(1/2) 味の素グループ 紙の環境配慮調達ガイドライン 2012 年 1 月制定 1.前文 現在、世界の森林は、毎年急激な速度で失われている。森林は木材の供給源であるだけではなく、多く の生物が生活する場所としても重要である。また、水や地球温暖化の原因である二酸化炭素を蓄える場 所として、水の浄化、土砂崩れ等の災害の予防、気候の安定等にもなくてはならない役割を果たしている。 さらには、レクリエーションや文化を醸成する場としても重要である。そのため、森林の減少は、健やかな 生態系や私たちの快適な生活にとって大きな脅威であり、森林保全は世界的に重要な課題となっている。 味の素グループは事業活動の様々な場面で森林と関わっている。特に、私たちが事業活動を通して使 用する大量の「紙」は、多くの木材を利用して生産されている。私たちは、持続可能な社会の構築に貢献 することを目指す企業として、事業活動により国内外の森林減少・劣化を招くことがないように、紙の使用 量を節減するとともに、環境・サスティナビリティの観点での紙の調達基準として「味の素グループ紙の環 境配慮調達ガイドライン」を策定し、適切な原料から生産された「紙」の使用を推進する。 2.対象範囲 味の素グループ企業が使用する紙 事務用紙(コピー用紙、封筒、印刷物や商品パンフレット等) 容器・包装用紙(商品の輸送に使用する梱包材を含む) 販促資材(ボード、什器、POP等)に使用する用紙 3.方針 方針1 紙製品の原料となる木材の伐採時に、環境面・社会面で保護価値の高い森林注1)を破壊してい ないことを第三者が認証した紙、および古紙利用100%の再生紙を優先的に調達する。 【適合する具体的な対象】 FSC認証紙および原料として古紙を100%利用した紙 方針2 上記方針1に適合する紙が調達できない場合、味の素グループが森林生態系保全の観点か ら環境に配慮していると認める紙注2)を調達する。 方針3 以下の紙の調達を行わない。 紙製品の原料となる木材の伐採にあたって、原木の生産される国または地域における森林 に関する法令に照らし、手続きが適切になされたことが確認できない紙 【注記】 本方針は木材を原料とした紙の環境配慮調達について定めたものであり、環境に配慮された 非木材紙の利用を制限するものではない。 4.取り組みの姿勢 本方針は定期的に内容の見直しを行う。 本方針に合致する紙の調達に向けて、関係者と情報交換をするとともに、必要な働きかけ、協力を 行う。 本方針に合致する紙の調達を確実に行うため、数値目標とアクションプランを策定するとともに、毎 (2/2) 年の実績を公開する。 本方針に合致する紙の調達にあたっては、責任ある紙の調達方針を有している事業者との取引を 優先する。 注 1) 保護価値の高い森林(High Conservation Value Forests:HCVF)とは、以下のいずれかにあてはまるもの と定義する。 http://www.wwf.or.jp/activities/2009/09/701514.html 環境面: ・ 世界的、地域的、国内的に重要な、固有種、絶滅危惧種、退避地などの生物多様性価値が集中する森 林地域 ・ 世界的、地域的、国内的に重要な、自然に生息する種のすべてまたはその殆どの生存可能な個体群 が自然な分布・個体数で存在する、森林管理区画に含まれるかまたは森林管理区画を含む広大な景 観レベルの森林を含む森林地域 ・ 希少な、絶滅のおそれのある、または絶滅の危機に瀕する生態系の中にあるか、またはそれを含む森 林地域 ・ 危機的な状況において、水源の保護、土壌浸食制御など、自然の基本的なサービスを提供する森林地 域 社会面: ・ 生存や健康など地域コミュニティーの基本的要求を満たすために欠かせない森林地域 ・ 地域コミュニティーの伝統的な文化的アイデンティティーにとって重要な森林地域 注 2) 「味の素グループ紙の環境配慮調達ガイドライン」方針2に適合する具体的な対象については、森林生態 系についての配慮と同時に、各味の素グループ企業が事業を行っている国・地域における社会的状況(グ リーン購入の状況や社会の期待レベル、現地における現時点での最善慣行の奨励の必要性、また紙の 調達可能性等)も勘案して、各国・地域ごとに味の素グループとして独自に定める。 環境配慮紙の定義の検討にあたっては、各国・地域の法人・組織の主体的取り組みをもとに、環境・安 全部(社外有識者・NPO などとの協働を含む)との連携により行うこととする。 (以上)
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