしい”との意見がありましたので、今回紹介したいと思います。
症例
A氏
(90 歳代,女性)
病
名:老人性認知症
入
院:H15 年 9 月
依 頼 理 由:拒食傾向が強く、食事摂取量が少ない(2∼3 割)
【H18.3.22 回診開始】
依頼前食事内容:心臓食減塩 7g 全粥 300g
朝:減塩パン
NST 開始後食事内容:心臓食減塩 7g 全粥 150g 副食 1/2 量 朝:減塩パン フルーツ牛乳
昼夕:〔+〕ポチプラス 1 本、海苔佃煮1ケ
経
過:依頼後、約 3 ヶ月間に渡りエンジョイゼリー、寿司飯、アイス、飲み物など様々な付
加食を試みるが喫食率は安定せず。病棟では車椅子乗車を嫌がり直前に乗車していた。
食べない時は延食で介助した。家族に好物を持参してもらったが、拒食行動が続いた。
このため比較的喫食率の高いポチプラス(ジュース 125cc 1 本)を残し病棟観察とな
る。
「経口摂取量は減少しているが、極力点滴はせず自然経過で」との家人の意向あり。
現在は毎食、NST 開始後食事内容(通常の半分量)において平均4∼5割食べている。
ポチプラスは引き続き好んで摂取。
体重は、この間 36.9kg(3/22)から 33.6kg(6/1)まで減少した。
(H17.2/2 には 40.9kg あった)
考
察: 認知症による拒食は対応策が難しい。自然経過を見守る中で、高齢者のケアとして好
物や付加食を試みる方法をとった。
昨年5月から今年6月までに NST で関わった患者様は合計 44 名です。そのうち喫食率が安定
したり、体重が増加したりして良い成果が得られた患者数は約5割、良い成果が得られなかった
患者数は約3割、その他の患者数は約2割です。
現在の回診患者数は7名です。(H18.6.7 現在)
栄養管理計画書を利用して低栄養の患者をピックアップ!
栄養管理計画書は今年4月より、患者様全員に対し個々の栄養状態に着目した栄養管理
計画書を作成しています。入院後1週間以内に身長、体重、アルブミン、褥瘡の有無をも
とにリスクレベルの評価を行っています。計画書は管理栄養士だけでなく、栄養管理の目
標は医師、アセスメントの見直しは看護師など多職種協働で作成しています。
計画書の様式はオーダリングに組み込まれて
いて、左のような画面になっています。
スクリーニングの結果、リスクレベルにより、
“病棟観察”か“⇒NST 回診依頼へ”と表示さ
れます。
(赤丸部分)
“⇒NST 回診依頼へ”と表示された場合、それ
が依頼へつながるように主治医に働きかけま
す。また主治医にもこの結果を参考に検討して
もらうことができます。
“病棟観察”の場合でも一定期間を経て、
見直し(モニタリング)を行っています。
お知らせ
7月下旬よりNST委員会のメンバーの勉強会を実施する予定です。昼休みに食事をとりな
がらのランチョンミーティング形式になりますので、興味のある方は是非、お気軽にご参加
ください。実施日時などはポスターにてお知らせ致します。
協立温泉病院・栄養管理委員会