院内感染対策関連法規

院内感染対策関連法規
(すべての医療機関に求められる事項)
医療法(昭和23年法律第205号)(抄)
全ての医療機関が対象
第六条の十 病院、診療所又は助産所の管理者は、厚生労働省令で定めるところにより、医療の安全を確保するための指針の策
定、従業者に対する研修の実施その他の当該病院、診療所又は助産所における医療の安全を確保するための措置を講じなけれ
ばならない。
医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)(抄)
第一条の十一
2
病院等の管理者は、前項各号に掲げる体制の確保に当たつては、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 院内感染対策のための体制の確保に係る措置として次に掲げるもの(ただし、ロについては、病院、患者を入院させるため
の施設を有する診療所及び入所施設を有する助産所に限る。)
施設を有する診療所及び入所施設を有する助産所 限る。)
イ 院内感染対策のための指針の策定
ロ 院内感染対策のための委員会の開催
ハ 従業者に対する院内感染対策のための研修の実施
ニ 当該病院等における感染症の発生状況の報告その他の院内感染対策の推進を目的とした改善のための方策の実施
良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律の一部
の施行について (平成19年3月30日 医政発0330010 厚生労働省医政局長通知)(抄)
2 医療施設における院内感染の防止について
(1) 病院等における院内感染対策について
病院等の管理者は、法第6条の10及び新省令第1条の11第2項第1号の規定に基づき、次に掲げる院内感染対策のための
体制を確保しなければならない。ただし、新省令第1条の11第2項第1号ロの院内感染対策のための委員会の開催についての
規定は、患者を入院させるための施設を有しない診療所及び妊婦等を入所させるための施設を有しない助産所の管理者に
ついては適用しないこととすること。
なお、次に示す院内感染対策に係る措置については、新省令第1条の11第1項に規定する医療の安全を確保するための措
置と一体的に実施しても差し支えないこととすること。
1
① 院内感染対策のための指針
新省令第1条の11第2項第1号イに規定する院内感染対策のための指針は、次に掲げる事項を文書化したものであること。また、この
指針は、新省令第1条の11第2項第1号ロに規定する院内感染対策のための委員会(以下「院内感染対策委員会」という。)の議を経て
策定及び変更するものであることとし、当該指針は従業者へ周知徹底すること。ただし、患者を入院させるための施設を有しない診療
所及び妊婦等を入所させるための施設を有しない助産所においては 院内感染対策委員会の議を経ることを要しないこととすること
所及び妊婦等を入所させるための施設を有しない助産所においては、院内感染対策委員会の議を経ることを要しないこととすること。
ア 院内感染対策に関する基本的考え方
イ 院内感染対策のための委員会(委員会を設ける場合を対象とする。)その他の当該病院等の組織に関する基本的事項
ウ 院内感染対策のための従業者に対する研修に関する基本方針
エ 感染症の発生状況の報告に関する基本方針
オ 院内感染発生時の対応に関する基本方針
カ 患者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
キ その他の当該病院等における院内感染対策の推進のために必要な基本方針
② 院内感染対策のための委員会
新省令第1条の11第2項第1号ロに規定する院内感染対策のための委員会とは、当該病院等における院内感染対策の推進のために
設けるものであり、次に掲げる基準を満たす必要があること。
設けるも
あり 次 掲げる基準を満たす必要がある と
ア 管理及び運営に関する規程が定められていること。
イ 重要な検討内容について、院内感染発生時及び発生が疑われる際の患者への対応状況を含め、管理者へ報告すること。
ウ 院内感染が発生した場合は、速やかに発生の原因を分析し、改善策の立案及び実施並びに従業者への周知を図ること。
エ 院内感染対策委員会で立案された改善策の実施状況を必要に応じて調査し、見直しを行うこと。
オ 月1回程度開催するとともに、重大な問題が発生した場合は適宜開催すること。
月1回程度開催するとともに 重大な問題が発生した場合は適宜開催すること
カ 委員会の委員は職種横断的に構成されること。
③ 従業者に対する院内感染対策のための研修
新省令第1条の11第2項第1号ハに規定する従業者に対する院内感染対策のための研修は、院内感染対策のための基本的考え方
及び具体的方策について、当該研修を実施する病院等の従業者に周知徹底を行うことで、個々の従業者の院内感染に対する意識を
及び具体的方策に
いて、当該研修を実施する病院等の従業者に周知徹底を行う とで、個々の従業者の院内感染に対する意識を
高め、業務を遂行する上での技能やチームの一員としての意識の向上等を図るものであること。
当該病院等の実情に即した内容で、職種横断的な参加の下に行われるものであること。
本研修は、病院等全体に共通する院内感染に関する内容について、年2回程度定期的に開催するほか、必要に応じて開催すること。
また、研修の実施内容(開催又は受講日時、出席者、研修項目)について記録すること。ただし、研修については、患者を入所させるた
めの施設を有しない診療所及び妊婦等を入所させるための施設を有しない助産所については、当該病院等以外での研修を受講する
ことでも代用できるものとし、年2回程度の受講のほか、必要に応じて受講することとすること。
④ 当該病院等における感染症の発生状況の報告その他の院内感染対策の推進を目的とした改善のための方策
新省令第1条の11第2項第1号ニに規定する当該病院等における感染症の発生状況の報告その他の院内感染対策の推進を目的とし
た改善のための方策は、院内感染の発生状況を把握するため、当該病院等における感染症の発生動向の情報を共有することで、院
内感染の発生の予防及びまん延の防止を図るものであること。
内感染の発生の予防及びまん延の防止を図るものであること
また、重大な院内感染等が発生し、院内のみでの対応が困難な事態が発生した場合、又は発生したことが疑われる場合には、地域
の専門家等に相談が行われる体制を確保することが望ましいものであること。
さらに、「院内感染対策のための指針」に即した院内感染対策マニュアルを整備する等、その他の院内感染対策の推進のために必
要な改善策を図るとともに、それらを定期的に見直すことが望ましいものであること。
2
医療機関等における院内感染対策について (平成23年6月17日 医政指発0617 厚生
労働省医政局指導課長通知)(抄)
(感染制御の組織化)
○ 病院長等の医療機関の管理者が積極的に感染制御に関わるとともに、診療部門、看護部門、薬剤部門、臨床検査部門、事務部門
等の各部門を代表する職員により構成される「院内感染対策委員会」を設け、院内感染に関する技術的事項等を検討するとともに、全
ての職員に対する組織的な対応方針の指示や教育等を行うこと。
○ 医療機関内の各部署から院内感染に係る情報が院内感染対策委員会に報告され、院内感染対策委員会から状況に応じた対応策
が現場に迅速に還元される体制を整備すること。
が現場に迅速に還元される体制を整備すること
○ 院内全体で活用できる総合的な院内感染対策マニュアルを整備し、また、必要に応じて、部門ごとにそれぞれ特有の対策を盛り込
んだマニュアルを整備すること。これらのマニュアルは、最新の科学的根拠や院内体制の実態に基づき適時見直しを行うこと。
○ 検体からの薬剤耐性菌の検出情報等、院内感染対策に重要な情報が、臨床検査部門から診療部門へ迅速に伝達されるよう、院内
部門間の感染症情報の共有体制を確立すること。
○ 感染制御チーム(後述)を設置する場合には、医療機関の管理者は、感染制御チームが円滑に活動できるよう、感染制御チームの
院内での位置づけと役割を明確化し、医療機関内のすべての関係者の理解と協力が得られる環境を整えること。
(感染制御チーム)
○ 病床規模の大きい医療機関(目安として病床が300床以上)においては、医師、看護師、検査技師、薬剤師から成る感染制御チ
病床規模の大きい医療機関(目安として病床が300床以上)においては、医師、看護師、検査技師、薬剤師から成る感染制御チーム
ム
を設置し、定期的に病棟ラウンド(感染制御チームによって医療機関内全体をくまなく、あるいは、必要な部署を巡回し、必要に応じて
それぞれの部署に対して指導などを行うことをいう。)を行うこと。病棟ラウンドは、可能な限り1週間に1度以上の頻度で感染制御チー
ムのうち少なくとも2名以上の参加の上で行うことが望ましいこと。
○ 病棟ラウンドに当たっては、検査室からの報告等を活用して感染症患者の発生状況等を点検するとともに、各種の予防策の実施状
況やその効果等を定期的に評価し 各病棟における感染制御担当者の活用等により臨床現場への適切な支援を行うこと
況やその効果等を定期的に評価し、各病棟における感染制御担当者の活用等により臨床現場への適切な支援を行うこと。
○ 感染制御チームは、医療機関内の抗菌薬の使用状況を把握し、必要に応じて指導を行うこと。
○ 複数の職種によるチームでの病棟ラウンドが困難な中小規模の医療機関(目安として病床が300床未満)については、必要に応じて
地域の専門家等に相談できる体制を整備すること。
(標準予防策と感染経路別予防策)
○ 感染防止の基本として、例えば手袋・ガウン・マスク等の個人用防護具を、感染性物質に接する可能性に応じて適切に配備し、医療
従事者にその使用法を正しく周知したうえで、標準予防策(全ての患者に対して感染予防策のために行う予防策のことを指し、手洗い、
手袋やマスクの着用等が含まれる。)を実施するとともに、必要に応じ、院内部門や、対象患者及び対象病原微生物等の特性に対応し
た感染経路別予防策(空気予防策、飛沫予防策、接触予防策)を実施すること。また、易感染患者を防御する環境整備に努めること。
○ 近年の知見によると、集中治療室などの清潔領域への入室に際して、履物交換と個人用防護具着用を一律に常時実施することに
よる感染防止効果が認められないことから、院内感染防止を目的としては、必ずしも実施する必要はないこと。
3
(手指衛生)
○ 手洗い及び手指消毒のための設備・備品等を整備するとともに、患者処置の前後には必ず手指衛生を行うこと。
○ 速乾性擦式消毒薬(アルコール製剤等)による手指衛生を実施していても、アルコールに抵抗性のある微生物も存在するため、必
要に応じて水道水と石けんによる手洗いを実施すること。
○ 手術時手洗いの方法としては、持続殺菌効果のある速乾性擦式消毒薬(アルコール製剤等)による消毒又は手術時手洗い用の外
用消毒薬(クロルヘキシジン・スクラブ製剤、ポビドンヨード・スクラブ製剤等)と水道水による手洗いを基本とし、水道水を使用した手
術時手洗いにおいても、最後にアルコール製剤等による擦式消毒を併用することが望ましいこと。
(職業感染防止)
○ 注射針を使用する際、針刺しによる医療従事者等への感染を防止するため、使用済みの注射針に再びキャップするいわゆる「リ
キャップ」を原則として禁止し、注射針専用の廃棄容器等を適切に配置するとともに、診療の状況等必要に応じて、針刺しの防止に配
慮した安全器材の活用を検討するなど、医療従事者等を対象とした適切な感染予防対策を講じること。
(環境整備と環境微生物調査)
○ 空調設備、給湯設備等、院内感染対策に有用な設備の適切な整備や、院内の清掃などを行い、院内の環境管理を適切に行うこ
と。
○ 環境整備の基本は清掃であるが、その際一律に広範囲の環境消毒を行わないこと。血液もしくは体液による汚染がある場合は、
汚染局所の清拭除去及び消毒を基本とすること。
○ ドアノブ、ベッド柵など、医療従事者や患者が頻繁に接触する箇所については、定期的に清拭し、必要に応じてアルコール消毒等
を行うこと。
○ 多剤耐性菌感染患者が使用した病室等において消毒薬による環境消毒が必要となる場合は、生体に対する毒性等がないように
配慮すること。消毒薬の噴霧、散布、薫(くん)蒸や紫外線照射などは効果が不確実であるだけでなく、作業者への危険性もあること
から、これらの方法に いては、単に病室等を無菌状態とすることを目的として漫然と実施しないこと。
から、これらの方法については、単に病室等を無菌状態とすることを目的として漫然と実施しないこと。
○ 近年の知見によると、粘着マット及び薬液浸漬マットについては、感染防止効果が認められないことから、原則として、院内感染
防止の目的としては、これらを使用しないこと。
○ 近年の知見によると、定期的な環境微生物検査は必ずしも施設の清潔度の指標とは相関しないことから、一律に実施するのでは
なく、例えば、院内感染経路を疫学的に把握する際に行う等、必要な場合に限定して実施すること。
(医療機器の洗浄、消毒、滅菌)
○ 医療機器を安全に管理し、適切な洗浄、消毒又は滅菌を行うとともに、消毒薬や滅菌用ガスが生体に有害な影響を与えないよう
十分に配慮すること。
○ 使用済みの医療機器は、消毒、滅菌に先立ち、洗浄を十分行うことが必要であるが、その方法としては、現場での一次洗浄は極
力行わず
力行わずに、可能な限り中央部門で一括して十分な洗浄を行うこと。
能な限 中央部
括
十分な洗浄を行う と
4
病床規模の大きい医療機関における院内感染対策の体制(概要)
院内感染対策委員会
病床規模の大きい医療機関
(目安として300床以上)
・抗菌薬の使用状況を把握
し、必要に応じて指導を行う
検査技師
感染制御チーム
薬剤師
看護師
医師
・感染症患者の発生状況等の点検
・各種の予防策の実施状況やその
効果等を定期的に評価し 臨床現
効果等を定期的に評価し、臨床現
場への適切な支援を行う
感染制御チームによる定期的な病棟ラウンド
感染制御チ
ムによる定期的な病棟ラウンド
・可能な限り1週間に1度以上の頻度
・感染制御チームのうち少なくとも2名以上の参加が望ましい
5
(手術と感染防止)
○ 手術室は、空調設備により周辺の各室に対して陽圧を維持し、清浄な空気を供給するとともに、清掃が容易にできる構造とするこ
と。
○ 手術室内を無菌状態とすることを目的とした、消毒薬を使用した広範囲の床消毒については、日常的に行う必要はないこと。
(新生児集中治療部門での対応)
○ 保育器の日常的な消毒は必ずしも必要ではないが、消毒薬を使用した場合には、その残留毒性に十分注意を払うこと。患児を収
容中は、決して保育器内の消毒を行わないこと。
○ 新生児集中治療管理室においては、特に未熟児などの易感染状態の患児を取り扱うことが多いことから、カテ
新生児集中治療管理室においては 特に未熟児などの易感染状態の患児を取り扱うことが多いことから カテーテル等の器材を
テル等の器材を
介した院内感染防止に留意し、気道吸引や創傷処置においても適切な無菌操作に努めること。
(感染性廃棄物の処理)
○ 感染性廃棄物の処理については、『廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル』(平成21年5月11日環廃産発第
090511001号環境省大臣官房廃棄物 リサイクル対策部長通知による)に掲げられた基準を遵守し 適切な方法で取り扱うこと
090511001号環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長通知による)に掲げられた基準を遵守し、適切な方法で取り扱うこと。
(アウトブレイク時の対応)
○ 同一医療機関内又は同一病棟内で同一菌種(ここでは、原因微生物が多剤耐性菌によるものを想定。以下同じ。)による感染症の
集積が見られ、疫学的にアウトブレイクが疑われると判断した場合、当該医療機関は院内感染対策委員会又は感染制御チームに
よる会議を開催し、1週間以内を目安にアウトブレイクに対する院内感染対策を策定かつ実施すること。
○ アウトブレイクを疑う基準としては、一例目の発見から4週間以内に、同一病棟において新規に同一菌種による感染症の発病症例
(以下の4菌種は保菌者を含む:バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)、多剤耐性緑膿菌(MDRP)、バンコマイシン耐性腸球菌
(VRE)、多剤耐性アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii))が計3例以上特定された場合、あるいは、同一機関内で同一
菌株と思われる感染症の発病症例(抗菌薬感受性 タ ンが類似した症例等)(上記の4菌種は保菌者を含む)が計3例以上特定され
菌株と思われる感染症の発病症例(抗菌薬感受性パターンが類似した症例等)(上記の4菌種は保菌者を含む)が計3例以上特定され
た場合を基本とすること。
○ アウトブレイクに対する感染対策を実施した後、新たな感染症の発病症例(上記の4菌種は保菌者を含む)を認めた場合、院内感
染対策に不備がある可能性が有ると判断し、速やかに通常時から協力関係にある地域のネットワークに参加する医療機関等の専
門家に感染拡大の防止に向けた支援を依頼すること。
○ 医療機関内での院内感染対策を講じた後、同一医療機関内で同一菌種による感染症の発病症例(上記の4菌種は保菌者を含む)
医療機関内での院内感染対策を講じた後 同一医療機関内で同一菌種による感染症の発病症例(上記の4菌種は保菌者を含む)
が多数にのぼる場合(目安として10名以上となった場合)または当該院内感染事案との因果関係が否定できない死亡者が確認され
た場合においては、管轄する保健所に速やかに報告すること。また、このような場合に至らない時点においても、医療機関の判断の
下、必要に応じて保健所に連絡・相談することが望ましいこと。
○ 報告を受けた保健所は、当該院内感染発生事案に対する医療機関の対応が、事案発生当初の計画どおりに実施され効果を上
げているか、また地域のネットワークに参加する医療機関等の専門家による支援が順調に進められているか、一定期間、定期的に
確認し、必要に応じて指導及び助言を行うこと。その際、医療機関等の専門家の判断も参考にすることが望ましいこと。
○ 保健所は、医療機関からの報告を受けた後、都道府県や政令市等と緊密に連携をとること。
6
アウトブレイク時の対応
(多剤耐性菌を想定)
感染制御チーム
院内感染対策委員会
支援
院内感染によるアウトブレイクが疑われる場合
(多剤耐性菌一例目の発見から4週間以内に計3例以上の
感染症例の発病症例等)
医療機関内の対応:院内感染対策委員会、感染制御チーム
地域の専門家に相談
新たな感染症の発病症例を認める
地域のネットワークに参加する医療機関等の専門家に
感染拡大防止に向けた支援を依頼
医療機関間ネットワーク
医療機関間ネットワ
ク
報告
指導・助言
同一医療機関内で同一菌種による感染症の
同
医療機関内で同 菌種による感染症の
発病症例が多数にのぼる場合 (目安として10名以上)
保健所
保健所に報告
7
基本診療料の施設基準等(厚生労働省告示第77号)
第4 入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策及び栄養管理体制の基準
院内感染防 対策 基準
二 院内感染防止対策の基準
(1) メチシリン耐性黄色ブドウ球菌等の感染を防止するにつき十分な設備を有していること。
(2) メチシリン耐性黄色ブドウ球菌等の感染を防止するにつき十分な体制が整備されていること。
基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(平成24年3
月5日 保医発第0305第2号 厚生労働省保険局医療課長通知)
別添2 入院基本料等の施設基準等
第1 入院基本料及び特定入院料に係る入院診療計画、院内感染対策、医療安全管理体制、褥瘡対策及び栄養管理体制の基準
2 院内感染防止対策の基準
(1) 当該保険医療機関において、院内感染防止対策が行われていること。
(2) 当該保険医療機関において、院内感染防止対策委員会が設置され、当該委員会が月1回程度、定期的に開催されている
こと。
(3) 院内感染防止対策委員会は、病院長又は診療所長、看護部長、薬剤部門の責任者、検査部門の責任者、事務部門の責
院内感染防止対策委員会は 病院長又は診療所長 看護部長 薬剤部門の責任者 検査部門の責任者 事務部門の責
任者、感染症対策に関し相当の経験を有する医師等の職員から構成されていること(診療所においては各部門の責任者を兼
務した者で差し支えない。)。
(4) 当該保険医療機関内において(病院である保険医療機関においては、当該病院にある検査部において)、各病棟(有床診
療所においては、当該有床診療所の有するすべての病床。以下この項において同じ。)の微生物学的検査に係る状況等を記
した「感染情報レポート」が週1回程度作成されており、当該レポートが院内感染防止対策委員会において十分に活用される
「感染情報 ポ
が
程度作成 れ
該 ポ
が院 感染防
策委 会
れ
体制がとられていること。当該レポートは、入院中の患者からの各種細菌の検出状況や薬剤感受性成績のパターン等が病院
又は有床診療所の疫学情報として把握、活用されることを目的として作成されるものであり、各病棟からの拭き取り等による
各種細菌の検出状況を記すものではない。
((5)) 院内感染防
院内感染防止対策として、職員等に対し流水による手洗いの励行を徹底させるとともに、各病室に水道又は速乾式手洗い
対策として、職員等に対し流水による手洗 の励行を徹底させるとともに、各病室に水道又は速乾式手洗
液等の消毒液が設置されていること。ただし、精神病棟、小児病棟等においては、患者の特性から病室に前項の消毒液を設
置することが適切でないと判断される場合に限り、携帯用の速乾式消毒液等を用いても差し支えないものとする。
8
入院基本料等加算(感染防止対策
加算)の届け出た保険医療機関に
おいて求められる事項
診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(平成24年3月5日
保医発第0305第1号 厚生労働省保険局医療課長通知)
別添1 医科診療報酬点数表に関する事項
第21 感染防止対策加算
A234‐2 感染防止対策加算
(1) 感染防止対策加算は、第2部通則7に規定する院内感染防止対策を行った上で、更に院内に感染制御のチームを設置し、
院内感染状況の把握、抗菌薬の適正使用、職員の感染防止等を行うことで院内感染防止を行うことを評価するものである。
(2) 感染制御チームは以下の業務を行うものとする。
ア 感染制御チームは、1週間に1回程度、定期的に院内を巡回し、院内感染事例の把握を行うとともに、院内感染防止対策の
実施状況の把握・指導を行う。また、院内感染事例、院内感染の発生率に関するサーベイランス等の情報を分析、評価し、効
率的な感染対策に役立てる。院内感染の増加が確認された場合には病棟ラウンドの所見及びサーベイランスデータ等を基に
改善策を講じる 巡回 院内感染に関する情報を記録に残す
改善策を講じる。巡回、院内感染に関する情報を記録に残す。
イ 感染防止対策チームは微生物学的検査を適宜利用し、抗菌薬の適正使用を推進する。バンコマイシン等の抗MRSA薬及び
広域抗菌薬等の使用に際して届出制等をとり、投与量、投与間隔の把握を行い、臨床上問題となると判断した場合には、投
与方法の適正化をはかる。
ウ 感染制御チームは院内感染対策を目的とした職員の研修を行う。また院内感染に関するマニュアルを作成し、職員がその
マニュアルを遵守していることを巡回時に確認する。
(3) 「注2」に掲げる加算は、感染防止対策加算1を算定する複数の医療機関が連携し、互いに感染防止対策に関する評価を
行っている場合に算定する。
(参考)平成24年厚生労働抄告示第76号
第2部 入院料等
通則
7 入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策及び栄養管理体制について、別に厚生労働大臣が
定める基準を満たす場合に限り、第1節(特別入院基本料等を含む。)及び第3節の各区分に掲げる入院料の所定店数を
算定する。
算定する
A234‐2 感染防止対策加算(入院初日)
1 感染防止対策加算1
400点
算
100点
2 感染防止対策加算2
注2 感染防止対策加算1を算定する保健医療機関であって、感染防止対策に関する医療機関の連携体制につき別
に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出たものに入院している患
者については、感染防止対策地域連携加算として、更に所定点数に100点を加算する。
10
疑義解釈資料の送付について(その1)(平成24年3月30日 厚生労働省保険局医療課
事務連絡)
(問45) A234‐2感染防止対策加算1の届出医療機関と2の届出医療機関が合同で開催するカンファレンスに
ては、感染制御チームのメンバー全員が参加する必要があるか。
(答) 原則、感染制御チームを構成する各々の職種(医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師)が少なくともそ
原則、感染制御チ ムを構成する各々の職種(医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師)が少なくともそ
れぞれ1名ずつ参加すること。
(問47) 感染防止対策加算1の届出を行っている複数の医療機関及び当該医療機関と連携している感染防
止対策加算2の届出を行っている医療機関が合同でカンファレンスを実施した場合、当該カンファレン
スは施設基準に規定されているカンファレンスの主催及び参加回数に数えることができるのか。
(答)
機
原則として、1回のカンファレンスについて、主催できる医療機関は1カ所に限る。
ただし、市町村、保健所圏域、二次医療機関又は都道府県等の単位で、圏域内の感染防止対策加
算1の届出を行っている複数の医療機関及び当該医療機関と連携している感染防止対策加算2の届
出を行っている医療機関が合同で感染症情報の共有に関するカンファレンスを実施した場合は、年2
回 限り、感染防 対策加算
回に限り、感染防止対策加算1の届出を行っている医療機関が開催する必要のあるカンファレンスを
届出を行
る医療機関 開催する必要 ある ン ァ ン を
主催したこととして数えることができる。
なお、この場合のカンファレンスは、各医療機関における薬剤耐性菌等の検出状況、感染症患者の
発生状況、院内感染対策の実施状況(アルコール製剤の使用量、感染経路別予防策の実施状況等)、
抗菌薬 使用状況等 情報 共有及 意見交換を目
抗菌薬の使用状況等の情報の共有及び意見交換を目的とするものであること。最新の知見を共有す
するも
ある
。最新
見を共有す
ることも求められるが、単なる勉強会や講習会は認められない。また、各医療機関において、カンファレ
ンスの内容がわかる文書及び参加した医療機関名及び参加者の一覧を保存しておくこと。
11
検査技師
①検査情報
②臨床情報
情報入手
(IN)
薬剤耐性菌等の検出状況
感染症患者の発生状況
感染症の発生動向の情報を共有
I C T
CT
看護師
医師
院内感染対策マニュアル
対策の実施
(OUT)
薬剤師
③把握した情報をもとに対策の実施
院内感染対策の実施状況
④抗菌薬の適正使用
抗菌薬の使用状況
12