ウェストミンスタ-小教理問答書 94 問「洗礼の定義」1211 罪のための神

ウェストミンスタ-小教理問答書 94 問「洗礼の定義」1211
罪のための神からの罰を免れるために、私たちのなすべきことの中心は、①イエ
ス・キリストを信じる事。②命に至る悔い改めをする事です(問 85)
。
その信仰と悔い改めを行うために神様が定めて下さった外的な手段の一つに礼典が
(洗礼と聖餐)があります(問 88)
。94 問~95 問は洗礼についてです。
洗礼の意味
1、洗礼は契約の儀式です。キリストに結び合わされ(キリストに接ぎ木され)、神の
民の一員となる(主のものになる)契約です。この契約は、神と受洗者の間で結ば
れます。
①成人受洗者は、神と教会の前で信仰告白をし、信仰に基づく生活を送ることを誓約
します(主のものになる、という誓約)
。
②これに対して神様は、洗礼式で、その人を神の民とし(主のものとし)
、キリスト
に結び合わせて、キリストから来る救いの祝福(恵みの契約の祝福)を与えて下さ
ることを約束し、その場で与えて下さるのです。
③幼児の場合、本人の誓約なしに、神様の一方的約束として、受洗者を神の民として
下さいます。
2、結婚式(結婚の契約の儀式)は、自分の愛を誓うと同時に、相手の愛の誓いを受け
ることによって、愛と信頼を強めます。洗礼式も、自分の神様への愛を誓う(信仰告
白)と同時に、神様からの愛の誓いを受けて、神様に対する愛と信頼を深める儀式
なのです。
洗礼の方法。
1、父と子と聖霊の名によること:神の側の誓いを表します。
2、水で洗うこと
①滴礼(水を頭にたらす)
、灌礼(水を頭に注ぐ)
、浸礼(全身を水に浸す)のやり方
があります。水の洗いは救いの祝福の中心である罪の洗いきよめを象徴するもので
す。
②洗礼は浸礼(全身を水に浸す)でなければならない、と教える教会もあります。それ
は、洗礼がキリストに共に死にキリストと共に生きること(再生)を象徴する儀式で
あるとの理解によります(ロマ6:4)
。
確かに洗礼により、受洗者は主のものとなり、キリストと共に生き、キリストと
共に死ぬ者になりますが、
洗礼の式典自体は水の洗い(主のものとなるために不可欠
の罪の清めを表わす)により行われます(テトス 3:5)。例えば、洗礼の意義として
受洗者はキリストを着たと言われますが(ガラテヤ 3:27)
、洗礼式の式典自体でキ
リストを着る象徴行為はしません。洗礼の意義と洗礼の方法とは別の事柄です。