お墓の納骨スペース「カロート」とは何語か? 一般的にカタカナで表記されるため、外来語だと思われがちだが、外来語ではなく日 本語で、「からひつ(屍櫃・唐櫃)」→「かろうど(唐櫃)」→カロート、と音が変化し たものである。唐櫃とは、 『日本国語大辞典』によると「墓石の下に設けた遺骨を納め る石室」のことである。また、 『日本民族大辞典』によると、 「カロートという民族語彙 は、持ち主が亡くなると棺として使われる、嫁入り道具の長持(ながもち)」のことを 指すこともあるようだ。 『日本国語大辞典 第3巻 第 2 版』p1156 では、 「かろうど【唐櫃】からひつの変 化した語。『かろうど』とも。【唐櫃】に同じ。(略)墓石の下に設けた遺骨を納める石 室。 」とある。からひつ→かろうど→カロートに変わったのではないか? 民族の辞典類をみると『日本民族大辞典 上』p426 で「 『かろーと』とは『唐櫃』が 転訛した言葉であり・・・」と変わっていった経緯が確認できた。 また、 『広辞苑 第 6 版』 『日本国語大辞典 第 3 巻 第 2 版』では「カロート」はな かったが、 「かろうど【唐櫃】 」 「からびつ・かろうと【唐櫃・屍櫃・辛櫃】 」の解説が掲 載されていた。 参考資料 『お墓と埋葬の手帳』 藤井正雄/監修 小学館 2002 年 『広辞苑 第 6 版』 岩波書店 2008 年 『カタカナ・外来語 略語辞典 全訂版』 自由民国社 2006 年 『日本民族大辞典 上』 福田アジオ[ほか]/編 吉川弘文館 1999 年 『日本国語大辞典 第 3 巻 第 2 版』 日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語 辞典編集部/編 小学館 2001 年 -11-
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