情報科学(全学共通科目) 第14回目 今井慈郎 工学研究院(総合情報センター ) [email protected] 情報科学再考:コンピュータ通信とは何 か -その2-「インターネットの登場」 • • • • インターネット今昔 インターネット前夜 インターネットの登場 電子メイル について • インターネットの登場 • インターネットの爆発的発展 インターネット今昔(整理の試み) • インターネット前夜 コンピュータの遠隔利用(例:telnetとftp) • インターネットの登場 強力な情報伝達手段(例:電子メイルとネットニュース) • インターネットの爆発的発展 WWWとWebブラウザが開く新しい領域 • 今やインターネット無しでは何もできない! 検索エンジンとインターネット通販:新しいトレンド登場 インターネット前夜No1 • サーバ・クライアント(分散処理の1つの形態)の発展 • ネットワークを介して,複数のクライアントがサーバと接 続し,情報交換を実現 • クライアントには,「多種多様な」サーバに接続したい場 合あり・・クライアントのユーザには様々な希望あり. 例:「こちらから相手を使用したい」「こちらと相手の情 報を交換したい」など • 複数のクライアントと複数のサーバが混在し,場合によっ て「クライアント機能」と「サーバ機能」が入れ替わる場合 もありうる. • 大きな土壌が必要!・・これがネットワークをネットワーク 接続する「インターネット」へと発展 インターネット前夜No2 「こちらから相手を使用したい」 • 具体的にはクライアントからサーバの計算機能を利用し たい. • telnet というサービス • ユーザ認証:ユーザIDとパスワードを通知してサービス を開始 • クライアントは単なる端末・・TSSの延長 • サーバが高機能演算や特殊な応用プログラムを有する 場合には利用価値が高まる. • 基本的に演算は総てサーバ上で実行され,データもサー バ内に格納 Macから汎 用機を利用 できます telnet について IDとパスワード を入力のこと LAN& Internet ノートPCからスパコン も利用できます Macユーザで もユーザ認証 後は利用可能 インターネット前夜No3 「こちらと相手の情報を交換したい」 • 具体的にはサーバ上の情報をクライアントに(Download), 逆にクライアント上の情報をサーバに(Upload)する機能 を利用したい • ftp というサービス • ユーザ認証: telnet と同様(IDとパスワード) • telnet と組み合わせると,クライアント上のデータをサー バに送り(Uploadし),サーバ上で telnetで高速処理を実 行し,結果を再度サーバからクライアントに転送(Down load)する・・ネットワーク上で多様なデータが送受信 ftp について 計算結果 を取得 LAN& Internet プログラムを サーバに Upload Uploadされたプロ グラムをサーバ 側で実行し望み の結果を生成 インターネットの登場No1 • ネットワークがあればそこには人の輪(和,話)が存在 • 手紙(郵便)ではなく,電話でもない「電子メイル(メール OK)・・最近は『e-メイル』とも表記」がとても便利.瞬時に 世界と会話が可能 • 新聞は紙ベース.でも電子新聞もありと思う.しかも噂話 は誰でも結構好きかも・・「ネットニュース」という新しい動 き(しかし実はもう過去のもの) • ところで,コンピュータは相手をどのように認識して,メイ ルなどを送り届けることができるか?・・ドメイン名という 便利な記述方法 インターネットの登場No2 電子メイル・・これがないと情報伝達は不可 • 当時は文字列だけ.でも添付ファイルOKで利便性が拡 大・・MIME(Multipurpose Internet Mail Extension)仕様. • MIME仕様:各国語(文字コード)や画像・音声・動画など を電子メイルで扱うための規格.画像のようなバイナリデー タをASCII文字列に変換(エンコード)する方法を規定 • サーバ側は以前から定評のあったプロトコル(通信規約) SMTPで運用・・ユーザ認証がない点が禍根に! • クライアント側は大きく改善(UIの向上).POPからIMAP へ進化・・ユーザ認証を経て,メイル本文を読出し可能 電子メイル についてNo1 メイル本 文を受理 me@mydomain から who@domain にメイルを発信 LAN& Internet とにかくwho@domainにメイ ルを送ってください.どこに いるかは知りませんが. ところで who@domainはどこ にいるのだろう 電子メイル についてNo2 送信メイル を転送 who@domainはど こにいますか? 転送メイル を受信 who@domainはここで管理 するユーザのアドレスです. メイルを送信してください. 電子メイル についてNo3 転送メイル を受信 who@domainです. IDとパスワードを 入力します LAN& Internet 本当にwho@domainで すか?IDとパスワード を教えてください メイル本文 を読むこと ができました インターネットの登場No3 ネットニュースは仲良しクラブ:不特定多数の情報交換の場 • ネットニュースに何かを照会すると,先達(猛者,牢名主) からの貴重な情報が届くといった便利な存在(だった). • 各サーバ間でバケツリレーしながら情報を伝播.ボタンティ アベースの運用サービス(その点は電子メイルと類似) • 掲示板などの集中管理とは異なる分散管理・・全体の意 思統一は基本的に不可能(掲載情報削除等は無理) • その後,いくつかの理由で衰退(WWWが主原因,その 他にも,誹謗中傷や愉快犯の暗躍(ウィルスなどの流出 も)) • 現在はほぼ終息しており,ユーザもほとんど皆無 ネットニュース について 面白いね この記事 面白い記事 だけとみん な読まない かな・・ LAN& Internet この記事 を待ってい たんだ インターネットの登場No4 ドメインネームサーバという世界規模のデータベースの存在 • 階層構造で柔軟にドメイン名([email protected] 等) を記述可能 • 照会者とデータ探索ルートが特徴的なドメイン(領域,分野, 範囲)を構成 • 各サーバをドメイン名で指定可能:ドメイン名とIPアドレス の相互変換により,目的のマシンへアクセス可能 • 拡大と伸展を想定した堅牢で柔軟な構造(分散管理可能 な仕組み) • DNS(Domain Name System or Domain Name Server)は インターネットの陰の立役者 インターネット上に分散するDNS .comのDNS jpのDNS www.dell.com を知っていま すか? LAN& Internet dell.com のDNS ac.jpのDNS kagawa-u.ac.jpのDNS 了解です もちろん知って います! www.dell.com インターネットの爆発的発展No1 • 「情報」を制するものは「世界」を制する! • 突然ですが「天使と悪魔」という小説をご存知ですか? WWW(World-Wide Web:「世界規模の蜘蛛の巣」の意 味)は実はスイス生れ ・・ “made in USA” ではない • しかし,米国に渡って大ブレーク!米国好みはやはり「派 手好き?」,UIがカッコ良くないと ・・ ブラウザが決め手 • 画像でも音声でも(動画でも)簡単に再生(play) • ブラウザ戦争(Netscape vs Microsoft)も今や語り草 • 今やWWWとWebブラウザの様々な組合せで情報が遣り 取りされる・・Web computing という名称が象徴的 インターネットの爆発的発展No2 • WWWの登場:実は結構,学術的目的のために開発 • 1990年代,Tim Berners-LeeがCERN(旧 Conseil Europeen pour la Recherche Nucleaire,欧州原子核研究機構)所内 の論文閲覧システムとして開発・所内実用を経て公表 • 3種の神器:URL(Uniform Resource Locator),HTML (HyperText Markup言語) そしてHTTP(HyperText転送プ ロトコル)が基本要素 • 典型的なサーバ・クライアントシステムとして構成:サーバ 機能もクライアント機能(ブラウザ)も独立に 実装・改善可能 バーナーズ=リーがCERNで使用していた NeXTcube(最初のWWWサーバ) インターネットの爆発的発展No3 • • • • • • ブラウザ(Webクライアント)の機能拡充:インターネットのキラーコン テンツへ変貌 1990年代, Marc Andreessen(米イリノイ大 NCSA)が初の画像表示 ウェブブラウザである Mosaic を開発.UNIX版Mac版,Windows版を 開発 1993年,SGI創業者Jim ClarkとMosaic Communicationsを設立 (Netscape Communicationsと社名変更).新たにNetscape Navigator ブラウザを開発・・これが爆発的流行 American Dream体現者:米国を代表する資産家・・「レンタカーを借り られる年齢になる前に億万長者になった」 MSのInternet Explorerの猛追で,Netscape Navigator のシェア降下. 会社の業績も低迷.1998年11月,会社はAOLに買収・・これも逸話 そのMSは絶頂期へひた走り.しかし,MSもいつまで君臨できるか? インターネット=WWWと言っても過言 ではないかも・・ LAN& Internet アマゾンに アクセス中 AmazonのHP は便利ですね Googleに アクセス中 GoogleのHP は著名ですね インターネットの無い暮らし? • 既に辞書はWikipediaにとって代わりつつある・・ インターネットで検索しない日があるだろうか? • JRや航空機を利用するには,WWWをアクセスし て簡単に! • 論文投稿も参考文献調査も今やインターネットへ のアクセス抜きには不可能・・ 検索エンジンはWWWへの入り口 • キーワード検索で欲しい(かどうかは少し疑問だが)情報 を簡単取得 • Googleだけが検索エンジンではない! • 過去には多くの検索エンジンも活躍: • 「ロボット型検索エンジン」と「ディレクトリ型検索エンジン」 が並存した時期も・・現在は前者が主流 • YahooJapan(ソフトバンク:黎明期の代表的ディレクトリ型 検索エンジン)・・後にロボット機能も追加 • その後,Infoseek(富士通系)やGoo(NTT系)などのロボッ ト型検索エンジンが参戦・・一時,群雄割拠を呈する. ロボット型vsディレクトリ型No1 ロボット型検索エンジン • 与えられた検索式(方針)に沿って,ウェブページ等を(機 械的に)検索し事前に情報を蓄える仕組み. • キーワード検索が基本.組合せ(複数のキーワードに AND・OR等の論理条件を組み合わせて指定すること)で 機能を強化. • ロボット型検索エンジンの大きな特徴:クローラ(ロボット /スパイダー)の活用. • 計算パワーがあれば高速化・大容量化も容易. ロボット型vsディレクトリ型No2 ディレクトリ型検索エンジン • 人手で構築したウェブディレクトリ(Web Directory)内を検 索する仕組み. • 人手の構築で(以前は)高品質の検索が可能と評価.カテ ゴリ分類のため,特定分野や地区などに限定したサイト 検索が得意(長所). • 一方,検索対象が増加すれば人海戦術にも限界.
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