院長コラム:祈りの島々 八重山

2014年新年号
〔季刊〕
No.54
医療法人 社団 若鮎
院 長コラム:祈 り の 島 々 八 重 山 昨年11月松山空港から沖縄へ飛び立った。目
的は八重山諸島の、マングローブの中でカヤッ
周りにありったけの照明を集めて重苦しい雰囲
気で八重山料理を食べました。
クを楽しむことでした。石垣空港に降り立つと
翌日は天気はそこそこ良く、初夏の気候、川
気温は高く、初夏の気候で暑くて高知の服装で
平湾(かぴらわん)などの石垣島を観光、泡盛、
は汗がでました。フェリーボートに乗り竹富島
石垣牛のハンバーグなどをお土産に買いこん
へ渡り「星のや」に投宿。「なにもない」がコ
だ。夜はホテルのレストランで八重山料理を少
ンセプトの宿泊施設。一戸建様式でテレビもな
量づつアラカルトでオーダーし、次から次へ面
んにも無い。東シナ海に沈む夕日を見ながら浜
白い料理が出てきて美味しく頂き、最後の夕食
辺を散策後夕食。夕食はフレンチでしたがあま
を楽しみました。
り印象に残っていない。星空を見ながら帰宅し
たが周囲は真っ暗。夜半より島は大荒れ、雷鳴
この八重山の旅を通して、食べ物、お酒はあ
まり記憶に残っていない。
が轟き大雨大風、朝になっても嵐は収まらず西
ただお土産に買った「ハカラメ」がおもしろ
表島のマングローブカヤックは中止、何もする
い。お皿の中で水に葉っぱを浮かして置くと、
ことがない。雨粒を見て、風の音を聞いて午前
葉っぱの周囲から芽が出てくる(写真1)。芽が
中を過ごした。昼頃になると風は強いが雨は小
大きく育つと、芽を葉っぱと共にハサミで切り
降りになり竹富島の観光に出発した。島の周り
取り土に移植した。残った葉っぱを水に浮かし
の海は波頭で泡立ち、風は唸り祈りの島々の重
て置くとまた芽が出てくる(写真2)。なんとも
苦しい感じが漂っていました。ブーゲンビリア
おかしな「ハカラメ」である。一方マングロー
が咲いている路を八重山の風に吹かれてひたす
ブの「ヤエヤマヒルギ」が二鉢ダイニングルー
ら歩いた。突然に1件の食堂が見えた。外観か
ムの温かい場所に鎮座している(写真3)。「ハ
らは入るのに勇気がいったが、入ると綺麗で
カラメ」と「ヤエヤマヒルギ」が我が家の小さ
「八重山ソバ」、「ソーキソバ」を食べました。
太麺で薄味、遅めの昼食をすましてまた歩き宿
な八重山を作っています。
どこまで大きく育つのかな。
舎へ帰り、夕食は部屋の薄暗い光の中、座卓の
撮影:北島清彰
写真1 ハラカメ
写真2 ハラカメから切り取った若芽
写真3 ヤエヤマヒルギ わかあゆ
診療へのアプローチ
坂本宏 副院長(消化器外科)
今回は上部消化管内視鏡(胃カメラ)についてのお話をしたいと思います。
胃カメラは大変苦しい検査という人が多いと思いますが、最近は鼻からの胃カメラが普及し、
カメラを飲むときのあの“ギョッ”という感じが激減しています。当院は8年前から導入し、患
者様の評価も上々で、現在では特殊な処置を除くとほとんどの人が、鼻からの胃カメラを選択す
るようになりました。鼻の通り道が狭い人は痛かったり、鼻出血する事があります。胃カメラは
比較的負担が少なく、食道、胃、十二指腸の病気を発見するには非常に有用な検査です。胃の調
子が悪かったら気軽に検査を受けるようにして下さい。
癌は早期であれば全く症状がありません。症状が出たときには、進行して手のつけられない状
態になっている場合を時々見かけます。早期に発見すれば癌は完全に治り、内視鏡での治療も進
歩しているので、お腹を切らないで治療することもできる時代になっています。
50歳を過ぎたら症状がなくても1年に1回は胃の検査を受けるようにして下さい。
荒木 清典医師(糖尿病内科・腎臓内科)
糖尿病診療では、人の死因の三分の一を占める動脈硬化性疾患の進展予防が最大の目的です。
従来からの糖尿病の三大合併症も、網膜や腎臓、神経線維周囲の最小動脈の動脈硬化に由来しま
す。さらに死因に直結する代表的な動脈硬化性疾患である脳卒中、心筋梗塞を併せて、それらに
至る推進因子を各人毎に分析して対応しています。例えばHbA1c(JDS)が5.2%以上が続くと腎
機能異常の兆しが現れる方がいます、ほとんどの方はこんな低値で腎機能異常は出現しませんが、
この方については5.2%にならないように監視・指導しています。代表的な動脈硬化性疾患進展因
子は血圧です。血糖は、HbA1cが10%であっても腎機能が異常にならない人がいて、血圧が上昇
して初めて腎機能異常をきたし血圧の管理を厳重にしている方がいます。コレステロールもまた
大変重要ですが、無視できないのが体重です。体重こそ、血糖、血圧、コレステロールに直結し、
さらに動脈硬化性疾患に直結する、無視できない重要な要因です。
北島 彰子医師(泌尿器科)
日本列島は、いまだ冬将軍の強い支配下にあります。寒い毎日の中で、
こんな症状はありませんか?
トイレに行きたいと思うと急に我慢ができなくなったり、ひどい時は尿が漏れてしまったりしま
す。これは“過活動膀胱”という疾患です。
また咳、クシャミなどで尿がもれることを“切迫性尿失禁”と言います。
いずれもまず症状を良く聞かせて頂き、
その後尿検査、腹部エコー検査などを行い診断いたします。
お困りの方は、病院スタッフに声をかけて下さい。
わかあゆ
歯科衛生士のお仕事
北島病院 歯科衛生士 畑山奈保
歯科衛生士は歯医者で仕事をしていると思われていますが、現在は、病院や施設など活躍の場
は広がっています。歯科衛生士として当院で行っている仕事についてご紹介します。
歯科衛生士の仕事で一番重要な役割は口腔ケアです。口腔ケアとは、お口の中をきれいにし、
食事を摂る(摂食)噛む(咀嚼)飲み込む(嚥下)などの機能回復を図るリハビリの事を言いま
す。
口腔ケアの目的は、
1.お口の中を清潔に保ち、むし歯・歯周病・口内炎などの口腔疾患の予防
2.摂食・咀嚼・嚥下機能低下の予防や改善と口腔内の乾燥予防などがあります。
特に、要介護高齢者の口腔ケアでは、誤嚥性肺炎(食べ物をうまく飲み込めず、肺に入ってし
まい肺炎を起こしてしまうこと)の予防はもっとも重要です。では、どのように口腔ケアを行っ
ているか紹介します。
当院では入院・外来、さらには在宅の患者様にも“口腔ケア”を提供しています。急性期患者
様が多い入院では、入院と同時に介入します。まず、口腔ケア前に、口腔ケアの必要性・重要性
を理解して頂くための説明をします。具体的には、口腔内のチェック(口内炎やむし歯、入れ歯
による傷などのお口の中に異常がないかを確認)次に、口腔状態に合ったケア道具の選択をしま
す。
①吸引ブラシ
わずかな水分でもムセる方のために、ブラシの
部分から水分を吸引しながら清掃できます。
②③舌(した)ブラシ
舌についた汚れを取り除きます。③は使い捨て
タイプです。
④スポンジブラシ
先がスポンジでできており、頬(ほっぺた)や
①
②
③
④
⑤
上あごなどの粘膜の汚れやタンなどを取り除き
ます。
⑤保湿剤
乾燥しがちな口腔内に潤いと唾液分泌を促して
口臭を予防する保湿ジェルです
歯科衛生士がよく使う口腔ケア用品
実際の口腔ケアでは、ブラッシング指導や口腔機能改善のためのマッサージを行います。マッ
サージには、お口の周りを刺激し、唾液の分泌や機能改善の効果があります。また、口腔機能の
状態に応じた食事形態の決定も行います。「味がわかるようになった」「ご飯がおいしくなった」
などのうれしい声を頂いています。
今後も看護師・言語聴覚士(ST)などのスタッフと協力しながら、患者様のお役に立ちたい
と思います。
お口のことでお困りの事がありましたら、黄色の制服(歯科衛生士)に声を掛けて下さい。
わかあゆ
私の楽しみ
私の唯一の趣味であった息子達のサッカー観戦も息
子達の独立により終わってしまいました。特に趣味も
なく、引きこもりの私の楽しみは毎週末、私と夫の心
を癒しにやってくる、もうすぐ7歳と2歳になる孫で
す。
7歳になる孫は、生まれて4時間後に救急搬送され
「ファロー四徴症」という心臓疾患名を聞かされまし
た。生まれてわずか2週間で小さい身体にメスが入り、
それからも何度も手術を繰り返し「元気に成長できる
だろうか」と心配もしました。子供は元気に生まれて
くることが当たり前のように思っていた私たちには大
きな試練でした。24時間酸素を外すことができずに、
どこに行くにも酸素チューブをつけているのを好奇の
目で見られることもありました。5歳の時に岡山医大
にて手術を受けることができました。本人は「新幹線
が見れる」とおおはしゃぎで手術に向かい、無事手術
ライブリーハウス輝 支援相談員 畑山 美喜
も終わりました。体力も少しずつついて小学校に通う
までになりました。春の運動会では皆と一緒にかけっ
こができました。今は自転車に乗る事が楽しくて、私
を誘って越知町内をツーリングしています。二人目の
孫の誕生も随分心配しましたが、我が家に待望の女の
子が元気に生まれてくれました。この小さな我が家の
天使たちの成長が楽しみと、癒しになっています。
平成25年 若鮎忘年会
院内研究発表会を開催しました
平成25年12月20日(金)ザ クラウンパレス新
阪急高知において医療法人 社団 若鮎忘年会を開催しま
した。恒例の余興では5チームのエントリーがあり、
ライブリーハウス輝の『ゴールデンビンボー』チーム
が見事優勝しました。また、スリッパリレー対決ゲー
ム(写真)では闘争心むき出しで、熱く盛り上がりま
した。
今年も楽しく笑いにあふれた時間を過ごし、新しい
年を迎える活力となりました。
平成25年12月12日(木)医療法人 社団 若鮎主
催による合同研究発表会を開催しました。
【発表演題】
1.ノロウィルスの集団感染を防ぐための検討
ライブリーハウス輝 看護部
2.北島病院透析部事業継続計画(BCP)
について
北島病院 管理部
3.当院における認知症透析患者の問題点と対策
北島病院 透析看護部
4.当院における転倒事故の検討
∼ロコモチェックを用いて∼ 北島病院 病棟看護部
5.当院での清潔間歇自己導尿患者の災害対策
北島病院 外来看護部
北島病院のホームページをリニューアルしました
平成26年2月より、職員
の手作りによるホームページ
を新しく立ち上げました。こ
れから順次ページ数を増やし
て、最新の情報などをタイム
リーにご案内していきたいと
思っています。
ホームページへのご意見や
ご要望がありましたら、職員
までお知らせください。
わかあゆ
医療安全対策や感染対策と今後の災害対策の取組発
表では、参加者から多くの質問もあり大変有意義な発
表会になりました。
2014年 新年号No.54
わかあゆ
ホップ ステップ ジャンプ
■発行責任者
医療法人 社団 若鮎 北島病院 理事長 北島清彰 ■編集責任者
事業推進部 事業部長 片岡温子
■編集場所
高知県高岡郡越知町越知甲1662番地
TEL(0889)26−0432 FAX(0889)26−3600
IP(050)5537−1504
E-mail:[email protected]
URL:http://www.kitajima-hp.com