産経新聞(7面)

往細
歌閤
2
.世紀世 界 史 の進路を 決 す る大
きな 一要因は、エネルギーと安全
に、兵器産業の国産化を進める決
1 ・
意 を 示 し た 。さ ら に失 業 率 を 1
6%か ら 7%ま で下 げ 、年 承 4%
5年間に成長してきた経済
でこの2
規模を世界0位まで高め、国内総
2
9位から5位に
生産 ︵
GDP︶を1
1
ことに米国にと って重要なの
引 き 上 げ る のが 基 本 目 標 であ る 。
は 、 女 性 の労 働 参 加 率 を 現 在 の 2
2
0%まで高めるという約東
%から3
の女 性 が国 の大 き な 財産 であ り 、
であろう。ビジ ョンでは、サウジ
0%以上が女性である以
hW 大学卒の5
上、彼女たちの高度なスキルや才
能を発揮する場所が必要だと公言
そ こ で目 立 つ のは ︵ M b S が 財 す る が 、 M b S は 体 制 を 正 統 化 す
の国 家 フ ァンド を 設 立 し 、 金 融 競 隔 離 と 差 別 の歴 史 と 伝 統 と た や す
争 力 を つけ る 構 想 を 大 胆 に 開 示 し く 決 別 でき る で あ ろ う か 。
0 年 に は サ ウ ジ の ﹁ド 女 性 の未 来 の
た こと だ 。 3
強 化 は社 会 発 展 や
政再建と内政改革のために2兆ド
るワッハーブ派による厳しい女性
レ
ブ
芦 t
中東 の進 路決 す るサウジ の変 革
保 障 の問 題 を め ぐ って 、 米 国 と サ
か にあ る 。中 東 にお ける 米 国最大
ウジアラビアとの関心がどうなる
の同盟国サウジは、宿敵イランと トン ・カーター国防長官︿諜報関
の関 係 を 正 常 化 し よ う と す る オ バ 係 者 や ビ ジ ネ ス ・リ ー ダ ー ら と も
b S に つい て 、 イ エメ ン戦 等 への
けぅ
マ政権に不信感を抱いてきた。そ 会 っている。この稀
有な会談ラッ
れでは、6月の副皇太子ムハンマ シュは、米国の狙いが国王にやが
ド ・ビン ・サルマン ︵
MbS︶の てなるべき副皇太子の能力や性格
訪米は、両国の冷え切 った関係の を子細に検討する点にあ ったから
だ。どちらかといえば米国は、M
改 善 に 貢 献 し た のだ ろ う か
米国は副皇太子に乗り換えた?
過 剰 関 与 、世 界市 場 に 2 0 0万 4
米 政 府 は M b S の 訪 米 に 際 し も の石 油 を 放 出 し た 決 定 、
太子に甘んじるのだろうか。
﹁
ビジ ョン2030﹂の狙い
昌之
内
確かにMbSは、大統領以外に の反応はどうか。第3に、201 発表されたのが ﹁
サウジアラビア
ジ ョン ・ケ リー国 務 長官 、 アシ ュ 5年 4月 に皇 太 子 ムク リ ン ・アブ ・ビジ ョン20 3 0﹂な の 。
だ
は国家予算の2%にすぎないため が同盟を組んできたワッハーブ派
﹁
無血革命﹂
の保証はない
す る と 見 極 め た か ら であ る 。
だ ろ う か 。 第 2 に 、 M b N や 工 室 であ る 。 こ の新 構 と し 6
想
て
年
また、サウジは世界3番目 の武
に
・
器購 入 日 であ り なが ら 、国内 調 達 しか し 、 歴 史的 にサ ウ ード エ室
︵I S ︶ ﹂ か ア ル カ ト イ ダ が 台 頭 か う シ ナ リ オ が 実 地 に 移 さ れ る の ず 、 米 国 を 説 得 でき ないのは 然 ると
当
豪語したのである。
斜斃淵
鱗錨輿
支 持 し て い た M b Nか ら M b S に 任 つま り M b N の廃 嫡 か ら M b
ル
と
箱
﹂
も
い
え
る
ア
ラ
ム
コ
の
株
式
経済の活性化につながるという見
乗り換えたというのだ。米国の関 ,Sの国王即位にいたるシナリオを MbSは、 ず
く
で
力
M
b
N
を
駆
5
%
未
満
を
売
す
と
し
却
る
言
明
た
の
方は正しい。ビジ ョンは、サウジ
。
、
黙許したとすれば 、 3 つ の問 題 が 逐 で き る と は 考 え な い
は
っ の内政改革だけでなく、失われた
ろ
う
国
だ
世
界
を
驚
か
に
せ
る
十
分
で
あ
さらに興味をそそるだろう。
家の未来に関わる新たな設計図が た。MbSは、世界の投資力の1
0 米国との信頼関係を修正する狙い
ながり、代わりに ﹁
イスラム国 第1に、いつ廃嫡から即位に向 ないとサウジの人心を掌握でき %を押さえる国家ファンドをつく を秘めているのだろう。
い て M b S の王 位 継 承 に黙 諾 を 与 と み て い た 。
え た と い う 解 釈 もあ る 。 米 政 権 は ア メ リ カ が M b S の 皇 太 子 就
、
厚 く扱 い、皇太子 ム ハン マド ・ビ 導者 シ ャイ フ ・ニム ル ・アル ・ニ ド ゥ ッラー系 とし て忌避さ れ廃嫡
ン ・ナ ー イ フ ︵
Mb N︶を 差 し 置 ムル の処刑 な どか ら 、 お う い 王 子 さ れ た とき のよ う に、 Mb Nは廃
て、現国王でもあるかのように手 との関係を悪化させたシーア派指 ドゥル ・アズィーズが前国エアプ
イラン
論
正
金 曜 日
?8年 (2016年 )7月 29日
平成
7 -12版
の宗教指導者を説得するのは難事
である。MbNとの権力闘争とも
異質な厳しい試練にならぎるをえ
ない。MbSの国家改造はムクリ
ン皇太子を廃嫡し、アブドゥッラ
ー前国工の息子トゥルキー王子や
国家安全保障顧間のバンダル ・ビ
ン ・スルターン王子を追放した
﹁
無血革命﹂でめでたく終わる保
証はどこにもない。 ′
最悪のシナリオは、サウジ の
﹁
国体﹂にメスを入れるMbSに
対して、工族の保守的不満分子が
8
MbNの周辺に結集しながら、1
世紀以来の同盟者ワッハープ派の
容私彊導者と合同反対派ブ ロック
を
を組むことである。
米国はサウジが中東の安定した
国家として自己変革を遂げられる
か否かに関心を抱いている。サウ
ジの未来はISの動向と並んで、
あるいはそれ以上に、グローバル
な次元で安全保障とエネルギー油
価を大きく左有する要因になるか
9
す 2
らだ。
7。
線は、
に 6.
0
のよう こ 2
すべきかもしれない。
︵
やまうち まさゆき︶