―熱気球による地域の活性化について―

平成 18 年9月 13 日(水)開催「朝食会」要旨
―熱気球による地域の活性化について―
講師:(株)ジャパンバルーンサービス
代表取締役 町田耕三氏
◆講師プロフィール
現職
特定非営利活動法人 熱気球運営機構会長
株式会社ジャパンバルーンサービス代表取締役
経歴
1974 年 中央大学在学中 熱気球製作
熱気球初飛行
日本熱気球連盟の設立に参加
1978 年 (株)ジャパンバルーンサービス設立
1980 年 佐賀において熱気球大会実施
役職
1983 年 フランス熱気球世界選手権日本代表
1989 年 ジャパンバルーンクラブ設立
1989 年 熱気球世界選手権を佐賀にて開催
1992 年 北京国際気球大会を企画開催
1993 年 熱気球日本グランプリを開催
1994 年 モンゴル熱気球フェステイバルを企画開催
1998 年 熱気球ワールドグランプリを開催
2002 年 特定非営利活動法人熱気球運営機構設立
渡良瀬バルーンレース組織委員会委員長
佐久バルーンフェステイバル組織委員会委員長
もてぎ熱気球選手権実行委員会委員長
佐賀バルーンフェスタ組織委員会委員長
鈴鹿バルーンフェステイバル組織委員会顧問
渡良瀬遊水地スカイスポーツ協議会会長
栃木熱気球世界選手権事務局長
宇都宮バルーンフェステイバル組織委員会委員長
◆講演趣旨
<気球とは>
熱気球は風任せで、風に逆らっては飛ぶことができず、また大気の不安定と
なる日中には飛ぶことができないため、早朝と日没前の飛行に限定される。
風が強かったり、雨が降っていたのでは飛ぶことはできない。
風下をターゲットに設定されたゴールにどれだけ正確にたどりつけるかを競う
競技である。
<熱気球世界選手権とは>
サッカーのワールドカップ同様、世界最高レベルの熱気球競技会である。
1973 年の第 1 回大会(アメリカ)以来 2 年に1度開催されている。
立候補しての1カ国1票の投票で開催地が決定する。
<世界選手権が栃木で開催されるまで>
1999 年にスタートして今年で 7 回目となる「もてぎ熱気球インターナショナ
ルチャンピオンシップ」の運営が評価されたこと、エリアがおもしろい(八溝
の山並み)ことも評価されたことにより、獲得することができました。
第 12 回
1995 年
アメリカ
第 13 回
1997 年
日本(佐賀県)
第 14 回
1999 年
オーストリア
第 15 回
2002 年
フランス
第 16 回
2004 年
オーストラリア
第 17 回
2006 年
日本(栃木県)
スカイスポーツの盛んな県として、栃木は有名なのである。
代表選手の6名中2名は栃木出身であり、チャンピオンの期待がかかってい
る。
<佐賀県で広がった理由>
1980 年、佐賀には観光の目玉は何もありませんでした。佐賀に気球を持って
いって 25 年が経ち日本で最も気球人口が多い町に、そして毎年 60 万人から
90 万人もの観客を集める佐賀最大の観光イベントに育ちました。
主催組織はボランテイアを中心とする市民組織で成り立ち、各自治体と協賛
企業の3つの組織が協力する形で成り立っています。組織そのものが地域の
財産となって残ったのです。佐賀の大会では本田技研工業が 15 年間に渡りメ
インスポンサーを続けていただけた点も成長の根底にあるかと思われます。
そして、協賛企業として地元の企業名がプログラムに並び、多くの方の理解
を得ているのも重要な点です。
<目ざすものは>
日が昇る瞬間を今の子供たちは目にしていないのが実態である。
雨が降ったら飛べず、風が吹いても飛べないという自然の中で生活している
ことを実感してもらい、無理をすることが危険なこと、自然の中で学ぶこと
の大切さ、我慢をすることを知ってもらいたいと考えている。
栃木で生まれた子供たちが、自信を持って自慢できるものをつくりたい。
これが我々の目指す方向であり、多くの方に理解をしていただき、一緒にや
っていくことを目的にしています。
子供たちの記憶の中に育った熱気球が時代を超えて次の世代へと続いてき
ていることを、佐賀や佐久の大会で確信をしています。親が子供の手を引い
て見に来るもの、それが熱気球大会なのです。
<観客が主役>
強風で競技が中止になると、土手いっぱいに集まった観客が整然と帰って
いく姿に、東京から来た広告代理店の人が、
「10 万人もの人を集めて中止です
のでお帰りくださいと言ったら、東京では暴動が起きますよ」と驚いていた。
次の日、また多くの観客で土手がいっぱいになるのです。今日こそバルーンが空
いっぱいに飛び立つことを願って・・・・・・
大会に携わった人々のみならず、おおくの観客に支えられながら地域に根付
いてゆきます。
<最後に>
栃木の人が栃木の文化を創っていくものであり、他にないものをつくって
いくことを我々から提案いたします。