道づくりと観光

道づくりと観光
秋 月 と近 江 八 幡 を事 例 として
発表者
村木 力
社会の構造が変化
いたって
私達の社会
便利な暮らし
コンピュータ インターネット 携 帯電 話
高速道路網
郊外 型 大 型 店 舗
宅急便
コンビニエンスストア 外食産業
いつの間 にか、暮 らしに対する考え方を
麻痺させ、市民生活に微妙に影響を
与え続けています。
中心市街地の衰退
交通渋滞
環境破壊
食生 活 に 変 化
ごみ問題
公共 マ ナ ー
特に、郊 外 型の経 済構造は、地方都市を
完全に車 社 会にしてしまったようです。
車社会
多様化社会
この2つが支配
道を歩く楽しさ
マチの楽しさ
道を歩くことが少なくなってしまった。
私達は、経 済 優 先の社会 システムに、
「このままでよいのだろうか」という
疑問をもつようになりました。
しかし、現 実 にはこの社会 構 造 の中 で
生活しなければならないわけです。
他のマチはどうだろうか。
昨年秋から伝統的町並みを保存している
マチを中心に、
「町 の景 観 」「文 化 施 設 」「にぎわい」などを調 査 す
るフィールドワークを行いました。
その中で、特に印 象に残ったマチに、
秋月と近 江 八 幡があります。
2つのマチは、道を歩く楽しさを
私達に訴えているように感じたからです。
2つのマチの環境を紹介しながら
「観 光 」という視点 から、
私 達 の住 む徳島を考えてみたいと思 います。
近江八幡市
市人口:
6万8千人
観光客:
174万(年間)
滋賀県
鳴門市:6万5千人
観光客:300万人
阿波踊り:130万人(4日間)
★豊臣秀次によって開かれた、古い商家の町並みが残る
城下町。
★近 江 八 幡 ・彦 根 ・長 浜 = 湖 東 、湖 北 の文 化 ゾーンを形
成している。
近江八幡市
産業
滋賀県
:八 幡 瓦 、 木 珠 、 竹 細 工
特産物:近江牛、湖魚料理、麩
赤こんにゃく、でっち羊
羹
★そこに住 む人 々のために存 在 し、歴 史 や文 化 を継 承 し
ながら脱皮を繰り返している。
★市 民 生 活 = 隣 接 す る 大 型 店 に 客 足 を 奪 わ れ 、中 心
市街地の空洞化が進む。
近 江 八 幡 観 光 協 会 ホームページより
新町通り
★ 平 成 3年 4月 重 要 伝 統 的 建 造 物 群 保 存 地 区 に指 定
される。
★ 碁 盤 の目 のように道 が通 っており、ランドマークとして
八幡山がありその下に川(八幡堀)がある。
八幡堀
かわらミュージアム
●ゆっくり滞在できるように、多くの小施設を「道」が結んで
いる。
八 幡 山 八 幡 堀 文 化 施 設 郷土 料 理 店
喫茶店 ギャラリー
●八幡堀は市民運動で水をきれいにした。
●「甦る水百選」に選ばれている。
町 屋 カフェ
和 菓 子 の店
●「道」の途中に休憩したくなる店が点在している。
このように足を止めたくなる店が重要 である。
建築家・ヴォーリーズ
★ 明 治 38 年 ( 1905) 県 立 商 業
学校の教師として来日した後、
数々の文化を残した。
★アメリカからメンソレータムを導
入 しビジネスでも 成 功 し、 近 江 兄
弟 社 の基 礎 をつくった。
ヴォーリーズ記 念 館
★山 の上 ホテル、大 丸 心 斎 橋 店 、同 志 社 大 学 、豊 郷 小 学 校 など国
内 に数 え切 れない建 物 を設 計 している。近 江 八 幡 市 内 には現 在 も使
用 している学 校 がある。
甘木市・秋月
福岡県
市人口:
6万8千人
観 光 客:
5 0 万( 秋 月・年間 )
小松島 市:4万3千人
脇町うだつ:20万 人
★福岡県のほぼ中 央に位置する田園都市。
★秋 月 は戦 国 時 代 末 期 、秋月 氏 の城下 町 として栄えた。現
在も水 路 網 、屋敷 の地 割 など基本 構 造 はそのままである。
甘木市・秋月
福岡県
産業
:
特産物:
農 業、 畜 産
水前寺海苔(淡水)葛
★平成10年4月 重 要 伝 統 的 建 造 物 群 保 存 地 区 の指定 。
★人口の増加 率 マイナスでない。新 興 住 宅 地 。
★キリンビールの製 造 工 場 がある。工 業 立 地 適 している。
杉の馬場
秋月中学校
★日曜日には多くの人が詰め掛ける。
★秋 月 中 学 校 では、茶 畑 や梅 の木 を持 っており、生 徒 た
ちが茶摘 み・梅ちぎりを行 い販売もしている。
美術館
手軽な文化施設
●近江八幡のように、多くの小施設を「道」が結んでいる。
●散策できるコースには、茶屋、お土産 屋、ギャラリー、
民芸 品 店などの店が並び退屈させない。
マチが過剰な化粧をしていな
い。
自然のままである。
散策によい
眼鏡橋
落ち着いた風景
まちの特徴
都市型散策派
自 然 も楽 しめる
幅広い年代層
滋賀県
近江八幡市
・土 日 に若 い女 性 やカップルが増 えてきた。(観 光 課 )
・これからの地 方 都 市 と観 光 の関 係 を示 唆 ?
「にぎわい」タイプ
彦根300万人
「あじわい」タイプ
長浜450万人
近江八幡170万人
まちの特徴
福岡県
甘 木 市・秋 月
郊外スローライフ型
自然の中でゆっくり滞在できる
幅広い年代層
・古処山にはキャンプ場がある。
・杉の馬場は桜のシーズンには混雑する。
市民の癒しの場として定着
近 江 八 幡と秋月 2つのマチの共通点は
歴史や自 然 環 境が生活に溶け込んだ
「暮らしの道」が存在していることです。
しかも、観 光 客 中 心 のマチでないという点
です。
歴史に触 れたり自 然 環 境に浸る、機会が少なくなった
現代社会。
小布施
ニーズ
マスコミ
湯布院
川越
長浜
地 域 に人 気 が高 まってくる。
● 反 面 、観 光 地 も消 費 社 会 (情 報 )に浸 透 していくと、観 光
化 しすぎる傾 向 がある。
※秋 月 、近 江 八 幡 は観 光 地 化 していない。
近 江 八 幡と秋月 のマチから学んだこと。
徳島をどうすれば楽しく出来るのか、
私の意見 を述べます。
抽象的な表現ですが
このあたりが大きく不足しています。
徳島に楽しさをつくる
道の重要性
休・食・観・動
アプローチ
デザイン
滞在時間
小さな仕 掛け
小
統一性
多
「いかにかっこよく誘うか」が不足している。
遊 び空 間 をつくる必 要 がある。おもしろくなけれ
ば、もう来 ない。遊 び心は芸 術 から。
徳島に求められ
るもの
ハコづくりから道づくりへ
郊外からマチの中心部へ
小さいエリアをセンス良くまとめる。
感性