千葉大学フォーミュラプロジェクト 第 10 回全日本学生フォーミュラ大会企画書 2012 千葉大学フォーミュラプロジェクト 2012 活動企画書 ~目次~ 1. 千葉大学フォーミュラプロジェクトの紹介 3 2. 全日本学生フォーミュラ大会の紹介 4 2.1 大会コンセプト 2.2 競技種目と配点 3. 2012 年度活動紹介 6 3.1 チーム構成 3.2 今年度コンセプト 3.3 年間計画 3.4 予算計画 3.5 2012 年度への抱負 4. 昨年度開発車両「CF11」 15 5. 歴代の活動実績 16 6. スポンサー 18 -2- 2012 活動企画書 1.1 千葉大学フォーミュラプロジェクト(CUFP)の紹介 「千葉大学フォーミュラプロジェクト」(以下 CUFP と称します)は、千葉大学自然科学研究科材料 加工学教育研究室のメンバー中心に 2004 年 8 月に発足しました。大学のカリキュラムの中では体 験することのできない、企画から販売までのものづくりの本質を経験することを目的に、毎年行われ る自動車技術会主催の「全日本学生フォーミュラ大会」に参加し、総合優勝を目指すことはもとより 千葉大学としてオリジナリティを発信することを目的として活動しています。メンバー数は現在大学 1 年生から大学院 1 年生まで約 30 名で大会参加に向け活動しています。 1.2 活動意義 全日本学生フォーミュラ大会は、学生たちがフォーミュラカーを製作し、単に車両性能を競うだ けではありません。企画・設計・製作・コスト分析・プレゼンテーション能力等も評価の対象にされる ため、単に速いマシンを作ったチームが勝つわけではなく、車両製作を通してものづくりの総合力 が試されます。よって、車両の企画段階から販売に至るまでの一連のプロジェクトを学ぶことの出来 る、疑似体験教育プログラムといえます。車両を設計するために、機械力学、材料力学、流体力学、 熱力学、製図等多くの学問を必要に応じて、学び直し、時には、新たに習得する必要があります。 さらに、実際にものづくりを行うためにこれらは計算のみで終わることなく製品となり実際に動作させ るため、学問をより実践的な形で会得することが可能になります。これは、通常の大学カリキュラム では体験することの出来ない貴重な機会です。工学的知識のほかにも、1 年間という限られた時 間を効率よく使うための企画力、経費を必要最低限で抑えるためのコスト管理能力、計画通りに活 動を行う実行力、さらには、車両製作に必要な物資・資金を様々な企業スポンサー、個人スポンサ ーに出資して頂いて活動が成立しているため、私たちの活動を分かりやすく伝えることの出来るプ レゼンテーション能力も必要となります。 1.3 活動場所 作業場所については工学部から 19 号棟脇の倉庫を貸していただき、作業スペースとして使用し ております。また、総合校舎 G 号棟の一室を部品やデータの保管、エンジン整備スペースとして、ミ ーティング等の各種会議は自然科学 2 号棟のゼミ室を使用させていただいております。 各種部品の加工は工学部機械実習工場および創造工学センターの工作機械を使用させて頂 き、実習工場の教官の方々には技術的ご指導も頂いております。 -3- 2012 活動企画書 2.全日本学生フォーミュラ大会の紹介 2.1 大会コンセプト 全日本学生フォーミュラ大会は、自動車産業の発展に寄与するために、学生の「ものづくり育成 の場」として、学生のものづくりの総合能力を養成し,将来の自動車産業を担う人材を育てる事を 目的としています。学生たち自らが企画・設計・製作したフォーミュラスタイルの小型レーシングカ ー で 競 技 が 行 わ れ ま す 。こ の 大 会 は 、米 国 で 1981 年 か ら毎 年 開 催 され てい る Formula SAE®(SAE international 開催)にならって、日本では 2003 年より自動車技術会が主催して開催さ れるようになりました。 学生フォーミュラ大会では、自らが車両を設計・製作し、車両のトータルパッケージを競い合う大 会であり、アマチュア週末レーサーに販売することを想定して車両を製作します。したがって、加速 性能、ブレーキ性能、操作性能、耐久性能等のレーシングカーとしての運動性能が優れているだ けでなく、設計の優秀さや創意工夫、低コスト、安全性やメンテナンス性、またそれらを審査員に伝 えるためのプレゼンテーション能力が要求されます。よって、学生には車両の企画、設計、製作等 のエンジニアとしての経験はもとより渉外、広報、チームマネージメント、コスト管理等の幅広い知識 を身につけることを必要とされ、教室では培うことが難しい貴重な体験を積むことができます。 日本大会では 2012 年で 10 回目の開催であり、日本の大学はもとより中国、インド、タイなど海外 の大学の参加も増えてきております。年々大会のレベルは上昇しており、チームの経験や能力が 結果に大きく反映され、上位チームの中には海外大会への出場経験もあるチームもあります。 また、多くの企業で大会をバックアップしていただいており、各種講座や製作の指導、部品の提 供などのご支援を頂いています。 第 9 回大会参加チーム集合写真 -4- 2012 活動企画書 2.2 競技種目と得点 競技は静的種目と動的種目の 2 種類に大別されます。静的競技では、商品としての車両が審 査され、動的競技では、車両の運動性能が審査されます。 以下、競技及び配点の詳細です。 競技説明と配点 競技概要 [ 配点 ] 車両の安全・設計要件の適合、ドライバーの 5 秒以内脱出、ブレーキ試験(4 輪 車検 ロック)、騒音試験(所定の条件で排気音 110dB 以下)、チルトテーブル試験(車 両 45 度傾斜で燃料漏れ無し。ドライバー乗車し車両 60 度傾斜で転覆しない) [0] 予算とコストは、生産活動を行うにあたって考慮しなければならない重要な要素 であることを参加者に学ばせることが狙い。車両を見ながら事前に提出したコス コスト トレポートのコスト精度、チームによる製造度合等を確認し、レポートのコストと車 両との適合を審査する。一般に購入品目となる 2 項目について、部品製造プ ロ 静 的 競 技 セスなどの口頭試問を行い、それらの知識・理解度を評価する。 [ 100 ] 学生のプレゼンテーション能力を評価することが狙い。プレゼンテーションは、 プレゼンテーション 『競技のコンセプトに沿い、製造会社の役員に設計上の優れていることを確信さ せる』という仮想のシチュエーションのもとで行う。 [ 75 ] 事前に提出した設計資料と車両をもとに、どのような技術を採用し、どのような工 設計 夫をしているか、またその採用した技術が市場性のある妥当なものかを評価す る。具体的には、車体および構成部品の設計の適切さ、革新性、加工性、補修 性、組立性などについて口頭試問する。 [ 150 ] アクセラレーション スキッドパッド 動 的 競 技 0-75m 加速。各チーム 2 名のドライバーがそれぞれ 2 回、計 4 回走行し、タイム を競う。 [75] 8 の字コースによるコーナリング性能評価。各チーム 2 名のドライバーがそれぞ れ 2 回、計 4 回走行し、タイムを競う。 [ 50 ] 直線・ターン・スラローム・シケインなどによる約 800m のコースを 2 周走行する。 オートクロス 各チーム 2 名のドライバーがそれぞれ 2 回、計 4 回走行し、タイムを競う。エンデ ュランスは、このオートクロスの早いチーム順に走行する。 [ 150 ] エンデュランス 燃費 直線・ターン・スラローム・シケインなどによる周回路を約 22km 走行する。走行 時間によって車の全体性能と信頼性を評価する。 [ 300 ] 耐久走行時の燃料消費量で評価する。 [ 100 ] 合計 [1000] -5- 2012 活動企画書 3.2012年度活動計画 3.1 チーム構成 CUFP は現在、3 名のファカルティアドバイザーのもと、学部生を中心に約 30 名で活動しており ます。以下にチームのメンバー構成、ファカルティアドバイザー一覧を示します。 各学年のメンバー構成 学年 学部 修士 1 年 工学部 学部 4 年 工学部 学部 3 年 工学部 工学部 学部 2 年 学科 人工システム科学 専攻 3 デザイン学科 1 機械工学科 4 電気電子工学科 1 共生応用化学科 1 機械工学科 3 メディカルシステム 工学科 工学部 5 機械工学科 法経学部 学部 1 年 人数 1 経済学科 1 機械工学科 11 電気電子工学科 1 デザイン学科 1 ファカルティアドバイザー一覧 名前 所属 森吉 泰生 教授 熱流体エネルギー学教育研究分野 小山 秀夫 准教授 材料加工学教育研究分野 河野 一義 技術職員 材料力学教育研究分野 -6- 2012 活動企画書 2012 年度 CUFP 配置(2011.11 月時点) チームリーダー: 紺野 浩之(B4) マネジメント班 サブリーダー: 和田 健志(B2) 渉外: 和田 誠(B3) 会計: 広報:酒井 菜々海(B3)、小笠原 美沙(B2) Web: 森 昂也(B2) テクニカルディレクター: 千葉 和輝(B3) パワートレイン班 シャシー班 エクステリア班 パートリーダー: 我妻 武(B3) パートリーダー: 森 昂也(B2) 大倉 僚馬(B1) 鈴木 明晃(M1) 高橋 昂史(B4) 秦 和輝(B1) 鐘ヶ江 優(B3) 千葉 和輝(B3) 和田 誠(B3) 平柳 光(B3) 佐藤 航(B2) 生田 智子(B1) 宇田 和弘(B1) 伊田 征生(B1) 桂 祐樹(B1) 稲垣 友梨(B1) 川越 裕斗(B1) 上野 涼(B1) 宮川 基希(B1) 桐井 理(B1) 竹澤 瑞彩(B1) 吉村 友康(B1) ドライビング班 静的審査担当 学生アドバイザー 戸井田 一宜(M1) コスト審査: 桐井 理(B1) 鈴木 亮(M1) 紺野 浩之(B4) デザイン審査: 千葉 和輝(B3) 清水 貴悠(M1) 鐘ヶ江 優(B3) プレゼンテーション審査: 酒井 菜々海(B3) 田辺 真之(M1) 平柳 光(B3) 車検: 川越 裕斗(B1) 戸井田 一宜(M1) 佐藤 航(B2) 平林 宏介(B4) 他、選考による 石山 竜太(B4) -7- 2012 活動企画書 3.2 コンセプト 3.2.1 プロダクトコンセプト CUFP では、アマチュアレーサー向けのマシン販売を仮定し、サーキット走行を通してタイムを追 求する喜び、操る楽しさを味わってもらいたいという願いから、Car×Fun (カー・バイ・ファン) というプロダクトコンセプトを定めました。CUFP では加速性能や、ハンドリング性能、ドライバビリティ を高次元で実現させるマシン作りを進めていきます。 Car×Fun ~車の楽しみをすべての人に~ そのマシンはありふれた日常の風景を一変させる。ひとたびその身を委ねれば心揺さぶられ、脈 動はドライバーと呼応し、右足を添えれば高らかな咆哮とともに刹那的加速に酔いしれる。手綱を 引けば鼻先は意のままに操れ、蹄は路面をとらえて離さない。人馬一体のドライビングプレジャー があなたの週末を至高のひとときへと導く。 3.2.2 設計コンセプト シャシー 鋭い回頭生 シャシーに関しては、あらゆるコーナーにおいて、旋回性能の向上を目指す。具体的にはサスペ ンションジオメトリの改良やパッケージングレイアウトの見直しによるマスの中心化、低重心化を図る。 また、昨年度マシンにおいてオーバースペックと思われる個所を再検討し、フレーム構成パイプ径 やブレーキディスク径等を見直すことにより、マシンの軽量化も同時に行う。さらに、ドライビングスタ -8- 2012 活動企画書 イルに合わせたステアリングホイールへと変更、タイヤトレッドの拡大によるメカニカルグリップ向上、 アンダーパネル搭載によるダウンフォース確保等、旋回性能の向上に様々な角度からアプローチ する。 パワートレイン 圧倒的な加速感 パワートレインに関しては、加速性能の向上を図る。エンジンを YAMAHA YZF-R6 に変更し、さ らにターボチャージャーを組み合わせ、汎用 ECU で制御することにより低回転域からトルクを発生 させる。これにより、低速コーナーの多いエンデュランスコースにおいて、コーナー立ち上がりでの タイム短縮と燃費改善が期待できる。R6 を採用する理由としては、 1) 600cc エンジンの中で、サイズが比較的コンパクトである。 2) もともと高圧縮比設定であるためにエンジン自体の耐久性が高い。 等の理由からターボ化における吸排気取り回しや頻繁な燃調設定において有利と考えたためであ る。さらに R6 標準搭載のスリッパークラッチによってシフトダウン時のスタビリティを確保できる。これ らパワーユニットに組み合わせるデファレンシャルは高イニシャルトルクの機械式 LSD で、しっかり とトラクション稼ぐ。 操作 ,制御系統 ドライバーフレンドリー インテリアに関しては、ドライバビリティの向上を意識する。多くの人が慣れ親しんでいる 3 ペダル や、肩まで包み込みホールド性のあるシートでドライバーの操作環境をサポートする。シフトは電磁 式パドルシフトを採用し、さらに昨年度不完全に終わってしまったフラットシフトシステムも完成させ、 初心者から上級者まで心置きなくタイムアタックできるマシン目指す。また、データロガーによって、 車速や前後左右 G、ブレーキ液圧、ステアリング舵角等のデータを記録、分析することで個々のド ライビングスタイルに合ったセッティングを実現する。 新開発のステアリングホイール -9- 2012 活動企画書 2012 年度開発車両 CF12 主要諸元 全長 / 全幅 / 全高 2516 mm / 1394 mm / 1115 mm ホイールベース 1600 mm 前/ 後 トレッド 1200 mm / 1200mm 車重 235 kg エンジン YAMAHA YZF-R6(予定) 排気量 599 cc フレーム スチールスペースフレーム(STKM) カウル GFRP サスペンション 不等長・非平行ダブルウィッシュボーン,プルロッド式 ショックアブソーバー KIND SHOCK ブレーキ 前 2-アウトボード / 後 2-アウトボード/ キャリパー:Nissin 変速機 6 速シーケンシャル 電磁シフター デファレンシャル 機械式 LSD ホイール 13inch RAYS TE37 タイヤ 20.5×7-13 Hoosier bias 3.3 年間計画 以下の通りに 2012 年度の活動を進めて参ります。早期シェイクダウンを目指し、今年度のマシン 改良とセッティングに時間を費やせるようにします。 2012 年度大日程 後期 10月 大学 製作外 製作 11月 12月 1月 大学祭 中間テスト 期末テスト 上智技術交流会 日産講座 報告書、企画書送付、企業訪問 設計・解析(12/24まで) 冶具板等の加工 1次材料発注 2次材料発注 2月 3月 春休み OptimumG講習会 スポンサー交渉 製作 3次材料発注 初旬フレーム完成 外注加工発注リミット 静的審査対策 新入生工場実習 その他 前期 大学 4月 大会エントリー 5月 新入生勧誘 製作外 スポンサー交渉 4/6シェイクダウン 製作 新規パーツ導入リミット その他 6月 7月 中間テスト 期末テスト 8月 9月 夏休み 富士SW試走会 等価構造計算書 もてぎ試走会 デザインレポート 第10回大会 シェイクダウン証明 コストレポート IAデータ 走りこみ・セッティング・各種競技対策 静的審査対策 8月初旬カウル完成 車検対策 走行テスト 競技別ドライバー決定 -10- 2012 活動企画書 3.4 予算計画 3.4.1 昨年度会計報告 まず、昨年度の会計報告をさせて頂きます。昨年度の収入、支出は以下のようになっております。 昨年度収入 個人スポンサー, ¥20,000 前年度繰り越し金, ¥11,847 千葉大学工 学部同窓会, ¥114,970 千葉大学工学部, ¥500,000 学生負担(部費+臨時徴収) 千葉大学工学部同窓会 千葉大学工学部 個人スポンサー 学生負担(部費+臨 時徴収), ¥1,961,917 前年度繰り越し金 計 ¥2,608,734 昨年度支出 原材料費, ¥395,347 原材料費 部品費 交通費(燃料費含 む), ¥863,097 加工費 備品・消耗品 部品費, ¥726,613 工具 イベント・大会参加費 交通費(燃料費含む) イベント・大会参 加費, ¥85,171 工具, ¥90,938 計 ¥2,378,473 備品・消耗 品, ¥159,057 加工費, ¥58,250 -11- 2012 活動企画書 3.4.2 今年度予算計画 今年度の予算計画は以下のようになります。新たに支援して頂けるスポンサーの獲得を目指し、 資金提供または物品提供による支出低減分として必要協賛金を見積もりました。 今年度収入 個人スポン サー, ¥200,000 前年度 繰越金, 230261 必要協賛金, ¥130,500 部費 団体スポンサー 個人スポンサー 前年度繰越金 部費, ¥1,560,000 必要協賛金 団体スポン サー, ¥300,000 計 ¥2,420,761 今年度支出 原材料費 大会時交通費(燃料 費込), ¥425,000 部品費 原材料費, ¥320,400 加工費 冶・工具 走行テスト時 交通費(燃料 費込), ¥405,000 部品費, ¥640,800 備品・消耗品 イベント・大会参加費 走行テスト時交通費(燃料費込) イベント・大会参 加費, ¥85,000 備品・消耗 品, ¥285,700 加工費, ¥106,800 大会時交通費(燃料費込) 冶・工具, ¥152,000 計 ¥2,420,700 -12- 2012 活動企画書 3.5 2012 年度への抱負 昨年度は、車両のテスト期間を長くとるためにシェイクダウンを早めることを意識して活動してま いりました。シェイクダウン目標を 4 月としていたものの、想定外のトラブルや、設計、製作の遅れか ら、本格的な動作テストが行えるようになったのは 8 月の下旬となってしまいました。改めて、日程 管理の甘さを痛感した年となりました。しかし、新入生から院生までメンバーそれぞれが、チームの ために自発的な行動し、数々のトラブルを乗り越えることができました。その結果、大会では総合 8 位という過去最高の結果を得ることができました。 今年度は去年度の反省から、日程管理に力を入れるとともに、静的競技、動的競技でさらに成 績を伸ばすことを目標として活動してまいります。今年度、成績が良かった競技はその成績を維持 し、成績の振るわなかった競技ではさらなる得点アップを果たして、総合成績で表彰台に登りつめ ます。道のりは険しいですが、持ち前のチームワークを活かして全力で活動してまいります。 2012 年度 プロジェクトリーダー 紺野 浩之 -13- 2012 活動企画書 4. 昨年度開発車両「CF11」 4.1 車両コンセプト Drivabilityの向上 昨年度、車両の運動性能を向上させる事を目標に車両を開発して参りました。しかし、昨年度マ シンは車両製作が遅れ、セッティングを煮詰める期間が確保できずにコーナリングが極端に難しい 車両となってしまいました。また、シフトレバーやペダル、シート等の剛性不足からドライバーが運 転に集中できる環境が整っていませんでした。そこで、今年度は昨年度車両に対するドライバーの 意見を最重要視し、車両のコーナリングや加速性能を高めるだけでなく,シートや操作系統をドラ イバーに合わせて全面的に見直し、扱いやすく思い切り攻め込める車両を目指しました。 4.2 設計方針 1.ドライバーとの共同設計 今までの車両は設計上の都合や製作日程の遅れなどを理由に、ドライバーへの配慮に欠けた シート、操作系統となってしまいました。今年度はそのことを再認識し、設計段階からドライバーと密 に打ち合わせをし、操作系統の最適な形状、配置を決定しました。また、フレーム設計においても ドライバーに無理な体勢をさせないか、視認性は確保されているか等を重要視し、車両のコックピ ット環境の改善を図りました。 2.汎用 ECU による操作系統の制御 今年度からは ECU による制御でトラクションコントロールシステムを実現し、さらに電磁シフター を採用します。トラクションコントロールの採用によってタイヤの空転を防止し、動力伝達のロスをな くしました。電磁シフターの採用によって素早いギアチェンジが可能になり、加速性能を向上させま す。これらのシステムを実現することで、各動的競技でのさらなる高得点を目指します。 3.種目に合わせた幅広いセッティング 昨年度に引き続きスタビライザー、複数のスプリングを用意しました。また、ブレーキには効き目 を調整できるプロポーショニングバルブを設けました。これによりセッティング幅の拡大を実現させ ました。車両には操舵量センサーやブレーキ液圧センサー等の各種センサーを取付け、走行デー タ取り、テスト走行の際の走行データやドライバーのコメントを参考にドライバーに最適な設定を実 現しました。 -14- 2012 活動企画書 CF11 正面図 CF11 主要諸元 全長 / 全幅 / 全高 2770 mm / 1385.4 mm / 1196.3 mm ホイールベース 1600 mm 前/ 後 トレッド 1200 mm / 1200mm 車重 244 kg エンジン HONDA PC37E (CBR600RR) 排気量 599 cc フレーム スチールスペースフレーム(STKM) カウル GFRP サスペンション 不等長・非平行ダブルウィッシュボーン,プルロッド式 ショックアブソーバー KIND SHOCK ブレーキ 前 2-アウトボード / 後 2-アウトボード/ キャリパー:Nissin 変速機 6 速シーケンシャル 電磁シフター デファレンシャル F.C.C. TRAC ホイール 13inch RAYS TE37 タイヤ 20.5×6-13 Hoosier -15- bias 2012 活動企画書 4.3 出場結果 総合 8 位 (参加 75 チーム中) 第 9 回全日本学生フォーミュラ大会が 9 月 5 日~9 日の日程で開催されました。過去最多の 85 チームがエントリーする中、千葉大学フォーミュラプロジェクトは総合 8 位という結果で幕を閉じまし た。順位は昨年度より上昇し、全種目完遂、完走を果たし昨年度に引き続き日本自動車工業会会 長賞を受賞しました。 2011年度獲得得点 競技種目 静 的 審 査 動 的 審 査 獲得得点/配点 順位 コスト 66.50/100 10 プレゼンテーション 56.25/75 6 設計 68.00/150 34 アクセラレーション 46.20/75 20 スキッドパット 12.70/50 37 オートクロス 129.07/150 12 エンデュランス 271.30/300 4 燃費 15.09/100 30 665.11/1000 8 総合成績 5 歴代の活動実績 2005 年の初参戦以来、私たちは以下の成績で活動を続けて参りました。 参戦成績 年度 順位 2005 年度(第 3 回大会) 総合 24 位(参加 41 校) 2006 年度(第 4 回大会) 総合 10 位(参加 50 校) 2007 年度(第 5 回大会) 総合 24 位(参加 60 校) 2008 年度(第 6 回大会) 総合 9 位(参加 62 校) 2009 年度(第 7 回大会) 総合 23 位(参加 63 校) 2010 年度(第 8 回大会) 総合 20 位(参加 70 校) 2011 年度(第 9 回大会) 総合 8 位(参加 75 校) -16- 2012 活動企画書 2005 年度開発車両 2007 年度開発車両 2009 年度開発車両 2011 年度開発車両 2006 年度開発車両 チフ 105 チフ 307 CF09 CF11 -17- チフ 206 2008 年度開発車両 チフ 408 2010 年度開発車両 CF10 2012 活動企画書 6 スポンサー 私たち千葉大学フォーミュラプロジェクトの活動は昨年度、以下の企業、団体様よりご支援いた だき車両の開発を行うことができました。このような貴重な勉強の場を与えて下さいましたことに、心 よりお礼申し上げます。 -企業・団体スポンサー様 - ※敬称略、50 音順 NTN 株式会社 株式会社トーキン team August 株式会社東日製作所 出光興産株式会社 株式会社トヨタレンタリース千葉 学校法人 日栄学園 日本自動車大学校 株式会社日本オイルポンプ 株式会社SEKI 株式会社ハイレックスコーポレーション 株式会社エフ・シー・シー 株式会社ミスミ 株式会社キノクニエンタープライズ 株式会社メタルワークス 株式会社桑原インターナショナル 株式会社ユタカ技研 株式会社 城南キー 株式会社レイズ 株式会社デンソー 協和工業株式会社 京葉ベンド株式会社 東北ラヂエーター株式会社 サイバネットシステム株式会社 日本オイルポンプ株式会社 住友電装株式会社 日信工業株式会社 ソリッドワークス・ジャパン株式会社 日本精工株式会社 ダウ化工株式会社 日本発条株式会社 タカタサービス株式会社 本田技研工業株式会社 千葉精密株式会社 有限会社葵不動産 千葉大学 有限会社茂原ツインサーキット 千葉大学 工学同窓会 レイクラフトレーシングサービス -Special Thanks- -個人スポンサー様- ※敬称略、50 音順 ※敬称略、50 音順 CUFP OB・OG 斎斎藤 晴郎 CUFP OB・OG 千葉大学工学部 荒井 俊行 佐佐藤 貴之 海田 一哉 千葉大学工学部 実習工場 福田 雄太 四谷 隆久 槇 大地 千葉大学自動車部 松崎 哲 満野 亮 ホンダマイスタークラブ 湯浅 康治 村上 学 三橋 智 和田 真澄 今後もメンバー一同、全力で活動に取り組んで参ります。今後とも何卒、ご支援のほど宜しくお 願い申し上げます。 -18- 2012 活動企画書 スポンサーシップのお願い 私たち千葉大学フォーミュラプロジェクト(以下,CUFP と称します)は 2012 年 9 月に自動車技術 会が主催する「全日本 学生フォーミュラ大会-ものづくり・デザインコンペティション-」に参加する ために、広く企業各社様にスポンサーシップのお願いを致しております。 スポンサーシップ概要 支援形態 ・資金によるご支援 個人様 1 口 5000 円 法人様 1 口 10000 円 ・物資によるご支援 物資によるご支援はその対価を資金で頂いたものとさせて頂きます。 ご支援に対する CUFP の活動 ・車両への広告掲載 (社名、ロゴ等) ・ヘルメット、ドライバースーツへの広告掲載 (社名、ロゴ等) ・CUFP ホームページに広告掲載 ・イベント (大学祭、学内行事、CUFP 活動時 等) での広告掲載 上記以外にも、その他の面でご支援いただける企業各位のご要望に出来る限り応えて参りた いと考えております。 この活動に参加する学生は CUFP を通して、より実践的な技術、知識を身につけ社会に貢献し ていきたいと考えています。そして、他の大学をもリードできる団体を目指しております。是非私た ちの活動理念にご賛同頂き、ご協力して頂けることをお待ち申し上げております。 2012 年度プロジェクトリーダー 千葉大学工学部機械工学科 4 年 紺野 浩之 Email: [email protected] チームホームページ http://www.chiba-formula.com/ -19-
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