はじめに - 金型産業情報

1.はじめに
金型商売に足を突っ込んで 16 年、38 歳の時、無謀にもタイの金型屋に来てしまいました。
学校を出てから、ずっと長い間、英語の辞書すら開いた事も無く元々少なかった英語力は「皆無」に等しくなっていまし
たが、タイ語に比べれば英語の方が「辞書を引けるだけまし」と思い、元来の「ノーテンキ」さも手伝って何とかなるさでタイ
人だけの工場に飛び込んでしまいました。来られた方も戸惑ったと思います。それでも何とかかんとか活きています。
タイは日々変化しています。10 年いる人は 10 年分、昨日来た人は 1 日分の変化を楽しめる所です。バンコクの街中も
数年前にはなかった高架鉄道が走り、今年は地下鉄が開通すると云う事です。 高速道路が次々と完成し、既に大都市
です。その代わり、私の大好きな「タイ」はどんどん減っています。「胡散臭さ」「いい加減さ」がどんどんなくなって行って
います。観光産業を重視し世界中から観光客を集めるために、タイから「胡散臭さ」「いい加減さ」を排除しようとしているよ
うです。喧騒の屋台街で、すぐに壊れる腕時計の値段交渉を、汗拭きながらやったり、スペルが間違っている有名ブラン
ドのかばんを品定めしてみたり、安い宝石を売りつけようと嘘八百を並べる売り子をからかったり、そんなタイが減ってしま
っています。整理整頓されたタイというのは、ダシの入っていない味噌汁のように味気ない物になってしまうような気がし
ます。
これから、書いて行こうと思っている事は、今まで、私の周りでおきた事、聞いた事、見た事です。
自分の手の届く範囲でおきた事だけを思いつくままに書いて行きたいと思っています。
日系企業のお偉いさんが語る「タイについて」やお役人がまとめた「タイの情報」や専門誌に載っている「タイの経済動
向」とか「アジア地域における…….」などと云うきちんとした根拠に基づいている訳ではありません。
私の周りにいるごく普通のタイ人達とのやり取りやその中で感じた事だけです。だから、「何かの参考」「タイで活きる指
針」には絶対になり得ないと云う事だけは間違いありません。
と、云うことで、取り敢えず ごく普通のタイでの生活のひとコマを並べてみました。
最初はお坊さんに喜捨をしている女性の写真です。
毎朝このような光景をあちこちで見かけます。
タイは仏教の国である事を実感するひとコマです。
女性はお坊さんに直接触れる事はできません。
托鉢に出かけるお坊さんの大行列を見かける事
もあります。
眉毛まで剃っていますので、見た目は日本の不良
グループの兄ちゃんと変わりませんが黄色い衣を着ていると眉毛を剃っていても
「ありがたく」なります。
右の写真は、「祠」です。建物の入り口等によく建っています。出入りする人が、
手を合わせている姿をよく見ます。
写真の祠も、昼にはお供え物でいっぱいになります。
お菓子や飲み物が手前の棚いっぱいに並びます。面白いのは、飲み物には、必ずストローがささっている事です。
仏像の写真です。タイで一番美しいと云われている仏像のレプリカです。
石造の物もありますが、私達が行くような観光寺の仏像はほとんど金ピカです。
右の写真はキリスト教のイエス様です。
タイは仏教の国と言われていますが、キリスト教
系の私立学校もかなり多くあります。
仏様と同じ様に、キリスト様も金ピカにされています。
お坊さんの托鉢の行列です。 この行列は比較的若い
お坊さんの行列です。 肩から掛けた丸い入れ物に
食べ物を入れます。
食べ物に対する禁忌は無いようで、出された物は全て
「貰ってあげる」との事。
喜捨をする人に「徳」を積ませる為のお坊さんの大切な
日課です。