太陽光発電システムの設置世帯における環境行動の

Journal of Japan Society of Energy and Resources, Vol. 29, No. 1
エネルギー技術導入の社会心理的な影響
―太陽光発電システムの設置世帯における環境行動の変化―
Socio-Psychological Impacts of the Introduction of Energy Technologies:
Change in Environmental Behavior of Households with Photovoltaic Systems
本 藤 祐 樹 *・ 馬 場 健 司
Hiroki Hondo
**
Kenshi Baba
(原稿受付日 2007 年 3 月 16 日,受理日 2007 年 6 月 8 日)
Abstract
After installing a photovoltaic (PV) system in a house or a school, it is said that people seem to increase environmental
behavior such as electricity-saving. Do characteristics of PV systems have any influence on the change in people’s
environmental behavior? This study attempts to discover why people’s behavior toward energy and the environment change
after installing PV system in houses. Based on questionnaire surveys, this paper describes the results of statistical analysis
concerning the changes in households with PV systems installed. The results show that, in households where the family
members are highly aware of their PV systems, they tend to increase environmental behavior after installing the PV system.
Moreover, it is found that the increase in the communication about environmental behavior in a family tends to go hand in
hand with the increase in environmental behavior. The findings suggest that the installation of residential PV systems affect
people's concern and norms related to energy and the environment, and then change people's behavior.
1.はじめに
掃が活発になったという事例も報告されている
くは家庭や学校という社会のエネルギー・環境に係る価値
ー技術評価が実施されてきた.発電技術を例にあげると,
1)
観や規範などに影響を与えている可能性を示唆している.
,
本研究の目的は,エネルギー技術の導入がもたらす社会
気候変動の観点からのライフサイクル温室効果ガス排出分
析
心理的影響を解明する糸口とするべく,PV システムの設置
2)
,そして経済面から環境面まで幅広く評価する外部性
評価
後における設置世帯の環境行動変化メカニズムを分析する
3)
などが挙げられる.しかし,持続可能性の評価にお
ことにある.本研究は,社会心理的な側面からの技術評価
ける 3 つの次元―環境性,経済性,社会性―のうち,社会
性の観点からの評価については,いくつかの試み
.これら
の現象は,PV システムという技術自体が,個々人の,もし
これまで,環境性と経済性の側面から数多くのエネルギ
エネルギー転換の効率性に関するエネルギー収支分析
7)
に向けた探索的な基礎研究と位置付けられる.
4)
はある
ものの,未だ十分な研究蓄積はない.エネルギー技術に限
2.既往の研究と基本仮説
らず,技術や製品の持続可能性の評価においても,社会の
2.1 省エネ行動および環境行動に関する既往研究
安定や方向性に深く関わる,倫理,規範,価値観など社会
性の次元に関する検討はあまりなされていない.しかし,
技術の社会的な影響に関する研究は,過去において米国
持続可能な社会に向けた技術の開発・導入のためには,経
の Office of Technology Assessment を中心とした技術評価研
済面や環境面のみならず,エネルギー技術の心理的・社会
究
的作用に着目することが重要だと考えられる.
ギー技術の心理的・社会的作用に着目した研究は少なく,
現実に目を移すと,エネルギー技術の導入が人々の意識
8)
において幾ばくか取り扱われてきた.しかし,エネル
特に,エネルギー技術の導入が人々の環境意識や環境行動
や行動に影響を与えている様子が観察される.例えば,太
に与える影響について分析した研究は見当たらない.他方,
陽光発電システム(PV システム)を設置した世帯において
環境行動メカニズムについては,社会心理学や環境心理学
エネルギー・環境問題への意識や節電行動が高まるらしい
の分野を中心に豊富な研究蓄積がある.
ということが報告されている
5)6)
(1) 省エネ行動の促進方法
.また,中学校に PV シス
石油危機を契機として 1970 年代に省エネルギー行動(以
テムを設置した後に,節電行動が高まるだけでなく校内清
下,省エネ行動)に関する調査研究が活発になされ始めた.
*
この時代から現在まで続く省エネ行動研究の潮流のひとつ
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
〒240-8501 神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台 79-7
E-mail:[email protected]
**
(財)電力中央研究所 社会経済研究所主任研究員
〒201-8511 東京都狛江市岩戸北 2-11-1
E-mail:[email protected]
として,省エネ行動の促進方法に関する研究が挙げられる.
特に,家庭を対象として,省エネ行動の結果に関する情報
(例えば,電力料金や消費電力量の変化)を世帯員に提供
15
Journal of Japan Society of Energy and Resources, Vol. 29, No. 1
することで省エネを促すフィードバック法については数多
ある.また,行政が設置者に対して実施した設置後におけ
くの研究がなされ,少なくとも短期的には効果的であるこ
る簡単な調査の結果についても情報を得た.その結果,既
.最近では,民生部門における温室
往調査 5)6)でも示されているように,節電を中心とした環境
効果ガスの排出量削減という文脈において,家庭内での行
行動の向上が認められた.それとともに,下記のような PV
動変化に伴う省エネルギーの可能性に関する研究が再び活
システム設置後の変化に関する種々の情報が得られた.
とが示されてきた
9)10)
性化している.特に,近年の情報技術の著しい進展を反映
・環境問題への関心が向上した
し,家庭における電子的なエネルギー消費量表示システム
・電気料金や電気消費量への関心が向上した
の開発やその節電効果の検討 10)11)などがなされている.
・発電量や消費量のモニタ・メーターを見ることが増えた
(2) 環境行動メカニズム
・家族内で省エネや環境問題に係る話題が増えた
・電気がもったいないという感覚が強くなった
促進方法の検討とは別に,環境行動を規定する要因を明
・環境負荷低減に役立っているという満足感を得た
らかにすることを目的とした研究 12)13)が数多くなされてき
・自然の再認識や太陽への感謝が強まった
た.そのような一連の研究は,家庭での省エネ行動やリサ
・太陽光発電の仲間を得た
イクル行動などを中心に,これらの行動に影響を及ぼす要
2.3 基本仮説とリサーチクエスチョン
因の探索を試みてきた.環境心理学や環境マーケティング
の分野では,環境行動の規定因として,デモグラフィック
既往研究に関する幅広い文献調査と現場における面談調
属性やパーソナル属性に加えて,態度,規範,知識などの
査に基づき,PV システム設置後に生じる行動変化メカニズ
心理的および認知的な要因が幅広く検討されてきた
14)15)
ムを分析するに際して,下記のような基本仮説をたてた.
.
①
これら様々な要因と環境行動との関係については必ずしも
一貫した結論は得られていないが
16)
境行動の変化を促す要因となっている.
,いくつかの要因で環
②
境行動を説明する理論やモデルが提案されてきた.例えば,
17)
住宅用 PV システムの「技術特性」が家庭における環
18)
家庭における環境行動の変化には,個々人のエネルギ
などは説明力が高い
ー・環境に係る内的な意識の変化だけでなく,家族や
とされ,これらの理論に基づく環境行動に関する実証的な
地域社会などにおける「関わり合い」が関係している.
計画的行動理論
研究
や規範活性化理論
15)19)20)
このような基本仮説に基づき,本論文では「PV システムの
もなされている.
(3) 技術導入と環境行動との関係
「何」が人々の「何」に影響することで環境行動を変化さ
せているのか」という問いに対して一定の答えを導き出す
上述したように,環境行動の促進やそのメカニズムに関
ことを試みている.
する研究が数多くなされてきたが,エネルギー技術自体が
環境行動の規定因として明示的に取り上げられることはな
3.データ収集
かった.また,前章で述べたように,PV システムの設置後
における環境意識や環境行動の変化に関していくつかの調
前章で述べた基本仮説を検証するため,質問紙調査によ
査結果が公表されているが 5)6),その変化メカニズムについ
りデータを収集した.ただし,探索的な分析であることを
て分析を試みた研究例は見当たらない.それ故に本研究は,
念頭に,基本仮説を中心にしながらも環境行動の変化メカ
環境行動変化に関して比較的よく観察されている PV シス
ニズムを説明する種々の可能性を排除することなく幅広い
テムを題材にして,エネルギー技術評価という視点に立脚
設問を用意した.
し,上述した 2 つの既往研究の流れを踏まえて環境行動変
表 1 に質問紙調査の概要を示す.本調査では,前述した
化メカニズムの解明を試みている.
ように長野県飯田市をフィールドとして選定した.飯田市
2.2 PV システム設置の影響に関する事前面談調査
表 1 質問紙調査の概要
PV システムの導入と環境行動の変化についての関係を
解明するためのヒントを現実の事例から得るべく,長野県
実施期間
飯田市において 2004 年 11 月~12 月に面談調査を実施した.
調査対象
飯田市を選択した理由は,行政が PV システムの普及に早
い時期から積極的に取り組み
実施方法
21)
,住宅用 PV システムの普
調査項目
(a) 環境・エネルギー問題に関する意識
(b) PVシステム設置のきっかけや決め手
(c) PVシステムに係る意識や評価
(d) 省エネルギーなど日常生活における環境行動
(e) 家庭内のエネルギー消費
(f) 家庭での過ごし方と地域における活動や考え
回答方法
回収票(率)
記名方式
137 (68.5%)
及率が全世帯の 1.74%(2003 年度末)22)と高く,加えて調
査に対する行政からの積極的な協力(すなわち信頼性の高
いデータの収集)が期待できたためである.面談対象は,
飯田市環境水道部の新エネルギー担当者,PV システムを設
置している 7 世帯,そしてそれを販売している業者 2 社で
16
2004年2月23日 ~ 3月15日
長野県飯田市在住で自宅に太陽光発電システム
を設置している200世帯
郵送配布/回収
Journal of Japan Society of Energy and Resources, Vol. 29, No. 1
が実施してきた利子補給制度
21)
を利用して PV システムを
低くなった変わらない高くなった
設置した飯田市在住の 200 世帯をサンプルとした.調査時
使わない部屋の電気は
4%
こまめに消す (N=129)
点における飯田市内の PV システム設置世帯は 700 を超え
使わない電気製品の主電源を
0%
切る・コンセントを抜く (N=125)
るが,1997~2002 年度に PV システムを設置した世帯から,
地域や職業など人口統計的特性がある程度ばらつくように
電
気
勘案して 200 世帯を抽出した.質問紙の設計は,先に述べ
た面談調査と文献調査の結果に基づいて行われた.
冷蔵庫の開ける回数や時間を
0%
少なくしている
(N=124)
66%
30%
72%
27%
82%
風通しをよくする等なるべく
6%
エアコンを使わない (N=110)
17%
77%
14%
本調査は飯田市役所の全面的な支援を受け,市長名で各
冷房時は部屋を密閉する
2%
(N=106)
世帯に質問紙が送付された.このことによって,かなり負
冷房の設定温度は高めにする
5%
(N=104)
82%
12%
厚着をして出来るだけ暖房を
5%
使わない
(N=124)
83%
10%
担がかかる質問紙調査でありながら,約 7 割という高い回
収率を達成できたと推測される.なお,質問紙調査の詳細
については文献 23)を参照されたい.
暖
房
4.分析結果
4.1 環境行動の変化
質問紙調査では,エネルギー・環境に関連する日常の行
動が,PV システムの設置前後でどのように変化したかを回
答者へ質問した.図 1 に示すような 15 種類の行動の頻度が,
他
82%
15%
使わない部屋の暖房は
2%
こまめに消す (N=125)
78%
17%
暖房の設定温度は低めにする
3%
(N=122)
76%
17%
家族が一緒に同じ部屋で
2%
暖をとる
(N=122)
83%
13%
入浴時にシャワーを
5%
出しっぱなしにしない (N=124)
81%
12%
歯磨きや洗顔時に水を
6%
出しっぱなしにしない (N=124)
79%
13%
温水はなるべく低い
1%
温度にする (N=122)
くなった」「変わらない」「低くなった」かの 3 段階で回答
冬でも車はアイドリング
3%
しない
(N=118)
0%
に消す」「主電源を切る・コンセントを抜く」については,
18%
暖房時は部屋を密閉する
2%
(N=124)
回答者も含め世帯全体として,設置前に比べて設置後に「高
を求めた.電気に関する 6 つの行動のうち,
「電気はこまめ
77%
79%
17%
84%
20%
40%
9%
60%
80% 100%
図 1 PV システム設置前後における日常の行動変化
約 3 割の世帯が PV 設置前に比べて,その頻度が高くなっ
たと回答している.暖房に関する 5 つの行動については,
表 2 PV システム設置後の行動変化の理由
それぞれで若干の違いはあるが,約 1 割から 2 割の世帯が
経済性が気になり始めた
「もったいない」という感覚が強くなった
家族同士で注意しあうようになった
その他
計
高くなったと回答している.上記以外の他の行動について
も約 1 割から 2 割が高くなったと回答している.逆に,低
くなったとする回答は 15 種類すべての行動において 0~
26
17
10
1
54
48.1%
31.5%
18.5%
1.9%
100%
6%であった.加えて,それらの行動が高まった理由を単一
回答で尋ねたところ,表 2 に示すように,PV システムの
②家族が PV パネル本体を見る,③本人がパワーコンディ
設置を機に「経済性(電力料金など)が気になり始めた」
ショナーの発電量の数値を見る,④家族がパワーコンディ
と回答した世帯が 48.1%と最も多く,次いで「「もったいな
ショナーの発電量の数値を見る,⑤本人が電気の使用量・
い」という感覚が強くなった」が 31.5%を占めた.
料金のお知らせを見る.これら 5 種類の PV 視認行動の頻
以下では,これら 15 種類の環境行動がひとつでも高まっ
度に対する回答に主成分分析を適用し,世帯全体として PV
た世帯を「向上」群に,それ以外の世帯を「非向上」群に
システムを意識している総合的なレベルを表現する「PV 視
分類し,2 群の間に存在する差異を探索すべく,
「設置世帯
認指数」を作成した.主成分分析の結果,第 1 主成分のみ
の PV システムに対する意識」と「設置世帯が持つ関わり
が抽出されたので(固有値=2.760,説明率 48.26%),第 1 主
i
合い」に焦点をあてて分析した結果を示す .
成分を「PV システムを意識している総合的レベル」である
4.2 PV システムに対する意識
と解釈し,各サンプルに付与された第 1 主成分に対応する
主成分得点を PV 視認指数とした.
質問紙調査では,各世帯が PV システムを意識している
表 3 は,PV 視認指数の平均値を,前節で定義した向上
程度を,回答者本人および家族が PV に関する「なにかを
見る」という行動―PV 視認行動―で計測することを試みた.
群と非向上群のそれぞれについて算出して,t 検定を行った
回答者には,以下に示す 5 種類の PV 視認行動の頻度につ
結果を示している.作成された PV 視認指数は平均値 0,分
いて,5 段階(「全く見ない(1 点)」~「気にして良く見る(5
散 1 で分布しており,その値が大きい程,PV システムを意
点)」)で回答を求めた:①本人が PV パネル本体を見る,
識しているレベルが高い.2 群の平均値には有意な差があ
17
Journal of Japan Society of Energy and Resources, Vol. 29, No. 1
表 5 関心変化指数と環境行動の頻度変化との関係
り,環境行動が高まった世帯は,そうでない世帯に比べて
PV システムを強く意識している傾向が認められた.
環境行動
4.3 PV システムに対する副次的機能の認識
平均値
0.33
-0.37
向 上
非向上
SD
1.01
0.87
N
54
51
統計量
t=3.77
p=.000
質問紙調査では,PV システムは発電以外の他の価値,す
表 6 知識・情報量の変化と環境行動の頻度変化との関係
なわち副次的機能を持つものかを尋ねた.「特に持たない
(単なる電気を作りだす機械である)」「設置前から他の価
値を期待・想像していた」「設置後に他の価値を発見した」
エネ・環境
問題に関する
知識量
の選択肢から単一回答を求めた.
この PV システムに対する認識と環境行動の頻度変化を
増 加
非増加
環境行動
向 上
非向上
36
24
(60.0%) (40.0%)
17
28
(37.8%) (62.2%)
合計
60
(100%)
45
(100%)
2
統計量:χ =5.08,p=.024
クロス集計した結果を表 4 に示す.PV システムを発電機
器としてのみ認識している世帯では環境行動が向上した割
表 7 知識・情報量の変化と PV 視認指数との関係
合は 34.1%だが,副次的機能を持つものとして認識してい
る世帯ではその割合は 60%を超えており,χ二乗検定によ
エネ・環境問 増 加
題の知識量
非増加
り有意な差異が認められた.すなわち,副次的機能の認識
平均値
0.20
-0.20
SD
0.97
1.02
N
66
49
統計量
t=2.15
p=.034
と環境行動の向上とは関連している傾向がある.
4.4 エネルギー・環境問題についての関心度の変化
り,設置後にエネルギー・環境問題に係る関心が高まった
世帯ほど,PV システムを強く意識している傾向がある.
質問紙調査では,5 種類のエネルギー・環境問題(地球
4.5 エネルギー・環境問題についての知識・情報量の変化
規模の環境問題,世界レベルのエネルギー問題,家庭にお
質問紙調査では,PV システムの設置前に比べて設置後に,
ける省エネの知識や方法,地域における身近な環境問題,
身近な健康・安全問題)に対する関心度が,PV システムの
エネルギー・環境問題全般に関する知識・情報量が「増え
設置前に比べて設置後に「高くなった」「変わらない」「低
た」「変わらない」「減った」かの 3 段階で回答を求めた.
くなった」かの 3 段階で回答を求めた.エネルギー・環境
「変わらない」
「減った」と回答した世帯を「非増加」群と
問題全般に対する関心度の変化を表現するために,前述し
して,
「増加」群と「非増加」群に世帯を再分類した.表 6
た PV 視認指数と同様に,上記 5 種類の関心についての回
は,PV システム設置前後における,知識・情報量変化と環
答に主成分分析(第 1 主成分(固有値=3.257,
説明率=65.14%)
境行動の頻度変化とについてクロス集計した結果である.
のみを抽出)を適用して,関心変化指数を作成した.
χ二乗検定の結果から両者の間に有意な関係があることが
表 5 は,関心変化指数の平均値を,向上群と非向上群の
認められた.すなわち,知識・情報量の増加と環境行動の
それぞれについて算出して,t 検定を行った結果を示してい
向上は相伴って生じる傾向がある.
る.2 群の平均値には有意な差があり,環境行動が高まっ
表 7 は,PV 視認指数の平均値を,知識・情報量に関す
ている世帯は環境・エネルギー問題全般への関心も高まっ
る増加群と非増加群のそれぞれについて算出して,t 検定を
ている傾向が認められた.
行った結果を示している.2 群の平均値に有意な差があり,
また,関心変化指数と PV 視認指数とについて相関分析
エネルギー・環境問題についての知識・情報量が増えた世
を実施した結果,これら 2 つの指数の間に有意な正の相関
帯は,PV システムを強く意識している傾向が認められた.
が認められた(Pearson の相関係数=.196,p 値=.035).つま
4.6 関わり合いの変化や発生
(1) 家庭内の関わり合い
表 3 PV 視認指数と環境行動の頻度変化との関係
環境行動
向 上
非向上
平均値
0.19
-0.25
SD
1.03
0.92
N
53
51
質問紙調査では,家庭内の関わり合いの変化と環境行動
の頻度変化との関係を探るために,家庭内における環境行
統計量
t=2.29
p=.024
動に関するコミュニケーション―家庭内コミュニケーショ
ン―に関する設問を用意した.
表 8 は,PV システム設置後における,家庭内コミュニ
表 4 副次的機能の認識と環境行動の頻度変化との関係
特に持たない
副次的
機能 使ってみて認識
設置前から認識
環境行動
向 上
非向上
14
27
(34.1%) (65.9%)
31
19
(62.0%) (38.0%)
11
7
(61.1%) (38.9%)
ケーション変化と環境行動の頻度変化とについてクロス集
合計
計した結果である.質問紙調査では「PV システム設置後,
41
(100%)
50
(100%)
18
(100%)
家庭内において環境行動に関する話題がどのように変化し
たか」について 3 段階(増加した,変わらなかった,減少
した)で回答を求めた.集計に際しては,
「変わらなかった」
2
「減少した」と回答した世帯を「非増加」群とし,世帯を
統計量:χ =7.81,p=.020
18
Journal of Japan Society of Energy and Resources, Vol. 29, No. 1
「増加」群と「非増加」群の 2 群に再分類した.χ二乗検
5.考察
定の結果から両者の間に有意な関連があることが認められ
5.1 PV システム設置が環境行動に与える影響
、、、、
PV 視認指数と PV システム設置前後における環境行動の
、、、、
頻度変化との間に関連があることが示された(表 3).しか
、、、
、、
し,PV 視認指数と設置後の環境行動の頻度との間に関連は
た.すなわち,設置後,環境行動に関する家庭内コミュニ
ケーションの増加と環境行動の頻度の向上は相伴って生じ
る傾向がある.
表 9 は,PV 視認指数の平均値を,家庭内コミュニケー
ションに関する増加群と非増加群のそれぞれについて算出
して,t 検定を行った結果を示している.2 群の平均値には
有意な差があり,家庭内で環境行動に関する話題が増えた
世帯は,PV システムを強く意識している傾向が認められた.
(2) PV システムを介した新たな関わり合い
の向上を促す傾向があるという因果関係が認められるiv.以
関わり合い―PV ネットワーク―に着目し,各世帯における
下では,このような環境行動の頻度変化をもたらしたメカ
その発生状況を計測した.具体的には,PV システム設置後
ニズムについて考察する.
における他の設置者とのコミュニケーションの頻度,およ
5.2 環境行動の変化メカニズム
び販売業者の訪問の頻度に関する 2 つの設問を用意した.
(1) 関心度と知識・情報量
これら PV ネットワークの発生が,PV システム設置後の環
PV システム設置前後におけるエネルギー・環境問題に対
境行動の頻度変化と関係があるか否かをχ二乗検定により
する関心度の変化は,環境行動の頻度変化および PV 視認
分析したが,いずれも有意な関連は認められなかったii .
指数とそれぞれ関連がある(表 5).また,エネルギー・環
他方,PV ネットワークと PV 視認指数との関係について
境に関する知識・情報量の変化も,環境行動の頻度変化お
t 検定により分析した結果,設置者間コミュニケーションに
よび PV 視認指数とそれぞれ関連がある(表 6,7).つまり,
ついては,その有無によって PV 視認指数の平均値に有意
PV システムを意識している世帯は,その設置後に,エネル
な差異が認められた(表 10).検定に際しては,他の設置
ギー・環境問題に係る関心度と知識・情報量の増加,そし
者と話をする機会を設置直後から現在に至るまで継続的に
て環境行動の向上を伴う傾向がある.環境問題への一般的
持っている世帯を「有」群へ,残りを「無」群へ再分類し
な関心度や知識・情報量が環境行動に関連しているとする
た.2 群の平均値には有意な差があり,他の設置者と継続
研究結果
的なコミュニケーションを持つ世帯の方が,PV システムを
(2) 関わり合い
うでない世帯よりも,PV システムを意識している傾向があ
個々人が個別に環境行動を高めるだけでなく,他者との
る程度見出された(t(118)=1.71, p<.1).
関わり合いの中で行動を高めている可能性も考えられる.
家庭内の環境コミュニケーション変化と環境行動の頻度変
表 8 家庭内コミュニケーション変化と環境行動の頻度変化との関係
環境行動
向 上
非向上
30
13
増 加
家庭内
(69.8%) (30.2%)
コミュニケー
24
40
ション
非増加
(37.5%) (62.5%)
2
統計量:χ =10.71,p=.001
化との間に関連がある(表 8).また,環境行動が変化した
合計
理由を直接的に尋ねた結果,約 2 割が「家族同士で注意し
43
(100%)
64
(100%)
あうようになった」ことを第 1 の理由として挙げた(表 2).
規範意識の活性化が個々人の行動の規定因になり得ること
を提示した既往の研究 18)を考慮すると,家庭という帰属集
団内の環境コミュニケーションの増加に伴い,環境行動に
係る規範が強まり,もしくは新たに発生し,その結果,世
表 9 家庭内コミュニケーション変化と PV 視認指数との関係
増 加
非増加
が得られていることからv,PV システムへ
境行動の向上を導くというメカニズムが提示できる.
問の有無iiiに関しても,販売業者の訪問が有る世帯の方がそ
家庭内
コミュニケーション
19)24)25)
の意識が,個々人の関心度と知識・情報量を向上させ,環
強く意識している傾向が認められた.また,販売業者の訪
SD
0.90
1.00
動の頻度の変化は時間的に PV システム設置後であること
も考え合わせると,PV システムを意識することが環境行動
質問紙調査では,PV システムの設置後に発生した新たな
平均値
0.39
-0.22
全く認められなかった(Pearson の相関係数=.004,p 値
、、
=.969).つまり,環境行動の頻度の高い人が PV システム
、
を意識しているのではなく,設置後に環境行動の頻度が高
、、、
まった人が PV システムを意識している.加えて,環境行
N
46
71
帯全体の環境行動が高まる可能性が考えられる.加えて,
統計量
t=3.33
p=.001
家庭内のコミュニケーションが家族間のエネルギー・環境
に係る知識伝達の役割も果たしている可能性もある.
表 10 設置者間コミュニケーションと PV 視認指数との関係
設置者間
コミュニケーション
有
無
平均値
0.47
-0.24
SD
0.98
0.93
N
40
80
さらに,家庭内の環境コミュニケーションが増加した世
帯は,PV システムへの意識が高いことが示された(表 9).
統計量
t=3.86
p=.000
PV システムを意識することが家庭内コミュニケーション
19
Journal of Japan Society of Energy and Resources, Vol. 29, No. 1
の増加やそれに伴う規範強化を導く一方で,逆に,そのよ
では,環境行動が変化した理由(表 2)を手がかりとして,
うなコミュニケーション増加や規範強化が個々人の PV シ
この副次的機能の内容を類推しつつ,考察を加える.
行動変化の理由として最も多く挙げられたのは「経済性
ステムへの意識を強めるという相互作用があり,それが環
への関心が増加した」
(48%)である.自ら発電設備を購入
境行動の向上を促すと推察される.
他方,PV ネットワークについては,PV 視認指数とは一
したり,自ら発電し電力を販売したりすることで,電力や
定の関連があったものの(表 10),環境行動の頻度変化と
エネルギーなどに関する経済性への関心が増加したり,経
は有意な関連が認められなかった.質問紙調査では,PV ネ
済性の観点から前述した家庭内での規範意識が強まったり
ットワーク以外にも地域社会での関わり合いの程度につい
した可能性がある.また,環境行動が向上した世帯は,PV
ても尋ねている.例えば,
「自宅や集会所などでご近所と話
パネルや発電量などを見るという PV 視認行動が高い傾向
す頻度」は PV 視認指数との間に有意な相関(Pearson の相
がある.つまり,発電設備の自家所有や電力販売という家
関係数=0.266,p 値=.003)があったが,環境行動の頻度変
庭用 PV システムの特性が,世帯の費用・便益評価に影響
vi
化とは有意な関連は認められなかった .PV ネットワーク
し,行動向上を促進していると解釈できる.この解釈は,
や近隣とのコミュニケーションは,その性格上,PV システ
費用・便益評価が環境行動の重要な規定因になり得ること
ムに係るものに限定され,環境行動に係るものでなかった
を多くの研究が確認している 13)ことからも支持される.
と推察される.PV システムへの意識を高めることはあって
次いで多く挙げられた理由は「もったいない感覚が強く
も,他の設置者や販売業者,近隣住民の目に触れない家庭
なった」(32%)である.「もったいない」は幅広い概念で
内の行動までは影響しなかったと考えられる.
あるが,経済性に関する選択肢は別に提示されていること
以上より,環境行動の頻度変化において,直接的か間接
から,金銭以外のものをもったいないと感じるようになっ
的かの違いはあるが,関わり合いは重要な要因であると指
たと解釈できる.第 1 に,電力を自家生産することにより,
摘できる.
電力やエネルギーなどの無駄な消費をもったいないと感じ
(3) 影響メカニズム
るようになった可能性がある.第 2 に,PV システムの自然
ここまでの考察に基づき,図 2 に示すような環境行動の
エネルギーを直接利用するという特性の影響が考えられる.
向上メカニズムがひとつの可能性として提示できる.個々
自然資源を無駄にしてはいけないと感じることで,PV シス
人が PV システムを意識することで,環境・エネルギー問
テムの設置以前には持ち得なかった「もったいない価値観」
題への関心や知識を増し行動を向上させる.その向上にお
が新たに形成,或いは活性化された可能性が考えられる.
いては,環境行動に関する家庭内のコミュニケーションに
つまり,電力の自家生産および自然資源の直接的利用とい
伴う規範強化や知識伝達が大きく寄与している.また,PV
う家庭用 PV システムの特性に対する意識が,世帯の価値
システムが介在した関わり合いが,PV システムへの意識を
観に影響し,行動向上を促進していると解釈できる.自然
強化している可能性も指摘できる.
環境に対する価値観と環境行動との関連を指摘した研究は
5.3 行動変化をもたらす PV システムの特性
あまり多くないが,価値観を行動意図の規定因とする結果
もあり 19),このような推察に一定の根拠を与えている.
PV システムを意識することによる環境行動向上のメカ
ニズムについては一定の説明が与えられた.では,PV シス
以上をまとめると,
「消費者であると共に生産者」,
「生産
テムの「何」が人々の行動変化をもたらしているのか.前
装置の所有」,「自然の力の目に見える利用」を可能にする
章で示したように,環境行動が向上した世帯は PV システ
技術特性が,費用・便益評価をもたらしたり,
「もったいな
ムの副次的機能を認識している傾向が強く(表 4),PV シ
い」価値観をもたらしたりして設置世帯の環境行動が変化
ステム自体から何かを感じ取っていると推察できる.以下
したという可能性を指摘できる.
6.結論と今後の展開
近隣との
コミュニケーション
関心度増加
PV システムの住宅への設置後に,設置世帯がそれを意識
知識量増加
PVシステム
への意識
PVネットワーク
の存在
家族内
コミュニケーション
の増加
することで,日常生活における環境行動を高める傾向が見
環境行動
の向上
出された.PV システムへの意識が,個々人のエネルギー・
環境問題に関する関心度や知識量を増加させ,環境行動の
向上を導くという可能性が示された.さらに,環境行動の
向上においては,関わり合いが強く影響しているようであ
図 2 環境行動向上メカニズム
る.PV システムの設置は,特に,環境行動に関する家庭内
20
Journal of Japan Society of Energy and Resources, Vol. 29, No. 1
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コミュニケーションの増加をもたらし,それもまた環境行
動の向上を促していることが認められた.このような変化
の源には,消費と生産の連携,そして自然エネルギーの直
接利用という PV システムの技術特性があり,それらが,
世帯の費用・便益評価およびもったいない価値観の変化や
発現をもたらした可能性を指摘できる.
今後の主たる展開として以下の 3 点が挙げられる.第 1
に,提示した環境行動向上メカニズムをより説明力の高い
ものへと洗練する.具体的には,PV システムの設置前にお
ける関心度や知識量の水準が,設置後の行動変化に与える
影響について分析を加える.例えば,設置前から関心度が
高い世帯だったが故に,設置を機に関心度を一段と増し環
境行動をさらに高めたのかもしれない.逆に,設置前には
関心度が低かった世帯こそが環境行動を向上させた可能性
もある.如何なる特性を持つ人々が PV システムの設置を
機に環境行動を向上させる傾向にあるかを検討する.第 2
に,人々に対する PV システムの心理的な作用を,設置後
におけるエネルギー・環境に係るもったいない価値観の変
化に着目して明らかにする.そのために,自宅ではなく,
私的な経済的便益には直接関係しない場所(例えば,学校
や保育園 27)など)に設置された PV システムを対象として
分析を深めていく.第 3 に,他の発電技術も視野に入れ,
人々による技術特性の心理的認識をより一般的に分析する
ために,PV システムのみならず他の発電技術を対象とした
分析 28)を実施する.
謝辞
本研究の実施にあたっては,飯田市役所環境課,エコフ
レックおよび第一公害プラント(株)に多大なるご協力を戴
いた.ここに記して謝意を示す.また,面談調査および質
問紙調査に快くご協力戴いた PV システム設置世帯の皆様
にも感謝申し上げる次第である.
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21
i
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という表現を用いている.
ii
販売業者の訪問有無と環境行動の頻度変化との間には多少
相関が見出された(χ2=3.173,p=.075)
iii
質問紙では訪問頻度について 5 段階で回答を求めているが,
その頻度に関わらず訪問の有無で 2 群に再分類した.
iv
物理的に PV パネルが見えるか否かと環境行動の頻度変化と
の間に一定の関連が認められた(χ二乗検定,χ2=3.890,
p=.065).この結果は,形あるものが見えること自体が行動変
化にとって重要な要因であることを示唆している.
v
ただし一般的な関心と行動とは結びつかないという研究 26)
もある.また,知識に関しては,特に,特定の環境行動に結び
つく具体的な知識・情報の影響が強い 26)ことも示されている.
vi
地域での関わり合いとして,自治会や公民館活動への参加頻
度についても計測したが,それらと,PV 視認指数および環境
行動の頻度変化との間には全く関連が認められなかった.