20 15 第 47 回 社会保険労務士試験 本試験解答解説書 □■ 選択式試験 模範解答 ■□ 労働基準法及び労働安全衛生法 A:⑳ 労働時間を算定し難いとき B:⑫ 代替勤務者 C:⑰ 妊娠中の女性及び産後 1 年を経過しない女性 労働基準法 64 条の 3 D:⑮ 当該法人 S.47.9.18 発基 91 号 E:⑦ 最大荷重(フォークリフト…荷重をいう。)… 難度 最判 H.26.1.24<残業代等請求事件> 最判 S.62.7.10<弘前電報電話局事件> その他 労働安全衛生法施行令 20 条 コメント A 普通 とにかく問題文が長く,心理的にはかなり負荷がかかる B 普通 問題であった。内容的には,Eは,お手上げであるが, C 易 A~Dは容易に解答できる問題であった。4 点は,確保 D 易 したい。 E 難 労働者災害補償保険法 A:⑥ 介 護 法 35 条,則 46 条の 18 第 5 号 B:⑲ 補助者 法 35 条,則 46 条の 18 第 3 号 C:⑦ 家内労働者等の団体 D:⑪ 相互補完 最判 H.1.4.11 高田建設事件 E:⑮ 二重填補 最判 H.1.4.11 高田建設事件 難度 則 46 条の 23,H.23.3.25 基発 0325 第 6 号 その他 コメント A 難 A ~ C は,特別加入制度の問題であったが,通常の学習 B 難 ではあまり目にしない箇所からの出題であったため,正 C やや難 解 を 選 ぶ の が 難 し か っ た よ う だ 。 ま た , D・ E は , 第 三 者 D 難 行為災害に関連した判例の問題であったが,判旨をよく E やや難 読めば,E はなんとか正解したいところである。 -1- 雇用保険法 A:⑮ 6 箇月 B:③ 100 分の 50 C:⑱ 子,父母,孫,祖父母又は兄弟姉妹であって… D:⑩ 28 法 50 条 1 項 E:⑧ 13 法 50 条 1 項 難度 法 37 条の 3 第 1 項 法附則 11 条の 2 第 3 項 その他 法 10 条の 3 第 1 項 コメント A 易 B の 「 100 分 の 50」( 教 育 訓 練 支 援 給 付 金 ) は , 法 改 正 B 普通 C 易 問。ただし,A,C,Eは得点しやすい。3 点以上は確 D 難 保したい。 E 普通 15 改 を的確に押さえていれば,容易に解答できる。Dは,難 過去問 労務管理その他の労働に関する一般常識 A:④ パネル B:④ ほぼ横ばいで推移している C:① 45~49 D:④ 直属の上司による面談等 E:② 30~34歳から35~39歳に移行した 難度 厚生労働省「第 9 回中高年者縦断調査」 厚生労働省「平成 25 年雇用動向調査」 厚生労働省「平成 24 年度仕事と介護の両立に関 する企業アンケート調査」 その他 厚生労働省「平成 24 年就業構 造基本調査」 コメント A 難 A~Dは難度が高く,通常の学習範囲を超えている。な B 難 お ,E は ,平 成 20 年 の 統 計 に お い て ,比 較 可 能 な 昭 和 43 C 難 年 以 降 初 め て 35 ~ 39 歳 に 移 動 し た 。 D 難 E 難 -2- 社会保険に関する一般常識 A:⑪ 事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資すること 社社社社社社社社社社社社社社社社社社社社社社社社社社社社社会保険労務士法 1 条 B:⑮ 次代の社会を担う児童の健やかな成長に資すること C:① 機能訓練 介介介介介介介介介介介介介介介介介介介介介介介介護保険法 1 条 D:⑥ 国民の共同連帯の理念 介介介介介介介介介介介介介介介介介介護保険法 1 条 E:⑬ 自助と連帯の精神 難度 児児児児童手当法 1 条 高齢者医療確保法 2 条 1 項 その他 コメント A 普通 「 社 会 保 険 労 務 士 法 」,「 児 童 手 当 法 」及 び「 介 護 保 険 法 」 B 普通 C 普通 せ問題である。難解な問題ではないが,基本条文のチェ D 普通 ックを怠っていると,失点する。なお,社会保険労務士 E 普通 法 の 目 的 条 文 は , 平 成 19 年 に 出 題 実 績 が あ る 。 15 改 の 目 的 条 文 ,「 高 齢 者 医 療 確 保 法 」 の 基 本 的 理 念 の 組 合 健康保険法 A:⑪ 70 歳に達する日の属する月の翌月 法 74 条 1 項 B:⑲ 被保険者のみの…,… 383 万円未満 令 34 条 2 項 C:⑮ 納期限の翌日から 3 か月を経過する日 D:③ 2.8 法附則 9 条,H.26.12.12 年管管発 1212 第 2 号 E:⑧ 9.1 法附則 9 条,H.26.12.12 年管管発 1212 第 2 号 難度 その他 法 181 条 1 項 コメント A やや難 A~Cは,条文からの出題であるため,しっかり学習し B やや難 C 普通 D 難 15 改 の妻」という問題設定がポイントである。D及びEの特 E 難 15 改 例基準割合は,改正項目であるが難度が高い。 過去問 ていれば得点できるが,Aは一部負担金等の割合の適用 開 始 月 の 細 部 ま で 押 さ え て い な い と 難 し い 。 B は 「 67 歳 -3- 厚生年金保険法 A:③ 44 年 法附則 9 条の 3 第 1 項 B:② 15 年 法附則 9 条の 4 第 1 項 C:① (1)及び(2) D:① (1)のみ 法附則 9 条の 2 第 1 項・5 項 E:① 1,628 円 法附則 9 条の 4 第 1 項,法附則 9 条の 2 第 2 項 難度 法附則 9 条の 2 第 1 項,法附則 9 条の 3 第 1 項 その他 コメント A 易 特 別 支 給 の 老 齢 厚 生 年 金 の 特 例 か ら の 出 題 で あ る 。「 障 B 易 害 者 の 特 例 」,「 長 期 加 入 者 の 特 例 」 及 び 「 坑 内 員 ・ 船 員 C 普通 の特例」について,それぞれの適用の要件についての整 D 普通 理ができていれば,基準点の確保は難しくない。 E 普通 国民年金法 A:⑬ 地方厚生局長又は地方厚生支局長 法 109 条の 9 B:⑭ 地方年金記録訂正審議会 C:⑤ 7 月 31 日 D:① 1 か月以内 E:⑮ 特定保険料納付期限日である平成 30 年 3 月 31 日 厚生労働省組織令 153 条の 2 H.21.12.28 厚生労働省告示 520 号 則 36 条の 5 法附則 9 条の 4 の 4 難度 その他 コメント A 普通 15 改 A, B, E は 法 改 正 項 目 か ら の 出 題 で あ っ た た め , 確 実 B 普通 15 改 に 正 答 し た い 内 容 で あ っ た 。 C の 20 歳 前 傷 病 に よ る 障 害 C やや難 基礎年金の受給権者に係る指定日については,正答に迷 D やや難 ったようである。 E 普通 15 改 -4- □■ 択一式試験 模範解答 ■□ 労働基準法及び労働安全衛生法 [問 1]~[問 7]は,労働基準法 [問 1] 正 解 B A:〇 法 1 条 1 項。 そのとおり正しい。 参考 「人たるに値する生活」については,労働者本人のみでは なく,その標準家族をも含めて考えるべきとされている。 B:× 法 3 条,H.9.9.25 基発 648 号。 差別的取扱いをするとは,不利に取り扱う場合のみならず,有利に取り扱う場合も含ま れる。 参考 何をもって有利とし又は不利とするかは,一般の社会通念に従うものと されている。 C:〇 法 4 条。 そのとおり正しい。 参考 労働基準法においては,賃金以外の労働条件について性別 による差別を禁止する規定は設けられていない。賃金以外の労働条件についての性別を 理由とした差別的取扱いについては,民法 90 条により無効とされ,また,男女雇用機 会均等法において禁止されている。 D:〇 法 5 条ほか。 そのとおり正しい。 参考 暴行罪等の罪は,労働基準法 5 条(強制労働の禁止)違反 の罪に吸収されているとみるべきであり,したがって,一つの行為が同法第 5 条の構成 要件のみならず暴行罪等の構成要件にも該当する場合には,同法 5 条違反の罪のみが成 立して,刑法の暴行罪等は成立する余地がないものと解されている。 E:〇 法 9 条ほか。 そのとおり正しい。 参考 本肢のような問題は,林業,土建業等に多くみられるが, 形式上請負の形をとっている場合にも,実体的に労働関係があるか否かの判断が行われ なければならないものとされている。 正誤 難度 その他 コメント A ○ 易 B × 易 過去問 たが,他の設問肢,特に正解肢のBが容易に解答できる C ○ 易 過去問 問題であったため,正解を得ることはできる。 D ○ 難 E ○ 普通 Dの「法条競合の関係」がかなり難度が高い問題であっ -5- [問 6] 正 解 B ア:× 法 32 条,最判 H.12.3.9 <三菱重工業長崎造船所>。 本肢の行為は,特段の事情のない限り,使用者の指揮命令下に置かれたものと評価する ことができ,当該行為に要した時間は,それが社会通念上必要と認められるものである 限り,労働基準法上の労働条件に該当すると解される。 イ:〇 法 32 条の 2,最判 H.14.2.28 <大星ビル管理>。 そのとおり正しい。 参考 「特定する」に関しては,各労働日の変形勤務の態様を具 体的に定めることを要求している。したがって,変形期間における各日,各週の労働時 間を具体的に定めることを要し,変形期間を平均し週 40 時間の範囲内であっても使用 者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当しないもの とされている。 ウ:× 法 36 条,最判 H.3.11.28 <日立製作所武蔵工場>。 最高裁の判例では,本肢の場合,就業規則の規定の内容が合理的なものである限り,そ れが具体的労働契約の内容をなすから,当該就業規則の規定の適用を受ける労働者は, その定めるところに従い,労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負うも のと解するを相当とするとされている。 エ:〇 法 41 条 2 号,S.22.9.13 発基 17 号。 そのとおり正しい。 参考 「監督もしくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り 扱う者」は,事業経営の管理者的立場にある者又はこれと一体をなす者であり,労働時 間,休憩および休日に関する規定の規制を超えて活動しなければならない企業経営上の 必要から認められるものとされている。 オ:× 法 41 条 3 号,H.11.3.31 基発 168 号。 医師,看護師等が宿直中に,突発的な事故による応急患者の診療又は入院,患者の死亡, 出産等があり,あるいは医師が看護師等に予め命じた処置を行わせる等昼間と同態様の 労働に従事する場合は,当該労働については時間外労働,深夜労働として扱われ,割増 賃金の支払い等が必要となる。 参考 宿直勤務中に,医師,看護師の本来の業務に従 事する場合であっても,特定の軽易な業務(定時巡回,定時検温脈等)については,宿 直中に処理しても差し支えないものとされている。 以上からB(イとエ)が正解となる。 正誤 難度 ア × 易 イ ○ 普通 ウ × 易 エ ○ 普通 オ × やや難 その他 コメント オが,やや難度が高い設問肢であったが,正解肢のイ・ エを含め,他の設問肢が容易に正誤の判断ができ,取り 過去問 組みやすい問題であった。 - 10 - [問 8]~[問 10]は,労働安全衛生法 [問 8] 正 解 C A:〇 則 519 条。 そのとおり正しい。 参考 事業者は,高さが 2 メートル以上の箇所(作業床の端,開 口部等を除く。)で作業を行う場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれが あるときは,足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならず,また,こ の作業床を設けることが困難なときは,防網を張り,労働者に安全帯を使用させる等墜 落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならないものとされてい る。 B:〇 則 101 条 1 項。 そのとおり正しい。 参考 プーリーとは,いわゆる「滑車(潤車)」のことである。ス リーブとは,棒軸などをはめ込む金具や,絶縁や結束保護に用いるナイロン・ガラス製 の部品のことである。 C:× 法 30 条 1 項 4 号,則 637 条。 作業場所の巡視は, 「毎作業日に少なくとも 1 回」行わなければならない。 参考 なお, 関係請負人は,特定元方事業者が行う巡視を拒み,妨げ,又は忌避してはならないもの とされている。 D:〇 則 604 条。 そのとおり正しい。 参考 作業面の照度については,①精密な作業については 300 ル クス以上,②普通の作業については 150 ルクス以上,③粗な作業については 70 ルクス 以上とすることとされている。 E:〇 則 151 条の 70。 そのとおり正しい。 参考 本肢の作業には,ロープ掛けの作業及びシート掛けの作業, ロープ解きの作業及びシート外しの作業が含まれる。 正誤 難度 A ○ 難 その他 A,B,D,Eは,解答不能程度の難問であるが,正解 B ○ 難 肢のCは過去問であり,正解そのものを得ることは容易 C × 普通 D ○ 難 E ○ 難 過去問 コメント にできる。 - 12 - [問 10] 正 解 D ア:× 法 66 条,H.19.10.1 基発 1001016 号。 期間の定めがある労働契約により使用される者であっても,「1 年(一定の有害業務に従 事する場合は 6 カ月)以上」使用されることが予定されている者は,「常時使用する労 働者」に該当するため,健康診断を実施しなければならない。 イ:〇 法 66 条 2 項,則 45 条。 そのとおり正しい。 参考 なお,本肢の健康診断の検査項目のうち,胸部エックス線 検査及び喀痰検査については,年 1 回で足りるものとされている。 ウ:× 法 66 条 2 項,則 45 条。 本肢の高所作業は,健康上有害な業務には該当しないため,本肢の者に対する定期健康 診断は,「1 年以内ごとに 1 回,定期に」行うものとされている。 エ:× 法 66 条の 3,則 51 条。 健康診断個人票の保存期間は,「3 年間」ではなく,「5 年間」とされている。 オ:〇 法 66 条 1 項・2 項,S.47.9.18 基発 602 号。 そのとおり正しい。 参考 なお,一般健康診断の受診に要した時間の賃金については, 労使協議して定めるべきものとされているが,労働者の健康の確保は,事業の円滑な運 営に不可欠な条件であることから,その受診に要した時間の賃金については,事業者が 支払うことが望ましいとされている。 以上から「D(イとオ)」が正解となる。 正誤 難度 ア × 普通 イ ○ 普通 ウ × 普通 エ × 易 オ ○ 普通 その他 コメント 通常学習する範囲からの出題であったため,正解を得る 過去問 ことは比較的容易であった。 過去問 - 14 - 労働者災害補償保険法 (労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。) [問 1]~[問 7]は,労働者災害補償保険法 [問 1] 正 解 B A:× 法 7 条,H.23.12.26 基発 1226 第 1 号。 2 カ月間連続して「1 月当たりおおむね 80 時間」を「1 月当たりおおむね 120 時間」に 置き換えると正しい内容となる。 参考 なお,本肢のように 2 カ月間連続して 1 月当 たり 80 時間以上の時間外労働を行った場合における業務による心理的負荷評の総合評 価は,「中」となることとされている。 B:○ 法 7 条,H.23.12.26 基発 1226 第 1 号。 そのとおり正しい。 参考 なお,本肢のほか,同僚等による多人数が結託して人格や 人間性を否定するような言動が執拗に行われた場合も総合評価は「強」と判断される。 C:× 法 7 条,H.23.12.26 基発 1226 第 1 号。 本肢の場合は,心理的負荷の総合評価は「強」となることがある。 参考 なお,身体 接触のない性的な発言のみのセクシュアルハラスメントであって,発言の中に人格を否 定するようなものを含み,かつ継続してなされた場合も総合評価は「強」と判断される。 D:× 法 7 条,H.23.12.26 基発 1226 第 1 号。 本肢の「6 か月より前の出来事」についても,評価の対象となることがある。 参考 セ クシュアルハラスメントのように出来事が繰り返されるものについては,繰り返される 出来事を一体のものとして評価し,発病の 6 カ月よりも前にそれが開始されている場合 でも,発病前 6 カ月以内の期間にも継続しているときは,開始時からのすべての行為を 評価の対象とすることとされている。 E:× 法 7 条,H.23.12.26 基発 1226 第 1 号。 本肢後半の判断は,「主観的」ではなく,「同種の労働者が一般的」にどう受け止めるか という観点から評価されるものであるとされている。 参考 なお,ここでいう同種の 労働者とは,職種,職場における立場や職責,年齢,経験等が類似する者をいう。 正誤 難度 その他 コメント A × やや難 心理的負荷による精神障害の認定基準からの出題は,平 B ○ 普通 成 24 年にも出題されている。今回は,「セクシュアルハ C × 普通 ラスメント等」の心理的負荷の総合評価に関する内容で D × 普通 あったが,難度は高くなく正答を得ることができる問題 E × 普通 であった。 - 15 - [問 5] 正 解 C A:○ 法 7 条,H.21.7.23 基発 0723 第 12 号。 そのとおり正しい。 参考 他人の故意に基づく暴行による負傷の取扱いについては, 従来,個別の事案ごとに業務と災害,又は通勤と災害との間に相当因果関係が認められ るか否かを判断し,その業務災害,又は通勤災害に係る起因性の有無を判断してきたが, 近時の判例の動向などを踏まえ,本肢のように取り扱うこととされている。 B:○ 法 7 条,H.5.10.29 基発 619 号,H.22.9.9 基発 0909 第 1 号。 そのとおり正しい。 参考 労働基準法施行規則別表 1 の 2 第 6 号の 5 では,「…までに 掲げるもののほか,これらの疾病に付随する疾病その他細菌,ウィルス等の病原体にさ らされる業務に起因することの明らかな疾病」とされ,本肢の医師,看護師等医療従事 者が行う予防接種に関連して健康被害が生じた場合には,これに該当するものとして, 業務上疾病として扱うこととされている。 C:× 法 3 条,S.35.11.2 基発 932 号。 本肢の出向労働者に係る保険関係は,出向先事業に係るものとして取り扱うこととされ ている。 D:○ 法 10 条。 そのとおり正しい。 参考 なお,死亡の時期は,船舶が沈没し,滅失し,もしくは航 空機が墜落し,滅失し,あるいは行方不明となった日又は労働者が行方不明となった日 に遡ることとされているため,例えば,遺族補償年金の支給開始時期についても,その 日の属する月の翌月に遡って支給されることとなる。 E:○ 法 10 条。 そのとおり正しい。 参考 前記D肢を参照。 正誤 難度 その他 コメント A ○ 普通 B ○ 普通 過去問 いては,過去において何度も出題されている論点である C × 易 過去問 ため,容易に正答が得られる問題であった。 D ○ 易 E ○ 易 基本的な内容からの出題であり,正解肢となるC肢につ - 19 - [問 7] 正 解 A(アとイ) ア:× 法 9 条 1 項。 年金たる保険給付の支給は,支給すべき事由が生じた「月の翌月」から始め,支給を受 ける権利が消滅した月で終了することとされている。 参考 なお,年金たる保険給付 の支給停止期間についても,「その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月ま での間」,支給停止されることとされている。 イ:× 法 8 条の 5。 給付基礎日額の端数処理は,「1 円未満の端数があるときは,これを 1 円に切り上げる」 こととされている。 ウ:○ 法 18 条 2 項。 そのとおり正しい。 参考 傷病補償年金を受ける者には,休業補償給付は,行わない こととされているため。 エ:○ 法 16 条の 5 第 1 項・2 項。 そのとおり正しい。 参考 なお,本肢の支給停止解除の申請により,遺族補償年金の 支給停止が解除されたときは,申請の月の翌月分から支給が再開される(所在不明時や 所在が明らかとなったときにさかのぼって支給されることはない)。 オ:○ 法 16 条の 9 第 4 項。 そのとおり正しい。 参考 なお,労働者又は労働者の遺族等を単なる「過失」により 死亡させた遺族については,遺族補償給付に係る受給資格の欠格の規定は適用されない (受給資格は欠格しない)。 以上から,「A(アとイ)」が正解となる。 正誤 難度 その他 コメント ア × 易 イ × 易 過去問 内容であったため,容易に正解を導くことができた問題 ウ ○ 易 過去問 であった。 エ ○ 易 オ ○ 易 ア~オのいずれも通常学習する範囲において,基本的な - 21 - [問 8]~[問 10]は,労働保険徴収法 [問 8] 正 解 E A:× 整備法 5 条 2 項。 「労働者 2 名の同意」を「労働者 3 名以上の同意」に置き換えると正しい内容となる。 参考 労災保険暫定任意適用事業の事業主は,その事業に使用される労働者の「過半 数」が希望するときは,任意加入の申請をしなければならないこととされているため(本 肢の場合,常時 4 名の労働者の過半数は,「3 名以上」となる)。 B:× 整備法 5 条 1 項・2 項。 本肢の場合,任意加入申請書に労働者の同意を得たことを証明する書類を添付する必要 はない。 参考 労災保険暫定任意適用事業の事業主が自ら労災保険の任意加入の申請 をする(本肢はこれに該当する)に当たり,その事業に使用される労働者の同意を得る 必要はないため。 C:× 整備法 5 条 1 項。 「認可があった日の翌日」を「認可があった日」に置き換えると正しい内容となる。参考 労災保険暫定任意適用事業は,事業主が労災保険の任意加入の申請をし,「厚生労働大 臣の認可があった日」に,その事業の労災保険に係る労働保険の保険関係が成立するこ ととされている。 D:× 法 5 条ほか。 事業を廃止した場合は,法律上当然に廃止の日の翌日に,労災保険の保険関係は消滅す る。 参考 E:○ 保険関係の消滅の申請をする必要はない。 整備法 7 条。 そのとおり正しい。 参考 労災保険の保険関係の成立は,「労災保険の適用事業の事業 主については,その事業が開始された日又はその事業が適用事業に該当するに至った日 に,法律上当然に,その事業につき労災保険に係る労働保険の保険関係が成立すること とされている。 正誤 難度 その他 コメント A × 易 暫定任意適用事業に係る保険関係の成立と消滅に関する B × 易 問題であるが,いずれも基本的な内容のものであり,確 C × 易 実に得点したい問題であった。 D × 易 E ○ 易 - 22 - 雇 用 保 険 法 (労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。) [問 1]~[問 7]は,雇用保険法 [問 1] 正 解 E A:〇 法 4 条 1 項,行政手引 20351。 そのとおり正しい。 参考 その他の法人(特定非営利活動法人(NPO 法人)を含む。) 又は法人格のない社団もしくは財団の役員も,雇用関係が明らかでない限り被保険者と ならない。 B:〇 法 6 条,行政手引 20303。 そのとおり正しい。 参考 本肢の者の場合のほか,従前から 1 週間の所定労働時間が 20 時間未満の者として適用事業に就労していた者が,労働条件の変更等により,1 週間の 所定労働時間が 20 時間以上となった場合には,当該事実があった日以降において,31 日以上雇用されることが見込まれることとなった日から被保険者資格を取得することに なる。 C:〇 法 6 条,行政手引 20303。 そのとおり正しい。 参考 本肢の者のほか,①卒業を予定している者であって,適用 事業に雇用され,卒業した後も引き続き当該事業に雇用されることになっているもの, ②事業主の命により(雇用関係を存続したまま),大学院等に在学する者(社会人大学 院生など),③その他一定の出席日数を課程修了の要件としない学校に在学する者であ って,当該事業において同種の業務に従事する他の労働者と同様に勤務し得ると認めら れる者も,所定の要件に該当すれば,被保険者となる。 D:〇 法 6 条 7 号,則 4 条 1 項 1 号。 そのとおり正しい。 参考 なお,常時勤務に服することを要する国家公務員以外の者 であって,職員とみなされない者は,所定の要件に該当すれば,雇用保険の被保険者と なる。 E:× 法 4 条 1 項,行政手引 20351。 生命保険会社,損害保険会社,証券会社,金融会社,商社等の外務員については,その 職務の内容,職務の態様(勤務の拘束性),給与の算出方法等の実態より判断して,雇 用関係が明確である場合には,他の要件を満たしている限り,被保険者となる。 正誤 難度 その他 コメント A ○ 普通 出題確率が高い項目からの出題であった。特に難度の高 B ○ 普通 い設問肢はみられず,比較的解答しやすい問題であった。 C ○ 普通 D ○ 普通 E × 普通 - 25 - [問 4] 正 解 C(三つ) ア:× 法 60 条の 2,則 101 条の 2 の 11。 一般教育訓練に係る教育訓練給付金の支給の申請は,一般教育訓練を修了した日の翌日 から起算して「3 か月以内」ではなく, 「1 か月以内」に行うものとされている。 参考 なお,「やむを得ない理由があるか否か」については,問われないものとされた。 イ:× 法附則 11 条の 2。 教育訓練支援給付金は,教育訓練給付対象者であって,所定の要件に該当している者が, 専門実践教育訓練を受けている日のうち失業している日について支給されるものであ る。 ウ:〇 法 10 条の 4 第 2 項。 そのとおり正しい。 参考 不正に受給した教育訓練給付の返還を命ずることができる ほか,不正に受給した教育訓練給付の額の 2 倍に相当する額以下の金額を納付すること を命ずることもできる。 エ:× 法 60 条の 2,則 101 条の 2 の 6。 「交通費」は,教育訓練給付金の支給の対象となる費用の範囲に含まれない。 参考 なお,入学料と受講料(一般教育訓練の期間が 1 年を超えるときは,当該 1 年を超える 部分に係る受講料を除く。)は,当該対象となる費用の範囲に含まれる。 オ:〇 法 60 条の 2,法附則 11 条,則附則 24 条,則 101 条の 2 の 9,則 101 条の 2 の 10。 そのとおり正しい。 参考 過去に教育訓練給付金の支給を受けていないため,①支給 要件期間の要件(一般教育訓練に係る支給要件期間は 1 年以上,専門実践教育訓練に係 る支給要件期間は 2 年以上)も,②給付制限期間の要件も満たしていることになり,教 育訓練給付金の対象者となる。 以上より,誤りは「ア,イ,エ」の 3 つであり,「C(三つ)」が正解となる。 正誤 難度 その他 コメント ア × 普通 15 改 2015 年の改正が 3 肢絡んだ問題であったが,通常の学習 イ × 普通 15 改 の範疇からの出題であり,通常の学習で修得した知識で ウ ○ 普通 過去問 解答できる問題であった。 エ × 普通 過去問 オ ○ 普通 15 改 - 28 - [問 7] 正 解 A A:〇 法 15 条 3 項。 そのとおり正しい。 参考 なお,公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受け る受給資格者に係る失業の認定は,1 月に 1 回,直前の月に属する各日について行われ ることになる。 B:× 法 13 条,法 15 条,則 19 条 1 項。 2 枚以上の離職票を保管するときは,併せて提出しなければならない。 参考 なお,そ の者が受給期間延長通知書の交付を受けているときも,併せて提出するものとされてい る。 C:× 法 15 条,行政手引 51255 本肢の場合は「就職」に該当するため,その日については,失業の認定は行われない。 参考 「就職」とは,雇用関係に入るものはもちろん,請負,委任により常時労務を 提供する地位にある場合,自営業を開始した場合等であって,原則として,1 日の労働 時間が 4 時間以上のもの(4 時間未満であっても被保険者となる場合を含む。)をいい, 現実の収入の有無を問わないものとされている。 D:× 法 15 条 5 項,行政手引 51245。 本肢の行為も,求職活動実績に該当する。 参考 公共職業安定所(船員を希望する者 については,地方運輸局,船員雇用促進センター),許可・届出のある民間受給調整機 関(民間職業紹介機関,労働者派遣機関をいう。)が行う職業相談,職業紹介等が該当 するほか,公的機関等(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構,地方自治体, 求人情報提供会社,新聞社等)が行う求職活動に関する指導,個別相談が可能な企業説 明会等を含める。なお,受給資格者の住居所を管轄する公共職業安定所以外の公共職業 安定所が行う職業相談,職業紹介等を受けたことも当然に該当する。 E:× 法 15 条 3 項,則 23 条,則 24 条 2 項 2 号,行政手引 51351。 本肢の場合は,①当該失業の認定日における失業の認定の対象となる日及び②当該失業 の認定日から当該申出を受けた日の前日までの各日について,失業の認定を受けること ができる。 正誤 難度 その他 コメント A ○ 普通 過去問 Eがやや難解な設問肢であるが,正解肢であるAを含め, B × 普通 他の設問肢の難度はあまり高くなく,比較的取り組みや C × 普通 すい問題であった。 D × 普通 E × やや難 - 31 - [問 8]~[問 10]は,労働保険徴収法 [問 8] 正 解 B A:○ 法 47 条,法 36 条。 そのとおり正しい。 参考 労働保険事務組合の代表者だけでなく,代理人,使用人そ の他の従業者に対しても罰則(6 カ月以下の懲役又は 30 万円以下の罰金)の適用がある。 B:× 法 46 条~法 48 条,則 41 条。 本肢の場合であっても,労働保険徴収法上,罰則の規定は設けられていない。 C:○ 法 46 条,法 42 条,則 54 条,則 55 条。 そのとおり正しい。 参考 なお,印紙保険料納付状況報告書の提出に関し,虚偽の報 告をした場合にも,同様の罰則(6 カ月以下の懲役又は 30 万円以下の罰金)が適用され る。 D:○ 法附則 6 条,同附則 7 条。 そのとおり正しい。 参考 なお,雇用保険暫定任意適用事業の事業主が,その事業に 使用される労働者の 2 分の 1 以上が希望したにもかかわらず,雇用保険の加入の申請を しなかったときも,罰則(6 カ月以下の懲役又は 30 万円以下の罰金)が適用される。 E:○ 法 48 条 1 項。 そのとおり正しい。 参考 本肢は,いわゆる両罰規定の内容である。 正誤 難度 A ○ 普通 A・C~E肢については,通常の学習の範囲で正誤の判 B × 難 断が付く。しかし,正解肢となるB肢については,今ま C ○ 普通 で出題された例がなかったため,正解が導き出せなかっ たようである。 D ○ 普通 E ○ 普通 その他 コメント - 32 - 労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 [問 1]~[問 5]は,労務管理その他の労働に関する一般常識 [問 1] 正 解 A A:× 労契法 3 条 2 項,「『多様な正社員』の普及・拡大のための有識者懇談会報告書」。 本肢の規定には,いわゆる正社員と多様な正社員の間の均衡も含まれるものとされ,労 契法 3 条 2 項を踏まえて,多様な正社員についていわゆる正社員との均衡を図ることが 望ましいとしている。 参考 B:○ 労契法 3 条 3 項,「『多様な正社員』の普及・拡大のための有識者懇談会報告書」。 そのとおり正しい。 参考 労契法 3 条 3 項の「労働契約は,労働者及び使用者が仕事 と生活の調和にも配慮しつつ締結し,又は変更すべきものである」とする規定は,「多 様な正社員といわゆる正社員の間の転換」も含むものとされている。 C:○ 労契法 4 条,「『多様な正社員』の普及・拡大のための有識者懇談会報告書」。 そのとおり正しい。 参考 したがって,限定について書面で確認することが望ましい とされている。なお,労働契約書等において職務や勤務地を明示しても,それが当面の ものか,将来にわたるものか不明な場合も多いため,紛争の未然防止のため,限定があ る場合は,限定の内容が当面のものか,将来にわたるものかを明示することが望ましい とされている。 D:○ 「『多様な正社員』の普及・拡大のための有識者懇談会報告書」。 そのとおり正しい。 参考 本肢は,「高度な専門性を伴わない職務限定」の場合である が,「高度な専門性を伴う職務限定」に関する裁判例では,教育訓練,配置転換,降格 等が必要とされない場合もみられるが,改善の機会を与えるために警告は必要とされる 傾向がみられる,とされている。 E:○ 労契法 7 条,H.24.10.26 基発 1026 第 1 号。 そのとおり正しい。 参考 労基法 106 条による周知の方法とは,「常時各作業場の見や すい場所に掲示し,又は備え付けること,書面を交付することその他厚生労働省令で定 める方法」とされているが,労契法 7 条による周知は,この方法に限定されるものでは なく,実質的に判断するものとされている。 正誤 難度 その他 コメント A × やや難 労働契約法等に関する問題であるが,法律条文そのもの B ○ やや難 ではなく,「懇談会報告書」からの出題であったため,戸 C ○ やや難 惑った受験生も多かったと思われるが,比較的正解は得 D ○ 難 E ○ 普通 やすいものと思われる。 - 35 - [問 2] 正 解 C A:○ 均等法 9 条 3 項,最判 H.26.10.23<地位確認等請求事件>。 そのとおり正しい。 参考 均等法 9 条 3 項では,妊娠・出産等を理由とする解雇等の 不利益取扱いを禁止しているが,最高裁の判例では,このような取扱いは「無効」とさ れた。 B:○ 労契法 5 条,最判 H.26.3.24<東芝(うつ病・解雇)事件>。 そのとおり正しい。 参考 使用者は,必ずしも労働者から精神的健康に関する申告が なくとも,その労働環境等に十分な注意を払うべき安全配慮義務を負っているとするの が,最高裁の判例である。 C:× 障害者法 54 条 2 項,法附則 4 条 1 項,令 17 条ほか。 障害者雇用納付金の徴収額は,原則として,法定雇用障害者数に満たない障害者 1 人に つき,月額 5 万円であるが,次の事業主は,月額 4 万円とされている。 ①雇用労働者数が常時 200 人を超え 300 人以下である事業主(平成 27 年 6 月 30 日まで) ②雇用労働者数が常時 100 人を超え 200 人以下である事業主(平成 32 年 3 月 31 日まで) 参考 なお,障害者雇用納付金の徴収対象となる事業主は,雇用労働者数が「100 人を 超える事業主(雇用労働者数が 100.5 人以上の事業主)」とされている。 D:○ 次世代法 15 条の 2,同法附則 2 条 1 項。 そのとおり正しい。 参考 平成 27 年の改正により,有効期限が 10 年間延長されると ともに,次世代育成支援対策の実施の状況が優良なものであることなど所定の基準に適 合する事業主を,厚生労働大臣が認定する制度(特例認定制度)が設けられた。 E:○ 労契法 18 条 1 項,特別措置法 2 条 3 項,同法 8 条。 そのとおり正しい。 参考 特定有期業務に就く高度専門的知識等を有する有期雇用労 働者(1 年間当たりの賃金が 1,075 万円以上である者に限る。)については,通算契約期 間が 5 年を超える場合であっても,有期業務の開始の日から完了の日までの期間は,期 間の定めのない労働契約への転換の申込みはできないとする特例が設けられている。た だし,当該有期業務の期間は,10 年が上限とされている。 正誤 難度 その他 コメント A ○ 普通 正解 肢の C が, 2015( 平成 27) 年の 改正 に関 す る平 易 B ○ 普通 な設問肢であったため,容易に正解することができる。 C × 易 15 改 D ○ 易 15 改 E ○ 易 15 改 - 36 - [問 6]~[問 10]は,社会保険に関する一般常識 [問 6] 正 解 B A:○ 国民健康保険法 70 条 1 項。 そのとおり正しい。 参考 なお,国は,本肢の療養給付費等負担金のほか,市町村に 対し,調整交付金(100 分の 9)を交付するものとされている。 B:× 国民健康保険法施行令 29 条の 7。 基礎賦課額は,「16 万円」ではなく,「52 万円」を超えることはできないと規定されて いる。 参考 16 万円を超えることができないと規定されているのは,「介護納付金賦課 額」である。 <賦課額の上限> C:○ 基礎賦課額 52 万円 後期高齢者支援金等賦課額 17 万円 介護納付金賦課額 16 万円 高齢者医療確保法 104 条 2 項。 そのとおり正しい。 参考 なお,保険料率は,おおむね 2 年を通じ財政の均衡を保つ ことができるものでなければならないとされている。 D:○ 高齢者医療確保法 108 条 3 項。 そのとおり正しい。 参考 なお,市町村が被保険者の保険料を普通徴収の方法によっ て徴収しようする場合には,世帯主についても連帯納付義務を負うものとされている。 E:○ 高齢者医療確保法 104 条,同令 18 条。 そのとおり正しい。 参考 なお,保険料の賦課期日は,当該年度の初日とされている。 正誤 難度 その他 A ○ やや難 B × 難 C ○ やや難 D ○ 普通 過去問 E ○ やや難 14 改 コメント 国民健康保険法からの出題である。Dは平成 23 年の過 15 改 去問と同旨であるが,A~C,Eは,正誤の判断が困難 である。正解肢Bは,基礎賦課額が何を意味しているか が解れば,正誤の判断がつく。 - 40 - [問 7] 正 解 D A:× 介護保険法 5 条 1 項。 本肢の責務は,「市町村」ではなく,「国」に課されている。 B:× 介護保険法 14 条,同法 16 条,地方自治法 252 条の 7 第 1 項。 介護認定審査会は,地方自治法の規定に基づき,市町村が共同して設置することもでき ることとされている。 参考 なお,都道府県は,介護認定審査会を共同設置しようと する市町村の求めに応じ,市町村相互間における必要な調整を行うことができることと されている。 C:× 介護保険法 124 条 1 項。 「100 分の 25」を「100 分の 12.5」に置き換えると正しい内容となる。 D:○ 介護保険法 124 条 3 項。 そのとおり正しい。 参考 なお,介護予防・日常生活支援総合事業に要する費用につ いては,国がその 100 分の 25(調整交付金を含む)に相当する額を交付し,都道府県は, その 100 分の 12.5 に相当する額を交付するものとされている。 E:× 介護保険法 27 条 1 項,同則 35 条。 要介護認定の申請に関する手続を代行又は代理することができるのは,社会保険労務士 に限るものではない。 参考 指定居宅介護支援事業者,地域密着型介護老人福祉施設 もしくは介護保険施設であって厚生労働省令で定めるもの又は地域包括支援センター等 も,要介護認定の申請代行を行うことができることとされている。 正誤 難度 その他 コメント A × 普通 過去問 介護保険法の「総則」, 「介護認定審査会」, 「費用の負担」, B × 普通 「保険給付」からの出題であるが,いずれの設問肢も基 C × 普通 本事項を問うものであり,正答を得ることはそれほど難 D ○ 普通 E × 普通 15 改 しくない。 - 41 - 健 康 保 険 法 [問 1] 正 解 D A:× 法 3 条 1 項,S.3.3.30 保理 302 号。 事業所の公休日は,労務に服したものとみなされ,本肢の計算の期間に含めるものとさ れている。 B:× 法 3 条 1 項,H.14.4.24 保保発 0424001 号・庁保険発 24 号。 本肢の場合は,前回の雇用契約終了後 10 日目をもって,使用関係が終了したものとし, その使用関係終了日をもって資格を喪失するものとされている。 参考 登録型派遣労 働者について,1 月以内に次回の雇用契約が締結されなかった場合には,その雇用契約 が締結されないことが確実となった日又は当該 1 月を経過した日のいずれか早い日をも って使用関係が終了したものとし,その使用関係終了日から 5 日以内に事業主は,資格 喪失届を提出する義務が生じるものとされている。 C:× 法附則 3 条,則 168 条。 「20 日以内」を「3 カ月以内」に置き換えると正しい内容となる。 D:○ 法 3 条 7 項。 そのとおり正しい。 参考 本肢のいわゆる内縁関係にある配偶者の親族については, 当該配偶者の「父母及び子」に限り,その被保険者と同一の世帯に属し,主としてその 被保険者により生計を維持する場合に,被保険者の被扶養者で E:× 則 49 条,則 170 条 特例退職被保険者に係る被保険者証の再交付の申請は,事業主を経由せず,直接,特定 健康保険組合に行わなければならないものとされている。 参考 被保険者証の再交付 の申請や返納に関し,一般の被保険者については,事業主を経由して保険者に対して行 うが,任意継続被保険者や特例退職被保険者は,直接,保険者に対して行うことになっ ている。 正誤 難度 A × 普通 その他 Cは,任意継続被保険者の資格取得の申出と取扱いが違 コメント B × 普通 うため,やや難しいが,正解肢であるDは過去問である C × やや難 D ○ 易 E × やや難 ため,容易に正解できる問題であった。 過去問 - 45 - [問 5] 正 解 D A:× 法 32 条。 強制適用事業所が強制適用事業所でなくなった場合は,何ら手続きを要することなく, 任意適用事業所の認可があったものとみなされる。 B:× 法 3 条 1 項,S.16.12.22 社発 1580 号。 学生が,卒業後の就職予定先である適用事業所で職業実習する場合には,被保険者とし て取り扱うものとされている。 C:× 則 50 条 1 項。 「3 年ごとに」を「毎年」に置き換えると正しい内容となる。 D:○ 法 36 条,S.2.2.25 保理 983 号。 そのとおり正しい。 参考 本肢の場合は,一応資格を喪失したものとして,資格喪失 届を受理し,被保険者証の回収(回収不能の場合は被保険者証無効の公示をなすこと。) 等所定の手続を行うものとされている。 E:× 法 38 条。 「督促状により指定する期限の翌日」を「納付期日の翌日」に置き換えると,正しい内 容となる。 参考 任意継続被保険者が保険料を滞納した場合であっても,督促状によ る督促は行われない。 正誤 難度 その他 コメント 過去問 通達や条文に沿った,基本的な問題であるため,テキス A × 易 B × 普通 C × やや難 D ○ 普通 E × 普通 トでしっかり学習していれば,確実に得点できる問題で ある。 - 49 - [問 9] 正 解 B A:○ 法 34 条,法 35 条,H.18.3.15 庁保険発 0315002 号。 そのとおり正しい。 参考 同一の企業において本社、支店等の複数の適用事業所があ る場合の社会保険の適用については、被保険者が勤務する事業所に関わらず、その者に 対する人事、労務及び給与の管理(人事管理等)がなされている事業所において適用す ることとされているため。 B:× 法 45 条 1 項。 本肢のB社での 12 月における標準賞与額は,「60 万円」ではなく「100 万円」として決 定される。 参考 標準賞与額の累計は,同一の年度内において,同一の保険者内で行 われる。A社での 3 月の 200 万円と 6 月の 280 万円は,年度をまたがっているため,標 準賞与額は通算されない。また,B社での同年 12 月の 100 万についても,転職前後の 保険者が異なるため(A社は協会,B社は組合),標準賞与額は通算されない。 A社(協会) B社(組合) 喪失 < 3 月> 標準賞与額 ⇒ < 6 月> 200 万円 < 12 月> 280 万円 X年度 C:○ 取得 100 万円 Y年度 法 104 条,法附則 3 条 5 項。 そのとおり正しい。 参考 なお,出産手当金の支給を受けていた被保険者が,資格喪 失後に任意継続被保険者となった場合においても,継続して 1 年以上被保険者であった ときは,資格喪失後も出産手当金が支給される。 D:○ 法 193 条,S.30.9.7 保険発 199 の 2 号。 参考 なお,出産手当金を受ける権利の消滅時効の起算日は,「労務に服さなかった日 ごとにその日の翌日」である。 E:○ 法 99 条 2 項,法 135 条 2 項。 そのとおり正しい。 参考 なお,日雇特例被保険者が厚生労働大臣が指定する疾病(結 核性疾病)に罹っている場合は,傷病手当金の支給期間は,1 年 6 カ月を限度とするも のとされている。 正誤 難度 A ○ やや難 B × 易 C ○ 易 D ○ 易 E ○ 易 その他 コメント 正解肢Bの標準賞与額の累計は,初めて本試験で出題さ れたが,答案練習や模擬試験ではよく出題される内容で 過去問 あったため,容易に正解を得ることができる。 過去問 - 53 - 厚生年金保険法 [問 1] 正 解 ア:○ D(四つ) 法 27 条,則 29 条。 そのとおり正しい。 参考 なお,代理人を解任したときも,あらかじめ,文書でその 旨を日本年金機構に届け出なければならない。 イ:○ 法 27 条,則 15 条。 そのとおり正しい。 参考 なお,船員被保険者の資格取得の届出は,当該事実があっ た日から 10 日以内に,所定の事項を記載した届書を日本年金機構に提出することによ って行うものとされている。 ウ:× 法 27 条,則 13 条。 「5 日以内」を「10 日以内」に置き換えると正しい内容となる。 エ:○ 法 98 条 2 項,則 6 条の 2。 そのとおり正しい。 参考 なお,適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者及び 第四種被保険者がその住所を変更したときは,10 日以内に,所定の事項を記載した届書 を日本年金機構に提出しなければならないとされている。 オ:○ 法 98 条 1 項,則 25 条の 2。 そのとおり正しい。 参考 本肢ただし書のとおり,被保険者が育児休業等終了予定日 の前日までに産前産後休業を開始したことにより育児休業等を終了したときは,本肢の 届出は不要である。 以上から,正しいものは「ア,イ,エ,オ」となり,「D(四つ)」が正解となる。 正誤 難度 その他 コメント ア ○ 易 過去問 届出に関する内容について,正しい設問肢の数を問う個 イ ○ 易 数問題である。一つ一つの設問肢は難解なものではない ウ × 易 ので,届出期限の原則と例外を確認しながら,解答すれ エ ○ 普通 オ ○ 普通 ば,正答を得ることは難しくない。 14 改 ・ 過去問 - 56 - [問 5] 正 解 C A:○ 法 60 条 1 項,法附則(60)59 条 1 項。 そのとおり正しい。 参考 なお,本肢の老齢厚生年金の受給権者の死亡(いわゆる長 期要件)に係る遺族厚生年金の額を計算する場合には,被保険者期間の月数が 300 に満 たないときであっても,これを 300 月として計算するみなし計算は行われない。 B:○ 法 63 条,S.32.2.9 保文発 9485 号。 そのとおり正しい。 参考 C:× なお,法律上「離縁」とは,養子縁組関係の解消をいう。 法 73 条の 2,S.35.10.6 保険発 123 号。 本肢の場合,遺族厚生年金の支給について給付制限を行うことは適当でないとされてい る。 参考 自殺行為は,何らかの精神異常に起因して行われることが多く,これをも って直ちに故意に保険事故を発生せしめたものとして給付制限を行うことは適当でない とされている。 D:○ 法附則(60)73 条 1 項。 そのとおり正しい。 参考 65 歳以上で初めて遺族厚生年金を受けることができること になった妻についても,所定の要件を満たす限り,経過的寡婦加算が行われる。なお, 経過的寡婦加算は,昭和 31 年 4 月 1 日以前生まれの妻を対象として行われるものであ る。 E:○ 法 65 条の 2。 そのとおり正しい。 参考 夫,父母又は祖父母に対する遺族厚生年金は,受給権者が 60 歳に達するまでその支給が停止されるいわゆる若年支給停止が適用されるが,夫につい ては,妻の死亡に関し遺族基礎年金の受給権を有するときは,若年支給停止を適用しな いこととされている。 正誤 難度 その他 コメント A ○ 易 過去問 遺族厚生年金に関し,通達を織り込んで作問しているが, B ○ 普通 いずれの問題もテキスト記載の範疇であり,正答を得る C × 普通 ことは難しくない。 D ○ 普通 E ○ 普通 14 改 - 60 - [問 6] 正 解 A A:× 法 82 条 3 項,令 4 条。 本肢の場合,事業主乙に,当該被保険者についての標準賞与額に係る保険料の負担及び 納付義務はない。 参考 同時に船舶及び船舶以外の事業所に使用される被保険者に係 る事業主の保険料負担及び納付義務については,船舶所有者のみが保険料の半額を負担 し,当該被保険者の負担分と合わせて納付する義務を負うこととされている。したがっ て,本肢の場合は,甲のみが標準賞与額に係る保険料の半額負担義務及び納付義務を負 うことになる。 B:○ 法 85 条。 そのとおり正しい。 参考 被保険者の使用される船舶に関し,当該船舶が滅失し,沈 没し,もしくは全く運航に堪えなくなるに至った場合にも,本肢の保険料の繰上徴収の 対象となる。 C:○ 法 87 条 1 項。 そのとおり正しい。 参考 延滞金を徴収しないのは,次の場合である。 ①保険料額が 1,000 円未満であるとき,②納期を繰上げて徴収するとき,③公示送達の方法 によって督促をしたとき,④滞納につきやむを得ない事情があると認められるとき,⑤督促 状の指定の期限までに保険料を完納したとき,⑥延滞金の金額が 100 円未満であるとき D:○ 法 37 条 4 項,令 3 条の 2。 そのとおり正しい。 参考 なお,未支給の保険給付を受けるべき同順位者が 2 人以上 あるときは,その 1 人のした請求は,全員のためその全額につきしたものとみなし,1 人に対してした支給は,全員に対してしたものとみなす。 E:○ 法 77 条。 そのとおり正しい。 参考 正当な理由がなくて,厚生労働大臣の診断命令に従わなか ったときは,年金たる保険給付の全部又は一部につき,その支給を停止することができ ることとされている。 正誤 難度 A × 普通 「費用の負担」,「未支給の保険給付」,「保険給付」から B ○ 易 の出題であるが,難解な設問はない。なお,正解肢Aに C ○ 易 ついては,厚生年金保険独自の規定からの出題であり, D ○ 易 E ○ その他 コメント 14 改 ・ 直近 7 年間に出題実績はないものの厚生年金保険法の受 過去問 験対策としては,必ず押さえておかなければならない。 普通 - 61 - 国 民 年 金 法 [問 1] 正 解 E A:× 法附則(平 6)11 条 1 項,法附則(平 16)23 条 1 項。 本肢の者のほか,「昭和 40 年 4 月 1 日以前生まれの場合」も,厚生労働大臣に申し出て 特例による任意加入被保険者となることができる。 B:× 法附則(平 6)11 条 7 項,法附則(平 16)23 条 7 項。 本肢のうち,70 歳に達する前に「老齢若しくは退職を支給事由とする年金給付の受給権 を取得したとき」は,「その日の翌日」に,資格を喪失する。 参考 70 歳に達する前に 被用者年金各法の被保険者,組合員もしくは加入者の資格を取得したときは, 「その日」 に,資格を喪失する。 C:× 法附則 5 条 9 項。 「1 年間」を「2 年間」に置き換えると正しい内容となる。 D:× 法 7 条 1 項 3 号。 本肢の者は,第 3 号被保険者となる。 参考 第 3 号被保険者は,「第 2 号被保険者の配 偶者であって主として第 2 号被保険者の収入により生計を維持するもの(第 2 号被保険 者である者を除く。)のうち,20 歳以上 60 歳未満の者」とされており,国籍要件や国内 居住要件は設けられていない。 E:○ 法 7 条 1 項 2 号・3 号。 そのとおり正しい。 参考 65 歳に達したときに老齢厚生年金,老齢基礎年金その他の 老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有し ている場合は,65 歳以後は第 2 号被保険者となることはできないため,主としてその者 の収入によって生計を維持されている 20 歳以上 60 歳未満の配偶者は,第 3 号被保険者 となることはできない(一般的には,第 1 号被保険者となる)。 正誤 難度 その他 A × 易 強制被保険者及び任意加入被保険者に関する基本的な内 B × 普通 容の問題であった。正解肢のEは,平成 25 年に出題さ C × 易 D × 易 E ○ 普通 過去問 コメント れた論点と類似であるため,確実に得点したいところで ある。 過去問 - 66 - [問 5] 正 解 B A:× 法 19 条 1 項,最判 H.7.11.7 老齢年金支給請求,同参加申立て事件。 本肢の遺族は,「厚生労働大臣による未支給年金の支給決定を受けるまでは,死亡した 受給権者が有していた未支給年金に係る請求権を確定的に取得したということはでき ず,厚生労働大臣に対する支給請求とこれに対する処分を経ないで訴訟上,未支給年金 を請求することはできない」ものとされている。 B:○ 法 30 条 1 項。 そのとおり正しい。 参考 障害認定日とは,①初診日から起算して 1 年 6 月を経過し た日,又は②その期間内にその傷病が治った場合においては,その治った日(その症状 が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)とされている。 C:× 法 22 条 1 項。 本肢の場合であっても,20 歳前の傷病による障害基礎年金と第三者からの同一の事由に ついての損害賠償との調整は行われる。 D:× 法 18 条 1 項,法 40 条 1 項。 本肢の場合,遺族基礎年金は,「婚姻した日の属する月分」まで支給される。 参考 年 金の支給期間は,「これを支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から始め,権利 が消滅した日の属する月で終わる」ものとされている。また,遺族基礎年金の受給権は, 当該受給権者が婚姻をしたときは消滅するため。 E:× 法 102 条 1 項・4 項 本肢のうち,「死亡一時金」を受ける権利は,「2 年」を経過したときは,時効によって 消滅するものとされている。 参考 年金給付を受ける権利の時効の内容はそのとおり 正しい。なお,年金給付を受ける権利には,当該権利に基づき支払期月ごとに又は一時 金として支払うものとされる給付の支給を受ける権利を含むものとされている。 正誤 難度 その他 コメント A × 難 A肢は,最高裁の判例からの出題で難しい内容であった B ○ 易 が,他のB~E肢においては基本的な内容の問題であっ C × 普通 たため,A肢に迷わされることなく正解を選ぶことがで D × 易 E × 易 きる問題であった。 - 70 - [問 7] 正 解 C A:○ 法 7 条 2 項,令 4 条。 そのとおり正しい。 参考 被扶養配偶者の具体的な認定基準については,健康保険法 等における被扶養者の認定基準と同じ基準とされている。この認定は, 「日本年金機構」 が行うものとされている。 B:○ 法 8 条ほか。 そのとおり正しい。 参考 本肢の 18 歳の第 2 号被保険者に 19 歳の被扶養配偶者がい る場合には,第 2 号被保険者が 20 歳に満たない場合であっても,被扶養配偶者自身が 「20 歳に達したとき」は,その日に,第 3 号被保険者の資格を取得することとなる。 C:× 法附則 9 条の 2 第 1 項ほか。 繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者(昭和 16 年 4 月 2 日以後に生まれた者に限る。) が厚生年金保険の被保険者(=第 2 号被保険者)となった場合であっても,当該繰上げ 支給の老齢基礎年金は支給停止されない。 D:○ 法 93 条,令 8 条の 2。 そのとおり正しい。 参考 なお,この場合において生じた 1 月分に満たない保険料の 差額分については,別途納付する必要がある。 E:○ 法 94 条の 2 第 3 項。 そのとおり正しい。 参考 なお,①厚生年金保険の管掌者たる政府は,毎年度,基礎 年金の給付に要する費用に充てるため,基礎年金拠出金を負担し,また,②年金保険者 たる共済組合等は,毎年度,基礎年金の給付に要する費用に充てるため,基礎年金拠出 金を納付する。 正誤 難度 その他 コメント A ○ 易 過去問 国民年金法から総合的な内容の問題であるが,いずれも B ○ 易 過去問 基本的な問題である。正解肢となるCは,よく問われる C × 普通 D ○ 普通 E ○ 普通 論点であるため,確実に得点したい問題である。 - 72 -
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