平成25年度第1回 長井市行財政改革推進委員会 議事録(要旨)

平成25年度第1回 長井市行財政改革推進委員会 議事録(要旨)
平成26年2月24日(月)午後3時00分~
ふらり 視聴覚研修室
出席委員
是川晴彦委員長・大沼亘委員長代理
大泉美恵子委員・加藤俊昭委員・佐々木明子委員・鈴木富美子委員・平浩一郎委員・
舟山由美子委員・古山幸雄委員
(欠席委員) 横澤正夫委員
市側出席者
内谷重治市長 ・遠藤健司副市長
中井晃総務課長・齋藤環樹財政課長・谷澤秀一総合計画主幹・鈴木良弘秘書・危機管理
主幹・佐藤隆行政改革・防災主幹兼秘書行革室長・佐藤秀人秘書行革主査
報告・意見交換内容
1)長井市行財改革の推進について
①長井市行財政改革推進方針(H23~H27)及び実施計画書(H23~H27)について
②長井市行財政改革実施計画(H23~H27)進捗状況について
③長井市第5次総合計画における公共施設の整備について
④平成26年度長井市一般会計予算(案)について
市長あいさつ
【内谷長井市長】
皆様こんにちは。本日は2月の末のお忙しい中、今年度第1回目の長井市行財政改革推
進委員会にご出席いただきまして、大変ありがとうございます。そして、只今委嘱状を交
付させていただきましたが、皆様には快くお引き受けいただきまして、重ねて厚くお礼申
し上げる次第でございます。
初めてお引き受けいただく方が大勢いらっしゃることから、今までの行財政改革の歴史
について触れさせていただきます。今日ご委嘱申し上げた委員の中でも山形大学人文学部
の是川先生は、以前山形県の行財政改革推進委員会委員長もお引き受けされていた方です
が、長井市は山形大学と連携協定を結ばせていただきながら、未来塾や第5次総合計画で
もお世話になっている訳でございます。是川先生の前では一寸恥ずかしいのですが、長井
市の行財政改革の経過を少しお話しさせていただきます。平成8年8月に、当時は平市長
でありましたが、行財政改革大綱を定めながら、いよいよこれから長井市の財政は厳しく
なるということで、行革を進めることといたしました。国からも大綱を定めるよう指導が
あって、ここからスタートした訳でございます。以来平成18年度から22年度までの集
中改革プランまでの15年間が長井市の行財政改革の、まずは「量」の行財政改革を進め
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てきた経過でございます。特に平成12年11月からの財政再建5か年計画は、公共事業
は短期で使うのではなくて長期に渡り施設を利用することから、15年から20年のスパ
ンで借り入れをして返済している訳ですが、1年に返済する金額が27億と非常に高額と
なった年度が平成16年でした。これを乗り切るために、財政再建5か年計画をやってき
たということでございます。この時には、職員の給与カット、特別職の給与カット報酬カッ
トを行ってきました。これは、16年まででしたが、この次には長井市自立計画を定めて、
国の求めに応じて集中改革プラン5か年を実施いたしました。これは実に大変な行革でし
たが、平成22年まで行ってきました。その時策定実行に当たってきたのが、今の遠藤副
市長ということで、大変苦労された訳です。これは、例えば職員定数も大幅に削減してき
ましたし、市の職員だけではなく地区長さんの手当であったり隣組長さんの手当なども削
減させていただいたり、敬老会の委託事業なども休止したり、様々な補助金等もほとんど
カットする等、大変な、市民にも迷惑をかけた行革をしたところでございます。とりあえ
ず平成22年で成果を挙げまして、前倒しで計画は達成できたものと考えられますが、そ
の100%が達成できた訳ではなくて、概ねということで約1割ほどどうしてもできな
かったことがありました。それらを23年度からどうするかということで現在行っている
行革でありますが、残念ながら平成26年度からの第5次総合計画を足かけ3年度、丸2
年をかけて策定してきたことから、行財政改革推進の方針は定めましたが、具体的な行政
改革実施計画の検証がなされてこなかったという反省がございます。これらも踏まえなが
ら、委員の皆様から、今後どのような行財政改革をしていくのかというご意見を頂戴した
いと思います。
職員数の定数と職員数の経緯ですが、平成11年までは市立総合病院も市で直営してい
たということで、トータル738名が職員数でありましたが、市役所自体も病院へ派遣し
ていた部分が入っていないこともあり、このような経緯でした。
平成26年度の今度市議会で審議いただきます当初予算が122億1,400万円でご
ざいます。平成25年度の決算額はだいたい133億ぐらいが決算のベースですから、若
干は減っていますが、ほとんど変わっていません。いろんな指標がありますが、特に人件
費ではかなり削減できました。平成8年度が28億8千万だったのが、現在は20億ぐら
いの程度で済んでおりますので、財政に占める人件費割合も17%から18%まで抑える
ことができたということになります。他の自治体では20%を超えるのが軒並みですので、
この辺が行革の成果であろうと思っております。24年度を見てみますと、人口はどんど
ん減ってしまいまして28,610人ということですが、お陰様でこの時の人件費は19
億8千9百万まで切り詰めることが出来ましたし、職員も平成8年9年がピークで平成1
0には430名おりましたが、それが290名と33%ほど減らしてきております。
平成18年に北海道の夕張市が財政破綻したということで、一般会計の他に水道などの
公営企業会計や下水道や国民健康保険、介護保険等の特別会計等の全部を含めた実質的な
借金はどのぐらいあるのかという実質公債費比率を総務省から求められてきましたが、平
成18年には27.7%ありました。25%を超えますと起債が制限されるという公共事
業の制限を受ける数字です。国の求めに応じてやった数字が27.7%ということで、非
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常に厳しかったということで、当時全国に1,900ある自治体の中でワースト11位で
ございました。以前からの成果がありまして、24年度では15.7%、26年度予算で
は13.1%まで下がっております。実質公債費比率が18%以下になりますと、市町村
の判断で起債ができる、届け出だけで良いということになる訳ですが、それが13.1%
まで下がったということで、ようやく他の市町村並みになったということになります。前
の市長から引き継いだ時に財政調整基金、一般家庭で言えばいわゆる貯金、企業で言えば
内部留保ですが、それが私の時は560万、前の目黒さんの時は360万だったそうです。
皆様から様々ご協力をいただいたことで今年度末約11億の財政調整基金の残高になりま
した。それ以外にも、減債基金であったり、公共施設の基金であったりと若干ございます
ので、だいぶ健全化されてきたという状況でございます。
今後でありますが、先ほど「量の行革」と申し上げましたが、
「量の行革」とは職員の数
を減らしたり、借金の残高を減らすということでやってきた訳です。しかし、これからは
「質」的なものに展開していかないと本当の成果は出ないだろうと思います。特に今後は
職員数もこれ以上は無理だろうと思っておりますが、いかにして職員を削れば良いという
ことではなくて職員一人一人の能力の向上と能力が発揮できるような職場環境・組織を
創っていくことが本当の行革であり、最小の経費で最大の成果を挙げられるような、行政
の根本的な務めを発揮できるように、様々な研修も充実しなければならない、職員のモチ
ベーションが一番でありますが、同時に市民の皆さんの行革に対するご理解をもう少し深
めていかなければならないだろうと思っています。
特に長井市に限らず地方都市は少子化と高齢化の結果として人口減少が加速度的に進ん
でまいりました。25年度になりましてから地区長の皆様にお願いをいたしまして、市内
にある地区138か所の空家調査を具体的にさせていただきました。その結果に基づきま
して所有者に連絡を取りましたが、長井市には調査結果は380戸ほどの空家だったので
すが、オーナーに連絡を取った結果、
「うちは空家ではない」という方がおられまして、実
質351戸が空家でございます。この空家でびっくりするのは、5年間で急激に増えてき
たことです。10年前までは10戸20戸でございましたが、それが10年前ぐらいから
増えましてこの5年間で加速度的に毎年20戸30戸増えてきまして、今は351戸と
なっております。原因は何かと分析しますと、約55%の方々は市内に住んでいらっしゃ
いますが、家を新築して移り住んで、以前住んでいた家を空家にしているケースと、親と
別居して親が亡くなったり、子のところに同居するようになり空家になるケースです。残
り45%が残念ながら相続の関係で市外、県外です。この分析はもう少しやらなければな
らないと思いますが、おそらく娘や息子さんが県外に就職されて、残っていた親が年を取っ
たから「こっち来て」とか施設に入ったとか、場合によってはお亡くなりになったという
ことで空家になったというケースが55%です。これが、ここ10年間で特に5年間で急
に増えてきている訳です。これからの5年間にまた増える訳です。恐ろしいことです。長
井市では、約9,750世帯ある訳ですが、内65歳以上の独り暮らしの世帯と65歳以
上のご夫婦のみの高齢者世帯が950世帯ずつで1,900世帯ぐらいです。実に2割が
お年寄りだけの世帯ということで、本当に深刻な課題です。こういった状況を踏まえて、
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地域の在り方をどうするのかということにもメスを入れていかないと、本当の行革はでき
ないだろうと考えます。
長井市は、元々コンパクトな街なのですが、周りの人たちから見ると、行政は中心市街
地だけに力を入れている、我々の所には目もくれていないという言い方をされます。施設
はやはりフルセットで必要だと言われるのです。その気持ちは分かるのですが、私たち行
政の、真の長井市の姿を知っていただいて、これから地域をどうするのかということがこ
れから行革を進める上では必要なんだろうと考えます。もちろん中央地区も市民の皆様に
行革というか、これからも長井が勿論長井市として、あるいは西置賜地区の中心の街とし
て、過疎化が進む中でも我々が長井市として西置賜としてこれからも持続できるまち、行
政にしていかなければならないと思っているところでございます。
ちょっと話が長くなりましたが、これから報告とか意見交換の中で、今日は第1回目で
ございますので、自己紹介していただき、この皆様の中でこれから2年間いろいろご審議
いただいて、これからの長井市の行革というよりもまちづくりの方向性を是非ご提言賜り
ますようお願い申し上げます。皆様方には費用弁償だけでボランティアでお願いしている
訳ですが、是非年に1回ぐらいは懇親の場を設けながら皆様のお考えになっている長井市
の将来像について、そして山形県を含めて我々の地域の在り方についてご指導賜りたいと
思います。本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。よろしくお願いいたしま
す。
委員の互選により是川晴彦委員が委員長に就任した。
委員長あいさつ
【是川委員長】
只今委員長を務めさせていただくことになりました是川です。よろしくお願いします。
それでは委員長代理の方の選出ということですが、私から指名させていただきます。大沼
委員にお願いしたいです。それではよろしくお願いいたします。
今までの経緯を含めてお話しさせていただきます。山形大学人文学部で理論経済学の科
目を教えております是川晴彦と申します。生まれは埼玉なのですが、東北にきて人生の半
分ほどは過ごしているということになります。山形に来て20年ということになります。
長井市様とは、市民未来塾の講師を務めさせていただきました。特に経済学の視点で、中
心市街地の活性化について、あるいは公共経済学という科目がありますが、公共部門、市
行政の果たす役割を経済学の視点からどういうふうに考えたら良いのか、そういうことに
ついて、ほぼ月に1回市民の皆様とディスカッションするということを務めさせていただ
きました。大学では一方的に講義することが多かったのですが、市民未来塾では、いろい
ろなご経験をもった市民の皆様とお話をする機会がありまして、私としても勉強になりま
した。皆さんそれぞれのご経験の中にそれぞれのご事情があって、その中で何を求めてい
くのか、あるいはどういったことを望んでいるのかということが分かってきました。その
中で経済学の視点でどこまでどういった事ができるのかなということを毎日毎日考えるよ
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うになって今日に至っております。また、第5次総合計画策定にも携わらせていただきま
したけれども、この中でも指標をどういうふうに設定していったら良いのか、あるいはど
ういった形で計画、計画表を作ったら良いのか職員の皆様とディスカッションさせていた
だきました。
経済学というと抽象的な考え方と言われるかもしれませんが、その中で現実的に役に
立っていけるのか、そのあたりが私に与えられた使命なのかなと感じている訳です。例え
ば中心市街地の活性化というところで市民未来塾をやった場合に、環境が変化している訳
です。郊外にショッピングセンターができているということがありますし、人口が減って
きているということもありますし、我々の価値観も変わってきているということもありま
す。でもそういった中で、ある程度行政のお金を使って活性化していく意義にどういった
ものがあるのだろうか。そういったことも市民の皆様と考えていった訳ですが、例えば街
の顔としての機能が中心市街地にはあるだろう。そうするとまちの顔がある。地域の独自
性を現す。地域に対する愛着心が生まれてくるだろう。もし、愛着心があれば、それは人
口増加に繋がってくるだろう。そういったこともまちを活性化していくことの一つのヒン
トということだと思います。一方いろいろな地区がありますので、その地域地区のそれぞ
れの魅力はどういうものがあるだろうか、そこにはいわゆる地域資源というものがあるの
だろうか、それをどういうふうに育てていくのか、そういった視点も非常に大切だという
ふうに考えるに至っております。
先ほど市長様からありましたように、県あるいは山形市でもこういった事務事業評価で
ありますとか、あるいはコストチェックということで行財政改革に携わる委員を務めさせ
ていただきました。その中でポイントとなるのは、公的な資金を用いていろいろな事業を
行うということの意義をどういうふうに考えていけば良いのかということだと思います。
いろいろ指標化ということも試みられたのです。でも中々数値化するということは、もの
によってはなかなか難しいこともありまして、やはり、我々自身がどのように感じ、何を
求めていくのかというところが最終的に大切になってくるだろうなと思います。やはり、
幸せということはすごく大切で、私もすごく幸せに暮らせるということには魅力を感じて
おる言葉でありますけれども、幸せというのはそういった数字だけでは把握できないもの、
そういうものがあると思います。国の方では、幸せの指標化ということを、ブータンでも
なされたんで研究会をいろいろやっているのですが、なかなかそれで何点という形で幸せ
のランキングを作るのは難しいし、あまり相応しくないという結論が出されています。幸
せにもいろんな部門がある訳です。住みやすさランキングナンバーワンというのをいろん
な文献で行うことがありますけれども、低いランキングのところの自治体の方が怒ったと
いうのがありますけれども、幸せにもいろんな視点がありまして、総合ランキング何位と
してしまいますと、一つ一つの幸せの魅力というのが逆に市民には意識されないというリ
スクがあります。そういうことで多面的に捉えていこうと、研究レベルでもそういったと
ころで進めているというところがあります。そういった形で、指標化ということにも難し
いところがあります。勿論行財政改革というのは指標というものを作らなければならない
ということもありますけれども、こういった委員会の中で皆様のご意見を伺いながら方向
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性を定めていければ良いなと思っています。
あと、無駄を省いてと行財政改革ではよく言いますけれども、何をもって無駄というの
かということは非常に難しい議論だと思います。そして、無駄と言われたところにも、人
とか物とかいろいろ関連している訳です。ですから、安易にすぐ無駄だということは中々
難しい話で、そういった議論も慎重に進めていかなければならないと日々感じているとこ
ろでございます。長井市に拘わらず、多くの地方都市では人口減少という課題に直面して
いる訳です。
人口が減ると何故問題となるのか、いろいろあるのですが、社会資本ですとか公共サー
ビスというのは、人口が減ってもその水準を下げられないという特色があります。人口が
減ったからといって堤防を低くすることはできない。人口が減ったからといって除雪の回
数を減らすことはできない。そうすると、人口が減って、税収が減っても、一定の支出を
続けていかなければならない。そういったところが今後まちを作っていく上でポイントに
なっていくところなんだろうなと思います。どこの自治体でも直面しているところです。
じゃ、それにどうやって対応していかなければならないかと言いますと、例えば行政の中
で重複するものがあれば見直していく、広域化できるものは共同化できるものは目指して
いくとか、そういった考え方が出てくると思います。選択と集中という言葉がよく使われ
ますが、その視点もある程度求められることになると思います。ただ、選択と集中と言い
ますと聞こえは良いのですが、要するに選択されなかった所が出てくるということなので
す。そうすると、選択と集中で集中する、じゃ選択されなかった所をどのようにフォロー
していくのか、そういった視点も大切になってくる。そして緩やかに変化して徐々に改革
をしていくことが大切ではないかと思います。
要するにスイッチを入れるとパッと変わる、そういったことではこういった経済社会で
は、中々いかないものがあるかと思います。その辺が運営上あるかと私も考えています。
また、こういった改革、行政運営というのは、持続可能性ということも今後大切になって
くると思います。財源の問題もありますし、先ほど市長さんからもありましたように、人
材がきちっと育っていくということもあると思います。そしてこれからは、中々あれもこ
れもというのは難しくなってくると思います。それは、以前のように全て手に入ってくれ
ば良いと思いますが、先ほど申し上げましたように、人口減少、財政がきつくなるという
ことでは、やはり自分たちとしては何を最終的に求めていくのか、あるいは自分たちとし
て何が最終的にできるのかということも、私たち市民一人一人が考えていくということが
一つの協働です。ですから、多くの行政側も市民の側も少しずつでも意識を変えていくと
いうことが求められているところだと考えています。
市民の皆様の理解ということを申し上げましたけれども、皆さんそれぞれに事情という
ものがありますので、その事情をきちっと把握することが大切だと思います。その上で皆
様のニーズというものであって、その中で優先的にやらなければならないのか、そういっ
た考え方になっていく、そういったところがポイントだと思います。それぞれの地域にそ
れぞれ魅力があって、その中で、共同でできるもの、あるいは単独でいくものをディスカッ
ションしながら求めていくことが一つの方向性かなと考えています。
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先ほどからお話に出ていますように、例えば平成18年から22年にかけて長井市自立
計画、あるいは長井市行財政改革集中プランということで、市長様や職員の皆様のご努力
や市民の皆様のご理解もありまして、財政健全化が進んで成果が上がっていったというと
ころでございます。平成23年策定の長井市行財政改革推進方針に基づく行財政改革実施
計画が策定され取り組んでいるというところになっています。この委員会におきましても、
委員の皆様から多くの貴重な意見をお聴きし、そして意見交換を行いまして健全な行財政
の推進とか、あるいは幸せなまちの構築ということに貢献していきたいと考えております。
委員の皆様、それから職員の皆様には大変お世話になりますけれども何とぞよろしくお
願いいたします。あいさつといたします。
委員長が座長に就き報告・意見交換に入る。
報告意見交換
【事務局】
【委員長】
【委員】
【市長】
平成 23 年 8 月に策定された長井市行財政改革推進方針(H23~H27)、
平成 24 年 3 月に策定された行財政改革実施計画書(H23~H27)及び平
成 23 年 3 月に長井市行財政改革推進委員会から頂いた「公共施設の今
後の在り方について」の意見書について資料に基づき佐藤が説明を行っ
た。
(平成 18 年度に長井市が策定した「長井市自立計画」「長井市行財政改
革集中プラン 2006」の理念を引き続き行政改革の柱と位置付け、長井市
が緑豊かな中で、市民が心豊かに暮らせるまちづくりに取り組む。
「公共
施設の今後の在り方について」の意見書では、築後 40 年を超える施設が
多くなることから、施設改修等の優先順位については、判断が非常に難
しく、長井市の基本計画や財政状況を勘案し、諸政策との整合性を図り
総合的に進めるよう意見を頂いている。)
只今の説明に対しましてご質問などはございますか。平成23年3月
の「公共施設の今後の在り方について」は良くまとめられたと感じてお
ります。
公営施設について、100施設あるということですが、大変老朽化し
ており古い施設が多いということで、将来を思う時に便利に楽しく使い
やすく使い勝手の良いように、市民文化会館とか図書館とか子育て支援
センターとか老人福祉センター等いろいろある訳ですが、これから先を
考えた時に1か所に集中できるような方向で、追々に段階的に考えられ
たらどうかと考えていますが、どうですか。まちなか開発に合わせた取
り組みで行って考えていただいたらどうかと考えています。
大変貴重なご意見ありがとうございました。大雑把な施設整備の在り
方について、私見ではございますがお話しさせていただきます。負担の
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大きい事業ということで、懸案の課題が2つございます。
一つは、市役所の庁舎でございます。現在の本庁舎は昭和33年に建
設してございます。既に56年目に入っておりまして、県内の自治体の
中でも極めて古く、尾花沢市と長井市が最も古くなっております。尾花
沢市は、今年と来年にかけて実施計画を立てるということで新たに改築
新築を予定しているところでございます。私どもは約20年前までは、
市役所本庁舎と第2庁舎と郵便局の所の元消防があった所に庁舎があり、
その3ヶ所に集約されておりました。ところがこの20年の間に、保健
センター、上下水道課が平山にあります。それから教育委員会が清水町
にあります。これで既に5か所に分れております。今後耐震化を検討し
なければならないことから24年度に本庁舎の耐震度調査を行いました
ところ、やはり危険な建物ということで、補強が必要という結果が出ま
した。検査をやるまでもないのですが、旧商工会館の第2庁舎も25年
度にやりました。これも非常に危険ということで、平成26年度からは、
1階2階はそのまま使用しますが、3階の建設課とまち・住まい整備課
はまた別の所を求めていかなければならない。6か所分かれるというこ
とで、非常に非効率で困っている訳ですが、従って庁舎を建てなければ
ならないということで、副市長が委員長として庁内で検討を重ねて意見
を出しておりますが、それを26年度は市民の皆様を含めた検討委員会
を立ち上げて方向性を出していかなければならない。新築となりますと
40億から50億ということで、普通でいきますと支援がない全くの単
独でいかなければならないということになっています。
もう一つが市民文化会館でございます。昭和48年49年に2か年で
建設したものでございますが、これも40年近くなる訳ですので、待っ
たなしの状況だということでございます。しかも大規模集合施設ですか
ら、1,000人の施設ですので耐震度調査を行わなければならないの
ですが、もししてしまうと、すぐに工事するか、使用停止をしなければ
ならないことになりますので、この所も大至急しなければならないので
すが、今年耐震度調査を行う前に市民委員も含めてどうするかというこ
とを決定し、基本計画を策定するということで考えております。
なお、文教施設の在り方について教育委員会の中で、市民の方も含め
て2年間検討いただいて、文化会館、図書館が必要だろうということを
検討いただいております。南陽市は1,300名のホールということで、
併せていろんな施設も含めて60億から65億まで最終的にはなるよう
です。私たちは、そこまではできないでしょうけれども、やっぱり50
億程度かかるのではないかと考えています。この二つが大きい公共事業
でございます。それ以外についても、委員からありましたように図書館
であるとか、子育て支援センターであるとか、老人福祉センターである
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とか、こういったものを街中に造るべきだろうと、中心市街地活性化基
本計画を策定すべく、いよいよ26年度からは商工会議所内で協議会を
立ち上げていただきますので、26年度に皆様からご意見を頂戴して、
あるいは民間の様々な方、市民の皆様から計画を組み入れて27年度の
中ぐらいには国の認可を受けるべく計画を進めているところでございま
す。
委員からありましたように、それ以外に何十とある訳ですが、私の考
え方としては金額にあまり左右されるべきではない、整備手法だろうと
考えています。東根市の施設は五つほどPFIでやっています。土田市
長にどういう経緯でやったのか教えてくださいと言いましたら、
「今度勉
強しに来てくれ、担当主幹がいるから」と言われました。東根市も10
年ぐらい前に複数の施設が一気に老朽化して何とかしなければならない。
通常の整備手法では無理だということで、PFIを取り入れることにし
たということで、学校調理場を含めて五つぐらいあり、これからも進め
ていくんだということです。ある意味では、国の補助事業は受けられま
せんが、民間とファイナンスを組んでリースする形なんですね。こうい
う形も財政負担的には公共事業には良いぞと、しかも立てるだけではな
くて、運営も一緒にやっていただくということですからPFIの利点は
民間も一緒にやれることですね。
公共事業ですと民間との合築は、補助事業が非常に難しいんです。と
ころがPFIですと、例えば文化会館でしたら中にいろんな民間の施設
があると市民として非常に便利ですよね。それから、図書館としても、
老人福祉センター、子育て支援センターなんかも同じように民間で運営
していただいて、その中に民間の機能があれば良いだろうと。考え方だ
と思います。一つは南陽市で文化会館をやったように木造の施設ですと、
木造の強化の鉄筋に変るような資材が出ておりまして、農林水産省の補
助事業ですと3分の2補助という非常に高い補助率の事業もございます。
それは長井でもできますし、役所もできることが分かっています。です
【委員】
から整備手法次第ではその後の運営も考えながらやっていくことが重要
でありますし、あんまり金額で左右されない、本当に必要な施設なのか、
ある程度機能も集約させて、狭い長井市ですから周りの町からも使って
いただけるような魅力あるものを整備していかなければならないと思っ
ているところであります。
東根の施設について市長さんからお話しいただきましたが、子育て支
援センターもあるということで、わざわざ子育てのために山形市から引
越しされたという方の話も聞きました。そのような事で人口流出に関わ
る事でないかと考えたところでございます。
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【事務局】
【委員長】
【事務局】
行財政改革実施計画進捗状況に基づき説明を行う。
(長井市行財政改革推進2006~集中改革プラン実施計画の推進評価
と同じ手法で評価を実施した。現在の行財政改革実施計画を策定したの
が平成24年3月であるため、平成24年度は第1年次と同様であり、
進捗状況は、全部で81項目あるうち、完了が5項目、順調に推移して
いるのは54項目、遅れているのが21項目、事業を中止したのが1項
目であり、遅れている事業がある。行財政改革は量から質へ変革をする
必要性を感じ、評価の手法に課題があると感じている。)
只今の説明に対しましてご質問などはございますか。中々質の評価、
質の指標化というのは難しいところはあるでしょうね。
長井市第 5 次総合計画の概要について資料に基づき説明を行い、引き
続き第 5 次総合計画における公共施設の整備について説明を行う。
(総合計画は、まちの将来の目標を立て、その目標に向かって取り組む
内容をまとめたもの。基本理念は、
「豊かな自然環境や文化を未来につな
ぐ」「市民と市がともにまちづくりに取り組む」「市民がしあわせを感じ
られるまちを創る」の 3 点。目指すまちの姿を実現する手段として 3 つ
の戦略「元気な人づくり戦略」「にぎわいと働く場づくりの戦略」「活発
な地域づくり戦略」を設定。
「活発な地域づくり戦略」の中に「市民が安
心して利用できる公共施設の整備」を配置。施設整備について市役所内
部職員による「公共施設等整備検討委員会」を立ち上げ内部で検討を行
うとともに、平成 26 年度からは市民を含めた施設整備検討委員会を組
織し、今後の施設整備を検討していく。)
【事務局】
平成 26 年度長井市一般会計予算(案)について資料に基づき説明を
行った。
(平成 26 年度一般会計予算案の総額は 122 億 1,400 万円で前年度比
8.2%増。元気臨時交付金事業として 3 億 9,837 万 6 千円、観光交流セ
ンター整備事業に 3 億 1,230 万 7 千円、消費税増税にともなう低所得者
対策とした臨時福祉給付金・子育て世帯臨時特例給付金事業に 8,810 万
9 千円を予算措置した。歳入では、市税として 32 億 4,705 万 8 千円で
前年度比 2.2%増、地方交付税は 41 億 8,000 万円で前年度比 0.7%減、
臨時財政対策債として 4 億 8,860 万円で前年度比 12.4%減、地域経済活
性化基金繰入金として 3 億 9,204 万 5 千円で前年度比皆増、財政調整基
金繰入金 1 億 8,300 千円で前年度比 83.0%増とし、平成 25 年度末財政
調整基金残高は 10 億 9,700 万円を見込んでいる。主な財政指標として
は、経常収支比率 92.1%、財政力指数 0.426、実質公債費比率 13.1%、
市債残高 118 億 1,191 万 8 千円うち国から交付される臨時財政対策債
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【委員長】
【委員】
47 億円を差し引くと市債として概ね 70 億円となる。)
ご質問、ご意見ございますか。
今回の委員会というのは、行革に関しての大きな説明というところで
理解しておりますので、どこまで具体的に意見して良いのかというとこ
ろはあるのですが、先ほど公共施設のところで一つ意見がありまして、
市長から回答がありましたので、私もそのあたりを申し上げたいと思い
ます。
市長からPFIにする東根のこともありまして、私もだいぶ昔に触れ
たことがありまして、確かイギリスの手法か何かで日本ではどうかとい
う記憶しかないのですが、実際にこういうふうにあったということで、
たいへん有効な手法だと思います。是非、次回にその辺の情報を詳しく
この委員会の中でお話しいただければ思いました。事例に学ぶ、参考に
するというのは一番確実なことで、成功した部分も失敗した部分も、と
ても勉強になることだと思いますので、東根市とやり取りされていると
いうことであれば、これから公共施設についていろいろ議論するには、
「まずそういうことがある」というのがないと具体的に検討することも
できないと思いますので、よろしくお願いいたします。
いろんな公共施設がある中で一様に全て調べていくということも必要
だと思いますけれども、震災以降、耐震化とか耐震構造というのが大き
なポイントになっていると思います。長井市においても、学校関係で校
舎とか体育館というのは大方終了したということですので、そう考える
と庁舎と先ほどの市長の話のとおり文化施設なんだと思います。私も街
中でいろいろと話をしているとそれ以外の話は出てこないので、やっぱ
り何でもかんでもとはいかないと思いますので、別な場があるのかもし
れませんが、二つに絞り込んだ形で議論を一歩踏み込んでやらなければ
ならないと思います。
先ほど市長から金額よりもやり方だとありましたけれども、やっぱり
金額も大事だと思いますし、当然進め方というのも大事だと思いますし、
どこの場でとなるか分かりませんが、その辺は議論しなければならない
ところだと思います。
2・3週間前のテレビの番組で、埼玉のどこかの町の庁舎の建て替え
でもめているということがありましたが、当初10億円にもならないも
のが3倍ぐらいになっただとか、建設には市民は大賛成なんだけれども
「何でなんだ」という不満が渦巻いているということでした。吹き抜け
になっているとか、庁舎がアール型になっているとか、今の2倍の規模
だとか、ホールが付いたりだとか、何かその辺のところが理解を得てい
くということについて、進め方の失敗した例だと思います。
先ほど分散していることが非効率だということがありましたけれども、
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逆に1か所にした方が効率が悪くなるとも思います。分散している方が
良いようなふうに私は考えます。全部が1か所にあって良いとこともあ
るんだろうけれども、その辺の議論であるとか、文化施設公共施設に関
しては何でもかんでもとはいかなくて、優先順位を付けていろいろ考え
ていかなければならないことだと思います。
「ありき」の話ではなくて、文化会館は1,000人の施設だと聞く
のですが、近隣の施設で川西・高畠の施設は700・800ぐらいの収
容人員で、図書館なんかも一緒になっている施設もあって、とても長井
市にあった規模ではないかと思うのですが、1,000人だというのが
いろんなところから入ってきますが、1,000人でなければならない
理由が分からないものですから、その辺のところも具体的な議論の中で
お示しをいただきながら、より分かりやすく絞り込んだ形でこのような
会議を進めていかないと、総論では賛成なんだけれども、そういうとこ
ろだけで進んでしまうと、進みきったところで金額が何でこうなのかと
か、規模の部分であるとか、後々になって問題が噴出してくる形になっ
てはうまくないと思いました。
先ほど具体的なところで、公共施設のやり取りがありましたので、是
非その辺も踏まえて、次回具体的な話に及ぶのであれば、その辺も含め
てご説明いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
【市長】
貴重なご意見ありがとうございます。公共施設については、これから
なんです。築40年以上の建物が40から50あります。その中で大き
いものはこういうものがあります、という話をしただけです。従って公
共施設の整備の在り方をどうするのかというのは、整備手法を含めてこ
れから検討です。文化会館が1,000人ぐらいだというのは、文化協
会とかサークル活動をなさっている人たちの考え方が1,000人ぐら
いということであって、それをどうするのかということは、場所も含め
てこれからです。庁舎も分散するやり方もある訳ですが、私の考えでは
分散すると大変です。よほど組織をしっかりしていないと指揮命令系統
がばらばらになってしまいます。
この間、庁舎の建設である国会議員と相談しましたら、
「木造で建てる
やり方もありますよ。通常は10割自前だけれども、それだと3分2が
国から補助が出ます。」と言われたのですが、そういった時には分散して
街中にあることによって、職員は必ず本庁舎へ私どもに決裁を受けに来
る訳ですが、その時は歩いて来ることとすれば街中は賑わう訳であり、
面白いですねと話しました。
職員の中で行革を15年もやってますと発想が貧弱になっていますが、
そのところをもう少し刺激し合わなければならない。セクト主義になっ
てしまう。国の省庁が大きいものですからそれぞれ分かれているため、
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【委員】
どうしても自分のところだけしか見なくなってしまうという弊害もあり
ます。やり方としてはいろいろありますので、次回PFIの手法や事例
について資料をご提示しながら、委員の皆様からどういう手法を行革委
員会としてやるべきかというご意見を頂ければと思います。いずれにし
ても、これからスタートですからよろしくお願いいたします。
あえて事情だとか理由もあるだろうし、そうじゃないだろうと思いな
がら意見させていただいたところがあります。今までは街中での断片的
な情報だけだったので、これからは委員という立場で、有効な意見を申
し上げられるよう努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いい
たします。
【委員長】
PFIで学校建設という例もありますし、それからある地域の図書館
に「ツタヤ」を入れて活性化した例があります。良い話だけが聞こえて
きますが、勿論課題もある訳です。そういったどんな選択肢もメリット
とデメリットがある訳です。地域にとってどんなメリットになるのかと
いった視点も含めていろいろ考えていくことが必要かと思います。建設
のコストも上がってきている時期なんで、新たに考慮しなければならな
い問題も出てきていると思います。最終的には市民の暮らしやすいまち
ということにいかに繋がっていくかということだと感じております。
時間も経過しておりますが、他にご意見ございますか。
【委員】
少子化についての取り組みですが、女性が一人当たり産む合計特殊出
生率は長井市の場合どうなっているのでしょうか。先日のニュースの中
で、九州地方の福岡では、あるいは沖縄では、一人あたり2.8人の出
生率だそうです。東京都の場合ですと0.8人ということで、差がある
ようですが、長井市の場合はどうですか。
山形県の中では高い方です。ちょっと古い資料ですが平成17年度で
1.66人、山形県が 1.45 人です。具体的な数字が手元にありませんの
で、次回までに資料を提示させていただきます。
【市長】
【委員】
【事務局】
薬手帳の活用状況はどうなっていますか。薬をもらう時に薬手帳に記
入していただくことになっていますが、一人一人の医療費の抑制の心が
けとして、保険料の上昇幅を抑えるということで大切ですし、投薬の重
複もあるようです。この辺のチェック体制が必要になってきていると思
います。いらない薬を買い物袋にいっぱい貰っている方もおられるよう
ですし、チェックが大事になってきたと考えるところであります。
国民健康保険では縦覧点検を実施しております。医療にかかりますと
レセプトと呼ばれる診療報酬明細書が医療機関から国保連合会を通じて
それぞれの市町村に送られてきますが、お一人のレセプトを並べまして
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【委員】
【市長】
問題点があるかどうかチェックしております。重複受診等問題点があれ
ば、保健師等が訪問して同じような薬を飲むことにより害がある場合も
ありますので、適正な薬の服用や重複受診をしないように指導をしてい
るところでございます。この部分につきましては、各自治体で大きな課
題と捉えられております。
参考までに申し上げますが、私は定年になってからも社会保険に加入
しておりますが、最近は非常に厳しくなってきました。医者にいつどこ
にかかったという診療の内容が全て送られてきます。チェック体制が必
要になってきたなと感じておりましてお聴きしたところでした。
なお、その点につきましては、国民健康保険も診療内容を各被保険者
に案内をお送りしておりますが、人によっては、郵送料の無駄だと言う
方もおられます。それぞれ個人の方の医療費がどれぐらいかという認識
を持ってもらうことと、薬はジェネリックを使っていただくことをお願
いして医療費の抑制を図っております。お医者様の問題や個人の問題と
して重要だと思います。
【委員長】
TPPでジェネリックが変わっていきますから、このような変化にも
対応しなければならないということかもしれません。
それではいろいろご説明いただきまして、貴重なご意見を頂戴いたし
ました。今日出されなかった意見や気がついた意見がございましたら、
事務局にお願いいたします。
これで報告・意見交換を終了いたします。
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