J科 水戸和幸研究室

総合情報学科
年 宮城工業高等専門学校電気工学科 卒業
年 電気通信大学電気通信学部電子情報学科 卒業
経 歴
年 電気通信大学)
年 電気通信大学 助手
年 電気通信大学 助教授
年 電気通信大学 准教授
取得学位
工学博士(
専門分野
、生体工学
味および匂いの感性評価
高齢者および障害者の
運動機能の支援・再建システムの開発
快適なコンピュータ環境の設計
筋電図・筋音図による筋機能計測・診断システムの開発
現在の研究課題
リハビリテーション科学・福祉工学、感性工学 人間情報学、人間工学
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電子情報学専攻博士後期課程 修了
年 阿南工業高等専門学校 電気電子工学科 助手
年 電気通信大学 リサーチアシスタント
年 電気通信大学電気通信学研究科
年 電気通信大学電気通信学研究科
電子情報学専攻博士前期課程 修了
99 97 95
02 01
08 07 03 02
か ず ゆ き
水戸 和幸 先生
と
み
Profile
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総合情報学科 水戸研究室
さらに計測した情報を 様 々 な 面 に 応 用
計測手法などについての基礎的な研究、 間にアプローチしていくことになりま
情報などの様々な特性 の 情 報 の 獲 得 ・
いうものです。人間の 生 理 情 報 や 心 理
当研究室の専門は「 人 間 情 報 学 」 と
――研究内容を教えてください。
すから、一概にどの研究が基礎である
す。そういったものをベースにして人
使うので、電気や機械の知識も必要で
すし、人から情報を得るために機械を
あるいはスポーツなどの知識が必要で
ということで生理的な知識や心理学、
強弱や疲れ具合を評価しようとしてい
た状態にあるのか、発揮している力の
を拾った信号から現在筋肉がどういっ
う、筋肉が縮む時の機械的な振動現象
えていて、筋電図以外にも筋音図とい
せん。そのための信号処理の方法を考
様々な情報を明らかにしないといけま
ったか、その効果も量的に分かるよう
にトレーニングしてどの程度効果があ
とを探っていく必要があります。さら
にどのくらい疲れているのかというこ
るのかということや、トレーニング中
報を得て、どのくらい筋肉が衰えてい
あります。それを知るために筋肉の情
――トレーニングの成果を定量的
様々な研究を行っています。
にしたいということで、筋肉に関する
年くらいで研究している人も
ます。筋音図は取り上げられ始めたの
がここ
とは言えないですね。
少なく、まだまだ応用されていない新
労働の現場にも応用し て い く こ と が で
状態にあるのかを知るために筋電図
主に行っています。筋肉がどういった
僕は人間の運動機能に関する研究を
は落ちていき、最悪の場合は寝たきり
をしています。歳をとると筋肉の機能
の運動トレーニング支援のための研究
その筋電図や筋音図を使って、高齢者
がないのではないかと思います。今は
学・高校で行われるスポーツテストで
ます。評価する方法としては、よく中
アップしたかは関心がある所だと思い
とっても、どれだけ自分の身体能力が
しい情報なので、あまり耳にしたこと
きます。その応用の具 体 例 と し て 、 労
(注)を用いるのですが、それが本当
になってしまうので、歳をとっても健
にどういう分野なのですか。
――先生が研究されているのは特
していく研究も行って い ま す 。 応 用 先
としては、人間を扱う と い う こ と で 医
療や福祉がありますし 、 我 々 に 身 近 な
働する上での効率や作 業 負 担 を 考 え た
に筋肉の状態を反映しているかどうか
m走が何
えているので若い人のように筋トレを
できるんですが、歳をとると機能が衰
ても怪我なくトレーニングすることが
元気な人であれば、ある程度無茶をし
と最近よく言われているんです。若い
ということで筋肉に注目して研究して
を定量的に見ることができればいいな
なのでそういった本質的な機能の変化
変化したかということは分かりません。
けで、本当にコアな部分がどのくらい
れは間接的に身体能力を測っているだ
秒だとかで測る方法がありますが、そ
握力がどのくらいだとか、
すると怪我をしやすくなりますし、怪
います。
めには歳をとるにつれて筋肉の機能が
を考える必要があるのですが、そのた
我してしまうとなかなか治りません。
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なので高齢者向けのトレーニング方法
康であるために筋トレをした方がいい
そうですね。高齢者に限らず我々に
時に、作業している時 の 姿 勢 が ど の く
を 知 る た め に は、 筋 電 図 に 含 ま れ る
に測ろうということですか。
らい人に負担を与えて い る の か を 、 筋
人間に関する研究なの で こ れ と い っ た
求していくということ が あ る ん で す が 、
どがあって、それぞれ に つ い て 深 く 追
ば数学であれば微分積 分 学 や 統 計 学 な
研究だ、というのはな い ん で す 。 例 え
特に何かこういうも の が こ の 分 野 の
どういったものがあるのですか。
――人間情報学の研究の基礎には
評価するということが あ り ま す 。
肉や視覚への負担度と い う 形 で 計 測 ・
分野で言えば生活や、 産 業 に 関 連 し た
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どのように変化するのかを知る必要が
注)筋肉の収縮に伴って生じる電位(筋電位)の変化を記録した信号。
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核になる部分がなく、 幅 広 い 分 野 を 扱
うことになります。人 間 に 関 す る 知 識
運動機能の研究に用いるトレーニング器具
研究室取材
僕が学生の頃からず っ と 筋 肉 の 研 究
ありますか。
この研究室で行われている研究は
ればいいんですが、時代が変わって高
短くするためにはパソコンを高速化す
いうのはどうしても発生して、それを
量的に表現する研究です。待ち時間と
必要なことは身体能力の低下を防ぐこ
ていってもらいたい。そのためにまず
会に対して色々と貢献をしながら生き
元気であっても何もしないよりは、社
をやっていたので、今 も そ れ を メ イ ン
速化しても待ち時間は実際には減って
――その他の人間情報学の分野で、 しているのだろうか、ということを定
で続けているのですが 、 そ れ 以 外 に 感
外にも生活する上でのストレスを低減
に関する研究を行っています。それ以
と、ということで運動機能維持の支援
性工学と呼ばれる分野 の 研 究 も し て い
がどういった関係にあ る の か 、 ま た 脳
を測り、脳の反応と味 の 濃 さ の レ ベ ル
でどう感じているかと い う こ と で 脳 波
いうことを生理情報か ら 測 り ま す 。 脳
の刺激に対してどう反 応 し て い る か と
感じたとかいう時に、 実 際 に 生 体 が そ
例えばある匂いを嗅い だ と か あ る 味 を
に表現するための研究 を し て い ま す 。
ぐらい美味しいかとい う こ と を 数 値 的
す、つまりどのくらい 楽 し い か や ど の
が、そういった質的な 情 報 を 量 的 に 表
い匂いだとかいうこと も そ う な ん で す
イライラしないようなアプリケーショ
ではなくある程度客観的なもので表現
ですが、そのような主観的なものだけ
ートによって評価することもできるの
す。もちろん心理的計測としてアンケ
反応を見て「イライラ度」を評価しま
みられたりするんですが、そういった
されたり、脳波の反応や心拍の変動が
血中内にストレスに関する物質が放出
イライラするとストレス反応といって、
といういたちごっこになってしまうの
た。だからまたパソコンを速くしよう
が出てき
なったと思ったら次は Vista
てまた待ち時間が長くなってしまっ
減っているので、介護が必要なのにし
は、高齢者の人口に占める割合がどん
でしょうか。この研究の背景にあるの
のための研究が目標ということになる
会生活がしていけるような環境づくり
は歳をとってもいきいきと、元気に社
齢者を対象にしているので、最終的に
る度合いを知っておく必要があります。 うことで研究しています。
で、それを改善するためにイライラす
てもらえない人たちが増えてきている
価をします。それが定量的に分かれば、 どん増えていて相対的に介護者人口が
するために、生理的データを使って評
といった問題です。それを防ぐために
て、最初はメーカーに就職し、家電製
それまで電気関係のことを学習してき
て、それが非常に楽しかったんです。
モデル化していく研究をたまたまやっ
に関する研究、生体工学という人間を
業研究があって、その時に初めて人間
ました。高専には大学と同じように卒
立つのだろうかと高専の時に思ってい
て、それが将来どういったことに役に
きました。もともと電気を専攻してい
するためにはどうしたらいいかという
の反応と我々の感情の 関 係 を 知 り た い
ン設計やパソコンのシステム設計をど
は高齢者が元気でいる必要があります。 品の設計・開発などに携わるのだろう
ているのですか。
運動機能の評価について言えば、高
りますか。
僕は宮城高専から電通大に編入して
てください。
――先生の学生時代の話を聞かせ
を行っています。
トレスの低減に通じる感性工学の研究
いて、そのための運動支援の研究やス
を送ってほしいということを念頭に置
ても人間性豊かにいきいきとした生活
研究も必要になってきます。歳をとっ
ということで研究を進 め て い ま す 。
のように工夫していけばいいかという
いとか嬉しいとか、美 味 し い だ と か い
今研究室で実際にや っ て い る の は 、
応用に繋がっていくのではないかとい
――この研究の最終的な目標はあ
パソコンのアプリケー シ ョ ン の 起 動 時
――具体的にどのような研究をし
間に対して我々はどの く ら い イ ラ イ ラ
ます。感性というのは 心 の 変 化 、 楽 し
の
いないんです。例えば WindowsXP
時 に 新 し い パ ソ コ ン を 買 っ て、 速 く
触覚ディスプレイ
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総合情報学科 水戸研究室
の工学的立場からでも 人 間 へ の 支 援 や
と思っていました。し か し 、 電 気 な ど
する興味は高専の時から持ってい
――現在研究されていることに対
わないけども、いくらか弾けてもいい
ですね。だから変なことをしろとは言
な大人しくなっているのかもしれない
にしなきゃいけないよと言われてみん
も出てくるでしょうし、何か目的を持
学にきて勉強しているのかという疑問
です。そうしないと何のために毎日大
でもいいので一つ目的を持ってほしい
目的をどこで見つけ出すかというの
は人によって違うけど、僕の場合はそ
のではないかなと思います。それは何
いいかということを考える必要がある
って、それを達成するにはどうしたら
たということですか。
うですね。高専の頃にどういったこと
――研究室に来る学生に望むこと
んじゃないかなとは思います。
貢献ができることを知 り 、 そ う い っ た
電通大に人間工学の研 究 を し て い る 先
研究を引き続きやりた い と 思 っ た 時 に 、
生がいるということで 編 入 し て き た と
をやりたいか、そのことでどのように
考えないで大学生活を送るよりはまず
いう経緯があります。 そ こ で 電 子 情 報
をやりたいかということを考えれば自
は何かしら将来に向けて行動してほし
然と出てくるものだと思うので、何も
じっくりと研究するなら別に元気でな
人で
くてもいいのですが、複数人で協力し
いです。高校までは生徒と呼ばれます
一つは元気がいいことです。
はありますか。
を生かした職業に就いて何か社会貢献
が、大学に入ると学生と呼ばれます。
社会に貢献したいかを考えていて、人
できるような成果を残せればいいなと
ながら実験をするような場合には、や
に関する研究をやりたい、そしてそれ
きました。やりたいこ と が あ っ て 、 そ
はり元気のいい学生のほうがいいです
学科に3年生で編入し て き て 、 後 は ず
の研究を一生懸命やり た い と い う こ と
いう漠然とした思いがありました。
っと修士課程・博士課 程 と 勉 強 を し て
で編入してきたので、 研 究 室 に 入 り 浸
っていましたね。
あります。変に賢いというか、自分の
主張しなくなったなというイメージは
人しくなったというか、あまり自己を
かは分かりませんが、最近の学生は大
それが良いことなのか悪いことなの
幅広い知識があるに越したことはない
らいい、ということでもありません。
ばいい、あるいは成績が優秀であるか
に言えば、ある特定の分野に詳しけれ
やはり、元気と協調性が大事です。逆
くのでそれほど重要ではありません。
れは研究室に入れば否が応でも身につ
す。スキルはあればいいのですが、そ
ね。この研究室ではその傾向が強いで
す。
いうことも自然と見えてくると思いま
た分野で企業を選択すればいいのかと
す。そうすると就職の時にもどういっ
意欲的に色々なことを学んでほしいで
なると今度は自ら学ぶ立場になるので、
という受身側になるんですが、学生に
か保護されている、色々教えてもらう
生徒というのはイメージとしていくら
――今の電通大生に対する印象と
考えや主張を強く言わないで、言われ
のですが、好奇心を持ってもらえれば
いうのはありますか。
たことに対して何も疑問を感じること
それでいいと思います。
http://www.se.uec.ac.jp/~mito
水戸研究室
――ありがとうございました。
なく適当に受け入れているというか。
――新入生へのメッセージをお願
今の学生と自分達とでやってることは
そんなに変わらないと思いますが、た
だ無茶をしなくなったいうことがある
電通大に入ってきた経緯は色々あっ
いします。
をするとすぐメディアに取り上げられ
たかとは思いますが、入った以上は何
かもしれません。でも今の時代は無茶
たりして社会から怒られるから、静か
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