猫のリモージュ

2015 年日本招き猫大賞
作
者 : 松風直美 / Naomi Shoufu
(50歳)
現住地/出身地 : 滋賀県東近江市/滋賀県米原市
作品タイトル : 「Book of dreams」
作品概要 : 幅 35×奥行 25×高さ 20cm
素
材 : 紙
「本の中にはたくさんの夢や希望、冒険が詰まっています。その本を読んだ時
のワクワクした感情を発掘するように、本を彫ってみたいと考えました。」
受賞理由
水紋のように、くり抜かれた本のページからいくつもいくつも立ち上がって来る
猫たち。本の中に満ちている夢や希望が招き猫のかたちになって実体化し、や
がて読んでいる人自身の夢となって歩き出す。そんなファンタジックな世界を
見せてくれる作品。読書の楽しさ、夢を持ち続けることの大切さなどが伝わって
来る。ベースとなった洋書の選択、猫の配置、色遣いなど、何気ないようでい
て非常に洗練された造形表現である。紙という軽やかな素材で「招き猫」の表
現の多様性を感じさせてくれた。
略歴
1990 デザイン会社勤務を経て独立。以後フリーランス。
1992 工芸村「ことうヘムスロイド村」に参加。
1992 ギャラリーCASA 個展(京都)
1995 猫をモチーフに切り絵を作りはじめる
1999~03 近江文化財研究所 個展(近江八幡市)
2000~04 いい福まつり 個展(彦根市)
2001 ホームページ「ねこてもり」開設
2002 アトリエ隣にギャラリー松庵オープン
2002 ニューヨークの招き猫展参加
2003 来る福招き猫まつり in 瀬戸にて個展
2004 「招き猫の宮」(菊地真・荒川千尋著)挿絵
2005 高島屋ミニ個展(岐阜)
2005 フランス(リモージュ)・イタリア(ルッカ)の招き猫展参加
2001~15 ギャラリー猫町 個展(東京)
2004~09 「猫の集会」(ヘムスロイド村)主催
2005~11 陶と紙展 酒遊館(近江八幡市)
2003~13 町屋と猫のイベント「猫の宴」開催
2012~14 パリ猫展(フランス)
招き猫まつり、イベント、グループ展多数参加
以後、紙に関わった作品を作り続け、現在に至る。
著書「うそうそ時にその猫はやってくる」戎光祥出版より 2004 年刊行
「京ことば猫トランプ」2006 年刊行
作者の言葉
主に切り絵の画法で猫というモノを描く。紙を切るというシンプルな技法で、ど
こまで猫のしなやかさ・美しさが表現できるか、試行錯誤の日々だけれどそれ
が楽しみでもあるのです。そして時折、紙に「ことば」も刻みます。日本の文字
は美しい絵であり、大事に残してゆきたいモノです。生きている猫と文字を、意
思を持った猫を、物語のある猫たちを、作ってゆきたいと思います。