化学物質1000種類をGC/MSで一斉スクリーニング

2011/7/18
化学物質1000種類をGC/MSで一斉スクリーニング
~GC/MS用包括的一斉分析・相対定量ソフトウェアNAGINATAの原理と適用事例~
中島晋也(西川計測株式会社)
NAGINATA<ナギナタ>の原理
GC/MSでの定性と定量には、保持時間と検量線が必要
12.20
12.40
12.60
12.80
13.00
13.20
13.40
13.60
13.80
14.00
14.20
14.40
装置状態で保持時間/検量線は変わる
測定前に標準物質を測定して、保持時間・検量線を更新
装置状態一定なら、保持時間・検量線は変わらない
S.Nakashima
1
2011/7/18
緊急時のGC/MSによるモニタリング
工場や車両などからの
化学物質漏洩による環境汚染・健康被害
原因物質が不明
GC/MSスキャン測定+MSスペクトルライブラリによる解析
多数の妨害物質に埋もれた原因物質を特定可能?
濃度の推定には標準物質が必要。入手可能?
経験豊富な分析者がいつも対応可能?
S.Nakashima
河川の化学物質汚染での解析事例
鎌田憲光様(岩手県環境保健研究センター)
GC/MS一斉分析データベースによる汚染物質の解析・環境化学討論会・北九州市・2007.7より
河川において魚類へい死が発生した事例でのGC/MS測定結果
TIC
m/z 213.170 マスクロマトグラム
16分付近のTICの拡大
シメトリンを検出
通常のMSライブラリによる解析ではシメトリンを検出することは非常に困難
多数の化学物質を自動検出できるシステムが必要!-NAGINATAS.Nakashima
2
2011/7/18
NAGINATAとは
GC/MSシステムの精度管理サポートとデータベースによる多成分相対定量
が可能なソフトウェア。
一般的な分析
NAGINATA
GC/MSの
・各分析者の判断
管理
・システムパフォーマンスチェック
機能により客観的に評価
サンプルの ・全ての標準物質が必要
分析
'保持時間(
・全ての検量線作成が必要
・通常は標準物質が不要
・検量線の作成も不要
データの
解析
・データベースを用いた
全自動解析
・分析者による手作業
高コスト&長時間、限定した物質
分析者の経験を要求
低コスト、網羅的、標品不要
だれでも同じ結果が得られる
NAGINATAでの分析の流れ
サンプリング&前処理
液液、SBSE、SPEなど
システムパフォーマンスチェック'50分(
サンプルの測定'50分(
NAGINATA
ソフトウェア
NAGINATAデータベース
データ解析
保持時間
MSスペクトル
検量線
データベースでの自動検出と相対定量'約1分(
NAGINATAブラウザーによる確認
3
2011/7/18
システムパフォーマンスチェック
システムパフォーマンスチェックサンプルを測定し、各化合物の検出量や
ピーク形状からGC/MS状態をNAGINATAが自動的に判断してレポート。
NAGINATAクライテリアサンプル
*林純薬工業より市販
化合物名
4-Chlorotoluene-d4
1,4-Dichlorobenzene-d4
1-Octanol
2,6-Dimethylphenol
2,6-Dimethylaniline
Naphthalene-d8
2,6-Dichlorophenol
Benzothiazole
2,4-Dichloroaniline
Acenaphthene-d10
Diethylphthalate
Tributylphosphate
2,4,6-Trinitrotoluene
Pentachlorophenol
Tris(2-chloroethyl)phosphate
Phenanthrene-d10
DFTPP(Decafluorotriphenylphosphine)
2,4-Dinitroaniline
Fluoranthene-d10
Butyl benzylphtalate
Chrysene-d12
Perylene-d12
Isoxation
Simazine
Fenitrothion
Chlorpyriphos
Captafol
Chlorpyriphos methyl
GC/MS状態の判断基準化合物と基準例
用途
内部標準
内部標準
部位
内部標準
化合物
>0.7ng
Isoxathion
>0.7ng
2,4-Dinitoroaniline
<1.5 テーリング度
Pentachlorophenol
<3 テーリング度
Simazine
<1.5 テーリング度
カラム(IF側)
Fenitrothion
>0.7ng
MSスペクトル
DFTPP
Pass EPA method
625 criteria
R.T.
Chlorpyrifos-methyl
or Chlorpyrifos
±0.05分以内
(RTL使用)
注入口
内部標準
カラム
(注入口側)
内部標準
内部標準
内部標準
内部標準
基準
Captafol
RTL用
注入口の評価例
適切な装置状態
1: Isoxathion
2: Butyl benzyl
phthalate
3: Captafol
4: p,p-DDT
ア バンタ ゙ンス
アバンダンス
イオン 235.00 (234.70 ~ 235.70): STD_02.D
イオン 105.00 (104.70 ~ 105.70): N_STD05.D
イオン 79.00 (78.70 ~ 79.70): N_STD05.D
11500
11000
5500
10500
3
5000
4500
4000
1
4
10000
9500
9000
8500
8000
7500
7000
3500
6500
3000
5: p,p-DDD
6000
2
2500
5500
5000
4500
2000
4000
1500
3000
3500
5
2500
1000
2000
1500
500
1000
0
23.00 23.50 24.00 24.50 25.00 25.50 26.00 26.50 27.00 27.50 28.00 28.50
Time-->
500
0
24.50
25.00
25.50
26.00
26.50
27.00
27.50
28.00
Time-->
注入口が汚染された装置状態
アバンダンス
ア バンタ ゙ンス
イオン 235.00 (234.70 ~ 235.70): STD_001.D
イオン 105.00 (104.70 ~ 105.70): N_STD10.D
イオン 79.00 (78.70 ~ 79.70): N_STD10.D
11500
11000
5500
10500
10000
5000
9500
9000
4500
8500
2
4000
3500
4
8000
7500
7000
6500
3000
6000
2500
5000
5500
4500
2000
5
4000
3500
1500
1000
1
3
3000
2500
2000
1500
500
0
23.00 23.50 24.00 24.50 25.00 25.50 26.00 26.50 27.00 27.50 28.00 28.50
Time-->
1000
500
0
24.50
25.00
25.50
26.00
26.50
27.00
27.50
28.00
Time-->
S.Nakashima
4
2011/7/18
カラム入口側の評価例
正常時
アバンダンス
1:シマジン
2:ダイアジノン
3:チオベンカルブ
イオン 201.00 (200.70 ~ 201.70): YN0303_2.D
イオン 137.00 (136.70 ~ 137.70): YN0303_2.D
イオン 257.00 (256.70 ~ 257.70): YN0303_2.D
75000
70000
65000
2
60000
1
55000
50000
45000
40000
35000
3
30000
25000
20000
15000
10000
5000
0
8.00
9.00
10.00
11.00
12.00
13.00
14.00
15.00
Time-->
カラム'注入口側)劣化時
アバンダンス
イオン 201.00 (200.70 ~ 201.70): YN0303_1.D
イオン 137.00 (136.70 ~ 137.70): YN0303_1.D
イオン 257.00 (256.70 ~ 257.70): YN0303_1.D
15000
14000
13000
12000
2
11000
10000
9000
8000
7000
3
6000
1
5000
4000
3000
2000
1000
0
8.00
9.00
10.00
11.00
12.00
13.00
14.00
15.00
Time-->
S.Nakashima
カラム出口側の評価例
3
2
1
1
45
6
7
8
9
10
11
234
6
5
8
7
Fig..3 フェニトロチオン他のクロマトグラム
9
10
11
上:正常時、下:劣化時
1:シマジン、2:プロピザミド、3:ダイアジノン、4:クロロタロニル、5:イプロベンホス、6:フェニトロチオン
7:チオベンカーブ、8:イソプロチオラン、9:イソキサチオン、10:クロロニトロフェン、11:EPN
S.Nakashima
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2011/7/18
GC/MS評価レポート
PASSしない部位はメンテナンス必要
だれでも簡単にGC/MS状態をチェック
NAGINATAによる解析結果を安心して利用できます
S.Nakashima
NAGINATA データベース測定条件
システム: 6890GC/5975MS
カラム: HP-5MS (30 m  0.25 mm × 0.25um)
オーブン温度 : 70℃ (2min) -25℃/min -150℃
-3℃/min -200℃ -8 ℃/min -280℃(10min)
-10 C/min -300 C
注入モード: スプリットレス
注入口温度: 250℃
注入量
: 2uL
MSインターフェース温度: 280 C
カラムヘッド圧: リテンションタイムロックにて設定
(クロルピリホスメチル= 16.593min)
)NAGINATA市販データベースの測定条件です。
同一条件で測定したデータをユーザーが追加可能です。
6
2011/7/18
データベース登録項目
Malathion
乱用薬物データベース
RTLにより固定
Abundance
保持時間
RT = 18.744 min相対強度比(QT%)
質量スペクトル
0.05-5.0 mg/mlの検量線
y = Ax + B
検 量 線
Time / min
保持時間
データベース登録項目
Malathion
乱用薬物データベース
MA-AC TIC
RTLにより固定
Abundance
保持時間
質量スペクトル
検 量 線
m/z
定量用イオン(T) 173
MA-AC
127
RT =確認用イオン(Q)
9.26
相対強度比(QT%)
min
QT比=1.00
0.05-5.0 mg/mlの検量線
y = Ax + B
Time m/z
/ min
MSスペクトル
7
2011/7/18
データベース登録項目
Methamphetamine
Malathion
乱用薬物データベース
Abundance
Peak area ratio
MA-ACの質量スペクトル
MA-AC TIC
検量線'内部標準法(RTLにより固定
保持時間
m/z
IS フルオランテン-d10
定量イオン(T)
58
MA-AC
定性イオン(Q)
100
RT = 9.26
相対強度比(QT%)
min
質量スペクトル
2
y =
0.074x
yQT(Abundance)比率算出
=
19.89+0.104x
x + 2.61
0.05-5.0 mg/mlの検量線
0.01-1.0
0.05-5.0
mg/ml
y = Ax
+
B mg/L
検 量 線
100
200
300
400
Concentration/
Time m/z
/ min mg/L
検量線
NAGINATAデータベース登録化合物
環境汚染物質
216
農薬類
548
容器包装添加剤
184
化学兵器剤
15
乱用薬物'非売品(
413
合計
保持時間
1384
MSスペクトル
検量線
8
2011/7/18
NAGINATAによる解析結果
MSスペクトル
のヒット率
定量値
データベースに登録された全化合物の存在可能性と
相対定量値を自動でレポート
各化合物の可能性
RT,QT比,MSHit
から判断。
+++++が最高点
ナギナタブラウザーでの確認
定量イオン
MSスペクトル
'減算処理(
MSスペクトル
'Turu処理(
確認イオン
ライブラリ
TIC
検出/定量
結果
各化合物のクロマト/スペクトルを簡単に検証
主要な4ion
9
2011/7/18
NAGINATAの活用事例
GC/MS 一斉分析データベースによる汚染物質の解析
鎌田憲光ら(岩手県環境保健研究センター) 環境化学討論会・北九州市・2007.7
要旨
河川において魚類へい死が発生した場合、有害物
質・水温・pH・酸欠等が要ととして考えられ、その
原因は、魚類の死亡状況や周辺環境等から総合的に
判断される。その中で、有害物質が原因であると推
測された場合は、急性毒性が高い6価クロムやシアンは比色
法、重金属類はICP発光法、有機化合物はGC/MS法(ス
キャンモード)で化合物の推定が行われている。
原因物質として農薬が疑われた場合、水道水源と
して使用される河川では特に原因究明が急がれる。
従来法では定性・定量を行うために、標準物質の入
手や標準液の調整が必要であるが農薬は種類が多く、
迅速な分析が困難である。今回、農薬による汚染が
疑われた魚類へい死事例について、標準物質を必要
としない一斉分析データベースを搭載したGC/MSを用いて
解析し、従来法との比較を行ったので報告する。
結果と考察
1
従来法での推定
従来法でのGC/MSのトータルイオンクロマトグラム(TIC)を図1に示した。クロマトグラムは多数のピークが重なり
合い、ライブラリサーチや知識経験を頼りにしても、その中から農薬のピークを検出することは困難
であった。
2
本法(NAGINATA)での解析
本法による解析を行った結果を表1に示した。
事例1では、殺菌剤であるピロキロン・イソプロチオラン、除草剤であるブロモブチド・シメトリンが、0.0002
~0.0030mg/Lの濃度範囲で検出された。これらの農薬は周辺地区でも日常的に使用され、溜
め池に混入してきたと推定された。
事例2では、殺ダニ剤であるクロルフェンソン、消毒剤であるフェノール・クレゾールが、0.0008~
0.0030mg/Lの濃度範囲で検出された。この中で、クロルフェンソンは1996年に登録失効されており、
現在は使用されない農薬である。そのことから、不要になった農薬が河川に不法投棄された
可能性が極めて高いと考えられた。
3 従来法との比較
(1) 化合物検索
前述したとおり従来法ではTICからの汚染物質を推定することは2事例とも困難であった。
本法でシメトリン(事例1)を検索した例を図2に示した。図2-1はシメトリンの検出を予測したリテンションタ
イム付近のTICであるが、拡大しても従来法では検索するのが非常に困難であった。
しかし、本法では、データベースに登録されたマススペクトルを用いて自動検索を行い、マスクロマトグラム
(図2-2)及びバックグラウンドを自動減算したマススペクトル(図2-3)を同時に得ることができる。ここ
で得られたマスクロマトグラム(m/z 213)により、夾雑物質の中からシメトリンを検出し、確認イオンとのアバ
ンダンス比率及びマススペクトルのヒット率から本物質を確認することができた。また、他の化合物につ
いても同様に検索し、表1に示したとおり多成分を同時に確認することができた。
(2) 定量性
標準物質を当所で保管していたピロキロン及びイソプロチオランについて、絶対検量線法による定量
を行った(表2)。本法と従来法の定量値はそれぞれ、ピロキロンは0.0030及び0.0028 mg/L、イソプ
ロチオランは0.0011及び0.0017 mg/Lとなり、本法による定量値は十分に信頼できる値であった。
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2011/7/18
GC/MS 一斉分析データベースによる汚染物質の解析
鎌田憲光ら(岩手県環境保健研究センター) 環境化学討論会・北九州市・2007.7
事例1
事例2
図1
ピロキロン
事 イソプロチオラン
例
ブロモブチド
1
シメトリン
事 クロルフェンソン
例
フェノール
2
クレゾール
魚毒性
(48hr LC50の値(クレゾールの 備考
み96hr))
>10 mg/L(コイ)
殺菌剤
0.5~10 mg/L(コイ)
>10 mg/L(コイ)
除草剤
>10 mg/L(コイ)
0.5~10 mg/L(コイ)
殺ダニ剤
85 mg/L(コイ)
消毒剤
13.8 mg/L(ヒメダカ)
トータルイオンクロマトグラム
上:事例1
下:事例2
2-3
2-1
NAGINATA
相対定量値
(mg/L)
0.0030
0.0011
0.0003
0.0002
0.0030
0.0008
0.0008
検出物質
2-2
2-4
まとめ
魚類へい死等の緊急事故が発生した場合、サンプリングま
でに時間を要するために原因物質が希釈・拡散され、魚類
致死量よりも低濃度での解析が求められるため、従来法で
の検索は困難である。
今回、本法により、農薬の標準物質を用意せずに、低濃
度の未知化合物の検索及び濃度の推定が可能であることが
証明された。このことから、本法は緊急事故対応に非常に
有用であることが確かめられた。
水質事故等の緊急時における油分をはじめとした有機化合物の
GC/MS Scan法による迅速な定性分析法の検討
園山 雅幸ら(財団法人 島根県環境保健公社) 環境化学討論会・北九州市・2007.7
水質事故等における原因究明として、有機化合物については GC/MS の Scan 測定による定性分析を行うのが一
般的である。しかしながら、マススペクトルライブラリーあるいは保持指標といった情報をもとに試料中の成分を同定
した後、標準試料による確認を行う本手法は、非常に熟練と時間を要する。そのため緊急の際の定性分析として、よ
り迅速かつ簡便な定性分析法が望まれる。
本法は、測定に Scan 法を採用しているため農薬成分のみならず、多種多様な成分の同時モニタリングおよび定性
が可能であり、試料中の成分の包括的な把握ができると考えられる。そこで今回、本手法の適用範囲をさらに広げる
ため、水質事故時の緊急検査として頻度の高い油分の定性分析に適用することを試みた。主に鉱物油の分類に本
測定を適用し、その簡便性、迅速性および有用性を検証することとした。
データベース
水質分析において
このようなソフトウエアが実際に適用可能であれば ・ ・ ・
緊急時のスクリーニング法として有用な一手法となり
得るのでは?
これまでに
水道水質農薬成分へ適用
→有用性 (定性力、定量性(について検証
定性力・・・農薬成分に限らず、多種多様の成分を同
時モニターでき、迅速に定性処が理可能
定量性・・・スクリーニングレベルでは実用充分
本検討では・・・ ★本法の適用範囲の拡充★
○水質事故の原因として頻度の高い油の流出事故
油分(鉱物油)の定性分析へ適用し、迅速かつ簡便な
定性メソッドの構築を試みる
sum ⑦
鉱物油分類 データベース
各鉱物油の n-パラフィンの分布 (まとめ(
100
100
80
A重油
80
強度比
強度比(%)(%)
はじめに③
60
60
灯油
ワセリン
軽油
40
40
20
20
ミシン油
0
0
C10
C10
C12
C14C15 C16
C18
C20
C20
C22
C24
C25
C26
炭素数
直鎖型飽和炭化水素類
炭素数
C28
C30
C30
C32
軽油
灯油
A重油
ミシン油
ワセリン
各参照試料における
n-パラフィンの分布の様子
軽油'◆(と重油(■(の分布が非常に類似。
★その他の参照試料については、容易に分類が可能。
11
2011/7/18
水質事故等の緊急時における油分をはじめとした有機化合物の
GC/MS Scan法による迅速な定性分析法の検討
園山 雅幸ら(財団法人 島根県環境保健公社) 環境化学討論会・北九州市・2007.7
測定例①-4
まとめ
本検討のまとめ
測定例①・・・油分の分類
ミシン油 '参照試料(
解析結果・・・①ソフトウエアによる解析結果
強度比
強度比
◆解析支援ソフトウエアの適用
C13
C14
C15
C16
C17
C18
C19
C20
C21
C22
ミシン油
参照試料
測定試料
炭素数
ミシン油
参照試料
測定試料
0.7
0.3
36.6
92.5
100
69.0
44.4
24.0
20.6
4.0
3.9
13.3
42.1
91.5
100
62.2
32.6
22.0
14.8
C23
C24
C25
C26
C27
C28
C29
C30
C31
4.3
8.0
5.6
-
14.5
14.1
11.8
2.5
3.5
3.3
4.9
2.0
4.0
強度比 (%)
100
100
炭素数
80
80
○RTLメソッドによるピークパターン
解析の支援
○データベースにより速やかな定性処理
60
40
60
40
20
20
C10
C12 C14C15
C16 C18 C20
C26 C28 C30
C10
C20C22 C24C25
C30C32 C33
n-パラフィン 炭素数
分布のプロット
n-パラフィン類の分布
m/z=85
アバンダンス
イオン
8 5 .0 0 (8 4 .7 0 ~ 8 5 .7 0 ): p e st- oil- 2 .D
140000
26000
25000
23000
22000
21000
m/z=85
イオン
85.00 (84.70 ~ 85.30): ミシンオイル.D
130000
前処理試料
24000
ミシン油'参照試料(
120000
110000
よく類似
18000
17000
16000
15000
14000
◆模擬試料、実試料への適用
→油分をはじめ迅速かつ簡便な定性'スクリーニング(
メソッドとして有用である知見が得られた。
今後の展望
20000
19000
油分分類の
炭化水素化合物およびその他の有機化合物 データベースとして
の定性・定量情報を簡便に取得できる
00
解析結果・・・②ピークパターン解析
アバンダンス
☆水質事故等における迅速かつ簡便な定性手法として
油分 (鉱物油) の定性メソッド
測定試料
100000
90000
80000
70000
13000
12000
参照データの充実
水試料に限らず、土壌・食品分析にも適用
60000
11000
10000
50000
9000
40000
8000
7000
30000
6000
5000
20000
4000
3000
10000
2000
1000
0
0
5 .0 0
1 0 .0 0
1 5 .0 0
2 0 .0 0
2 5 .0 0
3 0 .0 0
3 5 .0 0
4 0 .0 0
T ime - - >
5.00
10.00
15.00
20.00
25.00
30.00
35.00
40.00
Time-->
迅速スクリーニング手法の降下ばいじん中化学物質定量への応用
東房健一ら(新川電機株式会社) 日環境全国大会 札幌
福岡市内の弊社屋上に、デポジット採取器'開口部:180mm(を設置し、1ヶ月毎に降下ばいじんを採取したものを、
形態'粒子態及び溶存態(別にそれぞれ、GC/MS(SCAN) で定性・定量を行った。
PAHs類はフェナントレンなど9種が検出され、形態別では、n-アルカン類と同様に、溶存態に比べ、粒子態の検出濃
度が高く、暖房期の検出が顕著であり、特に、12月の検出濃度が最も高い。この原因として、暖房期の化石燃料使
用により大気中のPAHs量が増加し、降雨による粒子降下に加え、12月は降雪による微細粒子の降下が増加したこ
とによるものと考えられる。その他の検出物質としては、アルキルフェノールやニトロフェノールなど7種類が検出され
た。形態別では、粒子態に比べ、溶存態の検出濃度が高い。このうち、 4-tert-オクチルフェノールは11月から5月に
上昇傾向を示し、特に、2月からの上昇が顕著であった。
測定結果'n-アルカン類(
実験内容
① 試料の採取
試料採取:平成16年10月~平成17年5月
採取部
1000
トリデカン
テトラデカン
ペンタデカン ヘキサデカン
ヘプタデカン
オクタデカン
ノナデカン
エイコサン
ヘンエイコサン
ドコサン
トリコサン
テトラコサン
ペンタコサン
ヘキサコサン
ヘプタコサン
オクタコサン
ノナコサン
トリアコンタン
ヘントリアコンタン
ドトリアコンタン
トリトリアコンタン
500
粒子態
5月
4月
3月
2月
1月
12月
11月
5月
10月
4月
3月
2月
1月
10月
12月
0
前処理
'粒子態,溶存態別(
11月
福岡市内のビル屋上'3階立て(に
デポジット採取器'開口部:180mm(
を設置し、1ヶ月毎に降下ばいじんを
採取。
検出量'μ g/m2/月(
1500
溶存態
調 査 月
★ アルカン類としてトリデカン'C13(からトリトリアコンタン'C33)が検出された。
★ 形態別では、溶存態に比べ、粒子態 の検出濃度が高い。
★ 粒子態濃度は11月から3月に上昇傾向が見られる。
★ 黄砂が含まれる3,4月の試料では、黄砂の影響と思われる特異的な現象叉は物質は確認されなかった。
含有化学物質の定性・定量
第14回 日環協・環境セミナー 全国大会 in Sapporo
第14回 日環協・環境セミナー 全国大会 in Sapporo
12
2011/7/18
迅速スクリーニング手法の降下ばいじん中化学物質定量への応用
東房健一ら(新川電機株式会社) 日環境全国大会 札幌
測定結果'PAHs(
測定結果'その他化学物質(
フルオレン
フルオランテン
ベンゾ(a)アントラセン
ベンゾ(k)フルオランテン
ベンゾ(ghi)ペリレン
40
フェナントレン
ピレン
クリセン
ベンゾ(a)ピレン
2000
検出量'μ g/m2/月(
検出量'μ g/m2/月(
60
20
1600
フェノール
アセトフェノン
4-tert-ブチルフェノール
4,6-ジニトロ-o-クレゾール
2-ニトロフェノール
ベンゾチアゾール
4-tert-オクチルフェノール
1200
800
4-tert-オクチルフェノール
400
フェナントレン
0
溶存態
粒子態
5月
4月
3月
2月
1月
12月
11月
5月
10月
4月
3月
2月
1月
12月
11月
10月
5月
4月
3月
2月
1月
12月
11月
5月
10月
4月
3月
2月
1月
12月
11月
10月
0
粒子態
溶存態
調 査 月
調査月
★ PAHs類としてフェナントレンなど9種類が検出された。
★ 形態別では、溶存態に比べ、粒子態 の検出濃度が高く、暖房期の検出が顕著で、特に、12月の検出濃度
が最も高い。
★ 黄砂が含まれる3,4月の試料では、黄砂の影響と思われる特異的な現象叉は物質は確認されなかった。
★
★
★
★
その他の化学物質としてフェノール,2-ニトロフェノールなどの7種類が検出された。
形態別では、粒子態に比べ、溶存態 の検出濃度が高い。
4-tert-オクチルフェノールは11月から5月に上昇傾向を示していた。
黄砂が含まれる3,4月の試料には、黄砂の影響と思われる特異的な現象叉は物質は確認されなかった。
第14回 日環協・環境セミナー 全国大会 in Sapporo
第14回 日環協・環境セミナー 全国大会 in Sapporo
迅速スクリーニング手法の降下ばいじん中化学物質定量への応用
東房健一ら(新川電機株式会社) 日環境全国大会 札幌
まとめ
○ 迅速スクリーニング手法を降下ばいじん分析に応用した結果、
① 降下ばいじん試料から、n-アルカン類,PAHs及び化学物質が約
40種類検出された。
② 迅速スクリーニング手法で検出されたPAHsについて、GC/MS
(SIM)法と比較した結果、良好な相関を示 し、降下ばいじん主成
分であるPAHsの分析にも応用可能であることが確認された。
③ 黄砂などの突発的な状況にも十分に適用可能であるが、今回の測
定では、黄砂による特異的な現象は認められなかった。
標準品を使用せず、測定物質の限定もすることなく、データベースに登録
されている物質の定性・定量が可能。
迅速性が要求される測定・調査や予期もしない
物質が存在しても定性・定量が可能。
第14回 日環協・環境セミナー 全国大会 in Sapporo
13
2011/7/18
QuEChERS前処理手法を用いた土壌中の残留農薬迅速分析
東房健一ら(新川電機株式会社) 日環境全国大会 沖縄
近年、環境分析の分野では、多くの化学物質や農薬の分析を行う場合が多く、これらの分析を行うには多くの時間と
労力を要し、分析対象物質が多くなるほど前処理操作及び分析操作とも煩雑で複雑となる。 演者らは食品農薬分
析の迅速前処理法として実用されているQuEchERS手法を土壌中残留農薬分析の前処理に応用し、定量は試料中
の残留農薬の同定び定量が迅速に行うことができるNAGINATA'GC/MSソフトウエア(を用いて、土壌中の残留農薬
類の迅速分析の検討を行った。
本報告は、これらの検討結果とこの手法を用いて、古民家の床下土壌中残留農薬分析を行った結果、この
QuEchERS-NAGINATA法が土壌中残留農薬類の分析にも十分適用できることが確認できたので報告する。
試料の測定結果
試料の測定結果
★ 古民家床下土壌・前処理状態
D
★ 古民家床下土壌・結果
a- B H C
a -B H C
土壌 A
b-B H C
A B C D
A
A
BC
d-B H C
d- B H C
r- BHC
r-B H C
p,p'- DDT
p,p'-D D T
p,p'- DDE
p,p'-D D E
o,p'-D D T
o ,p'- DDT
ci s -ク ロルデ ン
c is - ク ロ ル デ ン
t r an s - ク ロ ル デ ン
tra ns -ク ロルデ ン
デ ィル ド リン
デ ィ ルドリ ン
BC
ノ ナク ロ ー ル
ノナク ロー ル
ヘプ タク ロ ル
ヘプ タク ロル
0.0
土壌 B
b- B H C
1.0
2.0
3.0
0 .0
4.0
1 .0
2 .0
a- B H C
b -B H C
b- B H C
r- BHC
r-B H C
p,p'- DDT
p ,p '-D D T
p,p'- DDE
p ,p '-D D E
o,p '-D D T
o ,p'- DDT
ci s -ク ロルデ ン
c is - ク ロ ル デ ン
tra ns -ク ロルデ ン
t r an s - ク ロ ル デ ン
デ ィル ド リン
デ ィ ルドリ ン
土壌 C
ノナク ロー ル
1.0
2.0
3.0
土壌 D
ノ ナク ロ ー ル
ヘプ タク ロ ル
ヘプ タク ロル
0.0
4.0
0 .0
1 .0
2 .0
3 .0
4 .0
濃度(ug/g)
濃度(ug/g)
A
4 .0
d- B H C
d -B H C
D
3 .0
濃度(ug/g)
濃度(ug/g)
a -B H C
: 採取地点及び地点名
床下土壌からは、述べ12農薬が検出された。
平成21年度 日環協'九州(・技術研究発表会 in Okinawa
平成21年度 日環協'九州(・技術研究発表会 in Okinawa
QuEChERS前処理手法を用いた土壌中の残留農薬迅速分析
東房健一ら(新川電機株式会社) 日環境全国大会 沖縄
まとめ
☆ QuEChERS-NAGINATA手法を、
土壌中残留農薬に応用した結果、
① QuEChERS前処理手法では、回収率70~120%の範囲内に約75%
の農薬が再現されることが確認された。
② 床下土壌の残留農薬分析に応用した結果、BHC類やクロルデン類など
延べ12農薬が検出され、過去の分析値と検出パターンや検出濃度も
ほぼ、同様な傾向を示していた。
③ 溶媒の使用量も少なく、前処理及び解析時間が大幅に短縮され、低コス
トでの分析が可能であることが確認された。
短時間で比較的精度良く試料作成が可能となり、且つ、標準品を使用せず、
測定物質の限定もすることなく、データベースに登録されている物質の定性・
定量が迅速に行えると考えられます
迅速性が要求される測定・調査や
予期もしない物質が存在しても定性・定量が可能。
平成21年度 日環協'九州(・技術研究発表会 in Okinawa
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2011/7/18
NAGINATAと緊急時の化学物質モニタリング
多成分を迅速、低コストでモニタリングできる手法として、緊急時に限らず
日常的なモニタリングにも活用できます。
安心
専用試薬で評価したGC/MSで測定
信頼性のある測定結果を安心して利用できます
簡単
ソフトウェアが自動的に検出と相対定量
だれでも簡単に緊急時の検査ができます
低
コスト
標準物質の準備や検量線の作成が不要
システム評価~解析終了までわずか2時間
S.Nakashima
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