航空交通システムの将来 - TFOS.SG 航空運航システム研究会

航空交通システムの将来
中辻吉郎
航空運航システム研究会 (TFOS)
シンポジューム2010
1

なぜ改革が必要か<

日米欧の航空交通システムの改革プラン
・理念と方針 = 何を考えているのか<
・個々のプラン = 何をやろうとしているか<

研究課題; 将来システムの開発
全員参加 ビジネス・チャンス=
・将来プランは、従来型の延長で可能か<
発想の転換が必要か<
なぜ改革が必要か?
今後、需要はさらに増える傾向。
 すでにあらゆる手を尽くしている。
 航空交通システムはアジアの成長を支えきれ
るか?

改革が必要!
 (従来型の延長でなく)新しい発想が必要!
 新しいテクノロジーが開発されている!
 テクノロジーで、運用の改革が可能か?

北京
航空交通量(一日)
1405
CD
CD
Y ZBAA
VYK OKTON
2010年5月8日調べ
GUPAD
TONIL
TYN
ZBTJ
BTC
BEDOG
仁川
PAMDA
ANRAT
山手線 東京駅
平日外回り 323
平日内回り 295
内外・計 618
540
SANKO
ZSQD
PYONYANG ZKKP FIR
DONVO
AGAVO
LATUX
UDINO
A591
PSN
MUDA
L
GONAV
RKSI
SEL
KAE
OSN
KPO
ZSNJ
上海
SUP
RA
PIMOL
927
JEC
VMB
ZSPD
NHW
CJU
AKARA
SADLI
LAMEN
香港
NIRAT
A593
ONIKU
RJFF
FU
E
HKC
795
ELA
TO
SALMI
SULE
OLIV
BULAN
M
VIOE
EPO
BER
BYW LA
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AY
DAR
RCPT
O
MAR583
R583
KE
BORDO
KUDO
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S
KAPLI
MKG
DADO
N
SUC
ATOTI
BOLO
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D
DONSHA
N
CH
VHHH
596
ZYYL
EPGAM
成田
台北IGUR
U
RKCH
HCN
MEVI
N
456
SABAN
関西
BISIS
G581
250
DOVAG
ONC
ROAH
MYC
MD
日本:産官学参加によるプラン「CARATS」




Collaborative Actions for Renovation
of Air Traffic Systems
経済成長、国際的地位の保持
空港・空域容量の増加、運航効率向上
安全向上、環境保全
将来運航システエムのキー
技術目標: 4Dトラジェクトリ運用、PBO、GNSS航法、
予測精度向上、情報共有によるCDM、自動情報処理、
空港ATM、SWIM、繁忙空港・空域の運用、気象
将来システムのキーワード
米国のプラン「NextGen」
(Next Generation Air Transportation System)
NAS (National Airspace System)の将来計画
その戦略は;(本当は世界戦略ではないか?)
 国家経済対策ーGDPの5.6%、1200万人の雇用確保
経済効果 130兆円($1.3兆)
2010年予算800億円
 航空全般対策ー新技術の導入による新しい運用方式
 環境保全、安全・保安
ヨーロッパ(European Union Council)に
よるプラン「SESAR」
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
(SESAR Joint undertaking)
「European Commission」と「 Eurocontrol」の共同
出資により2005年発足、その後「企業連合」が参加
8年間で参加者それぞれ7億ユーロ、計21億ユーロ(約
2300億円)を出資
ヨーロッパ空域全体の統合・標準化(Single Sky)
空域・空港容量の増加と経費節減
安全向上・環境
グローバル航空交通システムの開発戦略
3Ps
Model
PHILOSOPHY
グローバル展開と世界標準化
POLICIES
トラジェクトリ・ベース運用展開、PBN、衛星航法、
情報共有によるユーザ参加(CDM)、予測性強化、
ネットワーク構築、航空交通管理による運航効率化、
PROCEDURES
RNP/RNAV展開, GNSS航法への移行, デジタルデータ通信
(ATN)と空地システム連携、レーダからADS-B/MLATへの転
換、空港管制システムの強化、時間管理トラジェクトリ運航
への転換、GATE TO GATE航空交通管理とその情報処理の
システム化、情報共有ツールによるCDM(ユーザ参加)
8
NextGen Equipage: Critical to Success
NextGen: 航空機アビオニクス要件
Unconstrained
Acceleration
Proposal
性能ベース航法
ADS-B
RNP/RNAV
SSRモードSスキッタ
データ通信機能
FANS+/ATN
FAA & operator investment required to realize NextGen benefits
PBO(N): Performance Based Operation
RNP/RNAVを使えば、
 自由な飛行経路を設定ができるので;
 航空機航法性能要件によりセパレーションを短縮できるので;
(とくに空港周辺において)環境に適合する飛行経路が可能
 効率的な飛行ルート構成が可能
 よって運航効率が向上する。
 航空管制が容易になる(レーダ・ベクター無用という意見)
 よって年間XX百億円の利益を生むことができる。
LGA
ニューヨークでは、RNPアプ
ローチ経路により、(管制官の
レーダ・ベクターがなくても)
こんなにうまくいきます、という
シミュレーション表示。
JFK
ADS-B + MLAT/WAM
ADS-B: Automatic Dependent Surveillance–Broadcast


ADS-B Out: 航空機が有するデータをSSRモ-ドSスキッタにのせ
て発信する。
内容:航空機識別(24ビット), GNSS位置情報、NAVデータ
レーダーに代わって使用が期待される。しかし航空機がADS-B機器
を搭載する必要がある。
WAM: Wide Area Multilateration

マルチラテレーション(MLAT, WAM等)
4か所以上複数のサイトで受信した、航空機からの一つのSSRトラン
スポンダの受信タイムの微妙な「時間差」を「距離」におきかえて航空
機位置を特定する。精度基準は95%RMSで3m。
将来航空交通システムにおける
データ通信ネットワークの概念
アビオニクス
航法システム
航空機
ACARS
FANS 1/A+
通信システム
FANS 2/B
IPTCP
AOC通信
ATS通信
航空会社
運航システム
ATN
航空管制
インターネット
管制システム
AFTN、AMHS
Trajectory Based Operation
Trajectory Based Navigationが可能な航
空交通システムへの改革 チャレンジ!

基礎研究 (日本は世界をリードしている)
・ 航法性能要件の研究 - 電子航法研究所
・ RNAV/RNPエラー検証・評価作業(FTE, NSE等)
・ 性能要件基準化(ICAOへの提案<)
・ 4D運航におけるパフォーマンスの検証等々

トラジェクトリ運用・システムの研究 – 電子航法研究所
これから…
・ 各分野参加の協力研究が必要
3.研究課題; 将来システムの構築
パートナシップによる研究開発
将来の航空交通システムへの課題
航空機側(アビオニクス)
航法精度・予測精度・計算能力の向上(FMS)
データ通信システム機能の向上(MU)
ネットワーク
容量の増加による高速化(SATCOM)
ビットオリエンエッド通信(ATN、IPTCP)
地上システム
トラジェクトリ運航対応のソフト開発
航空交通管理の精度(予測性)の向上
空港面交通管理システムの開発
全システムが一体となって働きます
アビオニクス
航法システム
ACARS
航空機
通信システム
IPTCP
FANS 1/A+
FANS 2/B
ATN
データ
航空会社
運航システム
航空管制
インターネット 管制システム
将来航空交通システム構築のために
求められるパートナーシップ
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航空交通業務プロバイダ = 航空局 *
研究所 = 電子研、JAXAなど *
空域ユーザ 航空会社、自衛隊*
地上インフラ機器等メーカ *
通信事業者 = ARINC SITA AVICOM
航空機メーカ(アビオニクス・メーカ)
*
積極的な参加が期待されるパートナー
私たちは航空交通システムのパートナーです
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日本はこの分野で、世界(ICAOなど)をリードする実力
(能力)があります。
企業は、EUROCAEや RTCA という企業レベルでの活
動に参加し、国際企業基準策定に貢献できます。
航空会社は役割に参画し、またIATAなどの場で、日本
を発信してください。
防衛省は、役割に参画してください。
航空運航システム研究会(TFOS)は、広い分野の皆様
にご参加をお願いして、研究活動(勉強会など)を展開
したいと思います。日本をサポートします。
ぜひ世界を相手にNo.1の地位を獲得しましょう。
この世界では、No.2 は負けです。
END