宮田 まゆみ (笙)

宮田 まゆみ (笙)
Mayumi MIYATA, Sho
東洋の伝統楽器「笙(しょう)
」を国際的に広めた第一人者。古典雅楽はもとより、現代音楽、オー
ケストラとの共演などにより、
「笙」の多彩な可能性を積極的に追求している。
国立音楽大学ピアノ科卒業後、雅楽を学ぶ。1979年より国立劇場の雅楽公演に出演。1983年より笙の
リサイタルを行って注目を集め、第3回リサイタルにより芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。以後1987年
エイボン女性年度賞「芸術賞」
、1993年には中島健蔵賞、1998年には横浜文化賞奨励賞、2004年平成15
年度財団法人日本文化藝術財団・第11回日本伝統文化振興賞、2013年第12回佐治敬三賞をそれぞれ受賞。
欧米でもニューヨーク、パリ、アムステルダム、シアトル、ミラノ、ウィーンなどでリサイタルを行
いいずれも絶賛されている。また、ダルムシュタット、ドナウエッシンゲン、ムジカ・ヴィヴァ(ミュ
ンヘン)
、ウィーン・モデルン、ザルツブルク、ルツェルン、ラインガウ、シュレスヴィヒ・ホルシュ
タイン、アヴィニヨン、タングルウッド、ロンドン・プロムス、パシフィック・ミュージック・フェス
ティバル(PMF)
、イタリアでのジョン・ケージ展、ミラノ・ムジカ、パリの秋音楽祭、秋吉台国際音
楽祭、武生国際音楽祭など国内外の主要な音楽祭に招待されている。
これまでにジョン・ケージ、武満徹、ポール・メファノ、クラウス・フーバー、ゲアハルト・シュテ
ープラー、一柳慧、石井眞木、湯浅譲二、細川俊夫など現代作曲家の新作を数多く初演しており、とく
に、1992年イタリア・ペルージアでのジョン・ケージ『Two3(笙と打楽器のための)』全曲演奏、同
年、小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラとの武満徹『セレモニアル』
、96年ケルン放送交響
楽団との細川俊夫『うつろひ・なぎ』、2008年ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ交
響楽団とPMFによる共同委嘱作品『雲と光』等の世界初演は「笙」という楽器の特質を最大限に引き出
し、絶賛を浴びた。さらにヘルムート・ラッヘンマン作曲の新作オペラ『マッチ売りの少女』では97年
ハンブルク歌劇場での世界初演、2000年日本初演に参加しており、2001/02シーズンのシュトゥットガ
ルト歌劇場による再演(パリの秋音楽祭でも上演)
、2002年のバーデン・バーデン&フライブルクSWR
交響楽団による再演(ザルツブルク音楽祭、ベルリン、フランクフルト、フライブルク)にも招かれて
いる。2000年のジョン・ケージ遺作『108(オーケストラ+笙「One9」版)
』世界初演(ケルンWDR
交響楽団)も話題を集めた。同じくケージ『One9(笙独奏のための)』全曲世界初演、
『Two3』全
曲日本初演、さらに雅楽古典曲『調子』全曲演奏を成し遂げた東京でのリサイタル・シリーズ(2001年)
も高く評価された。
共演しているオーケストラには大野和士指揮BBC交響楽団、シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団(ヨ
ーロッパ・ツアーにも同行)
、ウラディーミル・アシュケナージ指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽
団、大野和士指揮ベルギー王立歌劇場管弦楽団、アンドレ・プレヴィン指揮ニューヨーク・フィルハー
モニック、マイケル=ティルソン・トーマス指揮PMFインターナショナル・オーケストラ、小澤征爾指
揮タングルウッド音楽センター管弦楽団、ジョナサン・ノット指揮バンベルク交響楽団、準・メルクル
指揮リヨン国立管弦楽団、アレクサンダー・リープライヒ指揮ミュンヘン室内管弦楽団などがあげられ
る。2010/2011年シーズンもベルリン・ドイツ交響楽団、バイエルン州立歌劇場管弦楽団、デュッセル
ドルフ交響楽団などと共演予定。
CD録音も小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラとの武満『セレモニアル』をはじめ数多く、
最新録音はミュンヘン室内管弦楽団との細川俊夫作品集。ビョークが作曲したマシュー・バーニー監督
の映画『拘束のドローイング9』サウンド・トラックにも参加している。
2005年には文化庁文化交流使としてヨーロッパ各地で、コンサート、ワークショップ、現地演奏家、
作曲家とのコラボレーションを行い「笙」の普及に努めた。
98年の長野オリンピック開会式で「君が代」演奏の模様は全世界からの注目を集めた。
国立音楽大学客員教授