頭、手足のふるえについて ● 企図振戦について 別名小脳性振戦とも呼ばれ、手で何かをしようとその物に触れた ときに振戦が起きます。コップを持ってお茶を飲もうとしたとき、 ペンを持って字を書こうとしたときなどに手に震えが起きます。 CT・MRI 検査で小脳及びその周辺に異常を認めないときは様子観 察とします。企図振戦には特に治療薬はありません。 生活に支障を来すようであれば、日常生活に左手を使う練習をし ましょう。 ● 本態性振戦について ストレス、不安、疲労、薬剤副作用、アルコール禁断症状、甲状 腺機能亢進症などで起きます。時に家族性のこともあります。βブ ロッカーなどの治療薬があります。 ● 安静時振戦について パーキンソン病などの時にみられます。膝の上に置いている手が 勝手に震えます。パーキンソンの治療薬を内服します。 ● 羽ばたき振戦について 肝不全、腎不全の時に起きます。 ● その他の振戦について 多発性硬化症などでも起きます。多発性硬化症は 30 歳前後の若 者に発症する自己免疫疾患です。目の症状、言葉の症状、小脳症状 の震えなどを来します。 明神館脳神経外科 大 田 浩 右
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