オリジナルロボットの外装の作り方

オリジナルロボットの外装の作り方
製 作
第3回
オリジナルロボットの外装の作り方
製 作
第3 回
こんにちは、大日本技研の田中です。
外装製作の記事を、との依頼を受けまして、現在製作中の KHR-1/2HV 用の
外装「TRIDENT」の製作過程を書いていきたいと思います。
田中 誠二(株式会社大日本技研 代表取締役)
今回は、こういった複雑な部品を削るた
進捗状況
めの 2 面削りの方法を紹介します。
この原稿を書いている時点での製作状況
は、写真 1 の通りです。
まず、話を単純にするために、球を削り
出すケースを考えてみましょう。モデリン
まだ 7 合目あたりでしょうか。
写真 1
グした球をモデラ MDX-40 で削ってみま
す(画面 1、2、写真 3)
。
写真 4
それでは、モデラで球を削るには、どう
したらよいのでしょうか ?
まず、ロボマガ No.51 の前編(第 1 回)
で紹介した、中空モデルの作り方を応用す
画面 1
る方法が考えられます。上からでは削れな
い、球の下半分をスタイロフォームに削
企画当初は、3 ミリ厚のキャスト(ポリ
り、ここにエポキシパテを十分に盛り上げ
ウレタン樹脂)で、外装を作るつもりでし
ます。硬化してから、上半分を削る方法で
たが、これでは重過ぎることが判明。そこ
す。
で、キャストでフレームを作り、バキュー
では、実際に削ってみましょう。
ムフォームのカバーをその上から被せる方
式に変更しました。おかげで、さらに製作
期間が伸びることに…。
2 面削り
画面 2
キャストフレームは、KHR 本体とバ
キュームカバーの両方に合うように作る必
写真 5
要があります。例えば、写真 2 のような
部品を削り出すことも。
写真 5 は、下半分も球になっています
が、スタイロフォームの細かな凹凸が転写
写真 3
上半分はちゃんと削れているものの、下
。
半分は円筒状になっています(写真 3)
これは、モデラが 3 軸(X,Y,Z 軸)のみ
写真 2
されてしまっています。これを原型に使う
には、精度的に難しいものがあります。
それでは、上半分を削って、これを上下
反転させて、下側を削る方法はどうでしょ
うか ? の制御で、エンドミル(先が平らになって
直方体なら、削った面に両面テープを貼
いるドリルのような刃物)や部材が、傾い
り付けて、台に固定することもできます。
。
てくれないからです(写真 4)
しかし、球だと接点しか台に接しませか
ロボコンマガジン No.53
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