Web アプリケーションを高速化する3 つの基本原理

Web アプリケーションを高速化
する 3 つの基本原理
2014 年 6 月
多くの組織では、アプリケーションの速度に関する懸念を抱えています。社内用のビジネス アプリケー
ションか、顧客向けのショッピング サイトであるかを問わず、Web アプリケーションのパフォーマンス
は、ビジネスのパフォーマンスに大きな影響を与えます。高速な Web アプリケーションが実現できれば、
売上を増やし、ユーザとの関係性を高め、生産性を向上させることができます。
この記事での「Web アプリケーション」という用語は、HTTP/HTTPS でサーバから配信され、主に
HTML を使用して表示されるアプリケーションを意味して使用します。これには、公開された Web サイ
トや社内用ビジネス アプリケーションが含まれます。これらの Web アプリケーションを高速化する目的
は、ページの読み込み時間を短縮して、よりレスポンスに優れた双方向のコミュニケーションを提供する
ことで、エンド ユーザ エクスペリエンスを改善することです。
今日において、Web アプリケーションの高速化技術を進めていくには 3 つの基本原理があります。
•
できる限り効率的にデータを送信する
•
できる限り低い頻度でデータを送信する
•
できる限り少量のデータを送信する
できる限り効率的にデータを送信する
最適化技術や圧縮技術が使用されているかどうかに関わらず、データはネットワークを介してクライアン
トとサーバの間で送受信する必要があります。このデータをできる限り効率的に送信することで、エンド
ユーザ エクスペリエンスを大幅に向上させることができます。データ転送の最適化は、TCP 最適化によっ
てトランスポート レイヤで行われるものと、SPDY プロトコルを使用した HTTP リクエストの最適化に
よってアプリケーション レイヤで行われるものの両方を使用して実現できます。
クライアントのネットワーク状況に応じて TCP 接続を最適化すると、優れた結果を得ることができます。
モバイル 3G および 4G ネットワークを使用したテストでは、クライアントおよびサーバの TCP 接続を個
別に最適化するだけで、異なる複数のロケーション間で、ページの読み込み時間が平均 7 ∼ 29%短縮す
ることがわかりました。
HTTP 2.0 の出発点となっている SPDY プロトコルは、ページの読み込み時間の短縮とセキュリティの強
化を目的として HTTP トラフィックを処理します(このプロトコルを使用するには SSL/TLS 暗号化が必
要です)
。SPDY を使用した場合、1 つの TCP 接続に複数の HTTP リクエストを多重化できます。この効
率的な転送メカニズムの効果で、ページの読み込み時間が短縮されることがわかっています。ページの読
み込みの改善の程度は一様ではありませんが、SPDY を使用した場合、ほぼすべての調査でページの読み
込み時間に十分な改善が見られました。
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できる限り低い頻度でデータを送信する
ページを組み立てるためにクライアントが行う必要があるネットワーク接続とリクエストが少なければ少
ないほど、読み込みは早くなります。コンテンツのインライン化(たとえば、外部リンクとしてではなく
HTML ページ内部に画像を作成するためのデータを埋め込む)
、ブラウザ キャッシュ操作などの技術を使
用して、リクエスト数と接続数を最小限に抑えることができます。
ブラウザ キャッシュ操作の例として、インテリジェントなブラウザ参照(IBR)があります。IBR は、画
像やスクリプトなどのキャッシュ可能なオブジェクトに対して、オブジェクトのバージョン管理を実装し
ます。オブジェクトをバージョン管理することで、古いコンテンツが使用されることを防ぎながら、ブラ
ウザでのキャッシュのメリットを活用できます。オブジェクトを長時間キャッシュすることにより、ブラ
ウザがコンテンツを再確認する必要がなくなります。サーバから転送される新しいデータがない場合でも、
コンテンツが引き続き有効か確認するのみの HTTP リクエストがあると、ページの読み込み時間が大幅に
増加する場合があります。
できる限り少量のデータを送信する
サーバがクライアントに送信する必要があるデータ量を削減することは、ネットワーク転送時間の削減と
ページ読み込みの高速化につながります。冗長なデータを送信前に圧縮したり、サーバの応答から冗長な
データを削除したりすることは、それ自体がデータ量を削減する方法になります。
Web アプリケーション サーバ ソフトウェアまたはアプリケーション デリバリ コントローラ(ADC)な
どのサードパーティ デバイスは、HTTP オブジェクトを圧縮できます。HTTP オブジェクトの圧縮を ADC
などの最適化デバイスに移行することで、コンテンツ操作を追加し、より効率的な圧縮を実現できるよう
になります。SPDY プロトコルを使用するメリットの 1 つに HTTP ヘッダの圧縮があり、転送データ量を
より多く削減できます。
画像をより効率的なファイル形式に変換したり、画像メタデータを削除したりするのも、サーバの応答か
ら不要なデータを削除する方法になります。JavaScript や CSS などのテキスト ファイルから空白およびコ
メントを削除する方法もあります。個々のファイルから空白を削除して削減される量は小さくても、ペー
ジの読み込みに一般に必要とされるオブジェクトの数を考慮すると、より多くの効果を期待できます。
適切なアクセラレーション方法を選択する
組織はこれらのアクセラレーション技術をどのように実装すればよいでしょうか?組織にとって最適な方
法はどのように決定すればよいでしょうか?他のプロジェクトと同様に、アクセラレーションを評価する
場合、組織はソリューションの投資収益率(ROI)を評価する必要があります。8%のパフォーマンス向
上をもたらす 3 日間のプロジェクトは、20%のパフォーマンス向上をもたらす 8 週間のアプリケーショ
ン再コーディング プロジェクトよりも大幅に高い ROI を実現するかもしれません。
アクセラレーション ソリューションが異なれば、これらのアクセラレーション技術の組み合わせ方法も
異なり、発生するコストやもたらす結果もさまざまです。潜在的コストとアクセラレーション技術を展開
する複雑さについて懸念をお持ちの場合、特定のアクセラレーション実装を検討して、許容範囲のコスト
で貴社の目的を達成できる方法を見つけることが次のステップになります。
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