*****株式会社 御中 SNSを利用した中国都市部大学生の就職活動調査 2012年6月提出 ■調査概要 【調査期間】 2012年6月5日~6月12日 【調査の目的】 SNSを利用した中国都市部大学生の最新の就職傾向を理解すること を通じ、関連した企業の人材採用活動および中国の若年層の就職事 情の理解に有益な情報を提供することを目的とする。 ■調査結果 総論 ■SNSを利用した採用及び就職活動はまだまだ形としては進化していく余 地がある。 ■大学生たちは情報収集の手段として、ほかの就職ルートと合わせてSNS サービスをサービスを利用している。 ■採用企業としては、自らの採用理念をよく見極めた上、SNSの特性を生 かした採用活動がますます可能になってくるであろう。 ■調査内容 1.中国都市部大学生の就職活動全般の概況 2.SNSを利用した就職活動の状況 3.企業側からみた大学生のSNS就職活動 ■調査内容 1.中国都市部大学生の就職活動全般の概況 1)就職活動の時期 中国の大学は9月に新学期が始まり、卒業は7月になる。就職活動が最も活発に行われるの は卒業前の3~6ヶ月の期間になる。通常、大多数の卒業生たちは1~6ヶ月間を利用して 未来の職探しに奔走する。中国は毎年12月を本決算としている企業が主流のため、毎年 2~4月が転職活動のピーク、7~9月が就職活動のピークになっている。(※注1) 企業側としては、自社の経営状況に合わせて採用活動がまちまちになるので、最近は中国 の大学生も就職活動を卒業の1年前に始めるなど、時期が大きく前倒しになる傾向が見ら れている。 1.中国都市部大学生の就職活動全般の概況 2)人気が高い職業ランキン グ 理系・医学系 本人 卒業後、就職活動の主力となってい るのは文系の卒業生たちである。理 系の場合、4年制大学を卒業後大 学院への進学を選ぶケースが多い。 また、医学系の場合は、4年生大学 を卒業したままでは就職が難しいの で、5年目の時間を利用して医療機 関で実習生として経験を積んだ後、 改めて大学院への進学を目指すの が現状である。(※注) 調査データを元に、2012年の人気 が高い職業をランキング化し、右の 表にまとめた。 文系 親 本人・親 1 ネットワークエンジニア 公務員 公務員 2 公務員 医師 弁護士 3 医師 ネットワークエンジニア 教師 4 インフラエンジニア インフラエンジニア 外交官 5 アクチュアリー アクチュアリー 国際商務師 6 建築士 教師 裁判官 7 バイオエンジニア 弁護士 経理 8 ビジネスマン バイオエンジニア 通訳・翻訳 9 電気エンジニア 電気エンジニア HR 10 電子エンジニア 会計監査人 FP ※1 高校三年生が将来つきたいと考えている職業に関する某ポータル サイトのアンケート調査 (http://www.chinajilin.com.cn/2012zhuanti/content/201204/19/content_2513199.htm )より弊社で作成。 ※2 高校三年生本人と親が調査対象。 1.中国都市部大学生の就職活動全般の概況 3)就職活動の流れ Step1 応募書類の準備 Step2 応募活動 Step3 内定獲得 ①就職協議書雛形(本人、学 校、就職先の権利、義務を明 記した書類) ②就職推薦表 ③成績証明書 ④履歴書 ⑤各種証書(奨励を受けた経歴 などを証明するため) ①採用企業と学校がキャッパスで共同開催 する合同採用フェアに参加 ②キャンパス以外で行う採用フェアに参加 ③学校が提供する求人情報を元に個別に 採用企業に応募 ④インターネット、新聞などのメディアが開 催したネット採用フェアに参加 ⑤SNSサービスを利用した就職応募活動 内定を受け、正式に本人、 学校、就職先企業3者間の 就職協議書を締結し、入 社。 1.中国都市部大学生の就職活動全般の概況 4)大学生の内定獲得の決め手 2010年、Mycosが発表した中国大学生採用実態調査によると、出身大学からの情報提供と友 人・知人の紹介が内定獲得に至った決め手となっている。 情報源:mycos http://www.mycos.com.cn/ 1.中国都市部大学生の就職活動全般の概況 5)求職者はどのような職場を求めているのか 情報源:英才網聯 2.SNSを利用した就職活動の状況 インターネットを利用した就職活動から都市部の大学生はSNSを利用した就職活動へとそ の形も進化している。 中国のネットリサーチ会社iResearchは2012年のインターネット採用の雇用先は156万社に のぼると予想している。(※注3) 微博採用とSNSサイトを経由した採用の拡大により、一般的な採用サイトの真価も問われて いる。現状では一般的な採用サイトが高いシェアをキープしているが、増える採用手法によ り、採用サイトも今後の方向性を慎重に見極める必要が出てきた。 2.SNSを利用した就職活動の状況 SNSを利用した就職活動についての意識 大学生はSNSサービスを利用する主要なユーザー群として、就職活動において既存 の就職ルートと合わせて利用しているのが現状といえよう。SNSサービスに絞って 就職活動を行うよりは、より活動の幅を広げる手段として利用している。 SNSを利用した就職活動についてのアンケート結果 2011年就職市場調査より整理 http://www.hztbc.com/news/news_14834.html 3.企業側からみた大学生のSNS就職活動 採用サイトは企業側に訪問 者のトラフィックと人材デー タベースを提供することで、 企業に登録と利用サービス を提供しているが、企業はこ うしたサービスを有料で受け ることになる。 しかし、微博やSNSサイトを 経由した採用には、拡大し ていく人脈と会員数が背景 にあり、成功できるポイントも オープン性と人脈宣伝、無 料サービスにあると考えられ る。 就職・採用双方が利用している手段の比較 情報源:英才網聯 3.企業側からみた大学生のSNS就職活動 一方、SNS採用を肯定していない意見としては、採用情報の公開後、過度な注目を浴びえ ることで、採用部門として多数の応募情報に対して充分なフィルタリングと整理ができてい ない点を述べている。 また、微博が持ち合わせている即時性と直接性の傍ら低い信頼性を懸念している。こうした 問題から一部企業は、SNS採用を敬遠しているのも現状である。 総じて、新しい手法を用いた採用には賛否両論があり、企業も自社の事情に合わせたいろ いろな採用手法で人材採用に取り組んでいることと思われる。 ※参考資料 注1) <大学生が就職活動を始めるタイミング> http://www.yjbys.com/Qiuzhizhinan/show-66043.html 注2) <名門大学卒業生の就職事情> http://www.tianya.cn/publicforum/content/free/1/1647565.shtml 注3) <採用サイト総ざらい無料化がトレンド> http://qy.0532bm.com/2012/0531/5112.html 注4) <6割の企業がSNSアカウントを利用した採用活動を行う> http://sh.qq.com/a/20120531/000191.htm ※本稿は弊社が過去において行った弊社の調査より収集したデータを元に 作成した報告書であり、言及のあった各企業及びサービスの現状について 述べたものではないことをご了承ください。
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