北大病院検査・輸血部通信北大病院検査・輸血部通信 vol.9 2014 年 9 月 1 日発行発行元：北大病院検査・輸血部細菌検査室にてニューヒーロー登場 ―その名も MALDI-TOF MS― MALDI-TOF MS （マルディトフマス）って何？ Matrix Assisted Laser Desorption Ionization Time Of Flight Mass Spectrometry これ！日本語に直すと？マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法（マトリックスの支援を受け、レーザーによりサンプルを脱離/ イオン化し、飛行時間型質量分析計でタンパク質を同定する方法）もう少し分かりやすく！どんなことに使ってるの？細菌をバラバラにし、そのカケラのパターンから細菌を同定３つの大きな特徴安い！早い！簡単！安価なランニングコスト迅速な同定簡便な操作 1 菌あたり 20-50 円。生化学発育したコロニー、もしくはある菌体と試薬を混ぜ、装置にセッ的な性状から菌名を同定する程度菌量が含まれる液体（培養トするだけ！結果がデータベー方法だと１菌あたり 1,000- した血液等）であれば、数分- スと照合され、推定菌が表示さ 2,000 円（薬剤感受性含む）。数 10 分で菌名を推定します。れます。 MALDI TOF-MS を用いることによって、感染症の原因菌を迅速に報告することが可能となりました。原因菌を早期に特定することは、感染症の診断・治療において大変重要なことです。現在、培養陽性の血液ボトルから直接質量分析を行うことで、即日に推定菌を報告することが主な利用法となっております。将来的には日常行われる菌名同定作業の中でも、MALDI TOF-MS が活躍する予定です。