創立 30 周年を迎えて 社会福祉法人いかり 理事長 髙 橋 敬 障害をもつ人達が、働き、社会と係わりをもつ場として、いかり共同作業所が設立され て30年になります。設立にいたるまでの利用者の皆さんやご家族、そして職員の皆さん、 さらにそれを支えた皆さんの労苦はいかばかりかと思います。私は、堀木訴訟の大阪高等 裁判所と最高裁判所の審理に参加する機会を得て、それをきっかけに黒津先生はじめ堀木 訴訟を支えられた障害者運動の皆さんと知遇を得ましたが、いかり共同作業所については、 所属する神戸合同法律事務所を通じて、その通信を読ませて頂き、ささやかなカンパをす る程度でした。それが法人化を契機に、作業所の運営のお手伝いさせて頂く事になりまし た。理事を引き受けさせて頂いたにもかかわらず、十分職務を果たせていないところです が、私が痛感致しますのは、この作業所の運営が、地域の皆さん、ボランティアの皆さん、 医療の皆さん、コンサートを支えて頂いた皆さんなどいかに多くの人達の協力や助けによ って行われているかということです。支え合い高めあう共同の働きが、やがて誰もが自ら の人生を全うできる公正で平等な社会の実現につながるものだと思います。いかり共同作 業所にかかわる人達が、このすばらしい関係を一層発展させ、社会にも発信して、よりよ い社会をめざす動きにかかわっていってほしいものです。 現在のいかり共同作業所 ‐56‐
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