pag e2 01 6調査 報告 page2016 調査報告書 <パッケージ・ラベル> 4 色水性染料インクを使っており、海外のラベル EXPO では数十台の成約実績があり、日本市場へは 2015 年 末に投入された。 ジーエーシティ調査隊 <九石楓夏・柳本賢一> 【初めに】 紙器・軟包装などのパッケージ印刷分野につい ては、近年の機材展をみると小ロット・多品種向け のソリューション展示が数多くみられる。印刷分野 においては、インクジェット方式や電子写真方式な ど従来ではない無版の印刷方式を各社提案している。 ラベルサンプル また、後加工分野においては紙器に関しては CO2 レー ザーなどでの後加工や金型を使うものの、小型・省 スペースのダイカッターなどが増えてきていると感 ■コニカミノルタビジネスソリューションズ(株) じる。今回の page2016 では後加工機材を含めて紙 コニカミノルタブースでのパッケージ・ラベルソ 器・軟包装向けのプリプレスからポストプレスまで リューションとして、オンデマンドラベル印刷機 の機材を多くの出展していた。 「bizhubPRESSC71cf」のサンプル展示があった。 また、シール・ラベル印刷についても小ロット・ 食品包装をモチーフとしたソリューション展示を行 短納期・多品種が近年のマーケット動向であるが、 っており、ディスプレイなどを使って機械の構造や シール・ラベル用デジタル印刷機の出展も伺えた。 動きなどを説明。(株)ミヤコシと共同開発となって 紙器・軟包装・シール・ラベル業界では従来の印 いる。 刷方式での印刷がまだまだ主流であるが、従来型か らより効率がいい手法に今後シフトするのではない かと考えられる。 【出展内容】 ■(株)SCREEN グラフィックアンドプレシジョンソリューションズ シール・ラベル印刷分野において、スクリーンブ ースでは、2 つのモデルの出展があった。1 つ目はフ ラベルサンプル ラッグシップモデルである「TruepressJetL350UV」 のサンプル展示。多品種・小ロット生産はラベル・ パッケージ業界でも多く、ユーザーからは、コスト・ ■富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(株) 納期・品質などのニーズに応える必要があり、 富士フイルムブースでは XMF ワークフローと POD 「TruepressJetL350UV」を使用することにより高 機を中心にしたソリューションを出展。パッケージ い生産性と印刷品質を実現することができ、UV 印刷 においては、成長が期待される水性フレキソ印刷分 特有の臭気も低く抑えている。また、ラベル印刷の 野に対して、パッケージプリントトータルソリュー エントリーモデルとして、「Trojan2」サンプルを参 ション「GRANPACS 」を提案している。これには、 考展示。価格面での優位性があり 1500 万円程度。電 「FLENEX シ ス テ ム 」や製版、版材、プルーフ、印 源は 100V を使用可能であり、操作性も容易である。 刷機、デジタル印刷など様々なソリューションが盛 ジー エーシ ティ株 式会社 pag e2 01 6調査 報告 り込まれている。 ボトルサンプルや HP 社が開発したデザインパターン フレキソ印刷においては、刷版の効率化を推進す を作成するシステム「Mosaic」を使ってデザインし るためにダイレクトレーザー彫刻機「FLENEX DLE たボトルサンプルの展示などがあり、「Mosaic 」を Setter」や版材「FLENEXFW シ リ ー ズ 」、 「FLENEX 使用すると、数パターンの絵柄を準備するだけで何 FD シ リ ー ズ 」を併せて提案している。また、パッケ 万通りのデザインを自動生成することができる。実 ージ用のプルーフシステムとして、パッケージ印刷 際にコカ・コーラの販促物として、カラフルなデザ 用ファインジェットプルーファー「GP-PRIMOJET 」 インボトルを使った販促を行っている。また、「My を出展。また、デジタル印刷分野では(株)ミヤコシ うまい棒」を作れるソリューションや小ロット・多 とタイアップし、軟包装印刷における小ロット・多 品種のパッケージソリューション事例紹介が目立っ 品種の問題に新たなソリューションとして軟包装用 ていた。 UV インクジェット印刷機「MJP-20W」のサンプル出 展を行った。「MJP-20W」は低臭気 UV インクジェッ ト技術を使用しており、従来まで UV 独特の臭気が気 にされていたが、新たなインクの開発により低減す ることに成功した。なお、 「MJP-20W」は今春発売予 定。 HPIndigoサンプル ■エスコグラフィックス(株) エスコブースではパッケージソリューションや紙 MJP-20W サンプル また、ワイドフォーマットソリューションではワ 器のカッティング機材やプリプレス分野で効率化を イドフォーマット LEDUV インクジェットプリンター も固定インクセットでブランドカラーを正確に印刷 「AcuityLED1600」の後継機種で「AcuityLED1600 するソリューションとして、 「Equinox」を出展。軟 Ⅱ」が出展された。サイン・ディスプレイ用途とし 包装への印刷についてはコーポレートカラーなど特 て使用されているが、従来機と異なる点は C、M、Y、 色を使用したものが多く、現在の印刷でもまだまだ K、LC、LM に加えてホワイト、クリアを搭載。また、 使用されている。 「Equinox」は特色を使用せずに C、 同時に 8 色を印刷できるようになった。サンプルと M、Y、K のプロセスインキに加えてオレンジ、緑、青 してはレザック調の冊子サンプルやモックアップ、 から 2、3 色を付け加えたマルチカラーで色再現を行 Acuity 用のインクなどの展示があった。 うことができるシステムとなっている。これを使う ことにより、1 点 1 点の特色印刷ではなく、多色プロ ■(株)日本 HP セス印刷が可能となる。 図るワークフローシステムの出展などがあり、中で HP ブースでは「HPIndigo」をはじめとして、 「HP PageWideWebPress」のサンプル展示を行った。 HPIndigo のサンプルとしては、実際にコカ・コーラ の販売促進で使用された、名前入りのコカ・コーラ ジー エーシ ティ株 式会社 pag e2 01 6調査 報告 Equinox 印刷サンプル NEWany-001 ■メディアコンフォート(株) 【まとめ】 印刷機器・製版機器・製本機器など印刷関連機材 パッケージ分野の出展は昨年の IGAS2015 程ではな の輸入・販売を行うメディアコンフォート(株)が いが、各社様々な内容で出展していた。特に、軟包 page2016 にて出展していたのはデジタルカラーラベ 装をインクジェット印刷する技術は、今後の業界動 ルプレス「NEWany-001」である。 向として注目する点であると感じる。パッケージ分 OKI データのエンジンを使用した当機械は大容量 野の特色再現については、クライアントからの要望 トナーにて、模造紙・アート紙といった紙類のメデ が強く、正しい色での印刷が必須となっているため、 ィアにはもちろん、PET、PP 及び転写紙といった多様 インクジェット方式でプロセスインクのみ、あるい なメディアにラベルを出力することが可能である。 は多色プロセス+白色インクを使った色再現がどこ 1,681mmX458 ㎜X578 ㎜と卓上サイズと小型ながら まで可能かという点についても興味がある。 速度は毎分 9m、2 時間で 5,000 枚のラベルが出力で 海外事例などを見ると、軟包装印刷だけではなく、 き、一度の印刷で最大 200m まで印刷することができ 紙器印刷、商業印刷、新聞印刷においてもアプリケ る。解像度も 600X1200dpi となっており、精巧かつ ーションは異なるものの、従来とは異なるデジタル 微細な表現を可能としている。 印刷化が進んでいると感じる。 また、オプションとしてレーザーダイカッター 「any-CUT 」も紹介している。NEWany-001 にて出 力したラベルを時間 5,000 枚のスピードでカットす ることができるという。また、ラミネート装置もセ ットされており、ラベルカット時には専用ソフトに てバーコード、ナンバリング、QR コード、日付およ び時間などの情報を直接マーキングすることが可能。 様々な印刷物に対しバリアブルに対応することがで きるようになっている。 ジー エーシ ティ株 式会社
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