殺 虫剤研究班 の し お り

殺 虫 剤 研 究 班 の し お り
第 61号 (1993年 12月 )
日本衛生動物学会殺虫剤研究班
ー
ilA lホ 環
生センタ
環
部
務局 :財 団
境衛
境生物
事
T 210
神奈川県川崎市川崎区四谷上町10-6
TEL 044-288-4896 内線401、 402
郵便振替日
座番号
横浜7-72048
1993年 度殺虫剤研究班大会
「忌避剤 に関する諸問題 」終 了報告
)12:40∼ 15:00
日
時 :平 成 5年 4月 1日 (木
△
石
場 :愛 知医科大学 、学会 B会 場
内
容 :忌 避剤概論
武衛和雄
ェン対新 )
イ
オサイ
(大 閣力ヽ
ピレスロイ ドの忌避性
松永忠功 (飲 僻環斌針Elt孵 新 )
蚊 とュスリ
カ
駆除へ の音の
利用 と展望
小川賢―
試験法、評価法等 に関する問題点
リ
アン
蹄
(聖 マ
座長 松崎沙和子
水谷 澄
林 晃史
金山彰宏
武藤敦彦
蚊
ハ‐
ゴキブリ
ダニ
1993年
効祢室)
林
林
晃史
晃史
度殺虫剤研究班大会は、 4月 1日 愛知医科大学学会 B会 場
で開催 した。テ ーマは忌避剤 に関する諸問題 をとりあげ、上記 に示 した
3題 の講演 と試験法、評価法 についての討議 を行 つた。年度替 りの初 日
にもかかわ らず 100名 近 い参会者 を得て盛会であ つた。
会場 の設営、準備 をして頂 いた第 44回 日本衛生動物学会大会長金子
清俊博士、ならびに愛知医科大学寄生虫学教室 の皆様 に深謝致 します。
1
1993年
度殺虫剤研究班総会報告
1993年 4月 1日
1.班
於愛知医科大学
員 数 :個 人班員 113名
団体班員
111名
2.活 動報告 :
18名 (92年 3月 2日 現在 )
16名 (93年 3月 30日 現在 )
1991年 度
研究班大会 テーマ 「最近の話題害虫 に対す る殺虫剤の効果の検証 」
期 日 :1991年 4月 1日 会場 :神 戸国際会議場 401、 402号 会議室
話題提供者
:4名 参加者 :100名
1992塗 再
握
筆
3。
日本衛生動物学会50周 年記念大会の支援
1)ワ ー クショップ方式 による一般講演の殺虫剤関連演題の取 りまとめ
2)写 真 を中心 とした展示会の開催 テ ー マ :「 日本の衛生害虫防除 ]
期 日 :1992年 4月 8日 ,9日 会場 :横 浜市開港記念開館 2F6号 室
「 しお り」の発行 第 59号 (12月 )第 60号 (93年 3月 )
指名委員の承認 :皆 川 (晴 )恵 子 (財 団法人 日本環境衛生センター )
4.収 支決算報告
1991年
度 (期 間 910326∼ 920325)
収
90年 度繰越金
年会費
禾J J息
91年 大
会会員外参加費
合 計
¥
¥
¥
¥
¥
334,586290,0005,25215,000644,838-
発送費
(92年 度 へ の繰越金 )
差 引残高
1992年
¥
8,039-
度 (期 間 920326∼ 930325)
出
636,799332,0007,633976,432-
(93年 度 へ の繰越 金 )
2
発送費
印刷費
イ等)
(コ ピ
¥ ¥
¥ ¥ ¥ ¥
91年 度繰越金
差 引残 高
8,039-
¥ 636,799-
収
年 会費
禾」 J息
合 計
¥
41,76028,750-
¥ 70,510¥ 905,922-
殺虫剤研究班愛知大会要 旨
忌避剤概論
武衛和雄 (大 阪製薬・
バイオサ イエ ンス研究所 )
1.忌 避剤
忌避剤 とは昆虫の負の走化性 を利用 し、昆虫 をその寄主か ら忌避 させる薬剤
をい う。忌避物質 には昆虫の嗅覚に感応 させるもの と、味覚に感応 させるもの
が知 られ ている。
忌避剤 として広 く実用 に供されているのは、蚊な どによる吸血か ら防護する
ことを目的 とした蚊 とり線香、蚊 とリマツ トなどのビレスロイ ド製剤 と、人の
身体 に直接処理 して吸血刺咬か ら守 るDeetで あろう。
忌避剤 の作用機構 については 、蚊 を用 いた触角の電気生理 学的研究 が行われ
、神経細胞 を刺激す ることによつて吸血誘 引の情報 を攪乱 させようというもの
で、Deetが 触角上 の嗅 覚子 に作用する とスパ イクが発生 し、情報が 中枢 に送 ら
れ る結果 、負の定位行動が生ずる 1)か 。
蚊 は空気 中の炭酸 ガス濃度の上昇 を感知 し、人体 に接近する。す る と人体か
ら発生す る暖 か く湿 つた対流の流れ にそつて体 に近づいてい く。 その とき、 リ
ペ レン トの分子が吸着力 によって蚊の湿度感覚器の穴 をふさいで しまうため、
蚊 は水蒸気 を感知する能力 を阻害 され 、人 に近づ くことができな くなる3)。
ピ レス ロイ ドに対する昆虫の忌避性 のメカニ ズムについては松永氏が報告さ
れ るので 、 ここでは省略する。
2.忌 避剤研究 の現 状
(1)合 成忌避剤
(表 1)
新 しい忌避剤開発のため 、これ まで彩 しい数 の化合物 について選抜試験 が行
われた 。 その結果 、効果や安全性 の点からDeet(1950年 に上 市 された )は
最 も理想的なもの とされ 、実用化されるに至 つた。
DEPAは イン ドで開発 され 、その効果 はDeetと 同等であ る4)。 Tabutrex,MGK
R-11,MGK R-326は 、主 としてサシバェなどに対す る家畜用の リペ レン トとし
て使用 され 、⊇―DichiOrObenzene,Naphthalene,Champhorは 衣類防虫用 として
古 くか ら需要 が多 き く、また、 ピレス ロイ ドEmpenthrinは その高 い蒸気圧 を応
用 し、衣類 防虫用 として使われて いる。
3
表 ユ
合成忌避剤
Deet(N,N― diethy卜
toluamide)
DMP (dimethyl phthalate)
「
DEPA(diethyl pheny卜 acetamide)
Tabutrex,Tabatrex(di―
rrbuthyl succinate)
2_buthylene)―
MGK R-11,レ
tetra一
ッパ ー 111[2,3,4,5-bis(Δ
hydrofurfural]
MGK R-326,
レッパ ー 338(di―
―
ρ DichlorObenzene
「
Naphthalene
Camphor
(2)天 然忌避 剤
prOpyl isocinchomeronate)
(表 2)
除 虫菊 の有効成 分 で あ る ピ レ トリンが蚊 やハ エ に対 し、す ぐれ た忌避 作 用の
あ る こ とは古 くか ら知 られ てお り、蚊 と り線香 へ の応 用 は長 い歴 史 をもつ 。
シ トロネラ油 は 、 イン ドで人 気 のある天然 の忌避 剤 で あ り、欧米 で も数 少 な
い 天 然物 のひ とつ として市 販 され て い る。 しか し、Deetに 比 べ る と効力 は劣 る
3)。
シ トロネラ油 の主 成 分 で あ るシ トロネラ ール は、サ シチ ョ ウバ ェ と蚊 に対
し、Deetと 同等 の効 力 が 認 め られ て い る 6.71。
ヨモ ギ の精油 の忌避 活性成 分 中、terpinen-4 olは DIPと 同等 の忌避 効力 の
8)。
あ る こ とが知 られ て い る
レモ ンユ ー カ リは蚊 に対 しす ぐれ た忌避 活性 のある こ とが知 られ 、 中国 では
quwenling"
“
の名称 で市 販 され て以来 、本製 品 が DMPと 大 き く入 れ替 つた と
い う こ とである 。活性成 分 と して2-menthane-3,8-diolが 単離 され た。 中国で
の 実 地 テ ス トによる と、 ヒ トス ジシマカ に対 し、 レモ ンユ ー カ リを20%含 有す
る アル コ ール液 では 3.3時 間 、 30%で は 5。 5時 間の持続 効果 を示 す 5)。
中国産 の野性 ハ ッカ 打entha hap」 οcaFyx か ら抽 出 した精 油 は 、種 々 の蚊 に
対 し忌 避 活性 の ある こ とが知 られ 、野 外 テ ス トにお い て 、 ヒ トス ジシマカ とネ
ッ タ イ イェ カ に対 し、4∼ 5時 間 の持続 性 が認 め られ た 5)。 日本 ハ ッカ とスペ ア
ミン トの精 油 は、チ ャバ ネ ゴ キプ リに対 し嗅覚忌避 活性 が認 め られ 、4%添 加 し
た 昇 華 製 剤 では、約 1か 月 間顕著 な忌避 効果 を示 した 9)。
eastern red cedar(シ ダ ー ウ ッ ド)は その芳香 が珍 重 が られ 、 また その香
気 は 衣類 防 虫 へ と利 用 され て い る。 シダ ー ウ ッ ドの削 り屑 は、チ ャバ ネ ゴ キブ
リに対 し忌避 効果 が あ り、 シ ダ ー ウ ッ ドのポ ー ドが屋 内の ゴ キ プ リの総 合防除
に利 用 で きるだ ろ う といわれ る 1° )。
中国 に 自生す る 例 aysetta齢理 sfensrs(ミ カ ン科 )の 葉 お よび茎 か ら抽 出
した精 油 は、蚊 に対 し忌 避 効 果 が認 め られ 、 その活性成 分 は 、 p― menthane-3,8
-diolの 異性体 で ある 5)。
表 2.
天然忌避剤
除虫菊 ―――― 力、ハ ェ
シ トロネラ油 ――― カ
セ イロンシ トロネラソウ (イ ネ科 )CyЛ bopttο コЛardus
ジヤバシ トロネラソウ
aw:nterranus
レモ ンユーカ リ油 (商 品名 :Quwenling)一 一― カ
河
βucaFyptus ttacu:ata crtrfο 」。
ゴキプ リ、カ
薄荷油
阿entha aryensfs prperascens(日 本ハ ッカ )
ガ.sprcata tenυ rs(ス ペ ァー ミン ト)
五 カapゴ οca′ yx
> ヵ
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ゴキブ リ、イガ
シダ ー ウッ ド (精 油 、ポ ー ド)
」unfperus yf〔患fЛ fana
garfs
Arte河
ヱ
1/」
―――――― 'sfa
σFausena たwangsfensfs
句
ラ
ン)
サ シチ ヨウバ ェ
σ」trus nedfca
ベ ネズ ェラでは、 リー シニマニア症 の媒介種サシチ ヨウバェの刺咬 防止 には
、 じftrus tteci'ca(ブ ッシュカ ン )の 葉 から拍出 した精油が、Deetや シ トロネ
ラ油 に比べ て効果が高 かつた と報告されている ユ1)。
3.忌 避剤の試験法
(1)
蚊
に対する効力試
蚊
験 は、実用上 か らもよ く検討されてい る。普通 に行われて
いる のは ヒ トの腕 を供試する方法で、一定量の薬剤 を手甲部や上腕 部 に塗布 ま
た はスプ レー し、蚊 (ア カ イェカ、 ヒ トスジシマカ、ネッタイシマカなど )を
入れた籠 の中に挿入 して、一定 時間内に吸血 した蚊の個体数 を数 える。 ヒ トの
かわ りに、マウス、ラッ ト、ウサギな どを供試で きる。
本試験 で問題 なのは、効果 に個人差が出ることで、試験例がある程度多 い方
がデ ー タの信頼性 が高 くなる。
(2) イェバェ
a.T型 嗅覚計 12)
供試薬剤 のアセ トン溶液 を濾紙 に吸着、乾燥後薬剤飽和瓶 に入れる。 イェバ
ェ20匹 を嗅覚計の投入 口に接続 させ 、臭 いの琉通 (流速 1800祀 /時 )開 始よ り
10分 後 にハ エ を反応 管に導入す る。 ハェの管内にお け る移動 が 、正常 な気流側
に入 つた数 と、検体の気流側 に入 つた数 とを、投入直後 よ り10分 間隔で 3回 観
5
察記録す る。
b.摂 食法 13)
ガ ラス円筒 (径 25、 高さ15om)の 試験 器 の中央 に、薬剤処理および無処理 の
濾紙 を配置 し、その上 に秤量 した乳糖ペ レツ トをのせる。上部の孔よ リイェバ
ェ 20匹 を放 ち、暗室 に保つ。20時 間後 にベ レツ トを取除き、消費量 をはかる。
c.嗅 覚試験 12)
30× 30× 25cllの 網籠の中に、誘引剤 としてイソプロピルアル コール 1%液 を
入れた捕 虫瓶 2個 を配置 し、この中に薬剤処理および無処理の濾紙 を瓶の内側
に貼 りつ ける。籠 の中にイェバェ 100匹 を放 ち、5-18時 間暴露後、各瓶 に捕獲
されたハ ェ個体数 を記録する。
(3) ゴキプ リ
a.摂 食法 14)
暗箱 (60× 30× 15clll)の 床面 に、濾紙 (処 理 および無処理紙 )を 同心 円上 に
3 cHlの 間隔で配置する。濾紙の中央 に砂糖 500Hを のせ、実験開始よ り20時 間
後 に砂 糖 を取 り除き、消費量 を計 る。
b.シ ェル ター法 15)
120× 120× 20clllの 容器 に、10clll角 のベニヤ板 を 3枚 重ねたシェル ター を、周
辺部 8か 所 に等 間隔に配置する。 その半数 に薬剤 を処理 し、潜伏 場所 として利
用 す るゴキプ リ数 を観察する。観察 は 4日 後、ベニヤ板 に潜伏 する数 を記録 し
、 これ を数 か月続 けて残効性 をみる。供試虫数 はチヤバ ネでは 1006、 100♀
、 クロで は306、 30♀ 、30ニ ンフが適 当。
c. Cholce box七 芸16)
明 (無 処理 区 )、 暗 (処 理 区 )2室 (1室 が15× 30cm)よ りなる試験 箱の仕
切 りに、径 10111111の 穴があけてあ り、放飼 したゴキプ リはこの穴 を通 して自由に
移動 できるようになって いる。 (図 1)
│
│
図 1.Choice box法 (Ebeling,1966)
6
無処理 区 (明 )の ポ ックスに水 と餌 を置 く。実験開始前 にチャバ ネゴキプ リ
を無処理 区に放す。観察 は毎 日14日 間継続 し、無処理 区 と処理 区に潜伏 してい
る個体数 を記録する。
d. Standing card 法 17)
20× 30× 20clnの 透明プラ容器 にチヤバネゴキプ リを2000匹 用意す る。 7.5×
12.5cmの カー ドに供試薬 剤 5g/100mlア セ トン溶液 に浸漬 し、一 晩乾操 させる
。翌朝 、カー ドを25度 の傾斜 をもたせて容器 にたてかける。1時 間後 に、カー
ドに這いあがつている個体数 を記録する。 1回 の実験 に、無処理 区 1、 処理 区
4ま で可能。
18)に よれば、ゴキブ
林ら
リの試験 方法間の差異 を比較検討 した ところ、力
価 に差異 が認め られ ることから、厳 しい評価の出る方法で試験 することが、よ
い忌避剤 の開発 を助長す ることになるだろうと記 して い る。
(4)屋
内塵 ダニ 19)
濾紙 の一点 に、侠試薬 剤 のアセ トン希釈液 5011を 滴下 し、風乾後、ゴキブ リ
用粘着 シー トに設置す る。ダニ の餌 (エ ビオス :粉 末飼料 =1:1)約 10mgを
、薬剤処理部分の上 (強 制法 )ま たは無処理部分 (非 強制法 )に お く。供試 ダ
ニ20頭 を濾紙上 に接 種 し、48時 間後 にダこの位置 を記録する。
実験 によると、ビレス ロイ ドではダニが濾紙の周辺の粘着 シー トに多 く付着
する ことから、忌進効果 によるもの と考 えた。
文
献
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4 ) Curtis,C.F。 (1992) : Personal protection methods against vectOrs
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5 ) Curtis,C.Foet al。 (1990) : Natural and synthetic repellents〈 In
Appropriate technO10gy in vectOr control,Ed.,C.Fo curtis,pp.233,
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inst Latzο ttyfa FOngrpaFprs. 」.М ed.Ent.,19,276-280
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sentative mOsquitoes to repellents. 」.М ed.Ent.,20,506。
8 ) Hwang,Yo S.et al。
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repellents in Artettfsfa yuヱ garFs. 」。Chem.Ecol.,11,1297-1306.
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'ca
g:コ osa.:戻 セ
and PerfpFaneta Fロ ゴゴ
所
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le) 手 耳 (1988) : 殺三澱手荒乏のしおり54号 ,12-14.
.
=二
8
ピ
レ
ス
コ
ィ
ド て
つ 秀ま 遇 辛 ′
1生
松 永 忠 功 (住 友 化 学 工 業 (株 )宝 塚 総 研 )
1.ビ
レス ロ イ ド剤 の 忌 避 効 果 に つ い て の 報 告 例
ピ レス ロ イ ド斉1は 、 衛 生 害 虫 ・ 展 業 害 虫 ・ ミ ツ パ チ ,シ ロ ア リ
等種 々の昆 虫 に
副 次 的 作 用 と して 忌 避 作 痛 を有 す る こ とが 彗 告 さ れ て い る (表 1)。
その内容 を
以 下 に 要 約 す る 。 ベ ル メ トリ ン に 莫 斉1耐 性 とな っ た ノ サ シパ ニ (オ εθ
うた
「 =tο
デ′′デと2η s)の 行 動 を感 受 性 采 続 と比 較 し た結 果 、 ベ ル メ ト リ ン
塗 布 百 へ の休 止 行
動 が 著 し く減 少 した こ とが 分 か っ た 。 cuiseRbe「 Fyら
(1984)は
、 こ tr7ノ サ シバ ニ
は ベ ル メ トリ ン を珂 激 佑 賃 と して 怒 舞 して お り、 ベ ル メ ト リ ンの
作 斥 を i「 Fitan
cy/「 epe H encyと 定 義 して い る。 植 物 表 面 に
残 留 して い る ベ ル メ ト リ ン は 、 花 粉 や
蜜 を採 集 す る ミツパ テ
(メ ガ
s βθゴ打 デθ貶 )の 停 留 を阻 害 す る。 たtkins(1981),
Piethら
(1988)1ま repellencyの 作 用 で あ る と述 べ て い る。 Buesche「 ら (1987)は
マダニ
(θ r河 デt力 ο」οFθ S
ρ斜サθ声 )、
す シガ メ
s)で
河デどs,「 οノカ ど
(′ 力οど
ベルメ ト
リ ン を忌 避 剤 デ ィー トと 比 較 し た と こ ろ ベ ル メ トリ ン の 方 が
忌 達 活 性 が 高 い と述
べ て お り、 ま たSuら (1990)は ベ ル メ トリ ン
を含 む 9種 類 の ビ レス ロ イ ド斉1を シ
ロ ア リ (♂ .デ θr″ οsど ,ys,′ θした yノ デιg′ 〃θs Fノ βyデ θs)に
試 験 を行 い 、 ビ レ ス ロ イ ド
ρ
剤 処 理 土 壌 は 転 道 構 築 を 妨 げ ろ作 用 が あ る こ と を 示 して い る が 、 い ず れ も接
触忌
避 作 用 (contact― epellency)と 論 じて ぃ る。
「
蚊 に 対 す る ビ レス ロ イ ド剤 の 忌 避 作 用 の 報 告 例 は と りわ け て 豊 富 で あ る
。
Chadwick(1975)は
ビ レ ス ロ イ ド剤 含 有 蚊 取 線 者 の 効 能 に つ い て 分 析 し て い る
(表 2)。 殺 虫 活 性 の 発 現 で あ る ノ ッ ク ダ ウ ン 為 よ び 致 死 に 至 る 前 段 で
階 、蚊 の
室 内 へ の侵 入 回 避 、 室 外 へ の放 逐 、 吸 血 行 動 の 阻 害 と い っ た行
動 を投 乱 ・ 阻 害 す
る作 用 が あ り、 こ れ らは ビ レス ロ イ ド剤 の 忌 避 性 に よ る も の で
あ る と して い る。
2,電
気 的測 定 法 に よ るネ ッタ ィ シ マ カ吸血 阻 害 の調 査
EMIP(昆
虫 吸 汁 行 動 電 気 的 測 定 法 )は ア プ ラ ム シ ・ ヨ コバ ィ ・ ゥ ン カ の 植
物 の 吸 汁 行 動 研 究 に 開 発 さ れ た 手 法 で あ る (HcLean and Kinsey(1969),河 部 ら
(1
980))。
こ れ を ネ ッ タ イ シマ カ の 人 体 吸 血 の 調 査 に 応 用 し た 。 蚊 の 口 器 と皮
膚 と
の 間 の 接 触 状 態 の 変 化 を 一 つ の 可 変 抵 抗 器 に 見 立 て て 電 流 変 動 を測
定 す る と、
吸 血 行 動 の 詳 細 (図
1)を
定 量 的 に 把 握 す る こ とが で き る 。 デ ィー ト、 プ ラ レ ト
リ ン (ビ レス ロ イ ド芦1)の エ タ ノ ー ル 液 を 前 腕 部 に 塗 布 し、 強 制
接 触 させ て 比 較
し た。 薬 剤 濃 度 を
10μ g/c m2か
ら濃 度 を 下 げ て ゆ く と、 口 針 を 刺 入 す る個 体 、
吸 血 す る値 体 が 出 妻 す る。 デ ィー トで は 、 一 旦 口 針 を刺 入 し た 催 体 は 吸 血 ま で 完
了 す る 。 一 方 ブ ラ レ トリ ン で は 、 □ 針 を刺 ラ、し た 値 体 で 吸 生 を完 了 す る こ と な く
造 中 で 逃 進 行 効 を 示 す に 体 が 多 い (衰
3)c行
動 時 間 で そ の お 客 を 比 ぺ る と、 デ
イー トで は 亘 針 珂 ラ、に 至 る ま で の F寺 匿 、 吸 止 停 勢 保 持 B寺
店 (巨 針 を戸Ⅲラ、して い ろ
E幸
店 )、
口 針 珂 ラ、か ら吸 二 す ろ ま で の 寺 店 、 吸 生 して い る
時 店、 吸ニ ボ ン ブ作 封
眉 渡 象 (籍 穴 ● 豪 きぅ iま 妄 烹 条 処 瑾 と差 が な い 。 一 方 ブ テ レ トリ ン で
保 持 時 間 が 短 縮 さ れ て い る。
O.o78μ
g/cm?の
は 三 っ た もの の 吸 血 を 中 断 し た こ と に よ る (妥
浅 Eて
│ま
(ま
吸二仁勢
、 吸 止 開始 に まで
4)。 ビ レス ロ ィ ドで 1ま 歳 が 接 舷
して か ら吸 二 行 動 を ■ 野 して 逃 進 行 動 に 移 る ま で の 時 tま
店 漫 夏 に 反 比 例 す る (区
2)。
な お 他 の ビ レス
8)c
こ の よ う に L弓 ら か に デ ィー ト と ビ レス コ イ ド斉1で は
忌追 性 発寝 のメ 方ニ ズ
=ィ ド烹 で も 活 性 の と 夢 iま あ る が E様 の 麦 安 を 生 ず る (区
ム は 異 な り、 ビ レス ロ ィ ド斉!て は 接 触 に よ る抹
濃 神 経 系 へ の 蓄 積 か ら刺 激 作 用 に
よ つ て 忌 避 性 が 発 現 す る の で あ ろ う。
3.ビ
レ ス ロ イ ド斉1の ネ ッ タ ィ シ マ カ 化 学 感
覚 毛 に対 す る作 用
皮 膚 に と ま っ た と き接 触 す る の は 足 肢 て と りわ け ta「 siが 密 着 す る。 taFSuSに
は
々
の 抹 消 神 経 が 分 布 して い る が 、 薬 斉1が 虫 体 に 最 も早 く侵 入 で
種
きるの は形 態 的
に み て 孔 口 を有 す る 化 学 感 覚 毛 (味 覚 器 )で
あ ろ う。 ネ ッ タ イ シマ カ 雌 成 虫 の
tarsusに お け る 化 学 感 覚 毛 の 分 布 は 前 肢 ・ 中 肢 の 第
(図
「
4)。
4、
第 5 tarsonereに 集 中 す る
この化 学 感 覚 毛 に対 す る プ ラ レ トリ ンの生 理 的
作 用 に つ い て 、 tip―
ecording法 を応 用 し電 気 生 理 学 的 に 調 査 を 行 っ た (図 5)。
塩 化 ナ トリ ウ ム 、 シ
ュ ク ロー ス に は水 溶 液 モ ル 濃 度
0,01∼
o.1以
上 で ス パ イ ク が 発 生 す る。 電
解 質 お よ び 刺 激 物 質 と して 塩 化 ナ ト リ ウ ム を 脱 イ オ ン 水 に 溶 解 させ
10
o.lM水
湾
液 と し、 さ ら に プ ラ レ トリ ンの エ タ ノ ー ル 液 を添 加 して ブ ラ レ トリ ン
10‐ 4Mの 所 定 濃 度 に 調 節
し、 こ の 溶 液 を ガ ラ ス 微 小 電 極 に 充 填 し た 。 化 学 感 覚
毛 一 本 ず つ に か ボ せ て ス パ ィ ク の 発 生 を調 べ た 。 lo
化 ナ トリ ウム
O.lM、
は 著 し く減 少 し た (図
復 して 出 現 し、 接 触 後
10 7∼
。 Mで
は コ ン トロ ー ル (塩
2%(V/V)の 水 捨 液 )と 比 較 して ス バ イ ク 頻 度
lMで
6)。 lo‐
は振 幅 の 小 さ い 短 連 の 異 常 ス パ イ ク が 反
ェ タ ノー ル
10秒 後 か ら振 幅 の 大 き な ス バ ィ ク の 連 鎖 が 出 現 し た
(図
7)。 後 者 す な わ ち 振 に の 大 きな ス パ イ ク の 違 鉄 は 、 ビ レ ス コ イ ド斉1の 梓 経 駐
索
Naチ
ャ ネ ル 閉 口 抑 制 に よ っ て 生 ず る 活 動 電 位 反 復 身寸出 に ネ
E当 す る も の で あ ろ う。
前 者 す な わ ち 摂 │こ の 小 さ い 短 違 の 異 常 ス パ イ ク は 化 学 感
覚 毛 の よ り先 靖 の 岳 状 笑
起 t感 覚 経 施 の 部 位 へ の 作 馬 て 生 じ た 妻 象 で 、 こ れ が 忌
進 行 動 と度 達 す る も の と
推 定 され た (追 三 司 敏 翡 、 1998)。
ま と め と考 察
ネ ッ タ ィ シ マ カ が ビ レ ス コ ィ ド芦1を 堂 布 した Eに
と ま っ た時 の接 と 忌 達 性 に
を技 っ て 講 べ た が 、 主 体 全 体 に な 友 して 考 え て み る と、
化 ■ 感 覚 毛 1ま anteRRa,
=i
Palp,probcscisi ta「 sus t分 布 し、 忌 達 佳 発 現 の 一 次 作 用 さ 仁 tま 立 FSuSに
眼 定 され
る も の で は な い (区
8)cビ
レス ロ イ ド斉‖含 有 蚊 取 線 者 の 忌 避 作 用 は 、 ビ レス ロ
イ ド斉」が 姪 と と も に 空 間 を浮 遊 す る と き に 蚊 の
化 学 感 覚 華 に付 着 す る こ と に よ っ
て 生 ず る作 馬 で は な い だ ろ う か 。
忌 避 斉!デ ィー トは 、 蚊 に 本 来 傭 わ っ た 嗅 覚 接 能 、 具 体 的 に は
と 角 に分 布 す る嗅
覚 子 を 通 じて 作 用 す る (Mclve「 (1981),Davis(1985))。
神 経 系 に 作 用 す る ビ レス
ロ イ ド剤 で は 、 ノ ッ ク ダ ゥ ン や
致 死 が 生 ず る 薬 剤 取 り込 み 量 以 下 の 亜 致 死 薬 量
(sublethal dose)に お い て 副 次 的 に 発 現 す る 行 動 投 乱 ・ 阻 害 の 作 用 で
あ ろ う。 発
現 メ カニ ズ ム は異 な るが、 行 動 観 察 か らは結 果 的 に
忌 避 作 用 と して 観 察 さ れ る
(図
9)。
参考文献
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表
1.
ピ レ ス ロ イ ド剤 の 忌 避 作 用 報 告 例
板生吾虫〕
〔
人体吸血
ダニ、サ シガメ、力、ノミ、サシチ ョウバエ
ツェツエバエ
節
イガ、カッォブシムシ
Antifeedant
その他
ショウジョウパエ
ノサンパエ
Antifeedant
Repellent/
1rritant
〔
盛 虫〕
ワアミアウムシ
ハ/ニ
表
郭
難
学
虹
Repellent
Repellent/
LoconotOry
ミツバチ
Repellent
シロアリ
Contact―
repellent
2.
妓 に 対 す る作 戸 の 分 類
口と
=
・
=
(Deterr
eacyお
(ExP=!
ency)
(】
rjt e r
hostBi■
e
,
Repellency
indins i
nhibition)
‡P.R
探 り針 行 動
↓
吸血体勢
日針剌入
↓
唾液分泌
↓
毛細血 管探 索
唾液分泌
↓
吸血
唾 液分 泌
↓
日 針 を 引 き抜 き吸 血 終 了
図
Repellent
1,蚊
の吸血行 動
14
Chadwick 1975
表
3
前腕 部 莫 剤 塗 布 時 の ネ ッ タ ィ シマ カ吸 血 率
Compound
Dosc(μ g/口 り
No.
Tri31S事
5. 0
Pr311cthrin
-
―
1 3
2 5
0
33
■
(0)
(0)■ ■
DccL
42
50
(0) (17)
83
(67)
91
(38)
■ ; キ
%% 4
Bit´
ing attitudc
rccding)
)Iood
【
Fcmと lcs/し rial
吸止 行 動 詳 経 の 比 較
S
,⇔
SIcoc reedins(sec l
S
Freqピ encⅢ Of
R:::古
8
み
10
i
百iを :cbfと ::ins(se∝
一一 一一 一一
一一
10
Eitins attitude(sec )2)
cle e t
(2 5 5 0μ
N
1´ 0 一
う 0 〓
フ
r
e ︵0
X=SE
ド
aase tine(sec_)と
‘t μ
Item
こ
!「 τ
き
0. 16 0 078
0
25
50
100
(o) (25) (50) (100)
Control
表 4。
0_63 0 3】
g/=)
X=SE
25= S
3 250=6テ
ε
ら
e3=45
ε 二【ら=35
3
9 0=O_,
ins(tines/sec )1)
I HisII,sigailic3atlP(001),in cOa,こ ri`oo vitЬ tbe control b,han― Th itne,.=U一 Teit
霰愚
ll:i::写 与
三:;:孝
:g:ξ :二 :ヨ 岳
)
100
O Bitins attitude
︵∽ ﹁
ど
reeding
o υ o イ︶ 幽〓 F ″
0 076
図
2
0 31
DOSE(ノ οJ
μ g/♂
)
ブ ラ レ ト リ ン塗 布 時 の 吸 血 行 動 時 間 の 変 化
15
匿
FE
霞 τ 笞 呈 B″
︼ 図
薫│:十 二十
二十
3.
各 種 ピ レス コ ィ ド剤 の 吸 血 阻 害
0 0
123■
5
1
2
今
:
3
4
5
M● solhOrdc c I● sus
「
● ―― ● おオらの買夜 ti,8,,
0‐ ・・
0
こ
."3:`I『 , の中件 11962'
ネ ッ タ ィ シ マ カ の tarsusに お け る化 学 感
覚 毛 の分 布
16
Thorax
1 3rsuS
(■ e ecirOlyte)
1= :Incirfe「 eni elect「 oce
RE:Recorolng etectrOde
Tip― recording法
図 5。
ContrOI
中
Pra‖ ethrin司 0 フ
エ
ト
M
i―
>F一劇
Pralleth rin l o CM
刊.5 sec
Prallethrln was dissOived in aq sOlutiOn cOmpOsed of NaC1 0 1 M
and EtOH 2%(v/v〉
図
6,
プ ラ レ トリ ンの 化 学 感 覚 毛 に対 す る生 理 的 作 用 ― ユ
Pra‖ ethrin l o ・
―
幕 η
M
_
ぃ 単 ぃ
_… ____外
∼― 一 学
2 S sec
剖胡 ヶ
a A sho「
1 lrain Of spikes
b Repetitive discharges of iarge almplitude
図
7.
プ ラ レ トリ ンの 化 学 感 覚 毛 に 対 す る生 理
的作 用 ― 2
17
角虫メ考
(Antenaa)
化 学 感 覚 器 の存 在 部 位
図 9.
ピ レス ロ イ ド剤 とデ ィー ト忌 避 性 の 比 較
18
蚊
お
{よ び
ユ
ス
音
の
利
リ
用
カ
と
美頁 駆
導
展
聖 マ リア ンナ 医 科 大 学
除
―
の
小川 賢一
蚊 や ユ ス リ カ な ど の 衛 生 昆 虫 駆 除 ほ 穀 虫 剤 が 主 役 で あ る。 し
か し、 殺 虫 剤 の 多 用 に よ り こ れ ら の 昆 虫 に 毅 虫 剤 抵 抗 性 や 耐 性
が 生 した り、 環 境 生 慈 系 へ の 悪 影 響 幸 の 問 題 が 生 し て い る。 こ
れ に 対 応 す る た め、 行 生 昆 虫 駆 除 に 発 想 を 異 に し た 考 た な 辱
E除
法 を 構 築 す る 必 要 が あ る と 痛 感 し て い る。
昆 虫 穎 は 両 種 あ る い は 異 種 間 で 音 に よ る コ ミ ュ ニ 宏 ― シ ョン
を 少 な か ら ず 行 な っ て い る と 考 え られ る。 敏 や ユ ス リ カ に お い
て も sド a「 皿ingし て い る 雄 が 同 種 の 畦 の 羽 音 を 感 知 して 雄 に 誘 引
さ れ る よ う に、 配 偶 行 動 の 過 程 で 羽 音 が 重 要 な 役 割 を 果 た して
い る。 こ の 推 の 音 響 行 動 の 特 性 を 駆 除 に 利 月 す る た め 、 音 響 ト
ラ ッ プ を 考 案 ・ 作 製 し て、 差 が 応 答 ・ 誘 引 さ れ る 属 演 勲 の 音 響
を こ の 音 響 ト ラ ッ プ か ら 発 信 す る こ と で、 大 量 の 差 を 誘 引 ・ 捕
獲 す る 試 み が 近 年 行 な わ れ て い る。 そ の 具 体 的 事 例 と し て、 マ
レ ー シ ア に お け る マ レ ー フ ィ ラ リ ア の 媒 介 蚊 MansOnia属 、 日本
お よ び タ イ に お け る 日 本 脳 炎 媒 介 蚊 Culex tritaehiorhwnchus
の 雄 を音 響 と動 物 臭 お よび 炭 酸 ガ ス の 併 用 に よ っ て 大 量 に補 獲
す る 野 外 実 験 が 挙 げ られ る。 ま た、 雄 蚊 の 大 量 捕 獲 だ け で は 次
世 代 以 降 へ の 個 44群 密 度 へ の 影 響 が 少 な い と い う 欠 点 が あ る が、
ト ラ ップ を 改 良 す る こ と に よ っ て 雄 蚊 だ け で な く 畦 蚊 も大 量 に
捕 獲 で き る よ う に な っ た。 一 方、 化 学 不 妊 剤 と音 響 ト ラ ッ プ と
の 組 み 合 わ せ、 す な わ ち ト ラ ッ プ に 塗 っ た 化 学 不 妊 剤 に 音 響 に
誘 引 さ れ た 雄 蚊 が 接 触 し た の ち、 野 外 の 健 全 な 雌 と 交 尾 す る と、
交 尾 雌 が 化 学 不 妊 剤 で 不 妊 化 さ れ る た め、 産 下 さ れ た 卵 の 孵 化
率 が 低 下 す る 結 果、 次 世 代 の 個 体 群 密 度 が 減 少 す る こ と を 明 ら
か に した 室 内 お よ び 野 外 実 験 が 報 告 さ れ て い る。 こ れ は 既 述 の
19
欠 点 を 補 うた め 誘 引 音 と 音 以 外 の 駆 除 法 を 組 み 合 わ せ た 応 用 例
と し て 興 味 深 く、 よ リ ー 層 の 研 究 が 望 ま れ る。 化 学 不 妊 剤 の 書
わ り に 殺 虫 剤 を 利 用 す れ ば、 殺 虫 剤 の 使 用 量 を 減 ら せ る と も に
使 用 範 囲 を 極 め て 限 定 す る こ と が で き る た め、 環 境 生 態 系 へ の
悪 影 響 を 軽 減 す る こ と が 可 能 と 思 わ れ る。
ユ ス リカ 類 昆 虫 は 大 量 発 生 す る こ と か ら不
快 昆 虫 と して だ け
で な く、 ュ ス リ カ ア レ ア
レギ ー ■)抗 原 と な つ て い る。 そ の 対 策 と
し て 抗 原 の 回 避 あ る い は 除 芸 ほ 重 要 な 苛 乗 で あ る. そ こ で、
大
気 中 へ の コ_ス リ カ 抗 原 の 飛 散 を て き る だ け 抑 え る た め 、 羽 │と し
た ユ ス リカ 差 成 虫 を 誘 引 音 に よ っ て 音 響 トラ ップ で 誘 引 し大 量
捕 獲 す る た め の 野 外 実 験 が 行 な わ れ 、 有 望 な 成 果 を 挙 げ て ャ1る 。
以 上 述 べ た 疾 席 学 介 蠍 や ユ ス リ カ 蠣 に お i■ る 誘 引 音 の 千!罵 を
合 め て、 将 来 、 衛 生 昆 虫 駆 除 分 野 に 種 て の 音 の 導 ア、と 実 用 化 が
考 え ら れ るこ す な わ ち、 e議 51音 C忌 達 音 C,交 信 投 看と音 C殺 虫
・発 育 阻 止 音 等 の 音 の 利 用 が
可 能 で あ る( 誘 引 音 は 大 量 誘 引 指
凄 ん る い は 殺 虫 剤 や 化 学 不 モ ■ な ど と の 併 月 だ iす で な く、 ブ、匹
法 に 著 わ る マ ラ リア 埠 介 敏 の 発 生 消 長 の モ ニ タ リ ン グ に 利 罵 で
き、 従 事 者 が マ ラ リ ア 感 染 の 危 険 か ら 回 避 で き る た め 有 用
佳が
高 い。 他 の 音 に つ い て は 現 在 の と こ ろ 研 究 例 や 報 告 例 に 乏 し い
。
し か し、 昆 虫 行 動 学 あ る しヽは 音 響 生 理 学 、 音 響 生 態 学 と い っ
た
分 野 の 研 究 が 未 開 拓 で あ る 現 在、 こ れ ら の 研 究 が 進 展 す る の に
伴 な っ て、 衛 生 昆 虫 駆 除 へ の 音 の 利 用 も 併 せ て 発 展 す る も の と
確 信 し て い る。 そ の 一 方 で 、 こ れ ら の 音 の 多 用 に よ っ て 音 に 非
感 受 性 の 系 続 を 選 抜 す る 危 険 性 が あ り、 殺 虫 剤 と 同 じ 道 を 歩 ま
な い よ う 十 分 な 注 意 が 必 要 で あ る。
20
試
験
法
、 評
ィ山 法
に 関
す
る
F「
ag題 点
1.蚊
(財 )日 本環境衛生セ ンター
環境生物部
水谷
澄
蚊 を対象 とした忌 避試験 は、基礎効力試 験 と実地効力試験 に分 け られる。
誘引源 は従来 か らポ ランテ イアの腕や脚 を用 い てきたが、基礎試験 ではマウス
で代用す る こ とも出来 る。
試験法 の概路 を以下 に示す 。
1-1
基礎 効力試験
1-1-1
人 の腕 を誘 引源 とす る試験
袖 日のつ いた金網 カ ゴ を 5∼ 6信 用意 して、 この中に ヒ トス ジシマカ又はア
カ イェカ畦成 虫 を50頭 程放す。供試薬剤 を一 方の腕 の前膊部 に処窪 し、 (0。 5∼
2ml)も う一 方の腕 は無処 理 とす る。薬剤処 理後 、所定時間毎 に (例 処理直後
2、
4、
6、
8時 間後 )ヤ ブカ対象の場合 は 5分 間、 イェカ対象 の場合 は 15
∼ 30分 間程度 それ ぞれ のカゴ に腕 を挿入 し、刺 咬数 を記録す る。ヤブカ対象
の場合 は露 出部分 を限定 した方が よ い。
金網 カ ゴの替 わ りに、直径 5∼ 6 cHl、 長 さ 1
5 clll程
のガラス リングに、ヒ ト
スジシマカ雌成 虫 を 15頭 程度入れて、両面 をガ ー ゼ と輪 ゴムで留 めたものを
必要数 用意 してお き 、薬剤処理後所定時 間毎 に 、 これ を肌 に 5∼
10分 間密着
させて刺咬数 を記録す る方 法 もある。 この場 合 も常 に無処理 区 を置 く。
なお、アカ イェ カ を使用す る場合 、昼 間は吸血 率 が低 い ので夜間行 うこと。
またポ ランテ イアは少 な くとも 3人 必要 である。
効果判 定 は処理 区 と無処 理 区の刺咬数 の相対比 較 で行 い 、忌避指数 を計算す
る。 評 価 の 目安 は無処 理 区 と比 較 して少 な くとも 6時 間程 度差 のある効力 を有
す るこ とが望 まれ る。
deetを
2∼
3%以 上含む供試薬剤 に触れた蚊は、中毒作用のためノック
ダウンした り致死することがあるので、供試虫は常 に健全 なもの を使用する様
注意すること。
21
1-1-2
マ ウス を誘引源 とす る試験
人 の腕 の替 わ りに金 網 で固定 したマ ウス を使 用す る。供試薬剤 の0.5∼ 1祀 を
、 クロマ トグラフ用 噴霧器等で20cln程 離れた ところか ら均 ― に噴霧処理 する。
これ を供試虫 (ア カ イェカ雌成 虫 )を 用意 したカゴ に いれ て、時間経過 にと
もな う′
吸 血 蚊数 をカ ゴ を通 して視 察記録する。 最終観察時 (20又 は40時 間後 )
に供 試虫 を殺 して吸 血 数 又 は率 を観察 す る。無処理 区 と比較 して忌 避指数 を求
める。
評価の 目安 として 、無処理 区 と比 較 して少 な くとも20時 間程度差のある効力
を有する ことが必 要 である。
1-2
実地 効力試験
片腕 又 は片脚 に忌 避剤 を処理 して、 (腕 に 1祀 、脚 には 2 nE程 度処理 )も う
一 方の腕 と脚 は無 処理 とす る。ヤブカ類 等 が多数 生息 している野外 で両 手、両
脚 を露 出 して吸血 に くる蚊 を待 つ 。蚊 が係留 して吸血 を開始 した ら吸虫管 に吸
取 るか 、たた いて殺 し、その数 を腕 と脚 、処理 区無処理 区に分 けて記録する。
処理 直後 ∼ 1時 間 、 3∼ 4時 間 、 5∼ 6時 間 、必要 な ら 7∼ 8時 間後 に試験
を行 う。 10人 程度 の総 計値 か ら忌避指数 を求 め、 この結果 か ら供 試薬剤の効
力や持続性 を検討す る。
評価 の 目安 は、無処 理 区 と比 較 して 少 な くとも 6時 間程 度差 のある効力 を有
す る ことが必 要 である。
1-3
試験例 解説
上 述 した方法 で試験 した例 を下 記 に示 す。
試験例 1は ガ ラス リングに供試虫 を12頭 ず つ 入れ 、対 照 区 と処 理 区に筒先 を
押 し当てて 5分 間 自由 に吸 血 させた結果 である。
供試薬剤 は市販 され て い る製剤 とほぼ近似 した処 方であ る。
時間経過 に伴 い処理 区の吸血率 が上 昇 して い き、 6時 間後 には忌避指数が50
%以 下 となった。 この辺 までは明 らかに対照 区 と差 が 出て い るが 、それ以降効
果 はさ らに低減す る。
試験例 2は アカ イェ カ を入れた ケ ー ジ内に検体 を処理 、 また は無処 理 のマウ
ス を用 いた試験 である。 Deetを 含む製剤 の場 合 、処理後 20時 間 まではほ とん ど
吸血 しない。 この例 では同 時 に行 つたオ クタンジオール の効力 は低 い といえる。
22
試験例
1
基礎効力試験 (ガ ラス リング法 )
吸血 源 人の腕
供試薬剤 Deet8χ アルコ劫液
ヒ トスジシマカ
供試虫
処 理 後 (時 間 )
4
2
金〇 一Э 4
6
1▲
21
一う
2
薬量
8
5
注 )表 中の数字 は吸血 数
48。
8
処理
7
2
80。
対照
2
11
26
1 ﹁ 一
9
1
4
処理
6
100
試験 例
対照
9
=エ
51
忌避指数
処理
1 一 9 ︺
O O O O
7
M.A.
T.I.
M.K.
対照
9 1 9 9
処理
8
9 包 司 ょ っ れ 一Э
対照
8
被験者
6
28.6
3
1祀 /上 膊部
基 礎 効 力 試 験 (ケ ー ジ法
)
吸血源
マ ウス
供試 虫
アカ イェカ
処 理 後 (時 間 )
2
供試薬剤
4
15
製剤 T‡
0
(100)
0
(100)
製剤 S=
ール
2χ オ
クタンジオ
0
(100)
0
(100)
対
2.6(84.2)
16.5
照
23.5(46.7)
0 (100)
28.7(53.9)
1.1 (98.5)
0
(100)
50.4 (32.3)
44.ユ
62.2
74.5
注 )表 中左側数 字 は吸 血 率 、
薬量
(
)内
0
の数字 は忌避 指数 を示す。
金網 に固定 したマ ウス に 1祀 処理
23
(100)
*有 効成分
Deet
試験例 8
基礎 効力試験 (ケ ー ジ法 )
吸血 源 マウス 供試 虫
アカ イェ カ
処 理 後 (時 間 )
4
供試薬剤
5%シ ト
ロ
オイ
ル
ネラ
0 (100)
20%ン ト
ロ
オイ
ル
ネラ
対
7.4(79.4) 18.5(53.8)35.2(37.1)
0 (100)
3.7(89.7) 13.0(67.5) 33.3(40.5)
36.0
注 )表 中の数 字 は左 偵1が 吸 血 数
試験例 4
20
3.7(84.6)
24.0
8.0
照
7
40.0
56.0
)内 は忌 避指数 を示 す
(
実地 効力試験 (吸 血 飛来数 と忌避指数 )
供試薬剤 Deet10%含 穣猟
直後 ∼ 1時 間
被験
者
T
U
6∼ 7時 間
T U l時
3∼ 4時 間
T
U
平 均 飛来数
A B C D E F G H I J
年令
性別
54
M‡
5
31
8
33
18
45
23.3
54
Mエ
4
67
2
20
3
41
22.8
29
F
2
13
0
5
0
8
25
M=
2
33
11
29
18.7
F
0
34
42
3
25
0
5
2
15
21.3
24
M
M
M
M
M
0
5
5
14
6
15
15.0
0
28
1
17
2
35
27.7
0
10
1
12
3
11
12.3
1
7
4
16
7
24
19.7
0
12
0
12
7
11
14.0
14
249
94.4
24
167
59
46
45
55
47
Total
忌避 指数
注 )処 理 部 位 は下 肢 部 2祀
85.6
234
間
9。
(9。
3
3-27.7)
74.8
*2試 験 の合 計 飛 来数 Tは 埋 区 Uは 湘区
24
試験例 3も 同 じ方法で行 つた シ トロネラオ イル の結果 である。本剤 は対 照区
とは差 があるものの本質的な忌避効力 は高 くな い のがわかる。
試験法 4は 被験者
10人 で行 つた実地試験結果 である。時 間の経過 に伴 い効
力 は低減す るが、そのス ピー ドは緩 やかで良好 な成績 を示 して いる。
被験者 へ の平均 飛来数 は実施場所 の蚊 の密 度 によるが 、被験者一 人 当 りの飛
来数 に個体差 が生 じる。 この例 では最小
9,3、
最大 27.7で 3倍 の開きに留 まっ
て い るが、10倍 以上 の開 きが生 じるこ とも珍 しくない。蚊 に好 かれ る人、嫌 ら
われ る人 は常 に明確 な数 字 で示 され る。
以上 をまとめて、忌避 効力試験各方法 を項 目別 に比較検 討 したのが、表 1で
ある。
表 ユ
項
目
忌避 効力試験法 ま とめ
基礎効力試験
ガ ラス リン グ法
ケ ー ジ法
・
人 の腕 脚
マ ウス
人 の腕
供試種 (競 笹)
ヒト
スジンマカ
供試虫数 目安
15頂 /リ ン
グ
ヒト
スジシマカ
30頭 /ケ ー
ジ
被験数
8例 以上
8時 間
8例 以上
8時 間
5∼ 10分
3∼ 5分
試験時間
1回 の吸血 時間
観 察 方法
肌 の腫張数
吸 血 嗜好性
個体 差 あ り
供試 虫の保持
問題 な し
人 との感 受性差
同左
アカイエカ
50頭 /ケ ージ
ノ、の腕 ・脚
野外生息種
2例 で可
6例 以上
20∼ 72時 間 ′8時 間
継続
吸 血 蚊数
個体差 あ り 個体差 少
悪い
良い
なし
実地効力試験
なし
あり
60分 以内
係留数
あり
なし
効力 の 目安
対照 区 との差
その他
4∼ 6時 間要
4∼ 6時 間要 20時
露出
部分(20d程 度)以 外は覆う
間要
6時 間要
る日
は試
風のあ
験不可
以
25
上