平成18年度地域経済産業政策関連予算要求について 平成17年8月 経 済 産 業 省 地域経済産業グループ 【ポイント】 ○ 依然として厳しい状況にある地域経済の再生を図るため、「産業ク ラスター計画」を通じ、地域経済を支え、世界に通用する新事業が 次々と展開される産業集積の形成に取り組んでいる。 ○ 地域において形成が進んでいる産業集積(産業クラスター)を更に 深化・拡大させるため、産学官の広域的な人的ネットワークの形成・ 拡充、地域における実用化技術開発の推進、起業家育成施設の整備 等インキュベーション機能の強化を図る。 18年度予算要求額(17年度予算額) ・ 産業クラスター計画関連施策:779億円(465億円) 産学官のネットワーク形成等:103億円( 実用化技術開発の支援: 起業家育成施設の整備等: 79億円) 594億円(334億円) 82億円( 52億円) ○ 広域市町村が連携して自律的な経済発展へ向けた取組を行えるよ う、広域市町村が行う産業施設の集約化等に対する支援や、広域市 町村による総合的な域内産業振興ビジョンの策定等への取組を支援 する。 ・広域市町村連携関連施策 43億円(14億円) ○ これらの施策を含む幅広い地域関連施策により、地域経済の再生を 図る。 1 Ⅰ.産業クラスター計画に関連する施策 産業クラスター計画に関連する施策 779億円(465億円) 1.産学官のネットワーク形成等 102.8億円(79.2億円) 産業クラスター計画に係る支援機関の機能強化等により、企業、大学、 公的研究機関、専門商社等の交流・連携を促進し、産学官の広域的な人 的ネットワークを構築する。 平成18年度においては、以下の諸方策により、産業クラスター計画 における広域的な人的ネットワークの拡充及び強化を図る。 (1)産学官の広域的な人的ネットワークの構築 ○産業クラスター計画推進のためのネットワーク形成 20.1億円(20.1億円) 【・産業クラスター計画に係る支援機関と連携し、一定の地域・分野における人的ネットワー クの形成によって新事業を図る産業支援機関を助成。 ・クラスター・マネージャーの配置による産業クラスター計画に係る支援機関の機能強化。 ・知的クラスター創成事業との連携強化等による大学関連ネットワークの拡充。】 ○産学官ネットワーク形成事業 5.0億円(5.2億円) 【電源地域振興モデル事業の一環として、電源地域における新事業の創出の基盤となる産学官 ネットワークの構築を図る。】 ○クラスター間の連携交流等の促進 0.8億円(0.8億円) 【・産業クラスター推進機関等の連携・交流を促進する事業を実施する。 ・各自治体等におけるクラスター形成を促進するため、産業クラスター政策関連の情報提供 を行う。】 ○CIO育成・活用型企業経営革新促進事業 6.9億円(5.8億円) 【中堅・中小企業におけるIT活用による経営革新を促進させるため、経営戦略と情報戦略を 橋渡しし、組織全体に情報化投資の必要性を理解させる機能(CIO機能)の有効性に気づく ための事例発表会やCIO機能を活用した経営者研修会を行うとともに、地域においてIT活 用による経営革新成功モデル輩出サイクルの確立を支援する。】 ○サービス産業創出支援事業 41.4億円(35.5億円) 【地域再生の中核産業となるヘルスケア・集客交流等のサービス産業について、先導的な取組 を支援する。】 2 (2)人材育成の強化 ○高専等活用中小企業人材育成事業 12.0億円( 新 規 ) 【高等専門学校等を活用して、中小企業におけるオペレーショナルな人材の育成を行う。】 (3)販売力の強化 ○地域経済の国際化支援 2.7億円(2.7億円) 【地域経済の活性化・国際化を図るため、海外調査、専門家派遣等によって内外特定地域間の 国際産業交流を加速させるとともに、地域の枠を超えた広域圏における国際産業交流を支援 (JETRO が実施)。】 ○ベンチャー企業の国際化支援 3.1億円(3.1億円) 【ビジネスシーズ発掘のための海外への専門家派遣、米国の起業家育成施設における我が国ベ ンチャー企業の支援、新たな産業分野に係る展示・商談会の開催等を実施(JETRO が実施)。】 ○輸出有望案件発掘支援事業 1.2億円(1.2億円) 【「産業クラスター計画」等とも連携し、各地でやる気と潜在能力を有する企業及び商品を積 極的に発掘し、海外での販路開拓を支援(JETRO が実施)。】 (4)知的財産保護の強化 ○地域中小企業知的財産戦略支援事業 3.0億円(3.0億円) 【中小企業に対して知的財産業者や専門家による知的財産戦略策定等の支援を行うとともに、 知的財産を戦略的に活用して事業化を図るモデル的な中小企業の成功事例を創出することに より、中小企業の経営戦略の一環としての知的財産の戦略的活用等を普及・促進する。】 ○地域知財戦略本部事業 6.6億円(1.8億円) 【「地域知財戦略本部」において、地域における知的財産に対する普及啓発、戦略的に知的財 産を活用するための環境を整備するため、各地域において目指す目標、その具体的事業内容等 を盛り込んだ地域独自の「地域知的財産戦略推進計画」を策定し、同計画に基づき地域中小企 業等に知的財産に関する意識の向上や適切な利用の促進を図る。】 3 2.地域の特性を活かした技術開発等の推進 593.8億円(333.9億円) 地域経済を支える新事業やベンチャーを連鎖的に生み出すため、地域の特 性を活かした産業の創出に資する中堅・中小企業の実用化技術開発などを推 進する。 (1)実用化技術開発支援 ①産学官共同による実用化技術開発の支援 ○地域における産学官コンソーシアムによる研究開発 223.9億円(137.2億円) 【大学等の技術シーズや知見を活用した産学官共同研究体制(コンソーシアム)による研究開 発を実施。 (委託費、1億円以内/件・年×2年以内、3000万円以内/件・年×2年以内)】 ・他府省連携枠(内数) 30.2億円( 20.0億円 ) 【他府省の研究開発施策で生み出された新技術シーズを切れ目なく実用化・事業化に結びつけ るための「他府省連携枠」を実施。(他府省連携枠:1億円以内/件・年×2年以内)】 ・地域ものづくり革新枠(内数) 43.0億円( 18.0億円 ) 【強い産業競争力を持った複数の製品の創出につながるような付加価値の高い高度機能部材を 実用化するための「地域ものづくり革新枠」を実施。(地域ものづくり革新枠:3億円以内 /件・年×3年以内)】 ②地域企業の実用化技術開発の支援 ○中堅・中小企業によるリスクの高い実用化技術開発の支援 70.2億円(64.1億円) 【中堅・中小企業による新分野進出やベンチャー企業による新規創業のためのリスクの高い技 術開発を支援。(補助金、3000万円~1億円以内/件・年×2年以内)】 ③分野を特定した実用化技術開発の支援 ○バイオマスエネルギー地域システム化実験事業 30.0億円(15.0億円) 【地域特性に適合した地域主導によるバイオマスの地産地消・地域循環型の先導的モデルシス テムを構築することによりバイオマスエネルギーの導入を促進する。 (運営費交付金→委託費、 2.0億円/件・年×5年間)】 4 ○バイオマスエネルギー転換要素・先導の技術開発 31.0億円(9.0億円) 【国産可能なエネルギー源として、また、環境保全に寄与するエネルギー資源として有用なバ イオマス資源を高効率で気体、液体燃料等の有用なエネルギーに転換するための技術開発を支 援。(運営費交付金→委託費、6億円/件・年×4年間)】 ○地域バイオマス熱利用フィールドテスト事業 40.0億円(新 規) 【バイオマス熱利用の促進強化を図るため、地域におけるバイオマス熱利用のフィールドテス トを重点的に推進する等により、バイオマスエネルギーの導入を促進。(運営費交付金→委託 費、1億円/件・年×5年間)】 (2)中小・ベンチャー向け技術開発・事業化支援 ○中小・ベンチャー企業のスタートアップ支援事業 45.2億円(49.2億円) 【新産業創造戦略における戦略産業分野について、実用化開発、知的財産取得、販路開拓等に 対する資金面での助成を重点的に実施。具体的には、ビジネスプランの具体化・実用化に向け たコンサルティング等を一体的に実施することにより、事業性・新規性の高い技術シーズ、ビ ジネスアイディアを持つ中小・ベンチャー企業の事業化を技術面と経営面から強力に支援す る。(実用化開発4500万円以内/件・年、事業化支援500万円以内/件・年】 ○新連携対策補助金 42.5億円(41.0億円) 【中小企業が自己の優れている経営資源を有効に活用し、有機的に連携することによって、新 市場創出、製品・サービスの高付加価値化を目指そうとする取り組みを行う新たな連携体の構 築支援及び「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」の認定を受けた連携体が行う事 業化・市場化への取り組みを支援する。】 ○中小企業技術革新成果事業化促進事業 3.0億円(0.6億円) 【優れた技術を持つ中小企業が、事業化に当たっての技術課題を解決するため、中小企業のニ ーズに積極的に対応する公設試等による技術支援を受け、技術の事業化を図る取り組みを支援 する。(補助金、500万円/件・年)】 ○戦略的基盤技術高度化支援事業 92.0億円( 新 規 ) 【我が国経済を牽引していく産業分野(重要産業分野)の競争力を支える産業基盤技術(鋳造、 鍛造、切削、めっき等)の高度化等に向けて、革新的かつハイリスクな研究開発や、生産プロ セスイノベーション等を実現する研究開発に取り組む中小企業を支援する。(委託費)】 5 ○産業技術総合研究所による中小企業産業技術研究開発の促進 9.0億円(10.5億円) 【地域の特性を活かした技術開発等の推進を目的として、活力ある地域中小企業の支援・育成 を行うために、産総研シーズを活用した中小企業との共同研究とその成果の中小企業への技術 移転等を実施する。(委託費)】 ○IT活用型経営革新モデルの開発・普及 7.0億円(7.3億円) 【地域でモデルとなりうる企業間連携システム等の開発・導入を行う中小企業者等を支援する ことにより、中小企業のITを活用した経営革新を促進。(補助金、3000万円/件・年)】 6 3.起業家育成施設の整備等 82.1億円(52.2億円) 我が国経済の再生に向けて、我が国が有する優れた技術力を生かし、 経済の活性化を図っていく観点から、ベンチャー企業の創出・育成の促 進を図るため、起業家育成施設を整備するとともに、起業家をサポート する人材(インキュベーション・マネージャー)の養成・スキルアップ や認知度向上等の事業を通じ、起業家育成施設におけるソフト支援の質 的充実を図る。 ○大学連携型起業家育成施設の整備 15.0億円(13.9億円) 【大学発ベンチャーの創出を促進し、我が国経済の再生を図るため、大学の隣接地等において 中小企業基盤整備機構が行う大学等と連携した起業家育成施設の整備に対し補助を実施。】 ○起業家育成施設の整備 24.0億円(23.0億円) 【中小企業新事業活動促進法に基づく高度技術産学連携地域において、中小企業基盤整備機構 が起業家育成施設を整備する。】 ○新事業支援施設整備費補助金 12.0億円(4.7億円) 【起業家育成施設等の整備等を行う地方公共団体等に対し補助。 (内数)合併市町村や複数の自治体が連携して行う新事業支援施設等の整備事業に対し、補助 を行うことにより広域的な自治体間連携を促進する。】 ○電源地域産業資源機能強化事業等補助金 29.3億円(9.3億円) 【電源地域において電源立地地域対策交付金等によって整備された産業関連施設の機能強化 等に資する施設整備事業等を行う地方公共団体等に対し補助を行う。電源地域において起業 家育成施設等の整備等を行う地方公共団体等に対し補助。 (内数)合併市町村や複数の自治体が連携して行う既存の産業関連施設の機能強化等に資する 施設整備事業等に対し、補助を行うことにより広域的な自治体間連携を促進する。】 ○インキュベーション・マネジャー養成研修 1.8億円(1.3億円) 【起業家育成施設を活用した新事業創出を促進させるため、ベンチャー企業に対し各種の支援 を行うインキュベーション・マネジャーの養成、実地研修によるインキュベーション・マネ ジャーのスキルアップ、専門家等の助言による起業家支援機能の強化、インキュベーショ ン・マネジャーの認知度向上に向けた取り組みに対する補助を実施。】 7 Ⅱ.広域市町村の自律的経済発展を促す支援 広域市町村の自律的経済発展を促す施策 42.9億円(14.0億円) 広域市町村が連携して自律的な経済発展へ向けた取組を行えるよう、 広域市町村が行う産業施設の集約化等に対する支援や、広域市町村によ る総合的な域内産業振興ビジョンの策定等への取組を支援する。 ○広域市町村圏産業振興ビジョン調査モデル事業 1.6億円( 新 規 ) 【広域市町村圏における総合的、効果的な産業振興等ビジョンのモデルケースを提示し、広域 市町村の連携による自律的な地域運営を促進する。】 ○新事業支援施設整備費補助金【再掲】 12.0億円(4.7億円) 【起業家育成施設等の整備等を行う地方公共団体等に対し補助。 (内数)合併市町村や複数の自治体が連携して行う新事業支援施設等の整備事業に対し、補 助を行うことにより広域的な自治体間連携を促進する。】 ○電源地域産業資源機能強化事業等補助金【再掲】 29.3億円(9.3億円) 【電源地域において電源立地地域対策交付金等によって整備された産業関連施設の機能強 化等に資する施設整備事業等を行う地方公共団体等に対し補助を行う。電源地域において 起業家育成施設等の整備等を行う地方公共団体等に対し補助。 (内数)合併市町村や複数の自治体が連携して行う既存の産業関連施設の機能強化等に資す る施設整備事業等に対し、補助を行うことにより広域的な自治体間連携を促進する。】 8 Ⅲ.その他の施策 ○水資源戦略調査費 1.1億円(新 規) 【限りある水資源を有効活用するため、地域における水資源確保のあり方を検討するとともに、 途上国における安全な水へのアクセスの確保に向けた調査を実施する。】 ○工業用水道事業費 35.5億円(42.8億円) 【地方公共団体が敷設する工業用水道の事業費を補助。】 ○電源地域工業団地造成利子補給金 0.2億円(0.2億円) 【地方公共団体等が行う工業団地造成事業について、借入金の利子の一部を補給。】 ○工業再配置補給金 0.3億円(0.3億円) 【中小企業基盤整備機構が行う地域における工業用地等を低廉な価格で提供する事業等に係 る資金調達コストの一部を補給する。】 ○地域ブランドアドバイザー・フォーラム事業 1.0億円(1.0億円) 【地域ブランドづくりの成功のポイント等を示すことにより、地域内の関係者による地域ブラ ンドづくりの取り組みを推進する。】 9
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