言葉の架け橋 -57- -こんな日本語、英語にできますか?- プレゼンでよく間違える英語(3) 今回は時制 (tense) の話です。まず簡単に日本語と英語の時制の違いを説明します。日本語には 未来形はありません。現在と過去形だけです。「ちょっと待て、『明日は雨が降るでしょ う。』は未来形ではないか?」とおっしゃる方もいるかも知れませんが、「う」「よう」の助動 詞は推量を示します。ですから正確に訳すと“It may rain tomorrow.” とか “It is likely that it will rain tomorrow.” になります。もう一つ、日本語特有なのは、未来のことでも過去形を使うこと がある点です。「取締役会で投資の決定をしたら工場を建てる。」は “We will build a plant once the Board decides to invest in it.” で、“decided” とはなりません。 一方英語には過去、現在、未来形に加えて現在完了形 (present perfect tense)、過去完了形(past perfect tense) というややこしいものがあります。現在分詞は過去に起こった経験や過去から現 在まである状態が続いている場合、過去分詞は過去に起こった何かが別の過去に起こったこと よりももっと前の出来事、という区別をするものです。英語の文法を学んだときにこの辺で 「もう英語とはおさらばだ。」と思った方も多いことでしょう。 ところが残念ながらアメリカに来てしまった限りはこの時制が付いて回るのです。そしてここ をきちんとしないと誤解を招くことがあります。次回は例文を挙げてお話ししていきます。 上記についてご質問のある方、又その他の表現について知りたい方は、 [email protected] まで。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。 通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤース&アソシエーツ社(株) 社長。www.suzukimyers.com
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