大泉桜学園 学校だより 第31号 11月号

学校だより
練馬区立小中一貫教育校
第 31 号
平成 25 年 11 月6日
発行者 木下川 肇
http://www.sakuragakuen.nerima-tky.ed.jp/
いじめについて
校長 木 下 川
肇
小学生の頃、伝書鳩を飼ったことがありました。近所の友達も同様で、一種のブームだった
と思います。広々とした庭に人間も住めるのではないかとも思える立派な鳩舎(きゅうしゃ)
を設けたプロも身近に住んでいましたが、私はといえば木製のリンゴ箱を八百屋さんから安く
分けてもらい、幾つかをつないだ粗末な鳩小屋で飼い始めたのでした。ところがあっという間
に近所から苦情が寄せられました。曰く「洗濯物が鳩の糞で汚された」ということで、言われ
るまでは気がつきませんでしたが、外で飛ばして訓練するのですからご指摘、誠にもっともな
ことでありました。子供ながらに、申し訳ない気持ちで一杯になりました。そして最も忘れら
れない出来事がありました。鳩小屋の中で強い壮健な鳩が無造作に自分の領域に踏み込む生ま
れたばかりの若鳩を攻撃し、くちばしで容赦なく頭頂部を突き、致命傷となるような深い傷を
負わせることがあったことです。狭い所では鳩もストレスがたまるのか、それともそもそも闘
争的な鳥なのか原因と解決策を考えるより、とにかく本能剥き出しのいじめに私はおののき近
所からの苦情も相まって鳩を友人にもらってもらい、あえなく鳩を飼う楽しみはついえてしま
ったのでした。それからというもの楽しそうに群れているいろいろな動物の様子を見ても、一
筋縄ではいかない難しさがあるのだろうと用心深く考えるようになりました。
さてここで話は人間の世界に移ります。いじめは深刻な人権侵害でありけっして許される行
為ではありません。しかしその撲滅は容易ではなく、むしろ先進国においては広がる様相さえ
あります。大人社会でもパワーハラスメントとかセクシャルハラスメントの発生はいじめと何
ら変わることはありません。
人間の場合は動物世界とは違い、許しがたい深刻な行為であることを理解しなければなりま
せん。なぜなら人間には理性があります。教養や常識もあります。愛情や友情だって存在しま
す。にもかかわらずいじめの加害者になるということは、本能のままにうごめく動物と比べて、
そうした情愛をわかっていながら相手を傷つけるのですから、悪魔の所業と言わざるを得ませ
ん。もう一つ悪魔の所業というには理由があります。いじめの代表的な形態として「無視・ひ
やかし・ひそひそ話(陰口)
・品物隠し・ばい菌扱い」というものから「携帯電話等で誹謗中傷・
強要(ゆすりたかり)」さらには「ズボンをずりおろしてからかう(それを写真に撮る)・集団
によるリンチ」などがすぐに思い浮かびます。そのどれもが相手の尊厳を否定し弱者たらしめ、
それを楽しむ(優位性・支配性)ということで共通しております。一般社会でも上司の部下に
対する指導・助言も相手の尊厳を犯す言動なら、パワハラでありいじめに当てはまるでしょう。
11 月は練馬区重点課題として「いじめ一掃プロジェクト」に取り組みます。ご家庭におかれ
ましても、お子様が正しい認識を持てるよう、団欒の中で話題にしてください。本校において
は、どこの学校でもどの学級でも起こりえるとの危機感に立ち、児童生徒会の協力を得て一層
の組織的取り組みを展開いたします。
いじめの防止と早期発見について
生活指導主幹 関野 純一
平成 23 年 10 月 11 日に発生した大津市立中学生の自殺は、私たち大人に、いじめに対する再認識をさせた
辛い事件でした。これまでも学校は、いじめに対する指導を丁寧に行ってきました。しかし、この痛ましい
事件を教訓にいじめ問題への対応には、学校と家庭が連携し、いじめの防止といじめの早期発見・早期対応
が必要であることが明らかになりました。そして、発生した場合には、いかなる理由があっても被害者の側
に立って組織で対応することが重要であることも明らかになりました。
本校では、これまでもいじめ問題の対応として、いじめの実態把握をするためのアンケートを定期的に実
施したり、児童生徒が相談しやすいように教育相談の体制を充実させたりしてきました。また、命の教育の
取組として、各学級の道徳の授業でも、いじめについて考える内容を取り扱ったり、情報モラル教室でパソ
コンや携帯電話などでの誹謗中傷被害のケースを学習したりしてきました。
11 月は、練馬区の小中学校すべてで「練馬区いじめ防止シンボルマーク」を一人一人が考える活動を行い
ます。子供たちが明るく楽しい生活が送れるように子供たち自らがいじめについて考え、いじめを防止する
気持ちをはぐくむことをねらいとしています。この機会に、ぜひお子さんといじめについて話し合う場をつ
くってみてください。
学校と家庭が連携し、いじめの早期発見・早期対応を行うために「いじめ発見のポイント」を以下に示し
ました。いじめにかかわることでご心配なことがありましたら、いつでも学校にお知らせください。
「いじめ発見のポイント」
お子さんに次のような状態は見られませんか。いじめは大人の目に付きにくい場所で行われたり、遊び
やふざけあいを装って行われたりします。たとえ、小さな兆候であってもいじめでないかと疑いをもって、
も子供たちの実態に応じた学校としての「いじめ防止基本方針を」作成を進めているところです。
早い段階から多くの大人(学校・家庭)で的確にかかわり、いじめを軽視しないことが早期発見につなが
ります。家庭でもお子さんの変化を確認していただければと思います。
■表情・態度
■身体・服装
○あいさつをしても返さない
○笑顔が何となく沈んでいる
○ぼんやりしていることが多い
○視線をそらし、合わせようとしない
○表情がさえず、ふさぎ込んでいて元気がない
○周りの様子を気にしておどおどしている
○感情の起伏が激しい
○無理に、はしゃいでいる
○けがの原因をあいまいにする
○体に原因不明の傷などが見られる
○顔色が悪く、活気がない
○寝不足等で顔がむくんでいる
○シャツやズボンが汚れていたり、ボタンが取れ
ていたり、ポケットが破けたりしている
○服に靴の跡がついている
■言葉・行動
■遊び・友人関係
○登校をしぶったり、忘れ物が多くなったりする
○家から金品を持ち出す
○学校や友人の話をしたがらない
○行き先を伝えない外出が増える
○付き合う友達が急に変わる
○特定のグループと常に行動を共にする
○いつも一人ぼっちである
■持ち物・金銭
■親との関係
○ノートや教科書、体操服等に落書きがある
○見慣れない物が急に増える
○筆記用具や学習用具の紛失が多い
○必要以上にお金を持っている
○親と目線を合わせなくなる
○親との会話を避けようとする
○親とかかわろうとしない、避けようとする
本校では、平成 25 年9月 28 日に施行された「いじめ防止対策推進法」を受け、今後、一層のいじめの
未然防止に努めるとともに、学校におけるいじめ防止等のために組織的な対応をしてまいります。
、
第3回
桜祭
文化的行事委員長 太田 幾代
10 月 24 日(木)第3回桜祭を、和光市民文化センターサンアゼリア大ホールにて行いました。
台風 27 号による大雨を心配しましたが、今回はバスを利用したため、余力を残してホール入りすることがで
きました。
開会式から立見になりそうなほどの観客を前に、桜祭実行委員長の花田君の大変立派な挨拶が始まると、
開場は静まり、やや緊張感のある空気に変わりました。トップバッターの3年生は、
『天使の羽のマーチ』で
は元気のよい歌声、対照的に『美女と野獣』ではしっとりとした演奏を披露しとても素敵でした。2番目の
4年生は、
『小さな勇気』のきれいなハーモニーで会場を魅了し、
『レイダース マーチ』は元気のよさを発
揮しました。1年生は初めての桜祭でしたが、
『うちゅうじんにあえたら』で「シュー!」とロケットになり
ながら楽しく歌い、
『きらきら星変奏曲』では指揮者の保田先生を見て落ち着いて演奏しました。2年生は、
『青い空に絵をかこう』を手話を交えて、とびきりの笑顔で歌い、合奏では『となりのトトロ』を奏でまし
た。5年生は、連合音楽会を控えての演奏で、入場や並び方など連合音楽会と同じ隊形で演奏しました。リ
コーダーで『ルパン三世のテーマ』
、合唱『かならずかならず』、合奏『ファランドール』とも練習の成果が
現れていました。
教職員合唱は限られた時間内での練習でしたが、重厚な混声4部合唱『大地讃頌』を聴いていただけたか
と思います。さらにアンコールでは、校長先生の指揮で気持ちよく『ひこうき雲』を歌うことができました。
午後は6年生からスタート。きれいな2部合唱で
Nコンの『ふるさと』を歌い、
『木星』では迫力のあ
る演奏で観客を惹きつけました。7年生は、先日連
合音楽会で発表していたこともあって、落ち着いた
伸びやかな声できれいなハーモニーで『空高く』
『Let’s search for Tomorrow』を聴かせてくれま
した。8年生は、『絆』
『手紙』で混声3部の良さを
感じさせてくれました。そして、9年生。
『聞こえる』
も素晴らしかったですが、なんといってもアカペラ
9年生合唱 『ふるさと』
の『ふるさと』は「合唱の神髄」を感じさせてくれ
ました。ホールの中に響き渡る混声4部の歌声は、まさに桜祭の頂点を極めた合唱でした。
そして、最後の吹奏楽部の演奏は、とても楽しく、子供たちは体でリズムを取りながら聴いていました。
アンコールの『にんじゃりばんばん』は、1,2年生が運動会で踊った曲だったので、知っているメロディ
ーが流れたら、全員立ち上がって踊っている姿がとても微笑ましかったです。
全体を通して、昨年よりもさらにレベルアップした桜祭となりました。来年の桜祭が今からとても楽しみ
です。保護者の皆様をはじめ、多くの方々にご参観いただきありがとうございました。
平成 25 年度後期児童生徒総会
児童生徒会担当 豊崎 恵美
10 月 11 日(金)に「平成 25 年度後期児童生徒総会」を行いました。今期の児童生徒会が掲げたスローガン
は『Team of SAKURA 新たな伝統を築き上げよう』です。西校舎で過ごす5~9年の児童生徒が交流を深め、
共に信頼し合うことができる『チーム桜』を目指し、開校3年目の学校に新たな伝統を築き上げるという意
味が込められています。このテーマを基に各委員会で今後の活動方針や計画を話し合い、議案書にまとめま
した。その内容について各学級で話し合い、質問や意見
をまとめました。各学級から出された質問や意見につい
て5~9年生が集まって話し合う場が児童生徒総会です。
はじめに、各役員や委員長たちが5、6年生にもわか
るように活動方針や計画をわかりやすく説明しました。
次に、各学級から出された質問や意見を発表し、児童生
徒会役員や委員長が答えました。一人一人が真剣に耳を
傾けて総会に臨んでいました。質問や意見も上級生を中
心に多く提示され活気あふれる総会になり、今後の学校
生活をより豊かにする提案が多く出て、とても有意義な
壇上で質問するには勇気が必要です。
総会となりました。
最後には児童生徒会長から給食時に放送で流れるクラ
ス作文についての説明があり、
「学年が違っても互いを知り合うことができる機会として一人一人にしっかり
と聞いてほしい。
」と呼びかけていました。新しくスタートしたばかりの第3期児童生徒会ですが、学校のた
めにできることは何かを模索しながら活動する姿はさすがでした。
5~9年生全員の意見によってつくられ、成功した児童生徒総会。よりよい学校にするために全員で力を
合わせ、毎日の生活の中で実践していってほしいと思います。第 3 期児童生徒会の活躍に期待しています。
「○カット」は第 7 学年以上で ○時間目の科目をカットすることの略です。
☆中は神谷スクールカウンセラー、☆小は西田スクールカウンセラーの勤務日です。
【心のふれあい相談員勤務日】 E=東校舎:広瀬 9:00-14:30 W=西校舎:加島 13:00-17:00
日
月
火
水
木
金
1
☆小W
土
2
校外学習(7 年)
9 年⑥カット
3
4
文化の日
10
11
(イチョウ祭)
17
開校記念日
E
朝礼
進路面談終
9 年⑥カット
18
(長栄会
祭)
5
振替休業日
24
25
☆中
7
13
E
交流教育(3-2)
ふれあい給食
(3-1)
W
中間考査
期別朝礼(Ⅰ期)
交流教育(4 年)
さくらっ
子まつり
12
6
午前授業
全学年⑤カット
研究授業(6-1)
E
19
☆中E
中間考査
26
☆中W
期別朝礼(Ⅱ,Ⅲ)
マラソン週間始
部活動の最終下校時刻
E
8 ☆小W
クラブ活動
交流教育(5 年)
9 年⑥カット
14
E
安全指導
ふれあい給食(2
年)9 年⑤⑥カット
9
土曜授業
室町体験 6 年
親睦を深め
る会
15
☆小W
16
22
☆小W
23
委員会活動
生活科見学(12
年) ⑥カット
20
E
中間考査
避難訓練
27
21
中央委員会
クラブ活動
E
交流教育(7 年)
午前授業全
研究授業(2-2、5
年)⑤カット
28
勤労感謝の
日
E
29
児童集会
クラブ活動
学校保健委員会
☆小W
30
ブラインドサッカー(4 年)
下町体験学習(8
年)
11 月1日(金)~2月 18 時 00 分
読書の秋~図書館運営について~
学校図書館担当 加藤由紀子
大泉桜学園には、東西の校舎に図書室があります。東西の図書室には、子供たちの興味・関心や学習内容
に合わせた本が揃えられています。本年度は、学校図書館支援員の藤生さんが東西図書室の本の管理や貸し
出し、読み聞かせなどの支援を行っています。
東校舎の図書委員会(4年生)による新しい取り組みがあります。
来室するとポイントが貯まり、ポイントによって手作りのしおりと
交換できるカードを発行しました。金曜日の中休みには、担当の図
書委員が本の読み聞かせをしたりします。
また、西校舎で活動する5~9年生の図書委員が、1~4年生に
向けて、自分の心に残った本やおすすめの本の読み聞かせをする会
も予定しています。このような取り組みを通して、今後の大泉桜学
園の読書活動の充実に繋げていきます。
東図書室で貸出す4年の図書委員
練馬区中学校連合音楽会に参加して
音楽科担当 武者 裕子
10 月8日(火)に練馬文化センターにおいて、練馬区中学校連合音楽会
が行われました。大泉桜学園では毎年学年合唱を発表しています。今年
度は7年生が学校代表として参加しました。練習期間も短く、最初の合
同練習ではどうなっちゃうのだろうと不安にかられましたが、そこは頑
張る7年生。練習の回を重ねるごとにまとまってきました。本番では午
後の部トップバッターということで、緊張する間もなく気がつくと舞台
に立っていたというのが正直なところです。大泉桜学園の生徒はどの学
連合音楽会で熱唱する7年生
年も本番に強いというのが本校に赴任して以来思うことです。2曲目を
歌い終わると晴れやかな顔で舞台をおりてきました。「楽しかったぁ」「緊
張した」「来年も出たい」と様々な感想が聞かれました。演奏後は他校の素晴らしい演奏を聴き、声高らかに『夢
の世界を』
『練馬区歌』を全員で合唱して幕は閉じました。
「やっぱり音楽はいいなぁ」と改めて思った1日
でした。※5 年生が参加した小学校連合音楽会については来月号で紹介いたします。