小 学生に 新 ゲーム様式導入 ゲーム様式 年々、活気を増す小学生ハンドボール。ハンドボーラ―にとって、 長い競技人生の入り口となるこの時期に、より正しい習慣を身 につけようと、新年度から新ゲーム様式の導入が決まった。こ こではその狙いとともに、新ゲーム形式をリポートしていく。 全 国 小 学 生 大 会 の 活 況 ぶ り な ど、 小学生ハンドボーラー、指導者のモ チベーションの高まりはうれしい限 りだ。 その反面、試合に勝つということ に重きが置かれ、6m ライン付近で 引 い て 守 る の が ハ ン ド ボ ー ル、 と いった固定観念の中でのプレーにつ な が り、 自 由 に ボ ー ル を 奪 っ た り、 コートをいっぱいに使って走り回る といった子どもらしい発想やコート 中盤での判断力が伴っていない、と いう課題も見えてきた。 ゲーム様式 そこで、2012年に日本協会技 術委員会の中に﹁ 間を経て、今年4月から﹁Jクイッ いゲーム様式の導入に着手。試行期 強さの養成﹂を具現化できる、新し と 奥 行 き の 感 覚 の 養 成 ﹂﹁ 1 対 1 の 成 ﹂﹁ ハ ン ド ボ ー ル に お け る 広 が り 確で素早い判断力、多面的能力の養 ﹁正確な基礎基本の技術の習得﹂﹁正 しい習慣 ︵ Good Habit ︶を身につけ、 将来にわたって発展していくために ンドボールの魅力を味わいつつ、正 そして、少年期の子どもたちがハ 検討委員会﹂が立ち上げられた。 U − 12 94 U −1 2 新 ゲ ー ム 様 式 ネット ①新様式の前提 アウターゴールライン 指導者は「U−12の指導理念(速 いゲーム展開の中での積極的なD F) 」の具現化に努めることが求 められる ゴールライン ゴールキーパーライン 交代ベンチ ゴールエリアライン ②コートの大きさ 7mライン 36m×20m ※詳細は右図参照 フリースローライン ③試合時間 オフィシャル席 36m ※3セットの総得点で争う ※インターバルは5分間 ※記録席にセット回数を表示 交代地域の長さは 従来どおり サイドライン 3セット制(10分×3) センターライン ④試合開始 ・ゲーム前のトスによりサイド とスローを選択 スローオフはいずれも ゴールキーパーライン (長さ50cm)上からゴー ルキーパーが行なう 交代ベンチ ・セットごとに両チームはサイ ドを交代し、スローオフも交 互で行なう ・スローオフはゴールキーパー からのスロー 4m ・ゴールキーパーはゴールキー パーライン上から、審判の笛 の合図でスローする ※9mラインの外でDFすること のルール化も検討されたが、レ フェリーの見極めも難しく、こ の新様式には採用されなかった クハンドボール﹂として、新ゲーム 様式が導入される運びとなった。 新様式は日本協会競技規則をベー 20 スに、より速く、切れ目のないコー 36 ト中盤の展開も重視することで、① 分、総得点制︶ を採用し、 10 m × m のコートで②3セット制 ︵1セット さらに③ゲーム開始も含め、スロー オフはGKがゴールキーパーライン から行なう、こととなった。 この新様式の導入の狙い、効果を ﹁ 日 々 の 練 習 方 法 が 変 わ る こ と で、 トータルの力が身につけば。早い段 階 か ら バ ッ ク プ レ ー ヤ ー、 サ イ ド、 GKとポジションを固定せず、コー ト中盤での展開、技術も楽しむこと につながれば﹂と語る日本協会小学 生委員会・山本繁委員長。 すでに全国各地で新様式が導入さ れて試合が行なわれ、その試合では ﹁NTS ︵ナショナルトレーニングシ ステム︶が推奨し、取り組んでいる 積極的なDFや、止まってではなく、 動きながらパス回しをする姿勢につ ながっている﹂︵同︶という。 趣旨を踏まえたうえで、新様式の スムーズな浸透を望みたい。 95 20m
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