第2回 (仮称)小牧市農業公園整備基本計画策定委員会 議事録 1 開催日時 平成20年10月1日(水)午後6時30分~午後8時00分 2 開催場所 小牧市役所本庁舎4階 第4会議室 3 出席者 委員 大原委員、根岸委員、亀谷委員、栗木委員、丹羽委員、大鹿委員、稲垣委員 (欠席1名) プロジェクトチーム会員 松浦会員、鈴木会員、田中会員、曽我会員 事務局 市民産業部 波多野、志村 農政課 長谷川、丹羽、余語、藤田、赤堀 連携組織及び関連組織 学校教育課 中川 庶務課 舟橋 生涯学習課 岡島 子育て支援課 丹羽 保健センター 環境対策課 江崎 木全 道路課 江口 建築課 小島 都市整備課 水野 基本計画策定業務受託者 ㈲モクモク流農村産業研究所 木村、吉田、小森、松田 4 傍聴人 3人 1/13 5 議題 1)プロジェクトチームでまとめた(仮称)農業公園整備基本計画の検討状況について 2)今後のスケジュールについて 6 あいさつ 【委員長】 農業情勢では事故米、金融不安に伴う様々な問題や、原油価格の上昇など問題が多発し ていますが、これは産業をやっている者の倫理が問われているのだと思います。また、食 糧を依存している私たちが自給率を本気で上げていかなければならないことを示唆して いるとも考えられます。このような現代において、日本の自立と将来を担う若者たちや子 どもたちの教育が非常に重要です。私たちが議論している農業公園、また食育、環境教育 は特に重要視されています。私たちの世代が子ども時代に自然に学んでいたことが学べな くなっています。その意味での農業公園の役割は大きいと感じます。 今日は、具体的な意見も聞けるということで、様々な意見を交わしてほしいと思います。 【事務局】 委員長が申しました通り、最近食の安全安心が重要視されている中で、小牧市が計画し ている農業公園は、多くの市民の皆さんに来場していただき、食の大切さを知ってもらい たい、また将来を担う子どもたちには、食と農のつながりを感じられる食の体験などを行 っていきたいと考えています。また、この農業公園は地域の農業振興という役目も果たす ものです。今後の農業公園整備に向けて多くの意見を伺いたいと思います。 7 先進地視察について 【事務局】 8 月 25 日から 27 日に小牧市の友好都市である北海道八雲町及び恵庭市の視察について、 ご説明いたします。 委員4名と農業公園整備事業の参考とするために行って参りました。 はじめに、八雲町の北里大学附属八雲牧場では、輸入飼料を使わず、牧場に生えた草の みで育った短角牛(たんかくぎゅう)であります。牛の肉は霜降りでなく赤みを帯びてい て硬いです。環境を重視した放牧をしています。牧場の総面積 359ha、280 頭を飼育し ております。草のみの飼育のため、牛糞の臭いはあまりありません。 牧場の柵には、太陽電池で牛が触れると電気が流れるように整備され、牛が逃げ出さな いようになっています。 つづいて、ばんけいリサイクルセンターは、八雲町特産物ホタテの黒い付着の「うろ」 などを処理しています。 熊石海洋深層水総合交流施設は、343mの日本海の海水を汲み上げて販売している施 2/13 設です。平成16年に事業費20億円で完成しました。 熊石海洋深層水㈱では、海洋深層水を、塩や明太子の加工に利用して販売しています。 この近くの北海道栽培業振興公社は、海洋深層水をアワビの養殖用として利用していま す。 ハーべスター八雲は、もともとはケンタッキーフライドチキンのファーストフードでし たが、転換し、今は地元の食材を使ったスローフードを提供しています。 落部漁港協同組合では、八雲町特産のホタテを養殖しています。年間400トンの水揚げ があります。 場所を変わりまして、恵庭市のエコリン村に行ってまいりました。ここは民間のハンバ ーグレストランビックリドンキーの関連会社が運営する農業公園です。恵庭市は主にガー デニングが有名な市ですので、そのような施設があります。 キッチンガーデンにはさまざまな野菜や果樹が栽培されています。 ハウスの中では、一つの種から1万個のトマト栽培に挑戦しています。また天井までト マトが栽培されているトマトの森もあります。 ガーデンショップでは、花などのガーデン用品を売っています。 飲食店では、木でできた温もりのあるレストランもあります。 環境への取り組みとしては、ペットボトルを利用した温水器・自転車の発電機、バイオ 燃料を利用したシャトルバスが走っています。 以上で北海道八雲町・恵庭市の視察の報告を終わります。 8 議案について 【事務局】 それでは、議事にうつらせていただきます。(仮称)小牧市農業公園整備基本計画策定 委員会第7条第1項により、委員長が議長となっておりますので、会議のとりまわしをお 願いします。 【委員長】 本日の会議は公開会議ですので、傍聴者3名の入室を許可します。 なお、本委員会は定員 8 名に対し、出席者 7 名で過半数の委員に出席いただきました。 本日の会議は成立いたします。 9 議事内容 1)プロジェクトチームでまとめた(仮称)農業公園整備基本計画の検討状況について 【事務局】 プロジェクトチームは4回会議を重ねて話し合ってきました。 3/13 農業公園整備事業計画の対象範囲は、桃花台北東側に位置しています。 小牧の農業に従事している農家戸数は1566戸、うち販売農家は623戸、残りは自 給的農家です。農家人口は、小牧市人口約15万人のうち、農家人口6653人の約4. 4%です。 うち販売農家人口676人です。 小牧市の面積約6300haのうち、農地は17%の1040haです。そのうち85 1haが耕作し、残り2割近くは遊休農地です。 農業産出額は、3年前のデーターですが、約19億2千万円です。鶏卵36%、米30%、 果樹13%・野菜11%と続きます。果樹は、ももが一番多いです。 (仮称)農業公園は、子どもをターゲットと考えています。小牧市内では、幼稚園11 園、小学校16校、中学校9校、保育園19園あります。約16000人の児童・生徒が います。 (仮称)農業公園計画地の現況ですが、北から南へ向けて傾斜し、10年前の造成時に 設けた調整池があります。 樹木は、赤松、コナラ、栗、竹が生えています。 他にも市内で発生する剪定木をチップ化している場所があります。 交通は、バス停が歩いて7から8分のところに3箇所点在しています。 (仮称)農業公園の周辺の農地は、水田、もも、ぶどう・梅畑があります。 以上のような状況を念頭においてプロジェクトチームで考えてきました。 まずは、小牧の子どもたち中心で行くのか、愛知県内、もしくは全国の子どもたちを対 象にするのか今後の検討課題1です。 2番目に、運営体制です。公設民営型です。運営に市民、NPOをどう取り込んでいく のか。 3番目に、周辺施設との機能分担の問題です。農協のグリーンセンターの直売所や四 季の森に家畜が飼われています。(仮称)農業公園でも家畜を飼いたいと考えています。 リサイクルブラザのエコハウスは、環境体験として石鹸づくりなどができます。 4番目に、 (仮称)農業公園内のレストランに調達する食材をどう確保するか。小牧市 内だけの農産物で補えるのか、愛知県産や八雲町産をどうするのか。 5番目が(仮称)農業公園のアプローチですが、新たにバス路線を設けるのか、現実的 には自家用車が多いのではないか。その場合の渋滞による周辺住民への対策や、駐車場の 整備の問題です。 6番目が既存施設をどうするのか。鷹ケ池の施設は今のままでいいのか、整備するのか。 モリゾーの家はどうするのか。 7番目は、計画地のつながりの確保です。道で3つのゾーンに別れますので、橋でつ なげるのか。 8番目が水源の確保です。農作物の水をどう確保するか、鷹ケ池の水を使うのか。井 4/13 戸を掘るのかなどを考えていかなければいけない。 9番目、最後になりますが、農業公園整備事業には4つの法律規制があります。1つ が、市街化調整区域ですので、基本的に建物が建てられない地域です。 2つ目、3つ目を一緒にまとめますが、森林法・砂防法の規制です。環境保全・防災の 観点から開発する場合は、樹林を残し、むやみに伐採してはいけない、また砂防地を設け るなどの対策が必要です。 4つ目は新しい法律ですが、東海豪雨の新川流域の規制です。(仮称)農業公園はこの 流域に入りますので、再び下流域に対して河川の氾濫を起こさないための防災上の対策 が必要です。 続きまして、整備の方向性、かつて小牧は菜どころ米どころと言われていました。都 市化が進み、農地も減り、最近は事故米など食の安全安心が言われていますが、足元か ら農を感じられることができるものにしたいと考えます。 この場所は、鷹ケ池の農業用ため池やその周辺には樹林もあり、山菜取りもできます。 また農地も多く、農業のメッセージが伝えられる良い環境です。 次にビジョン、基本構想の基本理念を継承しつつ、子どもたちに食べ物の大切さ、農 業の営み、環境問題につながる体験型学習施設としていきたい。地域と一体となり、何 度も来たくなるようにしていきたい。 食育と環境の二大方針を実現するための4つのキーワードは、農業・体験・ものづくり・ 地域交流です。 食育は、(仮称)農業公園を拠点に、教育ファームの職業体験学習。 環境問題については、施設整備にもバイオマスなど取り組んでいきたい。 農業体験は、公園以外の農地を利用しながら、公園で農作業を体験する。 ものづくりは、付加価値をつけた小牧市の特産品を売る。(仮称)農業公園では一番の 収入源になる。 地域交流は、ファーマーズマーケットとかレストランなど、生産者と消費者のつながり をつくる。 農を伝える小さな社会です。子どもたちに農を伝える手段としては、職業体験をして もらい、働き、その対価を得、その対価で園内のジュースが買えたりとか、わかりやすく 言いますと東京にあるキッザニアの農業版です。 例えば、おにぎりを例に取ると、田植え、稲刈りなどを経て、おにぎりをつくり、売る となれば、具をどうするか、売り方は、値段はどうするのかなど考えないといけない。 そして最後にはファーマーズマーケットで売る。 子どもたちは、対価を受け取り、園内で食事したり、自分の作ったおにぎりを親に食 べさせる楽しみもあります。 最後になりますが、今後の整備は、鷹ケ池地域は、鷹ケ池を生かした自然観察、レクリ エーションの場、南東部地域ではファーマーズマーケット、レストラン、駐車場の場、 5/13 南西部地域では、樹林を生かして、農業体験・環境体験の場と考えています。 以上説明を終わります。 【委員長】 基本計画ですので今後も決めるべき課題もありますが、現段階の内容についてはかな り明確な説明をしてもらいました。本日はこの案を実際に進めているプロジェクトチー ムの方も出席してもらっていますので、会議の中で感じたことなど、なんでも結構です ので一言補足いただければと思います。 【会員】 毎月会議を行い、メンバーとコミュニケーションをとりながら色々な案を出しながら 議論してきましたが、様々な部分で関係各位に協力をしていただかないと良いものがで きません。特に一つの対象として子どもをターゲットに考えていますが、学校も教育フ ァームの指定農場としてぜひ利用してもらいたい。学校プラス市民そして企業、全てが 参加型になれる農業公園を造りたいので、受け身ではなく積極的にご協力いただきたい。 【会員】 具体的なものが出てきましたが、課題とすべきこととしてこれから、どのように運営 をして、より多くの方に喜んで参加をしていただけるか。例えば北海道旭川市の旭山動 物園のように、全国から人が集まってくるような魅力ある農業公園を目指していきたい。 そのためには、絶えず進化をして、お互い知恵を出し合って素晴らしいものになってい くのが望ましいと思います。 【会員】 地域公共交通という視点から参加しています。 小牧市の公共交通機関であったピーチライナーが 15 年で閉鎖してしまった。絶対に やってはいけないことは、この二の舞にだけはしてはいけないということです。そのた めに、どうやって人を集めるか、ビジネスの感覚をどのように入れ込んでいくかをきっ ちりさせて、どれだけ持続可能なものにするかを考えねばならない。そのためには子ど もだけではもの足りなく、もっとおいしいもので人を惹きつけるような集客力のある施 設にしないといけないと思っている。持続可能な施設になれるように助け合っていきた い。 【会員】 専業農家の立場として、この農業公園を大事にして、周辺の雑草が生えてしまってい る遊休農地を何とか活かし、ここを農業の活性化の発信拠点としたい。そのためには子 6/13 どもさんがたに農業の楽しさを教え、農作業や収穫の喜びを家庭に持って帰って親御さ んに伝え、そして家族で畑を一緒に耕せるような将来に向けて取り組める公園でありた いと考えています。 【委員長】 大事なポイントもいくつか出ましたが、プロジェクトチームからの説明は以上です。 委員さんからの意見を自由に議論していただきたいと思います。 【委員】 学校+市民のレベルで、というお話がありました。学校に携わる者として実際に子ど もたちがこのような活動に参加するときにと思いながら聞かせていただきました。 一番活用しやすいのは近隣の学校だと思います。授業の内容からだと総合的な学習の 時間などを活用しながら、あるいは特色ある学校づくりの中に位置づけて進めいくこと になるのかなと思います。今、一単位時間は小学校で 45 分、中学校で 50 分の授業です。 近場であれば 1、2 時間ぐらいの単位で農業公園に通って体験ができる、あるいは郊外 学習とすると一日に 5,6 時間の単位で体験ができると考えますと、例えば総合学習は 年間 70 時間、そのうちに英語活動の何時間を差し引くと、実質時間的に何度も通って 体験できるのは、よほど近くの学校でないと難しいかなと思います。 この点から考えると、アクセスの便利性、例えばバス停をおりて何分も歩かねばなら ないとロスタイムになります。そういったことも一つ一つクリアしていかないと学校と して全学年の児童が何回も訪れることは難しくなってしまいます。 具体的に落とし込む中で、いろいろ解決していかなければならないこともあるのかな、 ということで提案させていただきました。 【委員長】 ありがとうございました。今の学校のシステムとの整合性という問題が出てきます。 またアクセスの問題も解決すべき重要なポイントだということです。 他にはいかがでしょうか。 【委員】 「食育」という言葉を考えると、まず「子ども」が対象として出てきます。しかし餃 子の一件などで感じるところは、子どもはもちろん大切ですが、大人の意識が重要だと いうことです。食に関しての意識は親、つまり家庭から受け継がれるものです。毎日の 食事の場面がある家庭でどういうことを日常的に育むかということが一番影響力とし て大きく、かなりのポイントだと思います。子どもに対してと併せて親に対してのプロ グラムも重要だと感じています。 7/13 餃子の問題の時に、 「本当の原因は未だ分からない。 」という報道がされていた時の街 頭インタビューで「早く白黒はっきりさせてほしい。そうじゃないと子どものお弁当に 使えない。」という親御さんの意見を見ましたが、実はこういった意見を持った方が多 かったようです。こういった発言は、本当に食の安全に対してシビアに捉えていないの ではないかなと心配を覚えました。事故米のこともありますが、大人の意識も重要では ないでしょうか。 もう一つは、キッザニアというお話が出ました。キッザニアの面白み、意義は扉の向 こうに「実際の職場」があるということだと感じています。今、小牧の農地が市の中で 17%弱という統計でしたが、今後更に農地が潰れていくと思います。もちろん農業に 従事する方も減っているのだと思うので、この農業公園だけで解決できることではない ですが、農業をどのように再確立していくかという観点も重要で、このプロジェクトに 寄与できる部分があるのではないかと思っています。 地域との連携ということがたくさんうたわれていますが、それをどのようにやってい くか、というシステムづくりがとても重要です。狭い所にテーマパーク的に農地を作っ てお米を作ることよりも、小牧にたくさんある遊休農地を使っていく活動をするために 農業公園がある。そういう位置づけの方が重要なのではないかと最近感じています。市 内を車で走っていると本当に農地がどんどん無くなっているのが分かります。にもかか わらず農業公園という狭い敷地に田んぼをつくっていくことにすごく矛盾を感じます。 単にテーマパークで終わらない施設にするのが考えだと思うのですが、市内の消えてい く農地、乱開発されていく農地をどうするかということが農業公園のテーマとして重要 度が高いと感じています。 【委員長】 単なる農業公園ではなく地域の農業の在り方との関連で検討していかねばならない ということ、子どもだけではないですね。子どもだけという受け取り方をされる方も見 えるようですが、その点についての回答をお願いします。 【事務局】 基本的には子どもだけではありません。子どもさんが体験している時間に親御さんに はレストランでお食事をしたり、ファーマーズマーケットで買い物をしてもらえたりと 考えています。また、教室についても子どもだけではなく親子の料理教室、シニアの漬 物教室などのアイディアが出ています。小牧市として農業公園の特徴をどのように出し ていくか、と考えた時に「小牧にはこんな農業公園があるぞ。」と小牧の市民の方に言 っていただけるためには多目的農業公園ではなく、何か一つテーマを持った農業公園に する必要があるだろう、ということで、基本的には「将来を担う子どもたちに体験して もらえる公園」 、ということを一番にうたいたい、とこのような提案にしております。 8/13 【委員長】 ご理解いただけたかと思います。一方では、もう少し親御さんに向けての提案も目に 見えるようにしないと受け入れられないのではないか、という危機感の現われだったと 思います。 【委員】 大学生と一緒に活動をしている中で、はじめに委員長からも話がありましたが、昨今 の若者たちは一方通行で来てしまっているせいか、自らで考えて行動することが少なく、 気が短いことを感じています。そういった意味でこの農業公園の構想は、まさしく食の 安全や今の世の中から見るとすばらしいことだと思います。当然このすばらしいことは 誰しも否定しないことであって、先ほどの委員のご意見に同調する点がたくさんありま した。素晴らしいもの、みんなが基本に思っていることは同じだと思います。あとはい かにそれを集客しながら、参画させるかということだと思います。それは大人も子ども も同じです。まずは大人が興味をもたなければ子どもはなかなか行けないでしょう。そ ういう意味で大人は重要だということがみなさんの意見ではないかということだと理 解しています。 単なる偽物のテーマパークを羅列してもしょうがないので、いかにそこに行くと大人 が農業や食に関する情報が得られる、何かのイベントに参加できる、イベントカレンダ ーがある、この地域で畑の共同参画の応募があるなどの情報が手に入る場であってほし い。もちろん、シニアが中心でも良いかもしれませんが、お孫さんを連れていくなどの 輪が広がるのが理想であって、それが持続的経営につながるのだと思っています。 また、計画の中で最も大切なのはアクセスの問題だと思いました。立地条件からする と公共機関ではなかなか行きにくい、自家用車でしか行けないとなると今後の大きな課 題になるかと思います。 【委員】 先ほどの委員の話にもあったように、学校の総合学習だけではとても難しいかなとい うことは、今、5年間光ケ丘小学校の4年生の子どもたちと鷹が池の敷地内で菜の花を 育てていますが、10 月に入り 10 日ごろに種まきをしなければならないのでやっていま すが、本来なら土づくりから全部一貫して体験をしてもらいたいのですが、本当に時間 が無いということで種まきと草取り 1 回と収穫と油搾りをやってもらっています。 やはり体験教室、料理教室なども、例えばそばを打つだけでなくこの中の一つ二つは 一年間通じて親子でそばの種をまき、石臼をひいてそばを打つという一連の体験ができ たらいいなぁと思っています。時間的に学校関係では無理かと思いますが、親子で申込 をして参加できる教室ができればいいなと思っています。 9/13 【委員】 私は、養鶏、養豚をやってきました。農業が消費者とかけ離れたところへ行ってしま った。食べる人と作る人が遠い関係になってしまったということを現実に感じていた中 で、7,8 年前にその関係を取り戻す場として、長年温めていた「くりの木ランチ」をつ くりました。まだ発展途中ですが、小さなマーケットや体験できる施設です。その夢が 膨らむ形でこの農業公園の企画が小牧で進められていることをとても嬉しく思ってい ます。皆さんから良い意見がたくさん出ました。食育や環境学習など、学習施設という ことを前面に押し出し、公共性があるという視点で考えられていると思いますが、あま り固く考えなくてもよいのではないかと思います。教育施設といっても委員のおっしゃ ったように、総合学習の時間はあまり取れないということもわかる、また、大人の勉強 も必要ということもあったように、単位は家庭、学校、女性の集まり、熟年の人たちの 集まり、また男性だけの集まりでもよいでしょうし、いろんなグループ参加でも良いで しょうし、企画によっては単独の人たちがここへ集い、一人ではできないけどみんなで 集まったら一緒に体験できるというものでも良いと思うので、フレキシブルに考えて大 勢の人が参加できる施設であることが望ましいかと思うのと、この狭い農業公園での完 結型を考えるのではなく、小牧が田園都市であるということで耕作放棄地がなくなって 都市空間がきれいな街になっていくのも意義があると思うし、耕作放棄地が団塊の世代 がシルバーライフを楽しみながら農業を体験する、その学習の場が農業公園である。交 流の場が農業公園である。家族で食べ切れないくらい作った野菜等を農業公園に持って くる。活力ある小牧を農業を通じて発信していける施設になるのが良いです。 ピーチライナーの二の舞にだけはならない。これは重要なことです。小牧には素晴ら しい施設がたくさんあります。しかし毎年何千万円、何億円もかかり、確実に管理費用 が上がっていく施設もたくさんあります。将来これを本当に続けて行くことができるの か、今後も同じ方向であって良いのかということを疑問に持たずにはいれません。そう いう施設はまず受益者負担を考えていくのはある程度必要だと思います。もう一点はで きれば受益者負担を通じて、それが大きな喜びとなって負担をしていただいて、リピー ターがたくさん来るような、お金を出しても学ぶ価値がある、そういう施設になってい ったならば経営として成り立つし、何十年も続けられる施設だろうと思います。時代の 要求にこたえ、進化しながら持続していくという、日本のモデルになるような公共施設 をつくっていきたいなという夢を見ています。 農業公園らしきものも全国にたくさんできて、ほとんどが金くいむしになっています、 中には閉鎖されたところや近いうちに閉鎖されるところもたくさん出てきています。ピ ーチライナーは 15 年、しかしもっと早く閉鎖に追い込まれる施設もあります。当初計 画されたものとは大きく方向転換してしまったところもあるということです。いっぱい 10/13 夢を語り、実現したい。いろんな意味で持続可能な施設となるよう知恵を出し合ってつ くっていければと思っています。 【委員】 尾張中央農協では、今月から「みんなの良い食プロジェクト」を、農協職員全員で取 り組んでいます。このプロジェクトというのは、日本の自給率が上がるように、みんな で啓発していきましょう、というものです。 小牧市の農業公園については、受益者負担ということで、それくらいのお金を払って でもきたいという魅力のあるものするには、収穫の喜びを味わっていただくとかしない と長く魅力ある公園としては続かないと考えます。 また、農業公園を核として地域の遊休農地の活用をいかにしていくかを考えて展開を していただければと思っています。 【委員長】 かなり大事な論点をお話いただきましたが、いかに実現に向けて組み込んでいくかが 課題です。 今、6 人の委員の方の意見、プレゼンテーションの中にも重要な点が出ていましたが、 自分自身が 6 月から松阪農業公園の経営に携わることになり、事業性をいかに高めてい くかということは、自らの問題として考えさせられています。現在事業に対して 8000 万円の委託料をいただいていますが、来年度から 3000 万減らす計画のため、事業性を もっと高めなければなりません。それには工夫しかないわけですが、国立大学から法人 になった時に意識が大きく変わりました。委員のご意見にもあったように、国の財政の 将来性も考えると、いかに税金を投資して国民や市民のために活かして使うのか、いか に使っていくのか、ということが求められています。その工夫をどのように入れ込んで いくか、となると楽しんでいただく方にもある程度の負担もお願いしなければならない ことは感じます。また、この施設を多様な人に楽しんでいただくためには、ターゲット 層もポイントを絞りながらも幅広い面もないと事業として難しいのかと思います。アク セスの問題は自分にも当てはまります。松阪ではネイチャーフィットネスという健康活 動をやっていますが、体重減少や筋力増加の結果がでています。これはもっと広がれば 高齢者医療に貢献できることになります。そこで、バスが来ていたらもう少し参加者が 増えるかもしれない。採算性の問題もありますが、可能なら最初に路線を確保すること が事業性を高められる要素になるのではないかと感じます。 また、都市農業、自給農業プラスαということの付加価値は大きいと思います。勤労 者世帯の人たちがたくさんいますので、土地をいかに使ってもらいやすい形にできるか、 ということが小牧市の行政の中で進められれば有機農業と連携した農業公園構想にな 11/13 るのではないかという印象を持ちました。 総括にかえさせていただきまして、本日の委員長の役目を終えたいと思います。 10 その他 今後のスケジュールについて 【事務局】 今後のスケジュールといたしまして、策定委員会を12月と3月上旬頃に開催したい と考えています。 昨年度基本構想をつくりましたが、それが農林水産省のホームページの教育ファーム 推進計画に値するものとして、全国で 6 番目に掲載されました。全国の市町村では 9 番 目に教育ファーム推進計画の事例となりましたので、ご覧いただきたいと思います。 11 まとめ 【委託業者】 2005 年に食育基本法が成立しました。しかし、日本の場合は良いといわれる食育がな ぜ定着しないのか。ここに日本の問題があります。日本は「制度化されない」というこ とです。いいことを法律でつくってもそれは当事者がやりなさい。当事者はなかなかや れないのです。行政がしっかり制度化しないかぎり食育活動は定着しない、というのが 持論です。 食育についてはフランスの教育ファームから学びました。ヨーロッパがすごいのはし っかり制度化しているということです。施設もしっかり整備されていて、利用する側に も支援しています。また、食育体験の受け皿となるように、国の施設や地域の市町村等 の施設、教育ファームを経営する個人の農業者にも教育や指導が行き届いています。子 どもたちが学びにいくことによって、バスのチャーター代や農家の代償をしっかり支払 う仕組みができています。こうして、小さい頃から食育カリキュラムがきっちり教育の 中に組み込まれています。それを学ぶと、健康な生活は全て食べものからきていること が自然に身につくことになります。日本人は食べ物をどれだけ知っているでしょうか。 フランス人の留学生に日本の料理を出しても最後に言うのは、「やっぱりフランスのも のがいい」。しかも、それ以上に各々が自分の村のワインやチーズを自慢するのです。 それは小さい頃から食べ物のあり方を知っている、勉強しているからです。「やっぱり 自分の地域のものが一番いいんだ。」と知らず知らず郷土に対して愛着を持つようにな ります。それは海外に出ても変わらない。食べ物の自慢は郷土愛から自国の物を愛する 心を育てるのです。 そして、「食」は「生命産業」です。体験を通して、他の命を頂いていることがわか 12/13 ます。牛乳を絞っていると初めて命を感じます、他のジュースとは違うことがわかる、 臭い、動きであたたかさがわかる、情操的な豊かさが芽生える。命を感じ、頂いている ことを実感します。 郷土愛は農業に対してのあこがれがあります。作っている農業者の誇りを感じます。 農業に興味をもちます。 食育で大事なのはそれを学ぶきっかけづくりです。土づくりから環境への問題、食糧 問題から社会への問題に気づくきっかけになります。 なぜ子どもなのか。子どもはあっという間に成長します。10 歳の子どもが 10 年たて ば 20 歳です。昔体験をしてくれた子どもが農業をしたいとやってくることはたくさん あります。 大人を教育するより子どもを教育する方が早いと感じています。子どもたちは自分で 学び、もったいないという気持ちを学び親御さんに注意をするのです。 女性はきっかけづくり、子どもは「継続」リピーターです。後からついてくるのはお 父さんです。子どもが行きたいという施設は必ず大人がついてきます。 最後に教育は「楽しく」ないといけません。ここにエンターテイメント性を入れ込む ことが必要です。職業としての楽しさ、レストランまで展開できるのが農業だというこ とがわかれば、農業が夢とロマンのある職業だということを教えていけます。 みなさんと一緒に、より良いものを行政で初めて制度化されれば、小牧の子どもさん たちは日本一食べ物のことを知り、日本一食べ物を大切にして、日本一郷土を愛し、農 業にあこがれ、それを担っていってくれるという夢をはせながらこれからもがんばって いい計画を進めていきます。これからもよろしくお願いします。 12 おわりのあいさつ 【事務局】 今後のスケジュールを発表いたしましたが、限られた時間の中でご意見を頂いてより 良い農業公園をつくってまいりたいと思います。 農業公園は農政課だけではできません、教育委員会、環境、建設、福祉などそれぞれ の課長も出席をしています。今後具体化していく中で関連する所のポジションの問題も たくさんでてくると思いますので、関係部署の皆さんにもご協力をお願いするとともに、 本日傍聴にきていただいた方にも、ご支援をいただければありがたいと思います。 【事務局】 これをもちまして第 2 回(仮称)小牧市農業公園基本計画策定委員会を閉じさせてい ただきます。 13/13
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